SHIN's Individual Interest Page

独断・偏見 映画品評

2003年7月〜2003年12月


LastUpdate 2004-01-21


■2003年12月28日 『呪怨』 『呪怨2』 『呪怨 劇場版』 ★★★★★
■2003年12月28日 『X−MEN2』 ★★★★☆

■2003年10月30日 『ギャングオブニューヨーク』 ★☆☆☆☆
■2003年10月29日 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 ★☆☆☆☆
■2003年10月26日 『007 ダイ・アナザー・デイ』 ★★★☆☆
■2003年10月 5日 『レッドドラゴン』 ★★☆☆☆
■2003年10月 4日 『ジュニー・イングリッシュ』 ★★★☆☆ [館]

■2003年 9月22日 『座頭市』 ★★★★★ [館]
■2003年 9月15日 『TRY』 ★★☆☆☆
■2003年 9月14日 『TRICK 劇場版』 ★☆☆☆☆
■2003年 9月11日 『ボーン・アイデンティティ』 ★★★☆☆

■2003年 8月31日 『富江』 ★☆☆☆☆
■2003年 8月31日 『ドグラマグラ』 ★★★★☆
■2003年 8月27日 『スリーピー・ホロウ』 ★☆☆☆☆
■2003年 8月23日 『劇場版 カウボーイ ビバップ 天国の扉』 ★☆☆☆☆
■2003年 8月18日 『英雄』 ★★★☆☆ [館]
■2003年 8月18日 『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』 ★☆☆☆☆ [館]
■2003年 8月12日 『ハルク』 ★☆☆☆☆ [館]
■2003年 8月 8日 『Dolls』 ★★★☆☆
■2003年 8月 7日 『アウトライブ』 ★☆☆☆☆
■2003年 8月 5日 『イレイザーヘッド』 ★★★★☆
■2003年 8月 3日 『マイノリティ・レポート』 ★★★☆☆

■2003年 7月22日 『踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』 ★★★☆☆ [館]
■2003年 7月22日 『ターミネーター3』 ★★★★☆ [館]
■2003年 7月21日 『狂気の桜』 ★☆☆☆☆
■2003年 7月16日 『ファーゴ』 ★☆☆☆☆


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■2003年12月28日(日曜日) 『呪怨』 『呪怨2』 『呪怨 劇場版』
2000年日、2000年日、2003年日 監督 清水崇
出演 柳ユーレイ

全体:★★★★★ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★★☆☆

『リング』が”もし超能力者が悪霊になったら”という話で、この『呪怨』は”もしキチガイが悪霊になったら”という話だ。
 いやー、巧い! 怖がらせる技術が巧い! スゴイ怖いよコレ! 特にビデオ版の『呪怨』がものすごく巧い。
 オムニバス形式で、短いエピソードが繋がる。『呪怨』→『呪怨2』→『呪怨 劇場版』って感じで繋がっている。『呪怨 劇場版』だけ観ても十分面白いが、ビデオ版も観ておくとかなり奥行きが広がる。
 これを観てはっきり自覚したが、ホラー映画ってかなり肌に合う。いままで敬遠してたんだが。怖さを演出する巧さに惚れるというか。あまりにも巧くて、思わず笑ってしまう。素晴らしく楽しい。役者さん、ご苦労さまである。
『呪怨 劇場版』は予算も増えたのか、いろいろな技術を使ってて、これはこれでちょっと冷めるものがある。シュールな絵が多くていちばん笑ったけど。この3作の中では、1作目がいちばん怖いし巧いし楽しい。
 子役は、ビデオ版と映画版で違うのかな? ビデオ版の方が怖いんだが(口の開け方が)。どっちにしろ、なんか甥っ子に似てるので、可愛いなコイツとか思っちゃうんだが。
 あと、やっぱ日本人は邦画ホラーの方が怖いだろう。白人の幽霊ってあんまりリアリティないんだよな。幽霊に見えないっつーか。
 これから邦画ホラー映画を片っ端から観て行こうかと思いました。

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■2003年12月28日(日曜日) 『X−MEN2』
2003年米 監督 ブライアン・シンガー
出演 パトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン、アンナ・パキン

全体:★★★★☆ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★★★☆

『X−MEN2』を観る。もうこれはこれでいいんじゃないだろうか。もはやコミックとは違うストーリー軸を展開させている。マグニートーは最強だし、ミスターXは人類を滅ぼしかねないのは原作のままだが。
 単純に面白かった。徐々に明かされていくウルヴァリンの過去。情けなさがパワーアップしたサイクロップス。もはや神の領域なストーム。頑張るジーン。役者的にかなり予算がかかると思うが、是非ともシリーズ化を続けて欲しい。毎年1作くらいのペースで作って欲しい。早く続きが観たいヨー。

