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「ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-」をひとりで観てまいりました。新宿バルト9です。
哀川翔の主演100作目を記念して製作された「ゼブラーマン」の続編です。
三池崇史監督、宮藤官九郎脚本。世界に誇る黄金コンビの作品です。
今回は、前回と違ってかなりお金かけてるみたいです。ゼブラクイーンもエロいです。
これはもう観に行かないわけにはいかないので、初日の第1回目に行きました。
ネタバレなんか気にしない。
ちょっとマンガの話していいですか?
マンガって、絵じゃないですか。
すっごい巧い絵を描く人とか、リアルな絵を描くひととか、トーンワークが神みたいなマンガ家さんがいます。
逆に、トーンなんかぜんぜん使わないマンガ家さんもいます。すっごい絵がヘタなマンガ家さんだっています。
で、ですね。
絵の巧さと面白さは直結しない。
すっごい絵がヘタなのに話が強烈に面白い、ってゆーマンガが、意外と多いんです。
絵がヘタであればヘタであるほど、まるで臭い食べ物に惹かれるかのごとく、クセになります。
例える作品を挙げようとしたら、切りがありません。
そしてそのヘタな絵の面白いマンガは、トーンを駆使したりCGを使ったりお金や時間をかけたマンガと、同じ値段で売られています。
見た目じゃない。
白黒ハッキリつけるとしたら、面白いか面白くないかだ!
なんていうことを、「ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-」を観終わってから思いつきました。
ぶっちゃけ、この映画はひどいです。
映像がひどいです。
CGとか冗談で作ってるとしか思えない。
でも、それでいいんです。
だって、そこは重要じゃない。
見た目じゃない。
リアルさとか、ストーリーなんてどうでもいい。注力しないでいい。どんどん流しちゃっていい。気にしなくていい。
重要なのは、シチュエーション。
シチュエーションとシチュエーションの折り重なりが、この映画のすべてです。
ひとつひとつのシチュエーションの中に、パロディやエロさや無茶さが詰まってます。ひとつひとつのシチュエーションに、笑いや涙や興奮や感動が詰め込まれています。
映画って、まじめに観るだけのもんじゃないと思います。
で、仲里依紗です。
話題のゼブラクイーンです。
超絶に最高です。
もうなんていうんでしょう、とにかくエロ可愛いです。今時のモデルさんみたいに痩せた貧相な身体ではなく、ちょっとむちっとしているところがいい。
そしてあの表情。
切なさ、不安、強さ、狂気。それらを可愛らしさを残したまま、顔芸や身振りで表現してくれちゃうんだから、とんでもない。
「NAMIDA〜ココロアバイテ〜」のPVは、永久保存に値します。ここだけの話、本編よかクオリティ高いです。
で、ガダルカナル・タカです。
悪役です。
スタンリー・キューブリックの「時計じかけのオレンジ」の主人公のカッコしてて、微妙にパロってます。
最初は誰だかわかんなくて、途中で気づいたときはなんか吹きました。
似合わなすぎてすごい。いい味だしていたと思います。
で、哀川翔です。
前作の「ゼブラーマン」でもテンション低くて覇気のないキャラクターを演じてましたが、今回もそのままです。
いや、前回以上にテンション低いです。
三池崇史監督と宮藤官九郎の脚本にドン引きしてるとさえ思えてしまうほど。
だけど、それでいいんです。
テンション高い世界には、テンション低い主人公が必要なのです。白黒つけてます。
あ。ココリコ田中も、彼らしく彼のまま頑張ってました。
劇場は、満員でした。
狭い部屋でしたけど。
途中で拍手が鳴ったり、笑いが起こったりしてました。クライマックスのあのシーンも、その前のあのシーンも、ごく一部には好評でした。
話のわかる奴だ。
とても満足して帰りのエレベータに乗ると、うしろにいたカップルが「損したー」「テレビで十分だよー」なんて会話していました。
話のわからん奴らだ。
ハリウッドが「アバター」を作ったのなら、日本は「ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-」を作った。
チケットの値段が同じなら、面白さも同じくらい。
いいんです。誇っていいんです。謙遜しないでいいんです。
いゃあ、映画って、本当に良いものですね。