‘クラン=ベル’ タグのついている投稿

さらば! 猛き男、ストーンコールド! 後編

2009年5月26日 火曜日
この記事の所要時間: 約 10分56秒

「アリアンロッドRPG」プレイ日記です。
 セッション第3回目『さらば! 猛き男、ストーンコールド!』の続きです。
 今更ですが、うろ覚えなので、詳細間違ってるかも知れません。あと、巧くマスタリングできなかったとこを、けっこー補完してます(涙)。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル4
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル4
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル4
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル4
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
ストーンコールド ドゥアン(牙爪族) 男性 【ウォーリア/モンク】 レベル3
 プレイヤー:NPC
 ハゲ。貴族の生まれで、偉そう。マイペース。まるで役に立たない。


 後半の、オープニングフェイズ。
 コルンの襲撃があった翌日、”水の街”クラン=ベルの神殿に、”花鳥風月”のメンバーは、集まっていました。
 会議室で、各地の神官長が顔を揃え(鏡を使ったテレビ電話的なもので)、神官長会議が始まりました。
 議題は、チキが持つ魔剣ふた振りを、どうするか。
 フォモールの魔王エラザンデルの力を封じている、重要な剣です。
 魔剣ふた振りは、今まで、敵の手に渡っていましたが、こちらにきました。これで、魔王エラザンデルの力を封じている5つのアイテムと、ひとつの魔杯は、すべて神殿の管理下に置かれました。
 喧々囂々と意見が飛び交います。いっそのこと、魔王の肉体を蘇らせて滅ぼしてしまえばいい、なんて物騒なことをいう神官長までいます。
 しかし、結論は出ませんでした。
「しばらく、自由にしていてください」疲れ切った顔で、ウェルチがいいます。「ただし、魔剣は、あなたがたが責任を持って、預かっていてください。この神殿には魔杯が封じられているので、魔剣を預かることはできないのです。あしからず」
 無責任な話です。
 でも、チキに、新品のアコライトセットが贈られました。わりと優れものです。神殿からの、せめてものたむけです。
「じゃあ、バザーに行こう!」タルトが、目を輝かしました。
 前日、暗殺者のコルンの身ぐるみをかっぱいだお蔭で、お金になるものができました。我慢して買わなかったものも、買えるかも知れません。
 と、神殿を出た時。
 ボカン!
 先に出ていたストーンコールドが、何者かに殴られ、そのまま、さらっと、拉致されました。
 あっという間の、できごとです。
 なんてこった! いったい、誰が? なんのために!?
「よーし! バザーに行って、聞き込みしよう!」タルトが、そういいました。
 みんなで、バザーに行きました。
 これも、ストーンコールドの、人徳です。

 ミドルフェイズです。
 バザーで得られたものは、アイテムだけでした。
 ストーンコールドの安否を心配してるのは、カヤタだけでした。
 そこへ、猫耳メイド服の女の子が現れました。なんか涙目です。
「も、申し訳ありません! ボンを! ボンを捜すのを、手伝ってください! お願いです!」
 彼女の名前は、ニャーコ。
 実は、ストーンコールドは、商人から成り上がった貴族で超お金持ちであるマクマホン家の長男だったのです。いいとこのボンボンだったのです。ニャーコは、マクマホン家に使えるメイドニンジャだったのです。
 ニャーコにとって、ストーンコールドなんて、どーでもいい存在なんですが、家長には大恩があるので、放っておくわけにはいきません。”花鳥風月”のみなさんが、買い物ばっかしてるので、やっぱり捜してくれないのかなーと思って、出てきちゃったのです。
 そんなわけで、ニャーコとともに、街を捜し回り、聞き込みを開始します。