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■2003年10月30日(木曜日) 『ギャングオブニューヨーク』
2001年米  監督 マーチン・スコセッシ
出演 レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ・ルイス、リーアム・ニーソン、キャメロン・ディアズ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★☆☆☆☆ 映像:★★☆☆☆

『ギャングオブニューヨーク』を観る。またレオナルド・ディカプリオ主演映画だ。アメリカ合衆国創世記の歴史の勉強になるお話。
 なんか、ヘタなスプラッター映画よりも血が流れているんじゃないだろうか。ピューピューバシャバシャ。辺りは血の海。団体戦で、ナイフと手斧持って、ザックザク敵を切り刻む。腕や首は飛んだりしないが、逆に地味に痛そう。銃を使わずにナイフや手斧で殺戮するところに、憎悪とか民族の誇りとかあるんだろうか。原始的な衝動。民族的な確執と個人的な復讐。
 少年チャンピオンでやってる、暴走族とかチーマーとかギャングとかが喧嘩してるやつの、いい年したオッサンバージョン。マンガは殺し合いまではしてないけど。
 2時間くらい寝たと思ったのだが、起きたらクライマックスの決闘シーンだった。なんか大砲とんできてグダグダになってたけど。主人公の復讐劇と同時進行で歴史が語られてて、とってもシュール。噛み合ってないじゃん。で、歴史的には結局金持ちが勝利。あんなんでいいのか疑問だが、主人公は一応復讐を果たしたみたい。
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの映画に当たりなし。

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■2003年10月29日(水曜日) 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
2002年米 監督・製作 スティーブン・スピルバーグ
出演 レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、ナタリー・バイ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★☆☆☆☆ 映像:★★★☆☆

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を観る。スティーブン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスが競演の話題作。
 なんつーか、最近CMの方がおもしろい映画が増えたような。CMを観て期待すると、本編観てガックリする。これもそんな映画。冷静に観ると、ディカプリオってかなり気色悪い息子だ。家族愛望み過ぎ。親にだって自由がある。
 実話がベースらしいのだが、映画で観ると無理があり過ぎてリアリティがない。まあハリウッド映画にリアリティなんて元からないんだが。同じ実話ベースだったら『ブロウ』の方がおもしろかった。
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの映画に当たりなし。

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■2003年10月26日(日曜日) 『007 ダイ・アナザー・デイ』
2002年米英 監督 リー・タマホリ
出演 ピアース・ブロスナン、ハル・ベリー、トビー・スティーブンス、ロザムンド・パイク、リック・ユーン、ジュディ・デンチ

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★☆☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★★★☆☆

『007 ダイ・アナザー・デイ』を観ちゃう。「007シリーズ」って1作も観たことないんだが。初めてまともに観るジェームス・ボンド。昔”00777(ダブルオースリーセブン)”のジェームス・ドボンとかキャラクター作ってたのは秘密だ。
 あっぶない映画だ。いきなり北朝鮮が相手だ。007かなり無茶苦茶だ。ていうか敵の方が無茶苦茶だソーラレイですよ。太陽光集めて放射する兵器ですよ。個人企業がロケットで衛星軌道上に兵器を打ち上げちゃってますよ。ICBMなんか打ち落としちゃうらしいですよ。38度線を遠慮無く焼いちゃってますよ
 後半のパラシュートサーフィンは、モノスゴイ合成で笑える。予算あるんだかないんだか、豪勢なんだが所々しょぼい。B級アクション映画のノリっつーか。ボンドカーといい、スパイ道具といい、非常に子供っぽい。
 ごく普通のアクション映画。まあまあおもしろかった。

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■2003年10月26日(日曜日) 『レッドドラゴン』
2001年米 監督 ブレット・ラトナー
出演 アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル

全体:★★☆☆☆ ストーリー:★★★☆☆ キャラクター:★★☆☆☆ 映像:★★★☆☆

『レッドドラゴン』を観る。ハンニバル・レクター博士3部作の恐るべき第1章(笑)。『羊たちの沈黙』の前の事件だ。ぶっちゃけこれっぽっちも期待せず。
 前回の『ハンニバル』は題名通り”ハンニバル・レクター博士のプロモーションビデオ”でクソつまらなかったんだが、今回は意外にも普通におもしろかった。普通にサイコサスペンスだった。エドワード・ノートンいい味出してる。さすがに『羊たちの沈黙』レベルにまでは達していないが、レクター博士の使い方も巧く、謎も演出もいい感じだ。
 犯人の多重人格的な葛藤の表現はイマイチだった。裏人格のときにはもっと大袈裟に表情変えるとか、顔を隠すとか必要だったんでは。マスクで顔覆ってるシーンもあったが、1カットだけだったし。もっと怖く変態的に演出できたはず。まあ、十分に変態なんだが。
 あと、全裸でナニをブラブラさせて階段上るシーンにビックリ。

