こんなに恐いのって

2008年05月26日 00:00:00 | 【カテゴリー: 2008年に観た映画
この記事の所要時間: 約 3分16秒

「ランボー 最後の戦場」を観ました。立川のCINEMA CITYです。公開初日の1回目なのにぜんぜん客が入ってなくて、ちょっと不安になりました。なんで?
 前作「ランボー3 怒りのアフガン」から20年。「ロッキー」シリーズと同じく、シルベスタ・スタローンで大当たりしたシリーズの完結編。「ロッキー・ザ・ファイナル」と同じく、スタローンが監督と脚本もやってます。自分の当たり役に自分で幕を下ろすなんて、彼は漢です。
「ロッキー・ザ・ファイナル」があまりにも漢すぎてすごく感動して劇場に観に行かなかったのを後悔しまくったので、絶対に観に行かなくちゃいけないわい、と思って観に行きました。
 ちなみに「ランボー2 怒りの脱出」は、当時中学生だったんですが、2回も映画館に足を運んだくらいでした。

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 観ていて心臓が痛くなりました。
 正直いいまして、「ソウ」を観ながら焼き肉食えるくらいだし、「呪怨」をニヤニヤしながら観たりするくらいなんですが、「ランボー 最後の戦場」は恐かった。ホラー映画なんか比較にもならない。
 映像が、とてもリアルなんです。銃弾が、爆発が、殺戮が、死体が、とてもリアルなんです。
 これは、いちばん最初に本物を見せられたせいだと思います。実際の、ミャンマーの惨劇。ミャンマーの実情。この魔法というか呪いにかかっちゃうと、作り物のはずの映像が、現実なのかも知れないと錯覚してしまう。
 悪役に一切感情移入できないというのも、リアリティを高めていると思います。なにを考えているかわからない、不気味な存在。唯一わかることは、ボスがホモ。
 目を背けたくなるくらいのリアルでショッキングな映像を、嫌になるほど見せられるので、すごく恐い。こんなに恐いのって、初体験です。
 さすがR-15だぜ。すげーぜ。痛そうだぜ。つか痛いぜ。ものすごく恐いぜ。残虐非道だぜ。泣きそうだぜ。もうやめてよだぜ。涙目だぜ。こんなR-15っぷりが続くと、嫁が途中で出ていきたくなっちゃうかも知れないぜ、なんて心配したんですけど、嫁はケロッとしてました。あれ?

 しかしながら、すごいあっさりしてました。
「ランボー2 怒りの脱出」で例えると、捕虜を連れて待ち合わせの場所に行ったら捕虜と一緒にヘリに乗せてくれておしまい、って感じです。
 これから一波乱あるぞ、って期待してたらボスがやられてそのまま終わっちゃった。ランボー、機関銃撃ってただけ。
 確かに、還暦過ぎた役者がアクションやるのはキビシイでしょうけど、走ってるだけ、っていうのはランボーっぽくない気がしました。ナイフ持って格闘戦とかやって欲しかった。一度は敵に捕まって欲しかった。
 ランボーの肉体が不足しています。
 なんかちょっと拍子抜けでした。「ロッキー・ザ・ファイナル」みたいに、心に響く台詞もなかったし。

 仕事が終わったら家に帰ろう。これが今作のテーマ。
 エンディングというかスタッフロールで、ランボーは実家に帰ります。
 最初から実家に帰ってれば、ひとりで戦争を起こすこともなく、ベトナムに行くこともなく、アフガンに行くこともなく、ミャンマーに行くこともなかったのに。なんていう感慨もひとしおです。よく考えたら究極のドMです、ジョン・ランボー。世界を股にかけた、グローバルなドM。
 で、このスタッフロール、爽やかな青空の下、広大に広がる牧場を、ランボーが家に向かって歩いていくっていう、しんみりするシーンなんですが、BGMがえらいスリリングなんです。必要以上にスリリング。これから怪獣でも出てくるんじゃないか、ってくらい。強烈に緊張感のあるBGM。
 きっとランボーにとって家に帰るということは、ベトナムやアフガンやミャンマーに行くよりも恐ろしいことなのでしょう。
 究極のドMであるジョン・ランボーは、最後のプレイとして、ついに実家を選んだ。
 そんな感慨もひとしおです。

 面白かったです。

 

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コメント / トラックバック4件

  1. いんぢー より:

    この映画を日本にきているミャンマー人に観てもらったところ
    「(政府軍が行った虐殺シーンは)限りなく真実に近いです」
    と言われたそうな。
    ちなみに敵のボス役の人は、実際は反政権の(どれくらいの、どんな活動してたんか知りませんが)リーダーだとか。
    実際のミャンマー人がとても多く出演しているそうです。
    自らの危険を冒して。
    迫真なのはだからかもしれませんね。
    日本は平和な国ランキングで、今回5位だそうですよ。
    ありがたやありがたや。

  2. Stonecold より:

    うわーやっぱそうなのかー。
    とにかくハンパないリアリティで、とにかく心臓が痛かった。奴らは人間じゃねえ。

    でも、無茶な強さを発揮するランボーが観れなかったのが残念。「ロッキー」と同じく、1作目に原点回帰したのはわかるんだけど、エンターテイメントじゃなくなった「ランボー」って「ランボー」じゃないような気がしないでもない、なんて思っちゃう日本人です。

  3. やまやま より:

    ランボーかぁ。
    2が好きだっただけに行きたいけど、ヒマないや(´・ω・`)
    だが、これで終わりそうにない予感。
    きっと次は、「ランボーFINAL・怒りのチベット」ですよ!

  4. Stonecold より:

    「ランボー 最後の戦場」って邦題でしたね。原題は、「Rambo」。一歩間違えると「Rampo」。
    確かに5作目を作るかもという噂がありますが、「ロッキー・ザ・ファイナル」も原題が「Rocky Balboa」という名前の題名ですし、スタローン的には同じように終わらせたんじゃないかなーと。
    ていうか、5作目があるとしたら、間違いなく父親との壮絶な肉弾戦がメインになると思います。ロケーションは、自宅。

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