20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

2009年09月09日 00:00:00 | 【カテゴリー: 2009年に観た映画
この記事の所要時間: 約 3分54秒

「20世紀少年<最終章>ぼくらの旗」を観ました。立川のCINEMA TWOです。
 先週の公開初日に観る予定でしたが、待ち合わせの関係で中止になりまして、一週間後の9月5日に観ました。一週間経っても、劇場は満員でした。
 いよいよ解決編です。
 唐沢寿明が再登場です。原作とラストが違うという噂もあり、どーなるのか非常に気になります。

 ネタバレなんか気にしない。

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 長い原作のある映画特有の、エピソード詰め込み型映画でした。
 カセットテープをポストに入れるだけとか、あちこちで時間短縮されてます。
 今回は特に主点移動が激しく、なかなか主人公が定まらない感じです。カンナは輝きを失ってますし、ケンヂはなかなか活躍しません。脇役たちがそれぞれ頑張ってるシーンが、バラバラと続きます。
 脇役といっても、みなさん主役はれる役者なので、十分画面が持ちます。むしろ彼らの活躍で主人公の存在感が薄くなっちゃうくらいです。
 しかし、予算の関係でしょうか。CGがしょぼいです。ロボのシーンなんて悲惨でした。薄目で鑑賞しないとキツかったです。

 1作目と2作目は、鑑賞中にもしょんぼりしたものですが、今回は違いました。
 3部作のうち、いちばんいいデキです。
 3時間が、全然苦になりませんでした。
 エピソードとエピソードのつながりが悪く、ぎこちなさ満載なのは、脳内補正でやり過ごしましょう。
 個々のエピソードでいちいちゾクゾクできます。
 感涙を流しちゃうようなエピソードや演出がいくつもありました。眼球真っ赤でした。
 原作の引きの巧さを、見事に再現しちゃってるんじゃないでしょうか。
 いや、原作を越えてる部分もありました。
 それは、解決編のわかりやすさです。
 ぶっちゃけますと、原作では解決編の意味がイマイチわかりませんでした。今回映画を観て原作を読み直してみたら、あーそーいうことだったのかと理解できました。
 そうです。
 噂は嘘でした。
 映画版は、原作とまったく同じ犯人でした。
 ただ、非常にわかりやすくアレンジしてあるだけです。しかも、こっちの方がいいです。原作では首を傾げましたが、映画版は同じ犯人なのに完全に納得できます。
 素晴らしいアレンジです。溜飲が下がりました。
 原作を「20世紀少年」まで読んで、「21世紀少年」を読まずにこっち観た方がいいくらいです。
 スタッフロール後のエピソードまで、秀逸でした。
 どう考えても長過ぎなんですが、じーんとしました。ちょっとだけ欲をいうと、原作のユキジとのエピソードは入れて欲しかったです。

 唐沢寿明がサングラスつけてたのが良かったと思います。
 1作目の彼の目は完全に死んでました。魚が腐ったような目でした。やる気のなさを隠そうともしない目です。それが、今回は隠されてます。声の張りと演技だけで、十分ケンヂしてました。完璧です。
 豊川悦司は、相変わらず存在感が完全に主人公でした。
 遠藤カンナ役の平愛梨は確かに原作とソックリなんですが、映画ではもっとリアルというか女っぽいというかいろんな妄想をかきたてられるような存在だったのでとても良かったと思います。でも地味でした。
 残念だったのは、木南晴夏がほとんど出てなかったことです。非常に悔やまれます。いちばんソックリだったのに。
 あと、ユキヒロさんがちょっと残念なくらい浮いてました。本物の役者に挟まれると、ちょっと可哀想です。ダイヤモンド(六芒星)ユカイは意外と良かったです。モブでしたけど。K1武蔵も意外な演技力でした。モブでしたけど。

 全体的に、原作の迷走をブッ飛ばして短縮してその結果とても巧くまとまった映画になっていたと思います。
 いろいろと無理があったのは確かですが、もともと無理がある作品なので気にしません。気にしちゃダメです。
 ベストなアレンジでした。
 音楽祭で、あの曲を歌っちゃうところも良かったです。ぐっときました。
 あ。そういえば、肝心な旗を取り返してないような気がします。

 いゃあ、映画って、本当にいいものですね。

 余談ですが、どうでもよくてどうでもよくないことを書きます。
 映画のテレビCMは、毒でしかありません。
 この作品でいうと、スタッフロール後のエピソードの最後の最後のシーンがテレビCMに使われています。公開直後にです。いちばんいいシーンなのに。
 他の作品でも、遠慮無くクライマックスシーンを垂れ流してます。ヘタすると、すべてのおいしい場面を流しちゃってます。それ以上のものを期待しても出てきません。映画を観る必要がなくなっちゃうくらいです。
 ほんとにもう、いい加減にしてもらいたい。

 

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コメント / トラックバック2件

  1. いんぢー より:

    偶然にもストンさんと同じ日に観て来ました。
    自分は原作のタイトルを知っていたにすぎない人間だったので
    最終章待ちかねてました。
    正直だれがだれで、ん?○○くんってどこでデテキタッケ?
    ってくらい記憶がボヤけちゃってたので
    全て見終わった時は半分くらい?マークが点滅してましたが(苦笑)
    テレビの再放送とか、ネットで情報補完してようやく納得できました。
    このまま原作は読まなくてもいいのかな?
    機会あれば全巻読んでみたい気もします。

  2. Stonecold より:

    おりょ。
    この映画は基本的にコスプレ映画なので、原作知らないとちょっとキツイかもなのですよ。
    しかもキャラクターが多すぎなので、原作の絵と役者の顔でマッチングさせて「うわー似てるー」で判を押しとかないと、たぶん誰が何者なのかさっぱりぷーになるような気が。
    でも納得できちゃったなんてスゴイ!
    原作は面白いっすよ! 特に序盤!
    解決編の「21世紀少年」は読まなくていいと思います。

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