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■2003年10月4日(土曜日) 『ジョニー・イングリッシュ』
2003年米 監督: ピーター・ヒューイット
出演 ローワン・アトキンスン、ナタリー・インブルーリア、ジョン・マルコヴィッチ

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★☆☆☆ キャラクター:★★★★★ 映像:★★★☆☆

 立川の映画館で『ジョニー・イングリッシュ』を観る。「ミスター・ビーン」ことローワン・アトキンソン主演の、バカスパイ映画だ。本日が日本での公開初日である。初日の初回である。
 映画版の「ミスター・ビーン」は最悪のクソ映画だが、TV版の「ミスター・ビーン」は大好きだ。ローワン・アトキンソンを巧く使えば、志村けんだって軽くしのぐコメディアンになる。
 ……まいった。評価不能。やっぱシネマシティはダメだ。
 ぶっちゃけ、大笑いしながら観てたんだけども、なんかこー劇場の雰囲気につられているのかも、とか思ったり。みんな笑ってるから余計におもしろく感じているんじゃあ、とか思ったり。
 ホームシアターをすこし大きくしたような、とてもとても狭い劇場。客は100人くらいで満員か。シートがもう、緑色で頭の部分が丸くなっていて、『東映まんがまつり』がぴったりな劇場。ていうか、なんか子供ばっかりだし。中学生、小学生が多い。親子連れとか。あとは高校生カップルとか。坊主頭のオッサンが独りで観ているのは、かなり浮いている。なんかモノスゴイ肩身が狭い。
 大笑いしながら鬱になる
 ……まいった。横着しないで新宿行けばよかった。
 レンタルビデオで借りれるようになったら、もう1回観よう。少なくとも、くだらない退屈な映画ではなかった。

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■2003年9月22日(月曜日) 『座頭市』
2003年日 監督 北野武
出演 ビートたけし、浅野忠信、大楠道代、ガダルカナル・タカ

全体:★★★★★ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★★★★ 映像:★★★★★

 15時45分。新宿ジョイシネマ2にて『座頭市』を観る。北野武監督主演の時代劇モノ。金髪の座頭市。本当は吉祥寺で観たかったんだが、やってなかった。イマイチ売れてないのかな。ほぼ満席だったけども。
 いやーマイッタ! タイトルからしてカッコイイ! いきなり北野武がカッコイイ! ガダルカナル・タカおもしろい! 細かいギャグが効いている。やっぱ”間”で笑わせるのはスゴイ。ていうか殺陣がとんでもなく素晴らしい!
 なんつーか、芸術的なエンターテイメントっつーか。いつもの北野武監督色もあるし、リズミカルでもある。それでいてリアルさを損なわない。ワイヤーアクションを鼻で笑うような、圧倒的なアクションシーン。痛そう!
 例のアレは予想通りだったのでニンマリ。見事に壊してくれた。これができるのも、北野武しかいないだろう。
 ラストの稚拙な合成(子供→大人)でちょっと素に戻っちゃって覚めちゃったっつーとこもある(あと、照明じゃなくって篝火でやってほしかったな)。時間が持たないのでいろんなエピソードを詰め込んだだけ、といわれればそうかも知れない。
 だがしかし、これは邦画ではない。映画だ。TVドラマのスペシャル版でも芸術映画でもない。エンターテイメント映画だ
 ジョン・トラボルタ主演の『閉ざされた森』も観ていこうかと思ったんだが、この気持ちを踏みにじられたくなかったので、とっとと帰ることにする。
 北野武、ガダルカナル・タカ、座頭市というと、バカ映画の『みんな〜やってるか!』。なんか観たくなってきた。

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■2003年9月15日(月曜日) 『TRY』
2003年日 監督 大森一樹
出演 織田裕二、渡辺謙、黒木瞳、今井雅之、シャオ・ビン

全体:★★☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★☆☆☆

『TRY』を観る。20世紀初頭の上海で、ペテン師織田裕二が日本軍を手玉に取る邦画。こちらも評判はかなり悪い。でも織田裕二ってけっこー好きなんで、借りてみた。
 いやこれが意外におもしろい。織田裕二は相変わらずの織田裕二で、もうこういうキャラしかできないんだな、ってくらい織田裕二なんだが、これはこれで好みのキャラクターなんでぜんぜん問題ない。脇を固める俳優も、なかなかいい味だしている。むしろビックリなのが渡辺謙。この人こんなキャラクターも演じられるのか。ずっと織田信長のイメージがあったんだが、こりゃ帝都物語で加藤保憲すら演じられるだろう。かなりの怪優っぷりだ。
 だがしかし、この作品もクライマックスがダメだ。なんだよこりゃあ。せっかくいい感じできてたのに、こんなショボいクライマックスじゃあ、納得できない。
 評判が悪いのも頷ける、ダメな邦画だった。トホホ。

