……いやだからネタとかじゃないってば。いくらなんでも引っ張りすぎでしょ。もう一ヶ月くらい負け続けているっつーの。みんなに証取りを手伝ってもらって、心が痛いっつーの。
前回までは、ちゃんと攻略法通りやってれば軽く倒せるでしょ、とか思ってたんだけど、どうにもこうにも勝てなかったので奥の手を使うことにした。
奥の手は2つある。
まずはオポオポネックレスを使ってTPを溜める方法。これだと、戦闘中にイカロスウィングが使えるので、乱撃を1回多く使うことができる。でも、準備とかめんどくさい。なのでパス。
次の方法は、めんどくさくない。でも、ギルが必要。それは、戦闘中にバイルエリクサーを使ってHPを回復させるという方法。バイルエリクサーだと、アイテム使用の硬直時間が短いので便利らしい。
今回は、バイルエリクサーを使ってみよう、と思った。
ル・ルデの庭で、競売場をチェック。バイルエリクサー発見。HPとMPを同時に少量回復する秘薬、と書いてある。22000ギル。けっこー高い。
ここですこし気になることができた。HPはいいが、MPなんかないぞモンクには。無駄じゃないか。しかも少量しか回復しないのか。こんなんで果たしていいのだろうか。
薬品をいろいろ見てみると、エクスポーションというものがあった。HPを瞬時に回復する秘薬、と書いてある。2300ギル。
むしろこっちじゃないだろうか。HP回復量にも期待が持てる。MPなんかないんだし。でも、硬直時間が長いかも知れない。だが、瞬時に回復、って書いてある。ここはエクスポーションを2本買ってみて、硬直時間を試してみようか。
んー。でもギルがもったいないな。
よし、バイルエリクサーとエクスポーションを1本づつ買おう。まずバイルエリクサーを使って、それでもまだヤバかったらエクスポーションを使おう。
この時点で、10敗目は決まっていたといえよう。
ためる気孔弾で戦闘開始。乱撃を加えてチャクラ。順調にお互いのHPが減る。かなり順調。でも若干劣勢。2度目の乱撃を撃ち、お互いのHPは僅か。ここでHPを回復すれば、勝利は確定だ。
エクスポーション使用。
硬直。
硬直。
硬直。
硬直。
硬直。
悲鳴。
嘲笑。
死亡。
呆然。
調べてみたところ、エクスポーションはHPを150ポイント回復。バイルエリクサーは、最大HP・MPの1/4を回復。 つまりバイルエリクサーならHPが350ポイントくらい回復したってことである。
バイルエリクサーは硬直時間も短い。すべての面においてエクスポーションを使う必然性はなかったのであった。
嗚呼、バカモンク……。
”HagePOWER”内での記録更新。Piyoの9連敗を超えてしまった。
……いやだからネタとかじゃないってば。いくらなんでも引っ張りすぎでしょ。もう一ヶ月くらい負け続けているっつーの。みんなに証取りを手伝ってもらって、心が痛いっつーの。
証がスタックできればなあ……。
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今日はたっぷりとドラクエ三昧。
はげおはカジノにいた。誰もはげおを止めるものはいない。ピエールも「そりゃ! うりゃ!」とか叫ぶだけである。
それにしても虚しい。奴隷から放浪人になり、世界をまたにかけた大冒険野郎として充実した一生を送るつもりだったのだが、すでに行けるところは行き尽くした。まさかこんなにお手軽な世界だったとは思わなかった。城だって、この世界にはたった4つしか存在していない。そのうち1つは、お化け屋敷のテーマパークだ。
地図を見ると、中央にあきらかに怪しい場所がある。記憶が確かなら、はげおが奴隷として満足できる生活を送っていた、某新興宗教の神殿が建設されていた場所だ。誰も行けない場所に神殿をつくるとは、なかなか頭の悪い教祖らしい。
カジノで遊ぶのも飽きたので、いちどグランバニア城に帰ってみようかと思う。ビアンカには逢いたくないが、モンスターたちの装備を整えたい。
