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プレイ日:2009年05月22日

猛き男、ストーンコールド! 前編

 セッション第3回目は、Tiki邸で行いました。
 ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」ですが、こっからかなり外れます。
 実はこれまでのセッションでは、明確にフェイズを区切ってませんでした。この回から、ちゃんと区切ることにしてます。正式なルールに従ってます。今回予告はしませんけど。

 前回までと違い、シナリオ的にちゃんと前半と後半に別れてます。

【プリプレイ】

 タケオンに設定を追加しました。
 有名な冒険者だった父親が呪いの魔法具を身につけてしまいチョー強い魔人になっちゃったので探し出してどーにかして助け出す、という目的で冒険者になった、っていう設定です。
 誰が呼んだか、その魔人の名はツヨイーザ。
 ネーミングセンスに関しては、スルーしてください。
 あと、右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されていることになってます。この入れ墨は、父を取り戻すことにより消えます。ある種の誓いというか呪印です。

【オープニングフェイズ】

 馬に乗った”花鳥風月”の一行は、暖かい日差しの中、川沿いの街道を進んでいました。
 目的地は、”水の街”クラン=ベル。明日の午後までには、到着するはずです。
 彼らの横には、荷馬車が並んでいます。御者台には、でっぷりと太った商人が、ため息をつきながら手綱を握っていました。
 みんな、口数が少ないです。
 先日の事件が、尾を引いているのです。
 荷馬車の中には、ストーンコールドが乗っていました。狼族の若者を、でかい声で慰めています。
「ったく、女々しいわね。いつまでお通夜気分なのよ」タルトが、口を尖らせます。
「そんなこといわないで。私たちにも責任あるんだから」チキは、しゅんとしています。
「関係ないわ! エラザンデルとかいう魔王を蘇らそうとしてる、バカな妖魔の責任でしょ? そいつらを探し出して、徹底的に滅ぼしてやればいいのよ。後ろ向いてたって、いいことなんかない!」
「ははっ。タルトは強いね。でも、そのとおりだと思う」カヤタはいいました。
「事の成否はがんばりひとつ、っていいますもんね」と、タケオン。
「そっか。そうだね。みんな、ありがと。……なんだか、話が大きくなってきたけど」チキは、背負った箱の重さに身体を傾けました。
 そんな話をしていると、丘に伸びる道の先から、獣のうめき声とひとの怒声が聞こえました。
「なんだろう。行ってみよう!」
 カヤタが、馬を走らせます。チキたちも、続きました。
 丘のてっぺんまでくると、なだらかな坂の向こうで戦っているひとがいました。
 相手は、翼の生えた獅子。魔獣のようです。
「マンティコアだわ! 珍しいわね、こんな人通りの多い街道に出るなんて」
「戦ってるのは、冒険者みたいですねえ。ふたり組です。ひとりは銃を使ってますから、ガンスリンガーかな」
「もうひとりは、アコライトかも。あっ! カヤタが行っちゃった!」
 カヤタは馬を走らせ、戦闘しているところまでやってきました。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」
 ババーン!
「お、追いはぎかっ!? バッカヤロウ! 時と場所を選びやがれっ!」ガンスリンガーの男が、叫びます。
「違うよ! 助太刀します!」
「マジか! でも、金は払わんぞ!」
 カヤタは、馬上からマンティコアに攻撃します。
 離れた所から、タルトの《ウォータースピア》と、タケオンの《サモン・カトブレパス》が飛んできます。
 チキが到着するころには、マンティコアは地面に倒れていました。
「……また間に合わなかった。け、怪我はない? 治すよ、治すよ」
「大丈夫だ。こっちには、優秀なアコライトがいるからな。いやでも、ありがとう!」
 ガンスリンガーは、二丁拳銃を指先でくるっと回して、ホルスターに収めました。フードをかぶったアコライトに、《ヒール》されています。
 男とチキの目が合いました。
 お互い、目をぱちくりしています。
「え?」
「え?」
「……うそっ!? パーシリ!?」
「お嬢ちゃんじゃーないかいっ! なんという偶然だ! こんなに早く見つかるだなんて!」
 ガンスリンガーは、チキに近づきます。チキは、馬から下りました。
「ちょっとチキ。誰よそのおっさん」馬上から、タルトがいいました。
「おーい、そこのエルダナーン。誰がおっさんだ! オレはまだ20代だぞ!」
「後半だけどね。みんな。このひとは、パーシリ。私の父の部下なの」
「部下? チキのお父さんって、なにしてるひと?」
「うんと……。隠しても意味ないよね。私の父の名は、リヒト。反神聖帝国軍のリーダーやってます」
 チキがそういうと、一瞬沈黙が訪れました。
「は、反乱軍ーっ!?」
 タルトたちは、爆発したみたいに驚きの声を出します。
「リヒトさんって、有名なひとじゃないですか! ボクでも知ってますよ」タケオンは、目を丸くしました。
「へえー。チキってすごいんだー」
「といってもまあ、ヴァンスター帝国には手も足も出ないのが現状だよ。戦力に、差がありすぎるんだ。侵攻が止まった今、チャンスとばかり、人材集めと資金繰りに奔走している」
「パーシリも、資金繰りに駆り出されたの?」
「……お嬢ちゃん。実は、リヒト隊長から伝言を承ってるんです」
「父さんから? どんな?」チキは、顔を輝かせます。
「『チキよ。私はお金に困っている。早く送れ』。……いやあ、子煩悩なこって」
「え」
「うわっ。酷っ。チキのお父さん、最低っ!」
「みんなお金に困ってるんだねー」カヤタは、うんうん頷いています。
「……そんな伝言、いらない」チキは、ガックリとうなだれました。
「こんな伝言、頼まれる身にもなってくれよ。あのひと、戦場ではカッコよかったんだけどねえ。強くて、勘が鋭くて、頼りがいがあって。それが今じゃあ……」
「ねえ、パーシリ。私、全然稼いでないっていったら、どうする?」
「まあ、お嬢ちゃんが砦を出てってから、半月も経ってないしねぁ。さもありなん。しゃーないっ! オレも冒険に出て、稼ぐとするよ」パーシリは、力なく笑います。
「ごめんね。ごめんね、パーシリ」
「パーシリ。そっちのアコライトは? 恋人?」タルトが、意地悪そうな笑みを浮かべていいました。
「ち、違うって! カナンで知り合った、冒険者だよ!」パーシリは、顔を赤くして焦ってます。
「……レネといいます」
 彼女は、ぼそっと声をだしました。フードを目深にかぶってて、暗い感じの女性です。
「ふーん。脈はないみたいね」
「勝手なこと抜かすなっ!」
 タケオンは、さっきからレネのことをずーっと見ていました。
 手の甲が、痛みます。そこには、魔族が近づくとうずく入れ墨が施されています。
 ギロッ。
 フードの中から鋭い目で射られて、タケオンは背筋を凍らせました。
(なんだか嫌な予感がしますねえ……)タケオンは、そう思いました。
 と、そのとき。唐突に、背後から笑い声が響いてきました。
「わーははははは! 戦闘は終わったか! どうやら、わしの手を煩わせるほどの敵ではなかったようだな!」
 ストーンコールドです。丘の上から、悠々と歩いてきます。
 みんな無視しました。