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■2003年9月14日(日曜日) 『TRICK 劇場版』
2002年日 監督 堤幸彦
出演 仲間由紀恵、阿部寛

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★☆☆☆☆

『TRICK 劇場版』を観る。TV版はかなりおもしろかったのだが、1〜2回くらいしか観てなかった。それでもキャラクターがえらいステキなんで気に入っていた。でも映画版はイマイチらしいとの噂。
 うわー阿部寛ステキにイヤなヤツだなー。うわー仲間由紀恵ステキに可愛いヤツだなー。うわーやっぱデタよ竹中直人。うわーベンガル久しぶりに観た。
 ……キャラクターはステキなんだけどな。
 序盤から徐々に降っていって、クライマックスで急降下。観始めはテンション上がるが、観終わる頃には目が点になる。もう、つまんないとかくだらないとか、そーゆーレベルでさえない。映画以前。作品以前。まるでダメ。金取って観せるものではない。そのへんのTVドラマのスペシャル版だって、コレよかおもしろいだろう。
 不自然な展開とかムリがある設定は置いとくとして、細かいトリックのネタ明かしとかはおもしろかったんだが、肝心のストーリー自体に謎もトリックもない、っつーのはどーゆーことか。

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■2003年9月11日(木曜日) 『ボーン・アイデンティティ』
2002年米 監督 ダグ・リーマン
出演 マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、クライヴ・オーウェン、クリス・クーパー

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★★☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★★★☆☆

『ボーン・アイデンティティ』を観る。マット・デイモン主演の、失われた記憶を取り戻すアクション映画。てっきり”born identity”だと思ってたんだが、”ボーンさんのアイデンティティ”だった。
 うーん、絵が綺麗だ。ヨーロッパの町並みが美しい。凛とした空気。石畳の狭い道路を突っ走る、おんぼろオースティン・ミニ・クーパー。映像の撮り方がステキだ。早回しのアクションシーンはおいとくとして。
 マット・デイモンはなんか地味だな。まだ主人公ってオーラが出ていない。普通のサル顔の人。ヒロインもなんかちょっとイマイチ。
 しかしながら、ストーリーがいい加減っつーか、練り込まれていないっつーか。今どき、子供を見てビビっちゃう殺し屋なんて。だっさー。説得力なさ過ぎ。しかもなんですかあのオチは。ギャグなのかマジなのか妥協なのか計画通りなのか滑稽なのか真面目なのか、サッパリわからんし意味わからん。
 でもまあ、そこそこおもしろかった。映像が良かったし。

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■2003年8月31日(日曜日) 『富江』
2001年日 監督 及川中
出演 中村麻美、菅野美穂、洞口依子、田口トモロヲ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★☆☆☆☆ 映像:☆☆☆☆☆

『富江』を観る。『リング』以後のジャパニーズホラー映画だ。菅野美穂がスゴイらしいので、期待しつつ観る。うわー、怖いのって久しぶりだ。
 ……あれ?
 コレ、ホラー映画じゃないの?
 おお、菅野美穂スゴイな。えらい怪優っぷりを発揮している。これだけいろんな役柄を演じることができる女優も珍しい。お笑い系からバケモノ系までこなせるとは。
 ……えーと。
 ナニコレ
 ここまでなにもないと、つまんないとかそういうレベルですらない。なんか可哀相になる。

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■2003年8月31日(日曜日) 『ドグラマグラ』
1988年日 監督 松本俊夫
出演 桂枝雀、室田日出男、森本レオ、松田洋治、小林かおり

全体:★★★★☆ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★★★☆

 続いて『ドグラマグラ』を観る。夢野久作著の、幻魔怪奇探偵小説を原作とした、脳髄の犯罪を脳髄が暴き立てる話。
 夢野久作は好きな作家だし、原作も好きなのだが、映像化は無理なんであんま期待しないで観る。原作の忠実な再現よりも、映画は映画で独自の解釈で作られてるんだろうなー、とか勝手な憶測。
 ……うわー! これ、原作の8割ぐらいは映像化に成功しているんじゃないだろうか!?
 原作を読んだのがだいぶ昔なんで記憶も薄いのだが、こりゃーかなり完成度が高いんじゃないだろうか。もちろん原作を上回ることなんてできないのだが、映画にしてはかなり原作に忠実なデキだ。
 桂枝雀の怪優っぷり。室田日出男も素晴らしい。松田洋治もいい味だしている。役者が全員、染まっている。
 こういう映画は、今では絶対に作れない
 いい時代だったな、1988年。
 まさに気が狂うかと思われるくらいの、幻魔怪奇探偵映画だった。満足。

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■2003年8月27日(水曜日) 『スリーピー・ホロウ』
1999年米 監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:☆☆☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★★☆☆