深夜に「ルーラ」で飛ぶと、グランバニア城の門は硬く閉ざされていた。入れてくれない。なんてこった。いちおう王族だぞ。こんな城で王になんて絶対なりたくない、とはげおは思った。
仕方がないので、サンチョの小屋に行く。すると、優しく迎えてくれたサンチョの表情が変わった。はげおは、ベッドに押し倒された。
迂闊だった。忘れていた。サンチョはホモだった。サンチョには、ひとりで逢いにいってはいけなかったのだ。
地獄のような朝を向かえ、はげおは逃げるように城に駆け込んだ。これなら、まだビアンカの方がましだ。すがるような思いで、ビアンカに逢いに行くと、今度はビアンカに押し倒された。
地獄を忘れさせてくれるような朝を向かえ、はげおは部屋から出た。そして疑問が確信に変わった。ビアンカは妊娠などしていない。ちっとも腹が出ていない。きっと想像妊娠だったのだろう。
あさはかな策略など、すぐに露見してしまうものである。すこし安心したはげおは、試練の洞窟へ向かうと、あっさりと王家の証をゲットした。意味のわからない仕掛けがあったが、最後まで意味がわからなかった。
グランバニア城に戻ると、大臣が嫌そうな顔をして慇懃無礼に出迎えてくれた。こんなやつ、クビだ。叔父のオジロンは、晴れやかな顔で出迎えてくれた。そんなに王が嫌だったのか。
だがその直後、はげおはまたしてもビアンカの完璧すぎる策略の前に愕然とすることになる。
奥の部屋から、ビアンカの悲鳴が聞こえた。叔父にたきつけられて、階段を駆け登って部屋へ飛び込む。汗をかいて苦しそうなビアンカと、それを心配そうに見守る侍女たち。信じられないことに、陣痛が始まったらしい。
どういうことだ。腹にはなにも入っていなかったはずだ。
そろそろ生まれるので、部屋を出て行けと侍女たちにいわれる。おろおろと、指示に従うはげお。
部屋の外に出て、考え込みながら階段を降る。これはいったいどういうことだ。
まさか! はげおは気づいた。
その直後、赤ん坊の産声がした。はげおには、閻魔大王の断罪の声に聞こえた。
ドアを開けると、そこには赤ん坊が2人。ビアンカとともに、ベッドに大きな赤ん坊が2人いた。
はげおは素早く侍女たちの表情を見た。確信した。やはりそうだ。間違いない。ビアンカと同じ目をしている。
罠だ。ビアンカの恐るべき魔手は、この城の侍女たちをも虜にしていた。おそらく、王の妃になったときに便宜を図るといいふくめ、買収したのだろう。あの赤ん坊は、どこからか誘拐してきたに違いない。
ビアンカ。甘く考えていた。なんて恐ろしい女なのだ。
はげおは、震える手で赤ん坊を抱く。似ていない。はげおとも、ビアンカとも。産まれたてでもない。おそらく誘拐してきた赤ん坊だ。いや、まずしい家庭から、金で買ってきたのかも知れない。
考えられることはひとつ。はげおが王になったなら、ありとあらゆる手段を使ってはげおを暗殺するつもりであろう。そしてまだ子供の王位継承権を持つ息子の変わりに、ビアンカ自身が政権を握る。
完璧な策略だ。
そこまで考え抜かれていたとは。
逃げられない。すでに包囲網は完璧だ。王位の禅譲というタイミングに、出産をからませるとは。家臣や兵や民たちは、祝福の気持ちでいっぱいである。わずか数名を除いて、その気持ちに嘘偽りはない。
とても出産を終えたばかりとは思えないくらい元気なビアンカに、子供の名前を決めてくれといわれる。仲の良い夫婦を演じるというわけか。はげおは決めた。この子供たちに罪はない。だが、ビアンカの思い通りにはさせない。叔父や家臣の前で、はげおは大きな声で名前を口にした。
息子の名は、はなげ。
娘の名は、まつげ。
はげおは後頭部に衝撃を受け、気を失った。
気づくと、翌朝になっていた。昨日出産を終えたばかりとは思えないくらい優雅に振舞うビアンカは、はげおの顔を見ると壮絶な顔で睨んだ。はなげ王子にまつげ王女。名前は、決定されていたようだ。
