肘が使えるルールだったら最強の格闘技

2006年03月09日 09:45:45 | 【カテゴリー: 2006年に観た映画
この記事の所要時間: 約 2分37秒

 シコシコ構想案にOKが出た。
 いつもOK出るの月末なのに。かつてない余裕が生まれた。今日からシコシコ始めたいけど、なんか遊んじゃいそうでコワイ。

「マッハ!!!!!!!!」を観た。ムエタイの本場、タイ映画。「!」多すぎ。
 CGなし、ワイヤーなし、スタントマンなしという触れ込みのアクション映画。
 とにかく主人公のトニー・ジャーが、身体を張って大活躍。ブルース・リーかジャッキー・チェンか、ってくらい凄まじい生身のアクションを魅せてくれる。時代はカンフーからムエタイへ。もう爽快!
 ……のはずなんだけど、古い。70年代のフィルムか、ってくらい画面がキタナイ。全体的に暗い。フィルムが劣化していそう。DVDじゃなくてビデオで観たせいもあるだろうけど、三十年くらい昔の地味な映画に見えた。残念。
 製作者が映画を作るのに慣れていないような気がする。不必要なスローモーションや繰り返しが多い。テンポが微妙に悪い。微妙に効果的な絵を撮れていない。ほんとに微妙なんだけど。
 最悪だったのが、音楽。映画に音楽って重要だな、と思い知らされた。大切な人が死ぬシーンでBGMがないと、こんなにしらけるものなのか。シーンが変わったのに、思い出したように同じBGMが流れるのは酷い。
 ムエタイのアクションは本当に凄いし、実際ムエタイって肘が使えるルールだったら最強の格闘技なんじゃないかと思うんだけど、この映画のムエタイはあんまりよろしくない。大技ばっかり。あんなの絶対当たらない。でもまあ映画だし、わかりやすいし派手だからいいのか。
 カーチェイスがまたタイっぽくて素晴らしかった。なんとオート三輪でカーチェイス。すっ飛んだりぶっ飛んだり爆発したり。安っすいカーチャイスだけど、こんなの見たことない。身軽なので曲芸的になってて素晴らしかった。「TAXI」よりスピード感あったし。
 話的にはなんの捻りもない単純で使い古されたパターン(盗まれた仏像の頭を取り返しに行く……いやこれは斬新か)なのだが、敵のボス(趣味は仏像の頭を集めること)が喉に穴が開いててマシンボイスで話すというわりと斬新な(というか場違いな)キャラだった。農村部と都市部の格差をキャラで表現したというか。中国映画の「あの子を探して」を彷彿させる。
 全体的に、わかりやすい。ストーリーもキャラクターもわかりやすい。
 こういう、わかりやすくてありふれた話に、斬新なアクションが巧くはまると、いい作品ができる。
 もっとフィルムと音楽に予算割いて欲しかったけど。
 ところで、映像が悪かったせいで、ラストシーンで出家してたのが、腕折られて大仏の頭に下敷きになって死んだと思った主人公の知り合いに見えたんだけど、違うのかな。死ななかったんだよかったね、とか思ったんだけど。ヒロイン(?)も村にいたし。
 ああそうだ。ヒロイン(?)がむっちゃ可愛かった。プマワーリー・ヨートガモンっていうのか。ボーイッシュで強がっているけど本当は弱いという目が大きくて華奢な娘萌え。
 トニー・ジャーには、もっと洗礼された映画の世界に出て行って欲しい。プマワーリー・ヨートガモンもセットで。

 

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