『スリーピー・ホロウ』を観る。
 一応ホラー系かと思っていたんだが、オープニングであからさまに怖くない。なんだこのまったり感は、とか憤慨しそうになってたら、監督ティム・バートンであった。ああそうだ、そうだった。
『PLANET OF THE APES』が、かなりダメだったので、実写映画はどうかと思ったんだが『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』に近い雰囲気。
 ジョニー・デップはスゴイね、いろんな役を魅力的にこなす。
 えーと……。つまんなかったです
 映像はいいのかも知れないけど、中身がコレではどうしようもない。ヒロインぶさいくだし。ホラーでもサスペンスでもなく、残酷でも不条理でもなく、幼稚園児向けの絵本みたいな映画だ。”死ぬ”ことになんの意味もない。
 結局のところ、主人公の母は魔女で、母を処刑した父は正しかった、ってことかな。科学的捜査を持ち込んでも、結局役に立たず。神の裁きが一番正当だと。
 なんだよそれ

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■2003年8月23日(土曜日) 『劇場版 カウボーイ ビバップ 天国の扉』
2001年日 監督 渡辺 信一郎
出演 山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★★☆☆☆

『劇場版 カウボーイ ビバップ 天国の扉』を観る。
 まあなんだ。ゲームの「Final Fantasy」は映画に近づこうとしても、やっぱりゲームはゲームだし、「踊る大走査線」も映画になったが、やっぱりテレビドラマはテレビドラマだ。
 ジャパニメーションも映画になろうとしたが、やっぱりアニメはアニメだな、と。
 ていうか、前日ぼんやりとテレビでやってたスタジオジブリの『ほたるの墓』を観ててえらいムカついたんだが(妹を甘やかすために餓死する話のどこに感動すりゃあいいんだ)、それよりかは映画っぽかった。映画のパロディー、って感じで。
 アニメ映画で一番気に入らなかったのが、声が全員同じところから聞こえてくる、ってとこだったんだが、『劇場版 カウボーイ ビバップ』では解消されていた。ただし、『五条霊戦記』を彷彿とさせる聞き取れないボソボソ声には辟易した。聞こえない、ってことは聞かなくていいってことなんだよな、と勝手に納得したが。
 クライマックスシーン直前で就寝。
 ストーリーは、別になにも新しいことはない。
 銃で撃たれても(しかも銃弾が胸を貫通)医者にいかなくて数時間で回復しちゃうような緊張感のない世界設定っつーのは、いくらSFでもやりすぎじゃあないだろうか。そういえば。『踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の深津絵里もそうだったな。主人公レベルの登場人物は不死。最近のゾンビ映画やホラー映画が怖くない理由がここにある。

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■2003年8月18日(月曜日) 『英雄』
2003年中 監督 チャン・イーモウ
出演 ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー、ドニー・イェン

全体:★★★☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★☆☆☆ 映像:★★★★★

 吉祥寺バウスシアターで『英雄』。吉祥寺バウスシアターってマイナー系もやってる小さな映画館で、劇場としては好きなんだが、大作やるようなところじゃあない。ちょっとなんかニオウなぁ。
 この映画の監督は、チャン・イーモウという人。『初恋のきた道』とか『あの子を探して』とか、泥臭くリアルで人情的で、かつ美しい絵を撮る監督だ。かなり好きな監督なんだが、今回はどうか。なんか似合わない気がする。
 予感的中。
 チャン・イーモウ監督にエンターテイメントはできませんでした
 一番近い映画は、北野武監督の『Dolls』。あーあー先にやられちゃってるよ、とか思う。北野武監督より、遙かに完成度が高いんだが。アートとして
 ストーリーとしては、暗殺者が秦の始皇帝と謁見する。それだけ。あとは色彩が織りなす、嘘と真実のコラボレーション。
 全体的にアートであり、リアルは存在しない。すべてが美しく、その美しさに憎愛も怒りも溶け込んでしまう。戦争シーンもなければ、血も飛び散らない。ストーリーに厚みもなければ重みもない。ただただ画面が美しい。
 それにしても、湖畔でのワイヤーアクションは、吹き出しそうになってしまった。笑ってた人、他にはいなかったかもだけど。

 ある意味予想通りの作品だった。いや、「うおお! これチャン・イーモウ監督かよ! すげえ!」っつーエンターテイメント映画を期待していた部分もあるんだが。
 なんとなく気分が沈みがちになる。

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■2003年8月18日(月曜日) 『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』
2003年米 監督 ゴア・ヴァービンスキー
出演 ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ 