彼らの将来に、すこしだけ同情する。だが、それははげおにしたって同じだ。だいいち、パパはパパスで叔父はオジロンである。鼻毛があるから、はなげ。睫毛があるから、まつげ。まったく問題ない。むしろ王家らしい名前である。ムスコン、ムスメン、とかよりよっぽどマシである。
仰々しい式典が開かれ、王位の禅譲式が始まる。
それなのに、またしてもはげおは普段着である。叔父はしっかりと王冠を頭にのせ、高級シルクの赤い服をまとっている。
赤いマントをかけられた。たったそれだけで、王位を禅譲されたらしい。王冠は、まだ叔父の頭に載せられている。
はげおは、普段着である。モンスターの返り血がついた、ボロボロの旅装束である。そんな姿で、国民へお披露目である。馬車もみこしもなく、徒歩のパレードである。このまま国内をねりあるかなくてはいけないらしい。しかもはげおが先頭に立って歩く。わけがわからない。これは拷問ではないのか。国民の失笑が聞こえる。さらし者である。大臣の悪意を背中に感じる。こんな禅譲式があってたまるか。
国民全体を巻き込む盛大なパーティーが開かれる。驚くべきことに、大臣はビアンカとなにやらクスクス笑いながら話していた。そうか、大臣までも仲間にしていたのか。この式典の悪意は、ビアンカのものでもあったのだ。
はげおは、早々に酔いつぶれた。
薄く目を開ける。どれくらい眠っていたのか。はげおは重い身体を起こすと、あたりを見回す。まだ夢の中にいるようだ、と思った。それも、とびっきりの悪夢だ。周りは酒に酔いつぶれたひとの海。酒と嘔吐と汗の強烈な匂いに満たされた、深夜の城。おぞましい鼾の合唱に、歯軋りが混ざる。
いったいなにが起こったのか。はげおは一瞬で醒めた。そして思い当たることはひとつ。ビアンカだ。
まったく予測不能だ。ビアンカはいったいなにを企んでいるのか。はげおは立ち上がると、階段を駆け登ってビアンカの部屋へ向かう。それにしても、玉座よりも上にビアンカの部屋があるというのはどういうことか。
部屋に入ると、青ざめた顔をした侍女が飛び出してきて、はげおにすがりつく。赤ん坊を抱いている。詰問すると、大臣がビアンカともめて、北の方へ飛んでいってしまったという。
仲間割れか。あれほど仲がよさそうだったのに、些細なことで喧嘩でもしたのであろうか。
城から北を見ると、教会がある。そして、月に照らされたあからさまに怪しい塔がある。あそこに、ビアンカと大臣の策略のすべてがある。はげおはそう思った。
これは、チャンスかも知れない。大臣もろともビアンカを始末し、本当の自由を手に入れるチャンスかも知れない。はげおがあの塔でビアンカを斬ったとしても、誰も見ているものはいない。モンスターたちは、はげおの味方だ。
今しかない。
大臣の部屋へ堂々と乗り込むと、慣れた手つきで部屋を物色する。みつけた。きっとこの靴だ。そらとぶくつ、と稚拙な字で書いてある。外へ出ると、かなり匂うその靴を、はげおはさっそくはいてみる。足が地面から離れ、城の北にある川を飛び越えた。
教会に入ると、モンスターの軍団が塔を目指して行進していたという情報を得る。モンスターが満面の笑みで死んでいた、とも。いったいあの塔でなにが行われているのだろうか。
デモンズタワーと呼ばれる塔へ入る。入り口に頭の悪そうな盗賊の兄弟がいたが、シカトする。
複雑に入り組んだ塔だったが、仲間のモンスターとともに有意義に攻略していく。我ながら強くなったもんだ、とはげおは思った。ビアンカを追い詰めていると思うと、もうそれだけで血沸き肉踊る。
途中に、大臣が倒れていた。ビアンカに返り討ちにあったのだろう、なにやら呻きごとをいうと、血を吹いて死んでしまった。哀れな男だ。ビアンカは女とはいえ、ともに冒険した仲間だ。城でぬくぬくと暮らしていた男が勝てる相手ではない。
