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　嫁が借りてきたDVDで、「ＫＩＤＳ」を観ました。乙一が原作の映画です。
　監督は、荻島達也という方です。「きみにしか聞こえない」でも、乙一の原作を監督してます。
　映画館かなんかで、予告編だけ観てました。ひとの傷を引き受けることができる超能力を持った少年と、喧嘩の強い少年の、愛……じゃなくて友情を描く作品。
　主演は、小池徹平と玉木宏です。非常に、清潔感のある役者です。受けと攻め。どことなくBL臭がただよってくるので、乙一の作品に合ってる気がしました。
　ヒロインは、栗山千明。作中でマスク取る前の方が可愛かったと、嫁がいってました。
　泉谷しげるが、泉谷しげるのまんまでした。シゲリストにはたまらない。全部で10分くらいしか出てない斉藤由貴が、いちばん巧い演技を見せてくれました。
　心に傷を持った少年少女の、ちょっと残酷で、ちょっと痛い、青春物語。
「ＫＩＤＳ」は、「傷」とかけてあるんですが、最後の方になると、「きっつー」になっちゃいました。残念です。
　いゃあ、映画って、本当に面白いものですね

　さて、ここからが、本題です。
　2009年3月8日に、「ヤッターマン」を観てまいりました。立川の、CINEMA TWOです。公開2日目です。
　ぶっちゃけ、まったく期待してなかったんで、観る気はなかったんですけど、深田恭子が、……その、……あの、……つまりアレだったので、いちおう観とこうかなー、なんて、その、ええと、つまり、鼻の下を伸ばしながら観に行っちゃいました。
　ネタバレなんか気にしない。

　
　この作品は、「ヤッターマン」の映画化、というよりか、三池崇史監督の作品、といった方が合ってます。
　三池崇史は、精力的な監督です。4月には「クローズZERO?」が公開になります。この「ヤッターマン」は、「クローズ ZERO」のときの「スキヤキ・ウエスタン　ジャンゴ」的な感じでした。
　つまり、やりたい放題。
「クローズZERO」は、わりと原作に充実だったのに比べて、「ヤッターマン」は、わりとオリジナル要素が強いです。
　三池崇史監督の作品は、アタリハズレが激しいというか、むしろ三池監督が好きなら全部アタリなんですが、慣れてないと、アクの強いエログロナンセンスなオリジナリティに、困惑すると思います。
「え？　こんなことしていいの？」と、うろたえるでしょう。
「イヤッ！　こんなのって、ないわッ！」と、目を背けるでしょう。
「酷い！　こんなの、映画じゃない！」と、怒り狂うでしょう。
　今回でいうと、ドロンジョ様の踊りとか、ヤッターマン２号の股間に伸び縮みする鉄の棒が当たってこすれるシーンとか、ヤッターワンが乳丸出しロボに興奮してムラムラしてキスして爆発するシーンとか、ゲストヒロインが鼻血垂らしっぱなしで話が進むシーンとか、怪しげに踊るドクロ男が股間から人間を喰うシーンとか、「ジャンボパチンコ」から「パ」が消えるのを目撃した田舎の太った女子高生がパンツ見せながらドタドタと走り去るシーンとか、頭がパカッと開いたと思ったらひとの顔が詰まっててそれを無理矢理引っ張り出すとか、二号さん発言とか、です。
　お子さんと観に行くときは、注意が必要です。絶対に「二号さんってなに？」って訊かれると思います。

　それにしても、生瀬勝久のボヤッキーがすごかった。まさに、怪演。特に、目玉の動き。彼のボヤッキーは、ボヤッキー以上にボヤッキーでした。
　ケンドーコバヤシのトンズラーも、なかなか良かったです。十分に笑い取れてましたし、存在感の薄さも滲み出てました。
　ヤッターマン１号の櫻井翔は、いい加減でテキトーな感じが良かったです。演技も力が抜けすぎていて、逆に良かったです。でも、唇の赤さが気になりました。
　ヤッターマン２号の福田沙紀は、もっとパンチ……おっと、なんでもありません。良かったです。まるでセクシーじゃないところが、良かったです。１号にいいように扱われている感が出てて、良かったです。
　そして深田恭子。ドロンジョ様。乙女ちっく女王様でした。もうたまんない。コスチュームを含め、総合的にたいへん良かったと思います。サイコーです。とてもエロ可愛いかったです。あのドクロピンクのネイルとか流行そう。
　ゲストで、小原乃梨子（のび太の声）と、たてかべ和也（ジャイアンの声）と、ささやきレポーター（笹川ひろし）が出てました。あと、山寺宏一のあの顔が忘れられない。

　客席は満員で、客層はいろいろでしたが、小中学生の女の子が多かったように感じました。下ネタ満載なのに。櫻井翔のファンなのかも知れない。予想できたであろう三池監督の悪意が感じられて、とても嬉しく思いました。
　オープニングがおわった当たりで、「もうおわり？」という子どもの声が聞こえてきたときは、ほほえましく思いました。
　あっという間の、111分。
　けっこーあちこちから、笑い声が聞こえてきてました。どーでもいいと思ってたのに、予想外の面白さを目の当たりにして、面食らったひとも少なくなかったに違いありません。面食らいました。
　劇場から出てくるひとたちは、みんなニコニコ顔でした。得した、って雰囲気でした。
　白いドロンジョ様、観てみたい。

　いゃあ、映画って、本当にいいものですね。

タグ: ヤッターマン, 三池崇史, 乙一, 深田恭子, ＫＩＤＳ