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★☆☆☆☆

 続いてこないだ見逃した『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』を観る。ジョニー・デップ主演で、レゴラスことオーランド・ブルームも出演している期待のエンターテイメント作品。
 最もわくわくしたのは、開始まもないジョニー・デップ登場シーン。うおー、カッコイイ!! サイコー!!
 で、だ。
 よくもまー、これだけの素晴らしい素材を、これだけつまらなくしたもんだ。期待は裏切られ続け、スリルの欠けたお約束通りの展開で、落ちだけ予想通り。ラストシーンも、不満が残る妥協的なもの。
 海賊という背徳的な素材で、道徳的なストーリーじゃあつまらない。わくわくしない。
 ジョニー・デップのキャラクターと、キーラ・ナイトレイのかわゆさだけで143分。さすがディズニー。まいった。

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■2003年8月12日(火曜日) 『ハルク』
2003年米 監督 アン・リー
出演 エリック・バナ、ジェニファー・コネリー、サム・エリオット、ニック・ノルティ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:☆☆☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★★★★☆

 立川の映画館にて『ハルク』を観る。アメコミが原作のヒーローもの(?)である。アメコミものは、『X−MEN』『スパイダーマン』と観てきている。わりと好きなジャンルではある。
 前半の1時間がかったるい、退屈だ、という噂を聞いていたのだが、これがなかなか面白い。いい感じで淡々と話が進む。
 そして遂に変身。焦らすだけ焦らして、ドカンとオオアバレ。いやー、こりゃスゴイ! こりゃースゴイよ! 『ターミネーター3』も『マトリックス リローデット』もかすむ、モノスゴイアクションシーン。ありあえない。
 ……で、だ。
 ラスト30分前くらいで、それまで疑問に思っていたことが確信に変わる。不安に思っていたことが、的中する。つーか、やっぱ無理だよなぁ。どう考えても無理だ。
 オチつけようがありません
 結局、そのままずるずると最後まで。なんかどーでもいい戦いが。なにコレ。主人公の彼女も、呆れちゃって助けようともしない。逆に、主人公にトドメをさす親父に同情する始末。
 こりゃー売れないな。製作資金、回収できるんだろうか。

 あまりにも駄作だったので、かなりヘコむ。ラスト30分前まではかなり面白かったので、余計にヘコむ。マックでポテトちびちびやりながらも、脳裏に罵詈雑言が百万言浮かんでは消える

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■2003年8月8日(金曜日) 『Dolls』
2002年日 監督・脚本・編集 北野武
出演 菅野美穂、西島秀俊、三橋達也

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★★☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★★★★☆

 晩メシ喰って、今日中に返しにいかなきゃいけないビデオを観る。北野武監督の、『Dolls』。
 うーん、キレイだ。美しい。最近のキタナイ映画館で観るよりは、大画面のホームシアターで独り膝を抱えて観たい映画だ。
 なんか行き着くとこまで行っちゃったかなー、って感じもする。リアリティを捨てて、アートな方向へ。んー、でもちょっとキビシイかな、ぎこちない場面が多々ある。セリフ一切無しの構成にした方がよかったかも。
 ラストシーンは……ギャグ? いつもの通りでよかったのに。

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■2003年8月7日(木曜日) 『アウトライブ』
2000年韓 監督・脚本 キム・ヨンジュン
出演 シン・ヒョンジュン、キム・ヒソン、チョン・ジニョン、キム・スロ

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★☆☆☆☆ 映像:★☆☆☆☆

『アウトライブ』を観る。14世紀、元の支配がゆらぎはじめた中国が舞台のチャンバラアクション武侠映画。なんと武侠ものなのに韓国映画だ。えらいヒットしたらしい。
 原作はマンガなんだが、マンガをそのまま映画にしちゃダメだろう。いや、『ピンポン』なんかはそのまんま映画にして、しかも原作を遙かに凌ぐ(個人的にだが)完成度を誇っていたが、こーゆーアクションものはそうもいかない。詰め込みすぎ。それでいて説明不足。時間軸がぜんぜんわからない。工夫が無く、カットを繋いでるだけ。
 予算的にはかなりかけているみたいなんだが、チャン・イーモウ監督の『英雄』とは比較にすらならない。とにかく狭い。高句麗人、モンゴル人、漢人の戦いという壮大かつ退廃的ななバックグラウンドなんだが、地域限定かつ登場人物限定なんで、とにかく狭い。エキストラも少ない。画面も窮屈だ。
 アクションも『少林サッカー』とかで知られる香港の武術監督率いるチームがワイヤーアクションを演出しているらしいんだが、殺陣がもう時代遅れだ。主人公が踊ってて、敵が周りで勝手にくるくる回って倒れてるだけ。攻撃アタッテナイヨ。だいたいワイヤーアクションってサッパリ迫力ないと思うんだが。腰が入ってない。力強さが感じられない。
 一番の難点は、主人公がぶさいく、ってことだろう。最後まで違和感たっぷりだった。ヒロインはかわいかったし、ヒロインの兄貴もカッコイイし、旦那もいい感じだったし、主人公の手下もいい味出してたんだが、主人公はキモイ。とにかくキモイ
 ラストシーンで思いっ切り画面に突っ込む。ダメだこの主人公。性格までキモイ
 マンガ原作はきっとおもしろいに違いない。ストーリー的にはすごい良質だったし、とか思って『アウトライブ』の原作マンガをネットで探してみる。きっと30巻くらいの壮大な物語に違いない。
 全6巻じゃん
 絵、すごいヘタクソじゃん。つーか少女漫画かよ。
 久しぶりに『BASARA』を読もうと思う。

