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三池監督でよかったわー

2007年11月2日 金曜日
この記事の所要時間: 約 4分9秒

「クローズZERO」を観てまいりました。原作は、高橋ヒロシ。監督は、三池崇史。主演は、小栗旬 、山田孝之。
 劇場は、新宿三丁目の、新宿バルト9というところでした。
 初めて行きました。真新しい劇場で、マルイシティの上にあり、日本で初の全館デジタル設備だそうです。
 実際に、すんごいロビーがゴージャスというか、綺麗で広くて整ってました。なにこの貴族の館、みたいな。
 そういえば、作品のせいだと思うんですが、客層がなんとなくそれっぽくて面白かったです。黒系の服が多いというか。サングラスっぽい眼鏡も似通ってました。
 その中で、浮いてましたけどね。このハゲのオッサンは。
 シアターの中もよくできていて、前の席との間に余裕があって、とてもリラックスして観れました。これなら「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を一気に観ても……いや一気は無理です。
 画面が観安く、素晴らしい劇場だと思います。音も必要以上にすごかったです。
 ただ、場所のせいか作品のせいかわかりませんが、やたら上映中に席を立ち、階段を行き来するひとが多くて辟易しました。せめてかがんで歩いて欲しい。堂々と背筋伸ばして通らないで欲しい。見えないってば。
 あと、やたらポップコーン(特大)持ってるひとが多かったです。
 そういや、狙ってたわけじゃないんですが、毎月1日は映画の日なので1,000円でした。

 さて。
「クローズZERO」。
 いやあ。
 三池節全開バリバリMAXでした。
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」とは違う、三池監督の強烈な映像暴力が炸裂してました。
 これぞ「クローズ」。
 原作ファンは、大満足だったんじゃないでしょうか。
 家にある原作全26巻を読破してから観に行ったんですけど、正解でした。
 ヒロミ、ポン、マコが、ちょい役ながらも良い味だしてました。この頃から解説役なのか、みたいな。マコはちょっと練馬の某ラッパーに似ててアレでしたが。
 でも、阪東はあんなに可愛らしい顔してないと思いました。
 さて。
「クローズZERO」は、原作の1年前が舞台です。
 鈴蘭を舞台に、喧嘩が暴発しまくります。
 喧嘩の演出やカメラワークは、三池監督でよかったわー、と思うくらい、派手で説得力のあるド迫力な映像でした。
 とにかく、小ネタを含め随所で、三池監督でよかったわー、と思いました。軽いギャグも秀逸です。
 監督が良いのはわかってたんですが、役者も良かったです。
 今まで若手のイケメン役者って敬遠してたんですけど、小栗旬がとってもカッコよかったです。惚れちゃいそうです。個人的には、某キンキの正直しんどい方に似てる山田孝之が好みでした。表情や演技も含めて。
 黒木メイサは、クローズで女? いらないじゃん? とか思ってたんですが、わりと自然な形でストーリーに入ってきましたし、世界観を崩さない程度にいい雰囲気を出してました。
 ちょい役でも、遠藤憲一や岸谷五朗が良い味出してました。リアリティのある存在感、そして独特の緊張感があり、作品の脇をピシッと締めてました。
 つか、やべきょうすけ。おいしいところを全部持って行ってた気がします。さすが原作者を口説き落として映画制作にまでもっていった男です。気迫が違いました。情けない役ですが、最初から最後までサイコーでした。
 とどめは、牧瀬役の高橋努。新人の役者さんでしょうか。並々ならぬものを感じました。思わず目を逸らしたくなる怪演というか怪演出。半笑いで涙目になりました。あのシーンの汗と表情と恥ずかしさとバカっぽさは、伝説に残ると思います。
 高岡蒼甫と桐谷健太だけは、ちょっと浮いてたような気がします。
 原作者の高橋組のみなさんが、主人公チームに金属バットを渡してたような気がするんですけど、気のせいでしょうか。
 どうでもいいですが、この映画観るとやたら煙草が吸いたくなるので、未成年は観ちゃいけないと思います。
 あと、音楽の使い方が巧いと思いました。ここぞ! ってとこで、雰囲気の合う曲がガッ! と挿入されます。
 サントラ買っちゃうかも。横道坊主も入ってるし。劇中は、THE STREET BEATSが出まくってました。黒木メイサの曲も、効果的だったと思います。
 というわけで、「クローズZERO」。
 個人的には、三池監督の代表作といってもいいくらいの、素晴らしい作品だと思います。
 ちゃんと、原作をわかって作ってる。原作に対してのリスペクトが感じられました。
 その証拠が、ラストシーン。
 それまでの映画の流れを全否定してしまう、衝撃のラストシーン。
 原作ファン、間違いなく涙目。
 そうだよ。そうなんだよ。そーでなくっちゃ!

 この作品に1,000円は失礼な気がするので、DVDが出たら買おうと思います。



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