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無理なもんは無理です

2008年1月14日 月曜日
この記事の所要時間: 約 3分12秒

ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」を観てきました。
 立川でも吉祥寺でも新宿でも昭島でもやってなかったので、シネ・リーブル池袋で。これだけやってない劇場が多いなんて、どういうことでしょうか。
 実は伏線でした。
 いやあ、劇場はものすごい混雑しておりました。といっても、シネ・リーブル池袋はデパートの上のミニシアターです。年齢層は低めで、小学生の姿も見えます。
 チケットを買うのに並んでたら、行列が売店と混ざっててなにがなんだかわからない状態で、気付いたらカップルに割り込まれたふうになりムカッとしました。チケット売り場のスタッフがひとりでもたもたしてたんですけど、行列がなくなってからスタッフがふたりに増えやがりまして、これまたムカッとしました。
 これも伏線です。
 12時の回は立ち見になるようなので回避し、14時の回にしたんですが、それでも180席のシアターは満員。立ち見とか通路脇に座ってる人が多数いました。すごい人気です。
 座席に座ってみると、椅子の傾きが微妙で、椅子にそってまっすぐ座ると前の座席の人の後頭部がしっかり見れるという微妙な按配でした。身体をずらさないと映画が観れません。
 これも伏線です。
 予告が異様に長いというのも伏線でした。

 というわけで、本編。
 実は、すごい期待しちゃってました。ものすごい楽しみにしてました。
 原作のマンガ「ピューと吹く!ジャガー」好きですし。毎週欠かさずャンプで読んでますし。
 それにほら、要潤がなんかジャガーさんにソックリじゃないですか。ハマーの小木もいい味出してそうだったし。大村学って役者は知りませんでしたが、なぎら健壱とか板尾創路とか出てるじゃないですか。期待しない方がおかしいじゃないですか。
 それが、ですね……。
 最初の方は、まだ我慢できました。けっこーあちこちで笑い声出てましたし、脳内補完で楽しめました。あきらかに面白くないんですけど、面白いんだって思いこんで楽しんでました。
 でも、限界があります。
 無理なもんは無理です。
「脱力系コメディ」、「挑発的がっかりムービー」、「最強のがっかりムービー」なんていわれてますが、どれも正しかったです。
 ちゃんと作ってません。
 なんかバラエティー番組で使うネタを作ったような雰囲気です。
 やっちゃいけない空気の読めないことまでやっちゃってます。
 これでいいのか、というと、これじゃあダメだと思います。脱力させるなら、ガッカリさせるなら、しっかりと作為的に作りこまないといけないと思います。映画なんですから。これじゃあ、単に手を抜いて妥協してテキトーに作っただけです。
 映画って、詐欺師だと思うんですよ。しっかりと調べて、時間かけて下準備して、完璧にして、それから騙す。裏では、ものすごく努力している。映画って、そういうもんだと思うんです。手を抜いたふうでも、妥協したふうでも、テキトーなふうでも、裏ではしっかりと頑張ってて、「こんな無意味でバカなシーンに手間かけてんなー」って呆れさせるくらいじゃなきゃいけないと思うんですよ。
 だって、「ロード・オブ・ザ・リング」もこの映画も、1800円というチケット代の前には等価なんです。同じ映画なんです。
 スタッフロールの短さも、目を見張るほどでした。人件費かかってません。金をかければいいってもんじゃないですけど、映画にならないくらいの低予算もどうかと思います。
 久しぶりに、映画を観て心の底から落ち込みました。「ダンサーインザダーク」なんか目じゃないです。

はみぃ
 帰りのエレベーターで、女子学生が数人、興奮気味に楽しげに「影千代先輩そっくりだったよねー!」とか喋ってました。すごい嬉しそうでした。
 物まね番組か。
 なんていうかこう、日本はもうダメだと思った2008年に観た映画1発目でした。