 タケオンが、ひとりで情報収集しに行こうとしてたら、ストーンコールドを襲ったのと同じっぽい暴漢に、襲われました。
 カヤタたちが助けに入り、なんとか撃退するも、暴漢に逃げられてしまいます。
 すると、チキの父の部下であるパーシリと、アコライトのレネが、暴漢を捕まえてくれました。
「あれ? お嬢ちゃん、こんなとこで、なにやってんすか?」
「……そっちこそ」
 パーシリと情報交換して、だいたいの状況が、判明します。
 ストーンコールをを拉致したのは、欲望の女神マハディルグの、信徒です。どうやら、”遺跡の街”ラインの件で、恨みを買ったみたいです。
 パーシリとレネは、神殿で仕事を依頼されて、邪教の神殿を、探していたところでした。
 利害が一致したので、パーシリとレネは、合流します。
 下水道を進むと、ストーンコールドのハチマキが、落ちていました。
 邪教の神殿の入り口は、ここです。
”花鳥風月”と、パーシリとレネとニャーコは、突撃します。

 こっから、邪教の神殿です。
 欲望の女神マハディルグの神殿に仕掛けられた罠は、”欲望の罠”です。
 隠されてたり、罠に囲まれた宝箱の中には、たくさんの財宝が入ってます。
 この財宝は、幻影です。
 欲望に駆られ、財宝を持って行くと、フェイトが1点減ってしまい、フェイトが0になった時点で、邪悪化(NPCになる)してしまいます。
 途中でみんなに気付かれましたが、【精神判定】に成功しない限り、持って行きたくなります。
 我ながら、とても酷い罠だと思います。
 フヒヒ。
 でも、あんまし被害は大きくならなかったです。あれ?

 邪教の神殿には、多くの信徒がいます。
 だたの信者は、レベル4のモブですが、司祭は、レベル5のエネミーです。近接攻撃するやつと、遠距離攻撃するやつを、用意しました。
 けっこー数を出したのですが、”花鳥風月”のみんなは、強かったです。
 特に、タルトの《ウォータースピア》が、強烈でした。水属性のエネミーなのに、防御力以上の火力で、攻撃してきます。
 タケオンの《サモン・アラクネ》と、チキの《プロテクション》も、効いてます。NPCですが、レネの《プロテクション》なんて、レベル4なので、効果がハンパないです。
 盾になったカヤタのHPが、なかなか減りません。
 それほど苦戦することなく、”花鳥風月”は勝利しました。

 タケオンの活躍で、数々の罠をかいくぐりました。鍵が用意してあるから、難易度を21(普通14くらい)に設定してたのに、鍵開けスキルで開けられたりとかしました。
 それにしても、2階層で、計18フロア。しかも、全フロアに、罠かエネミーを設置してるなんて、このマスター、頭おかしいんじゃないかと思います。
 いくつかのイベントを得て、”花鳥風月”の一行は、巨大な両開きの扉の前に、到着します。
 部屋は、水深1mくらいの、プールになっていました。
 両開きの扉には、4X4の、数値魔方陣。縦横斜めの合計値が、同じになる、ってやつです。真ん中の4マスは、空欄になってます。数値を埋めないと、扉が開かない仕掛けです。
 ここで苦戦するかと思いきや、さすがゲーマー。カヤタとチキが、ものすごい速さで計算して、回答を出しました。タルトも、独自に回答を出してました。
 両開きの扉が開くと、その向こうは、だだっ広い祭壇の間になってました。

 クライマックスフェイズです。
 祭壇の前には、魔法陣。とっ捕まったストーンコールドが、拘束され、沈められようとしています。急がないと、おぼれ死にます。
 祭壇の奥には、欲望の女神マハディルグの、巨大な立像。目が、赤く輝いています。
 敵は、レベル9の神官と、レベル5の司祭が8人です。
 足下は、水深1mの、プール。
 この組み合わせは、想像以上に、最悪でした。
 何故なら、敵は邪神の加護があり、水のペナルティを受けません。PCだけが、ペナルティを受けるのです。
 多すぎるエネミーと、厳しすぎるペナルティで、”花鳥風月”のみんなは、苦戦します。
 まさに、泥沼の戦いでした。