いよいよ、最上階へ到着した。やたら口だけは偉そうなオークやキメーラを軽く倒すと、怪しげな部屋へ出た。
いた。ビアンカだ。馬づら、というか馬そのもののモンスターと、なにやらもめている。
チャンスだ。はげおは剣を抜き、襲い掛かった。ビアンカは殺気に気づいたのか、素早く離れる。お楽しみはあとだ。まずは馬からだ。はげおはビアンカに不敵な笑みを送ると、馬に斬りかかる。しかし、どんな魔法を使っているのか、まるで歯が立たない。受ける攻撃はたいしたことはないが、こちらはクリティカルの攻撃でやっとダメージを与えることができるくらいだ。
ビアンカが、なにかを唱えた。すると、馬に攻撃が通るようになった。馬は驚き、ビアンカは勇者の血を引くものだと叫ぶ。茶番だ。ビアンカは、天空の剣を装備できなかった。
ビアンカの真意はともかく、馬とまともに戦えるようになった。はげおが有利と見て、乗り換えたのか。馬への報復か。どちらでもいい。馬を倒したら、次はビアンカだ。
なにやら意味のわからないたわごとを叫び、馬は死んだ。血がしたたる剣を、はげおは収めない。そのまま、ビアンカに向く。ビアンカの顔が恐怖に歪む。今更どんな言葉を口にしようと、はげおの気持ちは変わらない。今ここで、この悪夢から開放されるのだ。
だが、ビアンカが恐怖したのは、はげおではなかった。
気づくのが遅かった。背後に現れたそいつは、はげおとビアンカを瞬時に石に変えた。意識はある。だが身体が動かない。声も出せない。仲間のモンスターたちは、そんなはげおを見ると、瞬時に逃げ出してしまった。
仲間だと思っていたモンスターたちも、本当の友達ではなかった……。
ビアンカの殺害に失敗し、モンスターにも逃げられ、石にされてしまった。
はげおの人生は、どこまで堕ちてもまだ堕ちていく。とどまることを知らない。
入り口にいた悪そうな盗賊の兄弟が、はげおが攻略した道を辿ってこの部屋までやってきた。はげおとビアンカの石造を見つけ、かなり高価で売れるだろうと話している。なにしろ本物の人間が石造になったのだ。どんな芸術家が彫ったものよりも、リアルであろう。
盗賊の馬鹿兄弟は、はげおとビアンカの石造を軽々と抱え上げ、塔から脱出する。とんでもないパワーだ。
どこかの街へ輸送され、オークションに出品されるはげお。奴隷の次は人身売買か。脂ぎった顔の富豪が買ってくれた。ビアンカと離れられたのが、唯一の救いだ。
富豪の屋敷の庭に設置されたはげお。指一本すら動かせないが、思考だけはできる。生き地獄だ。
はげおの背後で、なにやら楽しそうな声がする。富豪の子供が初めて歩いたようだ。成長する子供。しかしいくら背後で楽しくやられても、ちっともはげおは見ることができない。拷問に近い。
春になり、夏になり、秋になり、何度目かの冬がくる。
はげおの背後で、悲鳴がした。はげおには見えないが、なにか事件が起こっている。悲しみの声が聞こえ、はげおは富豪に蹴り倒された。もはや風景を楽しむこともできず、地面を眺めるだけになった。
はげおは、考えるのをやめた。
うーん。
こんなに酷いストーリーだったとは。先が楽しみじゃあないか。
それにしても、石像時代はきびしかった。淡々と画面が流れるのを、強制的に見せられる。早送りができないかとじたばたしてみたけど、どうにもならなかった。
なんか疲れたので、だらりと就寝。
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朝9時起床。自分の部屋を見て、不安に思う。このままでいいのだろうか。
いや、別に部屋の汚さや乱雑さやごちゃごちゃさを嘆いて改心しようと思ったわけではまったくない。いまさらそれは不可能である。もう小奇麗な部屋では暮らせない。
本日、ついに我が家に光ファイバーすなわちFTTHが導入されるのである。
その工事が10時からあるのである。
噂によると、工事が行われる場所は、電源とTV電波のジャックがある場所らしい。
