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BOSSのCMで萌えてる

2008年3月21日 金曜日
この記事の所要時間: 約 1分59秒

「ノーカントリー」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。客の年齢層高かったです。
 監督脚本は、この作品でアカデミー賞に選ばれたコーエン兄弟。ハビエル・バルデムも、アカデミー賞助演男優賞に選ばれました。でも、最近BOSSのCMで萌えてるところがとてもキュートなトミー・リー・ジョーンズが、いちおう主役です。
 遠い昔、サム・ライミ監督と一緒にバカやってたコーエン兄弟の作品は、好きなのにあんまし観てませんでした。「XYZマーダーズ」を除くと、「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」しか観てません。それでも、「オー・ブラザー!」は最高に大好きな映画のひとつです。
 その大好きな「オー・ブラザー!」的なニオイを、この作品から感じました。たぶん「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」が混ざったような作品。その予想は、だいたい正しかったです。
 コーエン兄弟の作品って、とてもカントリー色が強いと思うんです。砂。岩。泥。広大な土地。広大な世界。その中で、ちっぽけな人間たちが、なにかを起こす。でもそれは、広大な世界を変化させるようなことじゃない。なにも変わらない。けれど事件を通して、ひとびとの心には確実になにかが残る。
”ヒゲ”、”屈強なアンガールズのひと”、”BOSSの萌えのひと”、この3人が主人公。”BOSSの萌えのひと”は主人公なんだけど、傍観者なのであんまり出てこない。
 偶然”ヒゲ”は大金を手に入れ、イカレた暗殺者である”屈強なアンガールズ”に執拗に狙われる。”BOSSの萌えのひと”は”ヒゲ”を助けようとするけど、最初から己の無力を悟っている。
 彼らは、彼らなりの行動規範があり、決してそこからぶれない。追う者、追われる者、考える者。悩んだり迷ったりしても、決してそこから外れない。絶対に引かない。そしてそれは、避けられない惨劇へとつながる。
 スピーディーな展開とか、サスペンスとかはありません。ただ血が流れ、誰もが淡々と追い込まれていき、結局あっけなく殺される。そしてラストは、衝撃のブツ切り。結局なにも解決しない。終わらない。変わらない。傷だけが残る。
 ものすごく、しんみりしました。
 さすがコーエン兄弟。
 あと、この映画はアメリカそのものであり、たぶんアメリカ人じゃないと真に共感できないんじゃないかなーと思いました。小ネタを含めて。
 とっても面白かったです。