 ストーンコールドを助けようと、カヤタとニャーコは前に出ます。
 カヤタは、周りの仲間を《カバーリング》。援護は、チキとタルトの《プロテクション》と、タケオンの《サモン・アラクネ》。レネの《プロテクション》も、飛んできます。
 主砲は、タルトの《ウォータースピア》。けれど、1発じゃ、誰も倒れません。タケオンの《サモン・カトブレパス》も、致命傷を与えられません。
 カヤタは、仲間を庇いながら、拘束されたストーンコールドを、水の中から引っ張り出そうとします。
 けれど、まさかの連続ファンブル。
 こりゃもう死ぬ。死んじゃう。さらば、ストーンコールド!
 って時に、カヤタが、素晴らしいアイディアを出します。
「口移しで、ストーンコールドに酸素供給だ!」
 行動順的に、犠牲者となるは、NPCのパーシリでした。
「ええい、くそっ! やりゃあいいんだろ、やりゃあ!」パーシリは、叫びました。
 男どうしの、ぶちゅー。
 歴史に残るワンシーンです。
 その後、なんとかストーンコールドは助け出されました。涙目のパーシリが、肩に担いで、離脱します。

 一方その頃、チキは部屋を回り込んで、祭壇に立つ神官のもとへ、辿り着きました。祭壇の上だったら、プールのペナルティは受けません。
 アコライトとアコライトの、睨み合い。
 聖なる神殿と、邪なる神殿の、対決。
 リーダーどうしの、一騎撃ちです
「グハハハハ! マハディルグ様の加護を受けたわたしに、勝てると思ったかぁ!」
 ブチブチブチィ! と、神官服が破れます。敵の神官は、実はものすっごい筋肉マッチョでした。
 具体的にいうと、邪神の加護で、《豪腕》を持ってます。
 チキは、強烈な一撃を受けて、ふらふらになりました。ここは、引くしかありません。

 戦闘は長引き、みんなのMPが底をつきます。MPポーションも、なくなってきました。
 毎ターン《カバーリング》を続けてきたカヤタのMPも、残りわずか。
 しかし、まだ敵の神官は残ってます。司祭も、残ってます。
 絶体絶命です。
 ってとこで、カヤタが、わざとらしく立っていた邪神像に、目を止めます。
「……あー。あれ、か」
 カヤタの指示で、タルトの最後の《ウォータースピア》が、邪神像を貫きます。
 欲望の女神マハディルグの立像が、ゴワラグシャーン! と、崩れ落ちました。
 その瞬間、信者たちは、加護を失います。
「ギャース!」
 水深1mのプールも、なくなりました。
 こーなったら、神官だって、ただのひと。カヤタの全力全開アタックで、筋肉を失った神官は、お亡くなりになりました。
 最後に残っていた司祭も倒して、戦闘に勝利。
 ギリッギリにもほどがある長期戦が、終わりを告げました。
 カヤタは、崩れ落ちた邪神像を、げしげし砕いてました。

 エンディングフェイズ。
 拉致され、生け贄に捧げられようとしていたストーンコールドを救出し、邪教の神殿を守っていた信者どもを、倒しました。
 一件落着。
 と、思いきや。
 崩れてボコボコになった邪神マハディルグ像の目が、カカッと輝きます。
『ありのままの欲望に、溺れぬ者よ。二度までも、我を冒涜せし者よ。……キサマら、決して、許さないわよう! あっちいっちゃえーばかー!!』おぞましい女性の声が、頭が割れんばかりに、響き渡ります。
 その刹那、”花鳥風月”のみんなは、赤い光に包まれました。
 一瞬、離れたところにいたレネが、ニヤリと笑ったのが見えました。
 ばっひょーん!
 気付くと、カヤタと、チキと、タルトと、タケオンは、山の中にいました。
 ストーンコールドが、いません。さらば、ストーンコールド、です。実に、しょーもない。
 そこは、ルディオン山脈。
 カヤタが、かつで住んでいた場所に、近いところです。

 ここで、シナリオ終了です。
 アフタープレイになります。
 経験値は、戦闘が、やたらめったら多かったので、60点+フェイトくらい入ったと思います。
 前半の経験値を含めると、一度に2レベル上がっちゃいます。
 でも、そんくらいの経験は積んでます。むしろ、少ないくらいです。
 だって、25時間だもの。
 本当に、お疲れ様でした。

 つづく。

さらば! 猛き男、ストーンコールド! 前編

2009年5月22日 金曜日
この記事の所要時間: 約 8分15秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第3回目は、Tiki邸で行いました。
 ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」ですが、こっから、かなり外れます。
 実は、これまで明確にフェイズを区切ってませんでした。この回から、ちゃんと区切ることにしてます。今回予告は、しませんけど。
 今回のシナリオのタイトルは、『さらば! 猛き男、ストーンコールド!』です。
 いちおう、シナリオ的に、前半と後半に別れてます。

