最近、トイカメラというものを買いました。
トイカメラっていうのはナニか? というと、読んで字の如く、”おもちゃのカメラ”です。
実際、カメラの見た目が非常におもちゃっぽいです。種類はいろいろあって、中には組み立て式のプラモデルカメラというのもあります。ハリネズミカメラという、3cm四方のサイコロみたいなカメラもあります。「にゃー」と鳴くボタンつきのカメラもあります。
おもちゃなので、けっこー安いです。お手頃かつ、お気軽です。
LOMO LC-AとかSMENA 8Mとか、1万円を超える高級トイカメラもありますが、トイカメラのスタンダードであるHOLGAのカメラは、6,000円くらいで買えます。
で、一般的なトイカメラってやつは、レンズがガラスじゃありません。プラスチックです。透明度が低いので、全体的にかなりぼんやりした写真になっちゃいます。しかも、部屋の中だと照明があっても光量不足で暗くなっちゃいます。お外専用です。アウトドア派のカメラです。
つまり、すんごい性能が低いカメラなんです。もうカメラなんて呼ぶのもおこがましいくらい。
けれど、トイカメラならではの遊び方があります。
まずは多重露光。トイカメラっていうのは、わざといい加減な作りをしてまして、フィルムを巻かなくてもシャッターが押せてしまうのです。同じフィルムに、複数回シャッターが切れちゃうんです。これだけで、わくわくしちゃうじゃあありませんか。心霊写真もお手の物です。
つぎに、トンネルエフェクトです。写真の周辺の光量が極端に落ちて、まるでトンネルの中から写真を撮った写真になってしまいます。実はこれ、ケラレと呼ばれる現象で、普通はカメラやレンズの欠陥なんですけど、トイカメラではなくてはならない特徴的な味となります。もうトンネルエフェクトのない写真なんか、我慢できません。
そしてノーファインダーが推奨されます。ファインダーを覗かず、テキトーにシャッターを押す。これがトイカメラの遊び方です。なにが撮れているかわからない。それがいーんです。どっちにしろ、仕様上ファインダーを覗いても微妙にずれちゃうので、覗かなくても同じです。
中途半端な多重露光。
というわけで、HOLGA 135 BCを買いました。
実は、今までこんな世界のことなんか全然知らなかったんですが、なんとなく立ち寄った吉祥寺PARCO6階にある、ヴィレッジ ヴァンガードというサブカル雑貨の店で、運命の出会いをしてしまったのです。
ひと目見た瞬間、虜になりました。
1000カラットのダイヤを見たプリンセスのような瞳とよだれで、ブツを凝視しました。
BGMが高田渡だったのも、気分を盛り上げてくれました。
でも、今さらフィルムのカメラなんて。デジカメでいいじゃん。現像とかお金かかるし面倒くさいよ。そんな声が頭をよぎり、そのときはスルーしました。
一週間悩んだ挙句、しんぼうたまらなくなり、風邪なのに無理して買いに行きました。
満足です。
HOLGAのトイカメラは、非常に、ちゃちいです。
バカにしてんのか、ってくらいにちゃっちいです。
だけど、それがイイんです。
とても最近撮ったとは思えない、昭和的な色合い。
HOLGA 135シリーズは、待望の35mmフィルム専用HOLGAです。
これより前のHOLGA 120シリーズは、トイカメラの代名詞的存在だったんですが、ブローニーフィルムという特殊なフィルムしか使えなかったんです。現像代も高いです。別売りのアダプターを使えば35mmフィルムを使えますが、割高になっちゃうし、でっかくなっちゃいます。
35mmフィルムは、ごく普通のフィルムです。ごく普通のフィルムが使えるHOLGA 135シリーズは、よりいっそうおもちゃっぽさを増した、最新鋭のトイカメラなんです。
とても良い時代になりました。
ベターな色合い。
フィルムは、ドイツの光学フィルムメーカーAGFAのVista 400を使ってます。
「ペンキを塗ったような色」ともいわれる、コントラスト強めの発色をする特徴的なフィルムです。
これが、残念ながらヨドバシカメラじゃ売ってないんですよ。PARCOのヴィレッジ ヴァンガードまで行けばありますが、ちょっと高い。あんまし気軽な値段じゃない。
しかしまあ、他のフィルムを試すのも面白そうなんで、いろいろと比べてみたいと思います。
今回ブログに写真を載せようと思い、5年前に買って2回くらいしか使ってない埃まみれのスキャナをセッティングしたんですけど、すんごい時間かかりました。1200dpiで取り込もうとしたら、さんざん待たされた挙句エラーで失敗するし。結局800dpiで取り込みました。
やっぱPCに取り込むと、実際の写真とでは、色合いとかコントラスト的なとこが違っちゃいます。写真の方が味わいが深い。Photoshopでいろいろいじれるけど、いじっちゃうとそれはそれでなんか味わいがわざとらしくなっちゃって嫌だし。
つか、スキャナのガラス面の裏っかわに、カビみたいなのがぽつぽつとあるんですけど、どうしましょうコレ。
フィルムスキャナとか欲しくなってまいりました。
ちなみに嫁も、SisterHolgaというトイカメラを買いました。
こんなサイケな広告(http://www.superheadz.com/sisterholga/)までありました。
いわゆるむかーし流行ったコンパクトカメラで、フラッシュもついてます。けれど、トイカメラなんで見た目はやっぱりちゃちいし、その粒子の粗いピンボケ具合も、素晴らしくトイカメラです。
だた、110フィルムという特殊なカートリッジフィルムを使うので、現像に5日くらいかかっちゃうんです。
というわけで、これからはどこに行くにも、このHOLGA 135 BCを持ち歩こうと思います。
ノーファインダーで!
まあ、旅行とかにはデジカメ持って行きますけどね。
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