 オープニングフェイズに戦闘があってもいいじゃない。
 そういう反骨的な出だしです。

【ミドルフェイズ】

”花鳥風月”たち一行は、”水の街”クラン=ベルへ到着しました。
 大きな川のそばにあり、街の縦横に水路が走る、珍しい街です。
 ここで、商人たちと別れます。
 パーシリとも、別れます。
「お嬢ちゃん。軍資金できたら、教えてください。つか、逃げないでくださいよ」パーシリは、レネとふたりで、高級ホテルに向かいました。酷い野郎です。
 チキたちは、ゴンドラに乗り、水路で神殿を目指します。
 魔剣セレブリックという、魔王エラザンデルに関わる2本目の剣を手に入れたので、相談しに行くのです。
 繁華街のそばを通りかかると、”年に一度の特大バザー”が、開催されていました。
”花鳥風月”の一行は、目の色を変えて、飛び込みます。
 特売商品をいくつか用意しましたので、買っていただきます。ポーション類も、いっぱい買ってくれました。
 ええ、そうです。所持金の回収です。
 ストーンコールドは、ハチマキ(オリジナルアイテム)を購入しました。伏線です。
 ここで、みんなは、誰かに見られていることに、気付きます。目の離れた、怪しげな男でした。すぐに、姿を消します。
 でも、誰も気にしません。
 なにを買うか、悩んでます。
 チキ以外。
 買い物を終えると、ほくほく顔で、神殿を目指します。