 プリプレイで、タケオンに設定を追加しました。
 有名な冒険者だった父親が、呪いの魔法具を身につけてしまい、魔人になっちゃったので、探してます。
 誰が呼んだか、その魔人の名は、ツヨイーザ。
 あと、右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が、施されています。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル4
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル4
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル4
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル4
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
ストーンコールド ドゥアン(牙爪族) 男性 【ウォーリア/モンク】 レベル3
 プレイヤー:NPC
 ハゲ。貴族の生まれで、偉そう。マイペース。まるで役に立たない。


 オープニングフェイズ。
”水の街”クラン=ベルを目指して、街道を進む、”花鳥風月”の一行。
 隣には、商人の馬車。何故かストーンコールドが、馬車の中に入り、狼族の若者を慰めています。
 すると、街道の先で、冒険者の2人が、マンティコアに襲われているのを、発見します。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」馬で駆けつけたカヤタが、ババーン! と、叫びました。
「なにぃ!? お、追いはぎ!? 敵が増えた!?」襲われていた冒険者のひとりは、二丁拳銃です。
「いや、助太刀する!」カヤタは、刀を抜きます。
 チキ、タケオン、タルトも、援護に入りました。
 マンティコアを倒した頃に、やっと、ストーンコールドが到着します。
「フフフ。わしの手を煩わせるほどの敵ではなかったようだな」
 みんな無視しました。
 ここで、二丁拳銃の男が、チキを見て、驚きの声を出します。
「お嬢ちゃん!? こんなとこで、偶然ですねえ! 捜すとこだったんですよ!」
 彼は、チキのよく知ってるにーちゃんでした。具体的にいうと、父の部下でした。名前は、パーシリ。
 ちなみに、チキの父は、反神聖帝国軍のリーダーやってます。
「実は、隊長から、伝言を承ってるんです」パーシリは、いいました。「『軍資金はまだか』いやあ、子煩悩ですねえ、あのひと。あっはっは」
「……」チキは、ガックリと、うなだれました。
 わざわざ金を請求しに部下を寄越すとは、すばらしい親子愛です。
 ちなみに、他のギルドメンバーには、神殿から報酬の前金が支払われてますが、チキは神殿に属するアコライトなので、もらってません。月給制です。
「ええっ!? まるで稼いでないんすか!? なんのために冒険者になったんですか。しゃーないなあ。んじゃまあ、軍資金できるまで、一緒にいますから」パーシリは、ニヤリと笑います。
「……」
 ちなみに、チキには、金難の相が出まくってます。
 パーシリと一緒にいたのは、暗いアコライトの女性でした。名前は、レネ。パーシリが、街で引っかけてきたみたいです。
 チキたちは、パーシリとレネを加え、クラン=ベルに向かいます。

”花鳥風月”たち一行は、”水の街”クラン=ベルへ到着しました。
 大きな川のそばにあり、街の縦横に水路が走る、珍しい街です。
 ここで、商人たちと別れます。
 パーシリとも、別れます。
「お嬢ちゃん。軍資金できたら、教えてください。つか、逃げないでくださいよ」パーシリは、レネとふたりで、高級ホテルに向かいました。酷い野郎です。
 チキたちは、ゴンドラに乗り、水路で神殿を目指します。
 魔剣セレブリックという、魔王エラザンデルに関わる2本目の剣を手に入れたので、相談しに行くのです。
 繁華街のそばを通りかかると、”年に一度の特大バザー”が、開催されていました。
”花鳥風月”の一行は、目の色を変えて、飛び込みます。
 特売商品をいくつか用意しましたので、買っていただきます。ポーション類も、いっぱい買ってくれました。
 ええ、そうです。所持金の回収です。
 ストーンコールドは、ハチマキ(オリジナルアイテム)を購入しました。伏線です。
 他にも、あとで使って欲しい使い捨てアイテムを、わざとらしく9割引で売り出してたんですが、誰も買ってくれませんでした。わざとらしすぎました。むむむ。
 ここで、みんなは、誰かに見られていることに、気付きます。目の離れた、怪しげな男でした。すぐに、姿を消します。
 でも、誰も気にしません。
 なにを買うか、悩んでます。
 チキ以外。
 買い物を終えると、ほくほく顔で、神殿を目指します。

