時空の迷宮 前編

2009年07月01日 00:00:00 | 【カテゴリー: アリアンロッドRPG
この記事の所要時間: 約 10分6秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第5回目は、いつものTakeon邸で行いました。
 シナリオのタイトルは、『時空の迷宮』です。
 ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」だと、いい切っておきます。
 断るまでもないですが、今回のプレイ日記も、脳内補正がモリモリ加わってます。本当はこうしたかった! 的な悔しさも入ってます。

 プリプレイで、Ganhiroの猫耳おじーちゃんを、見直しました。
 おじーちゃん補完計画です。
 前回は、《クイックステップ》を取っていないという、のんびりとした、社交ダンスじーちゃんでした。
 今回からは、よぼよぼな動きが敵の攻撃を的確に避け、震える手が超振動バイブレーションとなり敵の骨まで粉砕するという、ヒップホップじーちゃんになりました。

 前回のおさらい。
”石の街”ロダニアで、魔人ジュエリーザを退け、一躍人気者になった”花鳥風月”の一行。
 神官ランディアの依頼で、魔剣を封じる溜めに、カヤタの故郷である、”久遠の森”を目指すことになりました。
 ですが、ロダニアから”久遠の森”までは、馬を使っても、30日くらいかかってしまいます。
 たまたま出会った、カヤタの友人、リグレの案内で、近道である、時空の洞窟を目指します。
 途中、魔王エラザンデルの部下、漆黒の剣士コッホバールに襲われましたが、マグドゥーラの王女サングリエルの登場により、難を逃れました。
 しかし、どうやら、魔王エラザンデルの復活は、近いようです。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル7
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル7
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル7
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル7
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル7
 プレイヤー:Ganhiro
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。


 オープニングフェイズ。
 コッホバールを退けたその夜、じじは、なぜかマグドゥーラの王女サングリエルのことが、気になって仕方がありません。なんか知らないけど、ドキドキしてます。この、甘酸っぱい胸のときめきは、なに?
 すると、ピッキューン! と、ひらめきました。
「お、思い出したぞぉーっ!」
 その時、彼の身体が光り輝き、一瞬のうちに、若返りました。20代の精悍な青年に、変身したのです。腰に提げた剣は、妖魔をスパーンと倒すという、聖剣ヨーマスパーンに変わりました。
 でも、変身したショックで、なにを思い出したのか、忘れてしまいました。
「……なんだったかのう?」
 しょぼーんとしたら、変身も解けちゃいました。おじーちゃんに、戻っちゃいました。
 謎だらけのおじーちゃん、じじ。
 彼は、フェイトを1消費すると、若返り、聖剣ヨーマスパーンを手にすることができるという、妙な能力を得ました。

 次の日の早朝、野営をしていたタケオンが、水を汲みに小川へ行くと、獅子が、木の陰から顔を半分だけ覗かせてこっち見てました。
 タケオンが声をかけると、獅子は嬉しそうに寄ってきて、ぐるぐる喉を鳴らします。
 獅子は、重々しい声で、喋り出しました。
「助言を、与えよう。運命の気まぐれにより、過去と邂逅するであろう。ただしそれは、変えることの……む! すまない。今日は、時間がない。カーチャンに見つかると、叱られてしまうのだ。では、達者でな!」
 獅子は、ずばばっと、走り去ってゆきました。
 ふと、頭に違和感を覚え、触れてみると、動物の王が彫刻されたサークレットが、はめられていました。
 それは、ハイサモナーサークレット。サモナースキル《ハイサモナー》の効果が上がる、強力なサークレットです。
「……僕、《ハイサモナー》、取ってないんですよねー」
 タケオンは、爽やかな笑顔で、空を眺めました。

 ミドルフェイズ。
 リグレの案内で、時空の洞窟へ到着したました。
 それは、石を積み重ねた、門のようなものでした。門の間は、真っ白い霧に包まれ、向こうが見通せなません。もやもやが、流れ出ています。
 リグレは、厳しい顔で、説明します。
「いいか。この時空の洞窟は、通り抜けに、あまり時間をかけられない。具体的にいうと、リアルタイムで5時間、つまり19時までに通り抜けられないと、死ぬまで出られなくなる!」
 えー。まじでー。みたいな感じすが、行くしかないので、門をくぐります。
 いきなり、広大な宇宙空間に出ました。
 きらめく小さな星々が、うっすらと、みんなを照らしています。
 足下には、横幅3mくらいの薄いタイルあり、遠くまで伸びています。宇宙空間に浮かぶ、通路です。
「ふーん」みなさん、淡泊な反応です。
 カヤタとリグレは、封印守護の一族です。彼らにだけは、安全な道が見えますが、チキたちには、見えません。
 リグレは、カヤタを引っ張って、安全な道を行こうとします。
「あっちは、困難な道だからな。因果をねじ曲げるような、凶悪な障害が、待ち構えている、って話だぜ。言い伝えによると、途中で姿を消してしまうとか、姿や人格が変わったりとか、……発狂する者もいたという」
「リグレは、安全な方、行きなよ。僕らは、こっちの道、行くからー」カヤタたちは、困難な道を選びます。
「ちょ!? ……わ、わかった。お前が、どれほどの男なのか、見届けてやるぜ!」リグレも、ついてくるみたいです。