そしてそれは、PCとモニタ2台とプリンタとザクIIとマンガとゲームと薬と書類とゴミと埃とその他もろもろが積み重なった、自慢のデスクの裏の壁に存在する。
このままでいいのだろうか。
デスクをどかさないと、工事なんてできないんじゃないだろうか。そう思ったので、すこしづつ片付けることにする。うわー埃がスゴイー。ゲホンゲホン。
とかやってたら、あっという間に10時。工事のあんちゃんが到着。デスクの下に強引に潜り込んで作業を始めたが、こりゃあマズイなあ、とか思ったので、作業で外に出て行ったスキに素早く整理。PCとモニタ2台載せたままデスクをずらして作業できる空間を作る。
意外とちゃんとした工事で、光ファイバーを壁の中に通して外に出したりと時間をかけていろいろやっていた。その間、ヒマなのでタバコ吸ったりテレビ観たり。汗だくで働くあんちゃんを尻目に、ソファでくつろぐ。嗚呼、嫌な客。
1時間30分くらいでやっと工事完了。今回はお試し期間なので、グローバルなIPはひとつだけ割り振られるらしい。設定はDHCPだけど。ていうかマニュアルもコピーの簡素なやつだし、契約内容とかそのへんサッパリなんですけど、いいんでしょうかUSENさん。
一応計測では、50M以上の速度が出ていた。上りは47Mくらいだったかな。本契約になれば、ルータ通さなくてもハブで分けられるらしい。
10Baseなんですけど。うちのハブ。
100Baseのスイッチングハブ買ってこなくちゃ。しばらくは、ADSLとFTTHのダブル環境。
というわけで、昼メシ喰ってドラクエ開始。
どれくらい時が経ったのだろうか。石像になったはげおは、懐かしい声を耳にした。懐かしいが、嫌いな声だ。
取引が行われている。はげおが見ることができるのは、地面の土だけだ。いったいだれがはげおを買い取ったのだろうか。この懐かしい嫌な声の主のことが思い出せない。
思い出したくなかっただけだった。倒されていたはげおが起こされると、あのホモのデブが視界に入った。サンチョだ。年齢不詳のこのデブは、はげおを慈しむような目で見ている。
子供の声がした。視界には入らないが、子供がいる。2人。
奇跡が起こった。
はげおは、石像から開放された。人間に戻ったのだ。視界が広がる。空気を肌で感じられる。太陽の暖かさを感じられる。指が動かせる。サンチョの汗臭い体臭も匂う。
予期せぬ声を聞いた。お父さん。サンチョとともにやってきた男の子と女の子は、はげおのことをお父さんと呼んだ。
頭が混乱する。この子供は、まさかあのときの。
問いただす間もなく、「ルーラ」で飛ばされるはげお。ぽかんと立ち尽くす富豪の顔が印象的だった。
グランバニア城に到着すると、国王であるはげおを歓迎してくれた。あれから、もう8年も経過していた。叔父のオジロンはやっと王冠を外したらしく、摂政として国を維持してくれていたらしい。そういえば、はげおはこの国の王であるはずだが、王らしいことをひとつもしていなかった。国民ではげおのことを知らないひともいるだろう。なにしろ、たった一度禅譲式を執り行って顔を見せただけなのだ。
城の雰囲気で、ビアンカがいないことがわかる。大臣とビアンカがいないだけで、こんなにも城の雰囲気が変わるのか。サンチョの生暖かい視線だけが不快だが。
男の子と女の子は、やはりはなげとまつげであった。とんでもない名前をつけられたのにも関わらず、素直にスクスクと育ったらしい。この純真な瞳を見ても、ビアンカの血を引いていないのだとわかる。
更に驚くべきことに、父のパパスが求めていた勇者の血を、はなげは引いているという。あの伝説の、天空の剣を装備できるというのだ。なんということだ。どこから拉致してきた子供か知らないが、こんな偶然があるとは。
はなげとまつげは、執拗なほどなついてくる。実の子供ではないとはいえ、可愛いものだ。余程寂しかったのであろう。なにしろ、王族である上に、こんな名前である。きっと友達もいないのであろう。まつげなど、モンスターが友達だといっている。