 神殿に、到着しました。
 神官長代理のウェルチが、出迎えてくれました。某リプレイに出てくる、女の子です。
 奥の個室に、通されます。そこには鏡があり、ラインにいるはずのランディアの姿が、映し出されました。鏡は通信装置なのです。テレビ電話みたいなもんです。
「……街には寄るなと、いっておいたのに」しょっぱなから、ランディアは機嫌が悪そうです。
 それはそうなのだけれど、それどころじゃありません。
 チキが、おそるおそる、魔剣セレブリックを、取り出します。魔剣カーディアックと、共鳴を始めます。
 ランディアの目が、点になりました。
「な、なんで、そんなことにーっ!? ……わ、わかりました。対策を考えます。しばらく、神殿で待っていてください! ガチャン」
 通信が切れたので、チキたちは、別の部屋で待機します。
 しばらくすると、神官長代理のウェルチが、にっこりしながら現れました。
「さあ、こちらへ。お疲れでしょう」
 何故か、小舟に、乗せられました。
 何故か、街から、どんどん離れて行きます。
 何故か、広い川の真ん中に、ぽつんと立つ小島に、到着しました。小島には、ボロい小屋が、1軒だけ。
「それでは、ごゆっくりー」小舟は、去っていきます。
 小島に残された、”花鳥風月”の5人。
「……これって、監禁?」チキが、つぶやきました。

 いきなり、クライマックスフェイズ。
 その日の夜、襲われちゃいます。火矢が降ってきて、小屋が燃え出します。
 こんなこともあろうかと、みんなは、交代で見張りに立ってました。あっさりと、黒装束の襲撃者を、発見します。
 ぶっちゃけますと、見張りしてるなんて、想定外でした。
 鎧を着てる間に、攻撃してやれ、とか考えてました。
 この襲撃者も、とっても強いので、ものすっごい苦戦すると、思ってました。
 なにしろ、襲撃者は、4本腕のコルンです。
 コルンといえば、「シナリオ集1 ファーストプレイ」3本目のシナリオの、ラスボスです。
 しかも、レベル10にパワーアップしてます。HPは100超えてます。セットアップフェイズに隠密になれてエンゲージから抜けられる、っていう、非常にズルいスキルまで持たせているのです。
 それなのに。ああ、それなのに。
 隠れていたコルンを、あっさりとチキが発見。
 カヤタの刀。タルトの大砲。タケオンの召喚魔法。ストーンコールドの拳。
 わずか2ターンで、コルンは死にました。
 なにこのひとたち。やたら強いじゃないですか。
 ストーンコールドを大活躍させるはずが、ちっとも目立ってませんでした。

 エンディングフェイズ。
 戦闘が終わり、コルンの死体をあさり、装備品をかっぱいでいると、小舟がいそいそと、近づいてきました。
 小舟には、ウェルチと、武装した兵が、乗ってました。
「み、みなさん、大丈夫ですか!? ぶっちゃけますと、魔剣は無事ですか!?」ウェルチが、駆け寄ってきます。
「……無事です」チキは、答えました。
 ウェルチは、コルンの死体を見て、驚きの声をあげます。4本腕のコルンは、とても有名な、妖魔の暗殺者だったのです。
「襲撃は、予想していました。けれど、こんなに早く。しかも、コルンを寄越すだなんて……」ウェルチは、つぶやきます。
 つか、背後で小屋が、ものすごい勢いで燃えてます。
「えーと……。し、神殿に、お越しください。部屋も、用意します」ウェルチが、いいました。
 小舟に乗って、神殿へ。部屋を用意していただき、休みました。

 ここで、前半終了。アフタープレイです。
 経験値は、20点+フェイトくらいだったと思います。
 こんくらいじゃ、みなさん、レベル上がりません。
 フェイト上げたり、クラスチェンジしたりするかなーと思ったんですけど、意外と堅実で、保留してました。

 つづく。