 時空の洞窟は、訪れるものの運と、宿命により、姿を変える、迷宮です。
 通路の先になにが待ち構えているのか。
 それは、誰も知りません。

 宇宙空間に伸びる、曲がりくねった通路を進むと、緑色の扉が塞いでいました。
 カヤタが、どーん! と、ドアを開けると、唐突に、森の中に出ます。
 柔らかな木漏れ日に包まれて、暖かいです。鳥のさえずり。優しい風。アロマの香り。【HP】と【MP】が3d6点回復できるくらいの、癒し空間です。いきなりくるとこじゃありませんでした。
 さっさと通過します。

 宇宙空間に戻りました。進んでしたら、突然、凄まじい速さで、通路がタイルが流れ始めます。星々の光が線になり、平衡感覚が失われます。
 気付くと、広い部屋に倒れていました。
 なんということでしょう。
 チキと、じじが、3歳児になってしまいました。
「おっぱいは、まだでしゅかー」じじは、老人だったり、若者だったり、幼児になったり、忙しいです。
「……進むでしゅ!」チキは、受け入れたみたいです。
 幼児2人を連れて、カヤタたちは、部屋から出ました。

 通路を、灰色の扉が塞いでいました。ドアを開けると、12m四方の鉄鋼の部屋に出ます。木目調の模様が、壁や床を満たしています。部屋の奥には、禍々しい彫刻のされた大理石の扉がありました。
 目をこらすと、部屋の隅に、部屋と同じ模様の大きなサソリが、いました。襲ってくる気配はありません。
 エネミー識別してみると、ダマスクススコーピオンだということがわかりました。
 2回攻撃。受けるダメージは常に1。HPを回復する攻撃。
 スルー決定。
 とっとと、部屋から出ました。

 宇宙空間の通路を、大理石の扉が塞いでいました。
 重いドアを開けると、突然、どこかの街の中に出ました。
 城壁に囲まれた都市ですが、壁は崩れ、家屋が燃え、潰された兵士の死体が転がっています。まるで、戦場です。
「……あ、あれれ? ここは?」カヤタは、首を傾げます。
「おっぱいは、まだでしゅかね」3歳児のじじが、指をしゃぶります。
「街ね! お買い物できるわっ!」タルトが、目を輝かします。
「そーじゃないでしょう」タケオンが、突っ込みます。
 とかやってたら、巨大な影に、覆われました。
 見上げると、どこかで見たような、巨人。
 魔人ジュエリーザです。ジュエリーザが、背を向けて立っています。
 ロダニアで遭遇した時と、ちょっと姿が違うのに、気付きました。宝石の数が少なく、黒い地肌が見えています。
 魔人の向こうには、果敢にも剣を向ける、ひとりの騎士がいました。ヴァーナ狼族の、男です。
 チキは、彼に見覚えがありました。
「あ、あれは!? お、おとーしゃん!?」
 チキの父の、リヒト。とても若く、まだ20代前半っぽいですが、間違いありません。
 そして、この街は、帝国に奪われた、チキの故郷でした。

 魔人ジュエリーザは、灼熱のビームで、リヒトを吹き飛ばしました。彼は、家屋に衝突すると、血を吐き、倒れます。
 チキの姿が、一瞬、ブレました。
「おとーしゃん!」駆け出そうとする、よちよち歩きのチキを、カヤタがつまみ上げました。
「こーなったら、やるしか、ないっ!」カヤタは、カタナを抜きます。
「勝てますかねー?」タケオンも、戦闘態勢を取りました。
 タルトは、隙をみて回り込み、チキの代わりに、リヒトのところへ向かいました。
 殺気を感じたのか、魔人ジュエリーザが、振り返りました。
 戦闘開始です。
 ジュエリーザの放つ、灼熱のビームで、大ダメージを受ける、カヤタ、チキ、タケオン、じじ。
 絶望的な戦力差ですが、カヤタは、果敢にも攻撃します。しかし、ダメージを与えられません。
 タルトは、リヒトを《ヒール》で回復しました。立ち上がろうとしたリヒトに、ジュエリーザが向き直ります。灼熱のビームが放たれ、彼は戦闘不能の虫の息になりました。タルトは、余波を受けて、吹き飛びます。
 姿がブレるチキ。
 焦るカヤタたち。
 すると、ジュエリーザが、タルトを見て、目を見開きました。
 巨大な身体を持つ魔人が、ちいさなタルトに、怯えています。
 ロダニアのときと、同じです。
「……エ、る、ウェーッ!?」と、つぶやくと、ジュエリーザは、背を向けて、地面を蹴って飛び立ち、逃げ出しました。
 ぽかんとして、飛び去るジュエリーザを、見送ります。
 とりあえず、驚異は去ったみたいです。

 父のそばに連れてってもらったチキは、彼に《レイズ》を使います。
 リヒトは、息を吹き返しました。
「……あ、ありがとう。ジュエリーザを、追い払ってくれたのか。……すごいな。これで、我が国は救われた」
「報酬っ!」と、タルトが叫びます。
「ちょっ!? なにいってんでしゅか!」
 チキは、タルトを全力で止めました。ここで父が借金を作れば、その借金は、こっちに回ってくるような気がしたのです。
「お嬢ちゃん。キミの名を、教えてくれないか?」と、リヒトはチキに訪ねます。
 なんだか嫌な予感がしたので、チキは「チキです」と答えます。
 さっき、ジュエリーザが立っていたところに、いつの間にか、扉が現れていました。扉は、徐々に、空気に解けていきます。
「急がないと、まずそうですよー」
「ちっ。つけとくからね!」
「行こう、チキ!」
「えーと。娘しゃんには、優しくねー」
「おっぱいは、まだかいのう」
 カヤタたちは、あっけにとられるリヒトを残し、扉をくぐり抜けました。

 つづく。

 

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