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大人が作ったアニメ

2008年6月10日 火曜日
この記事の所要時間: 約 2分12秒

「機動戦士ガンダムF91」を観ました。17年ぶりに。レンタルDVDです。たぶん完全版の方。
 やはり安彦良和のキャラクターは良い。すごく良い。今のアニメのキャラクターには、デブとブサイクが足りません。
 やはり大河原邦男のメカは良い。すごく良い。デナン・ゾンとかカッコ良すぎる。デナン・ゾンのMG出ればいいのに。でもF91はちょっとアレだと思いました。
 作画は多少荒いとこもありましたけど、あの細かいディテールのMSがモリモリ動いてるのを観ると、思わず身震いしちゃいました。



 わかってはいたんですが、ストーリーはかなり詰め込みすぎでした。
 20話分の物語を115分に詰め込んだような感じで、キャラクターの感情や行動について違和感がありまくりました。あれだけたくさんのキャラクターが出てるのに、ひとりひとりに割ける時間が少なすぎます。アンナマリーとか惜しすぎる。ザビーネだって、いろいろエピソードあったろうに。ロナ家については、小説版読んでないとわけわかんない。
 戦争も、どこでなにやっててどうなってるんだかさっぱりわかりません。ロナ家の思想に時間かけるくらいなら、地図とか使って現状を説明して欲しかった。映像だけだと理解しにくいです。
 ラフレシアは、非常にもったいなかった。F91と戦う前に、戦艦10隻沈めるとか、単独でコロニー破壊しちゃうとか、その強さを表現してもらえないと、どんだけすごいんだかわかりにくい。
 F91の”質量を持った残像”は、もっとわかりにくい。”口臭攻撃”も派手さがない。公開当時映画館で観て、もちろん脳内補正バリバリで盛り上がってたのに、観終わったあと内心ガッカリしたのを思い出しました。

 大人が作ったアニメ。そんな感触を抱きました。
 今のアニメって、等身大だと思うんですよ。感触が。残酷描写や酷い描写があったとしても、ぬるさというか、心地よさ的なものがある。共感できる。細かいところのこだわりが、理解できる。
 ところが、富野監督や、宮崎駿監督もそうなんですが、大人が作るアニメっていうのは、どことなく大人のニオイがする。
 それは説教臭さであったり、達観的な雰囲気であったり、どうにもならない社会であったり、融通の利かない嫌な大人のキャラクターだったりする。突き放されたような、もどかしい部分。けれど、そこにリアリティを感じる。なれ合いじゃない、現実感を感じる。だからこそ、反抗する主人公に感情移入できる。
 それって、今となっては貴重だなー、なんて思いました。昔は大人が作ったアニメばっかだった。

 面白かったです。やっぱり富野監督は良い。

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ザクレロは出るのか

2007年11月13日 火曜日
この記事の所要時間: 約 2分6秒

 今さらですけど、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を揃えました。
 安彦良和先生の描く、オリジナルの「機動戦士ガンダム」です。


 いやあ、「機動戦士ガンダム」をじっくりと追体験できました。現在の最新刊は、15巻。まだ途中です。まだ哀戦士です。先が気になります。どう料理してくるのか。ザクレロは出るのか。
 マンガとして、とてもよくできています。今までの安彦良和の作品よりも、話の詰め込み方が巧いです。TV版と同じ演出まであって、ゾクゾクしちゃいました。
 一年戦争開戦までのエピソードの量が異様に多くて、相変わらずだなあ、と思いました。政治闘争とか、思想のぶつかり合いとか、ある意味真骨頂ですね。
 やっぱりキャラクターがよく描けています。きっと、思い入れが深いんでしょう。読んでるこっちも思い入れは深いですが、違和感なく満足です。ハモンさん、エロ過ぎです。ガルマ様って、こんなに可愛い奴だったんだ。ドズル閣下、より一層大好きになりました。みなさん必要以上に個性が強調されてて、素晴らしいです。
 けれど、シャアだけは、ちょっとやり過ぎな気がしないでもありません。
 これじゃあニュータイプというか、完璧超人です。モンスターです。少年時代のエピソードで、すでに「逆襲のシャア」までの道を敷いてました。
 全知全能のモンスターに挫折を味わわせるのが、引きこもりで不甲斐ないアムロ、という構図は、とても面白いですが。

 それにしても、……いいにくいんですが……モビルスーツの扱いというか設定というかデザインというか運用というか全般というか……その辺りがちょっと……微妙に……
 うん。
 なんか嫌でした。
 こうじゃないでしょう、モビルスーツは。
 特にガンキャノンの扱いが不憫でなりません。
 ていうか、キャノン砲。
 ガンダムにキャノン砲とかありえない。そんなに好きなんですかキャノン砲。うわーん。
 あと、ズゴックは大河原デザインが好きです。
 はい。思いっ切り好みの問題です。

 あと、これ↓も、買い……買ってしまい……買っちゃい……ました。
 うだつの上がらない40歳のオッサンが会社やめちゃってなんとなく漫画家を目指すというダメ人間話。
 時が見える。
 ……非常に心が痛いです。文字が涙でかすんで読めないくらい。



 週刊モーニングに細々と連載中の「僕の小規模な生活」の方は、もう他人とは思えません。リアルタイムにガチです。
 でも福満しげゆき先生は、十分成功していると思えます。