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■2003年8月5日(火曜日) 『イレイザーヘッド』
1981年米 監督・製作・脚本 デヴィッド・リンチ 
出演 ジョン・ナンス、シャーロット・スチュワート、アレン・ジョセフ

全体:★★★★☆ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★★★★ 映像:★★★★☆

『イレイザーヘッド』を観る。美大を卒業してまもないデビッド・リンチ監督の、劇場公開デビュー作。ぶっちゃけインディーズ映画。パッケージには”完全版”とか書いてある。変態映画監督デビッド・リンチの原点。ちょっと素人クサイ映画。
 観ておかなきゃいけない映画だ。だが、観ちゃいけない映画だった。げしょげしょ。
 ボケっぱなしで誰も突っ込まない。画面に突っ込みいれつつ失笑。やたら退屈。画面は暗いうえにコントラストキツくて、なにがどうなってんだかよく解らない。そして”アレ”。
 育児ノイローゼのお話? 悪夢と現実と妄想。自殺願望? ブレーキで止められなかったんだろうか。役者の表現力があんまないので、画面ですべてを読みとるのは難しい。つーか無理。なにがなんだかわからなくて正解。
 すべてのアングラ系作品の原点である。ノイズ系っつーか。「ピノキオ√964」なんか、モロに影響受けてるような気がする(ノイズとか、”アレ”が死んでゲロゲロになるとことか、頭取れて”アレ”が出てくるとことか)。
 つまんなかったか、つーとそうでもなく。おもしろかった、っつーわけでもなく。退屈だったんだが寝ちゃうほどでもなく。食欲無くしたとか悪夢を見たとかゆーこともなく。脳がこんがらがったか、つーとそうでもない。
 映画館で観てたら、その日1日ダメになっちゃってただろうけど。げしょげしょ。

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■2003年8月3日(日曜日) 『マイノリティ・レポート』
2002年米 監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 トム・クルーズ、コリン・ファレル、ピーター・ストーメア

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★★☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★★★☆☆

『マイノリティ・レポート』。トム・クルーズ主演、監督はスティーブン・スピルバーグだった。気づかなかった。
 フィリップ・K・ディックの原作もので、なんかえらい評判が悪い。原作ファンには耐えられないデキらしい。
 んでも、おもしろかった。『バニラ・スカイ』みたいにコントラストのキツイ絵とか、フレームレートを低くしたような映像。このCGのごまかし方は凄く好みに合う。スティーブン・スピルバーグ監督作品とは思えないほど、トム・クルーズ臭が強い。
 後半はなんだか蛇足っぽくて退屈だったが、かなり謎解き的要素が強くて楽しめた。これはこれでいいんじゃないかな? テーマを主人公の苦悩に絞っているところもいい。かなり引き込まれた。
 いろいろな近未来的アイディアを、巧く映像化しているとも思う。実現不可能だろうけども。警官軟弱すぎだけども。
 つーか目玉落っことして転がっちゃってくのを必死こいて追いかけるトム・クルーズ。このシーンいらないだろう。

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■2003年7月22日(火曜日) 『踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』
2003年日 監督 本広克行
出演 織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、いかりや長介

全体:★★★☆☆ ストーリー:★★☆☆☆ キャラクター:★★★★☆ 映像:★☆☆☆☆

 朝7時起床。中央線で吉祥寺へ向かう。向かいながら、吉祥寺よか立川の映画館の方がキレイだったなぁ、とか思う。街的に吉祥寺のが好きだからいいか。
 7時30分くらいに到着。『踊る大走査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は8時からだったのだが、行列は20人くらい。つーか平日の朝でも行列できてるんだな、とか思いつつ並ぶ。
 て い う か ガ ラ ガ ラ
 8時到着でも余裕だった。久しぶりの観やすい席に、どっかと座る。

 おお、今回は邦画らしくなく金使ってるなー、とか期待させるオープニング。いつもの濃いキャラクターたち。うーん、この映画はこのキャラクターたちが命だな。TVドラマは1回も観ていないんだが、映画観るだけでそのキャラクターが解る。
 話の展開的には、一作目と全く同じ。つーかテーマも同じ。時間は進んでいるけど、やってることは変わりない。舞台が舞台なんで仕方がないこととはいえ、ちょっと残念。
 キャラクターが秀逸でなかったら、『突撃せよ! あさま山荘事件』の二の舞になってもおかしくないシナリオだ。刑事側だけ描かれていて、犯人側の描写はテキトーで奥深さもなければ感情移入もない。話を盛り上げるためだけに用意された犯人たち。
 あと、岡村いらない。最後もなんか中途半端。笑えない。
 お約束っつーか定番っつーか、予定調和的ではあるけどおもしろかった。でも、3作目はこのままでは通用しないと思う。もっと別の方向性でやってもらいたい。