子供たちは、お母さんを探して救い出すのだといっている。はげおは、ビアンカとは逢わせたくないと思った。この子供たちの人生を狂わせてはいけない。そう思った。
外に出てみて驚いた。あの御者席のない馬車の中には、あの日はげおを見限って逃げ出したモンスターたちが入っていた。今では、まつげの友達だ。萎縮した目をしているモンスターたちを、はげおは許そうと思った。所詮モンスターなのだ。友情を求めようということの方が無理がある。まつげにも、早く気づいてもらいたい。
子供たちに押し切られ、ビアンカを探すという名目で旅に出る。こんな国王を貰った国民は不幸であると思うが、実際はオジロンが政治を仕切っているのでまったく問題はない。王など、ただの飾りなのだ。
はげおは、「ルーラ」でオラクルベリーへ飛ぶ。久しぶりに自由になったのだ。精一杯遊びたい。
子供たちを放置して、スロットに明け暮れる。ダメな親であるとは思うのだが、もともと血が繋がっていないのだから義務感も責任感もない。はげおは攻略法を記したアンチョコを店員にバレないようにこっそりと見ながら、確実に儲けていく。そして、ついにコイン100万枚を達成した。
メタルキングの剣を、数本入手する。はなげは天空の剣が使えるので、この最強の剣はモンスターに持たせた。まつげには、グリンガムのむちを与えた。素直に喜ぶまつげ見ると、自分がどんなに薄汚れた大人なのかと思い、鬱になる。
思い起こせば、幼少の頃から放浪の身であった。唯一定職に就いたといえば、奴隷だ。それからまた放浪の身。そしてビアンカの魔手に落ち、挙句に石像にされた。こんな人生では、まともな人間に育つわけがない。
愛が欲しい。はげおはそう思った。
まつげ。そうだ、石像になったお蔭で、まつげとは12歳しか離れていない。十分許容範囲内ではないか。素材は良い。これからまつげを自分好みの女性に育てれば、素晴らしい未来を手に入れることができるのではないか。はげおは、このアイディアに興奮した。
カジノを出ると、ラインハット城へ「ルーラ」で飛ぶ。久しぶりにヘンリーに逢いに行くと、彼の息子がいた。昔のヘンリーにそっくりな生意気な子供で、まつげはかなり嫌っていた。マリアとは対照的に、ヘンリーはやつれていた。いろいろと苦労が多いのだろう。
しばらく放浪してから、いったんグランバニア城に戻る。相変わらず、国王がいなくてもなんの問題もない国だ。
まつげを育成する計画を練っていると、お母さんを助けにいこうと子供たちがうるさい。あんな悪魔を助けたら、それこそ世界の終焉だと思うのだが、子供にそのことを話しても理解できないだろう。はげおは仕方なく、重い腰を上げる。
子供たちとサンチョで、だいたいの見当をつけていたらしい。子供たちは、エルヘブンの村へ行きたいとせがむ。そこに、なにかヒントがあるという。
はげおは子供たちをつれて、旅立つ。
この先になにが待ち受けるのか。それは、神のみぞ知ることだ。
なんかやたら疲れている。どうにも疲れが取れない。ていうか限界。もうダメ。
寝ちゃう。ぐぅ。
それにしても、先人たちの努力と好奇心には頭が下がる。カジノのメダル100万枚ゲットの方法。しっかりと分析、解析されており、最初のスロットの位置で、かなり先までの出目が記されていた。
晩メシ喰って、だらだらしてるだけで休日は終わってしまうのであった。
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モリっとコピペ残業して帰宅。晩メシ喰ってログオン。そして放置。
ついに『DEAD OR ALIVE 犯罪者』を観ることになる。近くのレンタルビデオ屋にはおいていなかったビデオだ。TUTAYAで借りてきた。三池崇史監督渾身の出世作。……なのかなあ?