 神殿に、到着しました。
 神官長代理のウェルチが、出迎えてくれました。
 奥の個室に、通されます。そこには鏡があり、ラインにいるはずのランディアの姿が、映し出されました。鏡は通信装置なのです。テレビ電話みたいなもんです。
「……街には寄るなと、いっておいたのに」しょっぱなから、ランディアは機嫌が悪そうです。
 それはそうなのだけれど、それどころじゃありません。
 チキが、おそるおそる、魔剣セレブリックを、取り出します。魔剣カーディアックと、共鳴を始めます。
 ランディアの目が、点になりました。
「な、なんで、そんなことにーっ!? ……わ、わかりました。対策を考えます。しばらく、神殿で待っていてください! ガチャン」
 通信が切れたので、チキたちは、別の部屋で待機します。
 しばらくすると、神官長代理のウェルチが、にっこりしながら現れました。
「さあ、こちらへ。お疲れでしょう」
 何故か、小舟に、乗せられました。
 何故か、街から、どんどん離れて行きます。
 何故か、広い川の真ん中に、ぽつんと立つ小島に、到着しました。小島には、ボロい小屋が、1軒だけ。
「それでは、ごゆっくりー」小舟は、去っていきます。
 小島に残された、”花鳥風月”の5人。
「……これって、監禁?」チキが、つぶやきました。

”年に一度の特大バザー”で、あとで使って欲しい使い捨てアイテムをわざとらしく9割引で売り出してたんですが、誰も買ってくれませんでした。
 わざとらしすぎたのかも知れません。
 うーん、難しい。

 ウェルチは、某公式リプレイに出てくる女の子です。
 既存のキャラクターだと、あんまし自由に動かせないです。リプレイ大好きなので、汚したくないというか。

【クライマックスフェイズ】

 その日の夜、襲われちゃいます。火矢が降ってきて、小屋が燃え出します。  こんなこともあろうかと、みんなは、交代で見張りに立ってました。あっさりと、黒装束の襲撃者を、発見します。
 隠れていたコルンを、チキが発見。
 カヤタの刀。タルトの大砲。タケオンの召喚魔法。ストーンコールドの拳。

 ぶっちゃけますと、見張りしてるなんて想定外でした。
 鎧を着てる間に、攻撃してやれとか考えてました。
 この襲撃者も、とっても強いので、ものすっごい苦戦すると思ってました。
 なにしろ襲撃者は、4本腕のコルンです。
 コルンといえば、「シナリオ集1 ファーストプレイ」3本目のシナリオのラスボスです。
 しかも、レベル10にパワーアップしてます。HPは100超えてます。セットアップフェイズに隠密になれてエンゲージから抜けられる、っていう非常にズルいスキルまで持たせているのです。
 それなのに。
 わずか2ターンで、コルンは死にました。
 なにこのひとたち。やたら強いじゃないですか。
 ストーンコールドを大活躍させるはずが、ちっとも目立ってませんでした。

【エンディングフェイズ】

 戦闘が終わり、コルンの死体をあさり、装備品をかっぱいでいると、小舟がいそいそと、近づいてきました。
 小舟には、ウェルチと、武装した兵が、乗ってました。
「み、みなさん、大丈夫ですか!? ぶっちゃけますと、魔剣は無事ですか!?」ウェルチが、駆け寄ってきます。
「……無事です」チキは、答えました。
 ウェルチは、コルンの死体を見て、驚きの声をあげます。4本腕のコルンは、とても有名な、妖魔の暗殺者だったのです。
「襲撃は、予想していました。けれど、こんなに早く。しかも、コルンを寄越すだなんて……」ウェルチは、つぶやきます。
 つか、背後で小屋が、ものすごい勢いで燃えてます。
「えーと……。し、神殿に、お越しください。部屋も、用意します」ウェルチが、いいました。
 小舟に乗って、神殿へ。部屋を用意していただき、休みました。

 ここで、前半終了。アフタープレイです。
 経験値は、20点+フェイトくらいだったと思います。
 こんくらいじゃ、みなさん、レベル上がりません。
 フェイト上げたり、クラスチェンジしたりするかなーと思ったんですけど、意外と堅実で、保留してました。

 ここまでは、すんなりと進みました。
 想定外の後編につづく。

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