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■2003年7月22日(火曜日) 『ターミネーター3』
2003年米 監督 ジョナサン・モストウ
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・スタール、クレア・デーンズ、クリスタナ・ローケン

全体:★★★★☆ ストーリー:★★★★☆ キャラクター:★★☆☆☆ 映像:★★★★☆

 さあ、続いて『ターミネーター3』だ。
 あ り え な い
 ぶっちゃけ期待していなかったんだが、なにこのおもしろさ。つーか無茶苦茶でブッたまげる。最近CG多用したアクション映画が多いが、たまにはこういうアクションもいいな。迫力が違う。スゲー。
 主要キャラクターが少ないので、ちょっと寂しく思える。敵の女性ターミネーターも、前作のやつほど恐ろしくない。主人公もぱっとしない役者なんで、なんか地味だ。そういう意味では、かなり1作目に近い。完璧にB級映画。
 コンパクトにまとまっている良作だと思う。重要なエピソードを一言で済ませちゃうとか、なんの説明もしないとか、軽く流しちゃうとか、ある意味アクロバティックなこともやっている。
 アーノルド・シュワルツネッガーが、「この脚本じゃなきゃやらなかった」といわせたラストシーン。すべてに決着。おそらく、次回作が作られることはないだろう
 まー、ラストには賛否両論あるだろうが、問題は賛否両論出るくらい盛り上がってないっつーことだ。

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■2003年7月21日(月曜日) 『狂気の桜』
2002年日 監督 薗田賢二
出演 窪塚洋介、RIKIYA、須藤元気、高橋マリ子、原田芳雄、本田博太郎、江口洋介、峰岸徹

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★★☆☆ 映像:★☆☆☆☆

『狂気の桜』を観る。窪塚洋介主演のシブヤのワカモノをエガイタ作品。
 シブヤで自警団とかやっちゃう3人組。須藤元気はK−1とか出てるし技術あるからいいんだが、他の2人がなんであんなに喧嘩強いのかわけわかんない。ていうか、なんなのコイツラ。口にするだけのイデオロギー
 ヤクザじゃなくて右翼ですか。でも一緒ですね。ヤクザです。
 散々利用されて、1人は再起不能、1人は身代わりで刑務所。窪塚洋介はスタッフロールの後で、刺されてオシマイ。
 期待した方が悪いねこりゃ。三島由紀夫のニオイなんかこれっぽっちもしない。ダサイ駄作。これが邦画だ。

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■2003年7月16日(水曜日) 『ファーゴ』
1996年米 監督 ジョエル・コーエン
出演 フランシス・マクドーマンド、スティーヴ・ブシェミ、ウィリアム・H・メイシー

全体:★☆☆☆☆ ストーリー:★☆☆☆☆ キャラクター:★★☆☆☆ 映像:★★☆☆☆

 コーエン兄弟の『ファーゴ』。偽造誘拐したら殺人事件に発展しちゃったという、実際にあった事件を題材にしている映画だ。
 やたら「イエーァ」っっつー言葉が耳につく。アホな娼婦が「イエーァ」。聞き込みする婦人警官が「イエーァ」。まあいいんだけど。
 で、犯人ってナニモノ? おしゃべり男はいいんだが、その相棒がナゾ。正体不明。最後まで正体不明。おしゃべり男とあんま面識なさそうだし。感情ないっぽいし。殺人マシーンみたいだ。ジェイソンの中の人なのかも知れない
 事件自体はかなり残忍かつ救いようもないものなんだが、淡々と撮ってるもんで、ぜんぜん恐怖感とか感じない。スリルとかサスペンスとかぜんぜんない。これがコーエン兄弟の味、っちゃー味なんだが。
 余計ないらない場面がたくさんある。30分は削れたと思う。婦人警官の旧友が精神疾患だとか、そんなん事件と関係ないじゃん。きっとこれが伏線に違いない、とかいう考えは、序盤でなくなる。
 事件解決までの道のりは、かなり場当たり的だ。犯人が優柔不断とバカと殺人鬼なんで、あっさり逮捕されて当然なんだが。
 婦人警官、犯人、誘拐実行犯、どれも均等に撮っているので中途半端。感情移入できない。どっかに絞ればもっとよかったんではないだろーか。
 これだけ陰惨な事件を、こんなに退屈な映画にしたのは、さすがコーエン兄弟。

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