当然のように主人公は哀川翔と竹内力。カッコイイなーこの2人。それ以外にも、石橋蓮司とか鶴見辰吾とか寺島進とか杉田かおるとかダンカンとか田口トモロヲとか。大杉漣もちょろっと出てたりしてて、やたら豪華だ。2作目3作目と、キャストの面ではどんどん弱体化していってたんだな、とか思う。
やかましくも乱雑なカッコイイオープニングが終わると、三池崇史が好きそうな設定で、淡々と物語が進む。法が崩壊した近未来風の、どこかアジアっぽいヤクザ映画。三池崇史っぽい演出。エロとグロとバイオレンス。具体的にいうと、腹を撃たれてラーメンが飛び出るとか、獣姦とか、うんこプールとか。
中盤まで、哀川翔演じる刑事と竹内力演じるチンピラが、なかなか関わらない。徐々に徐々に因縁が産まれてきて、お互いの大切なひとが過失で殺される。
そして、このシリーズの中で一番ブッ飛んでいるという噂のラストシーン。腕がちぎれた哀川翔は背中からビームバズーカ砲を取り出す。竹内力は胸から元気玉を取り出す。ぶつかり合って、大爆発。日本が吹っ飛ぶ。
期待が大きすぎたせいか、なんとなくイマイチ。なにも知らないで観たら、失禁ものだったと思うけど。3作目の合体ロボくらいの衝撃。こんなんだったら、2作目のゾンビの里帰りの方が好きだ。
ちょっとガッカリ。
そういや、最近気づいたんだけど、PCがハードディスクを認識していない。メインの1台目と3台目は認識しているんだけど、2台目が認識されていない。昔から使ってる古いハードディスクだけど、それだけに歴史が詰まっている。
そろそろメインPCの買い替えの時期なのかも知れない。
とか思いつつ、深夜番組みたり風呂入ったりだらだらしつつ就寝。
あっ。ハゲ放置しっ放しだった。
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みなさん、薄々お気づきだったことでしょう。
期待を裏切るようですが、今回で最後です。
もう、これ以上はありません。
本当に最後です。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今まで、たくさんの方に応援やアドバイスをいただきました。とてもありがたかったです。
いろいろなことがありました。みんなに何度も何度も協力していただき、感謝しています。嫌な顔ひとつせずに、ハゲを引っ張り出してくれました。いくら感謝してもし足りないと思います。
ありがとう。
心を込めていわせていただきます。
ありがとう。
みんなのことは、忘れない。
心から、ありがとう。
ありがとう。
ついに。
ついに!
最終限界突破成功!!
11回目のチャレンジ成功!!
うおおおお!! ありがとおおおおおおッッ!!!
最終限界突破篇の最終回である!!
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ログオンしてもじもじしていると、さっそくIndianaが声をかけてくれた。Reinhaldも手伝ってくれるという。もちろん偉大なモンクの証取りである。10回目の偉大なモンクの証取りである。偉大でもなんでもない証取りである。
Indianaの「テレポヨト」で飛んで、だったか走って海蛇の岩窟へ。ノーグで黒魔道士にジョブチェンジしてきたIndianaを向かえ、獣人金貨を使って奥へ行く。
ここはドロップアイテムもなかなか良いし、獣人金貨も盗めるので、ばっちり稼いでいただこう、と思う。スキル上げにもいいらしい。どうせすぐには証は出ないのだから、まったりとサハギンを殴りまくろう。
1発目で偉大なモンクの証が出る。
嬉しいことにTikiとRadaがこっちに向かっていたのだが、「えー」って感じである。
こんなに早くでてもアレなので、このまましばらく遊ぶことにする。TikiとRadaが到着すると、さっそくウォーターエレメンタルにからまれたので、救出に行く。
しかしながら、しばらくするとNM狩りと思われるパーティーが到着した。これではすぐに枯れてしまうし、こっちの目的はすでに達していたので、退散することにする。
Reinhaldがイフリートの釜のカギが欲しいといったので、ノーグで一息いれてから、Tikiの「テレポヨト」で飛んで、てってこ走る。
東の方から入って、”ハチ”とか殴り倒す。どうせすぐには出ないだろうと思ってたら、わりとあっさり落とす。しかも、獣使いさんがいて、コッファーが出現したことを教えてくれた。ReinhaldはAFの篭手をゲット。
なんつー幸運。更にもう1個カギが出ちゃったりして、欲しがっていたTikiがゲット。
なんつー幸運。あやかりたいものである。
とりあえずひととおり任務は達成したので、Indianaの「デジョンII」で送ってもらってジュノに到着。みんなにお礼をいうと、ちょっと一服。
さて、11回目のチャレンジである。
もうなんつーか、ベテランである。
かなりの経験者である。
用意したものは、ミスラ風山の幸串焼き、イカロスウィング、バイルエリクサー。
装備は、もうユニクロでいいじゃないか。頭はタイガーマスクだけど、それ以外はフルAF装備。器用の指輪にスナイパーリング。背中には王国軍マントをまとい、耳にはケンプファーピアスとコーラルイヤリング。
茶帯を締め、シヴァクローを腰に下げる。首には垢のついたスパイクネックレス。
ル・ルデの庭に行くと、ニヤニヤしたじじいに偉大なモンクの証を叩きつける。今日こそ、その皺だらけの顔面を血で染めてやる。
ひっそりとしたバルガの舞台。誰もいない。
ミスラ風山の幸串焼きを食べ、精神統一。
いや、必要ない。なにしろ、11回目なのだ。
偉大なるモンクの証が破れた。
ためる。走り出す。ためる。立ち止まり、じじいに向かって拳を抜く。ためる。ためる。おっと、忘れていた。イカロスウィングを使う。ためる。ためる。ためる。ためる。そろそろだ。集中。回避。ためる。ためる。百烈拳。
よし! 気孔弾!
ログなど見ない。じじいが接近してくると、乱撃をぶちかます。ためるがリチャージしていなかったが、仕方がない。
じじいの足元がふらつく。11回目にして初めての優勢だ。じじいが百烈拳を発動。こっちはチャクラ。そしてバイルエリクサーをゴクリ。うおこりゃ速い! 素晴らしい喉越し! 最初っからこっち使っておけばよかった。
とはいえ、HPはお互い切迫。バイルエリクサーで回復したHPは、すでに消えている。
ギリギリの戦い。
間に合うか。とどめの乱撃!
戦いが終わった。
じじいはなかに喋っている。またいつもの台詞か? どっちが勝ったのかわからない。
BCから排出された。
ジュノにではない。西サルタバルタだ。
勝った。
不思議と、達成感がない。
ログを見る。モンクの記録を更新していた。メンテナンスのたびに記録は初期化されるから、たいしたものではないだろうが、20秒更新して3分27秒。残りHPは41。
いつもは8回だったのだが、10回ためて、気孔弾で444ダメージを出したことが大きかった。死のゾロ目。死神モンクとして、これ以上のラッキーナンバーはないだろう。
嗚呼、ネタがなくなった。
でも、やっぱり嬉しいもんである。じわじわと、嬉しさがこみ上げてきた。
LSに報告。いやまあなんつーか、みんなありがとう!! こんなダメモンクでも、LV75になる権利を得ることができた。本当にありがとう!! みんなの協力がなかったら、達成できなかった。
このサイトの掲示板でも、いろんな方にアドバイスをいただいた。ありがとう!! とても役に立ちました!!
なんだかこの日は、すべてがうまくいったような気がする。
最後に、ル・ルデの庭のじじいに会いにいく。なんだかしんみりとしながら話を聞く。このじじい、けっこーいいヤツかも知れない。11回も戦って、ある種の親近感がわいた。
「もう一回やるかね?」
じじいのその言葉に、血相を変えて逃げ出すハゲモンク。
か、勘弁してください!!
やっと壁を越えられた。やっと自由になれた。これで、モンクのレベル上げもできるし、いろんなイベントやクエストをやろう、って気になれる。LSメンバーも、ハゲを誘いやすくなっただろう。ていうか誘ってくださいお願いします。
よおーし! さっそく明日は会社の呑み会だ!
e-。
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だらだら仕事をかわしつつ、会社の呑み会。つーか送別会。珍しくふつうの居酒屋の東方見聞録で。
23時くらいで終わったはずなのに、若い衆だけの2次会についていく。金曜の夜は長い。
居酒屋で暴露話で大いに盛り上がる。深夜3時に1人抜けてカラオケに。シュビビーン! とかギャーバーン! とかノリノリで唄う。やたら楽しい。
早朝5時に、電車に揺られて帰る。
平日だった。
ベッドにぐったりと倒れ、昼の12時くらいに家を出る。
何故か体調が良い。
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