2012年3月24日に、『ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム 『Chapter V』プレリリースパーティー』に参加してまいりました。
Chapter Vのカードでドラフト戦です。Chapter Vのカードが一足早く手に入る、大興奮のイベントです。
ともに参加するのは、ピヨと友人R。
場所は、渋谷区なのにJR新宿駅から歩いた方が早いSQUARE ENIX CHARACTER GOODS SHOP SHOW CASEを選びました。ピヨに頼んで事前に予約してもらったから、ハブられることはありません。
15時30分開始です。家から新宿まで30分程度なので14時30分に出れば余裕で間に合うだろうと思ったのに、JR新宿駅で山菜蕎麦食べてたらギリギリになりました。遠いーですスクエニショーケース。
会場に到着すると、戦いを終えた勇者たちが談笑しておりました。Twitterの知り合いの方々たちも、満足げな笑みを浮かべて感想戦をしております。
闇の王つええ。
レジェンドつええ。
わくわくする話ばかりです。
興奮してきたーッ!
時間になったんで、受付へ。スクエニの黒いビニール袋に包まれた、FFTCG Chapter Vのカードを10パックいただきました。
ちらっと袋の中を確認。
緑です。グリーンです。エコロジカル色です。エロです。パッケージがエロいです。大興奮です。ごめんなさい縮め方間違えました。エコです。エコでも大興奮です。たまんない。
席に着くと、イベントの参加賞として5-155Rライトニングをいただきました。キラキラしてます。大興奮です。
大興奮です。
というわけで、大興奮してきた痴態を赤裸々に晒したいと思います。
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2012年3月 のアーカイブ
『Chapter V』プレリリースパーティー
2012年3月26日 月曜日大会2連戦
2012年3月21日 水曜日
2012年3月17日(土)、秋葉原で大会2つに参加してまいりました。
会場は、ホビーステーション秋葉原3rd店と、カードラボ秋葉原店です。
まずは『ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム ネオ・ボーダム杯』です。
大会の参加なんて、『エリアチャンピオンシップ関東地区大会』や『キャラホビ2011』を除くと、去年9月11日の『ChapterⅢ発売記念トーナメント』以来です。半年ぶりの参加です。
目的の大会は13時から。雨の中秋葉原に到着すると、余裕の散策を楽しみつつホビーステーション秋葉原3rd店へ向かいました。
すると、なんか別の大会の受付開始しやがるじゃありませんか。
このやろう、FFTCGをないがしろにするとはどーいうことだと憤り、店員に問い詰めてみると「うちは12時からです」だって。
うわあ、また会場間違えた。
しかし慈悲深き店員様が早めの受付をしてくれたお蔭で、まだ10分くらい時間があります。競歩ダッシュで店を出ると、競歩ダッシュでカードラボ秋葉原店へ。
間に合いました。
しかも、受付番号1番です。
つまり、開始時間ギリギリなのに参加者誰もいません。
久しぶりの大会参加で気弱になってまして、いいよもうこのまま流れちゃえウォシュレットで顔洗って出直してくるよ、とか思ったんですが、参加者が現れました。
池袋で何度か、イベントでも何度か対戦したことのある方です。でもかなりお強い方なんで、こんな最弱なおっさんの顔なんて覚えてないでしょう。
2名で大会開始。
こちらは氷+雷属性のクイーンデッキです。
相手様は、火+雷属性のデッキでした。
光ジタン、SRビビの猛攻に遭い、ある程度は耐えられたんですけど、相変わらずの引きでクラスゼロのカードを出せず、3コスセシルでビビをしのぎつつヴァイスでちくちくダメージを与えましたが、最後は手札を切ってからの赤魔道師を巧く使われて負けました。
その後、遅刻したもうひとりの参加者が現れ(1戦目は不戦勝扱い)、決勝戦が行われました。
まじまじと観戦。
光ジタンとSRビビの撃ち合いでした。
いやはやすごい。SRビビを警戒すれば光ジタンが強くなる。ブレイクされても賢者で蘇る。
結局、4-014Uフェニックスでシーフを巧く回した遅刻者が、相手のデッキ切れで勝利しました。
どうやら、光ジタンとSRビビを主力にし、光ジタンとSRビビを巧く回転させるカードを入れつつ、光ジタンとSRビビへの対策をしっかりとっていないデッキは、もはやデッキじゃないようです。
いたたまれない気持ちになり、参加賞のプロモカードを頂くと、逃げるように退散しました。
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リニューアルしました
2012年3月14日 水曜日
ブログ、リニューアルしました。
レイアウトそのままですけど。
タイトル画像変えただけですけど。
とても思い出深い画像だったんで断腸の思いでしたが、「Final Fantasy XIV」にログインしなくなってかなり経ってしまいましたので、思い切って切り替えました。新しい気分で出直して行こうと思います。アッチの世界へ。
もしかしたら、近いうちに「ドラゴンクエスト・オンライン ブログ」になるかも知れません。
今んとこ、「ファイナルファンタジー・トレーディングカード ブログ」です。
一時的に「三國志12 ブログ」になることも決まってます。発売延期が続いて悶々してます。
水槽は、まだ5つ完備です。毎週水換えしてます。タイガープレコが流木の中から出てきてくれません。今朝久しぶりに動いてるの見た。そのうちまた写真とか載せたいです。
ガンプラはしばらく作ってません。HGゾック作りかけです。やすりめんどくさい。その前は「起動新世紀ガンダムX」観ながらHGガンダムXをパチ組みで作ってましたが、全話見終わっても完成しませんでした。やすりめんどくさい。エアーブラシ欲しい。
興味移りやすくて困ってます。
こんなんですが、今後ともやらしくお願いします。
三国志大戦TCG
2012年3月12日 月曜日
もはや誰も読んでないかと思われるだらだらと長いうえにすっごいくっだらない小説みたいな感じの連続エントリをちょいと中断しまして、別の話題を。
三国志大戦TCGを買ってみました。
三国志大戦TCGの発売日に新宿行く用事ができたんで、アメニティドリームに行ってFFTCGのChapter.5を3ボックス予約しました。じゃなくて、三国志大戦TCGのスターターデッキを買いました。どっちがついでかわかんない。
この時は「スターターデッキ魏」が売り切れでして、余ってる「スターターデッキ蜀」と、最後の1個になっててお客さんがじーっと見てて買おうかどうか悩んでるっぽかったけど問答無用で横からさっと奪い取った「スターターデッキ呉」を買いました。戦いはもう始まっているのです。
このあと駆け足でカードラボにも行きましたが、蜀も呉も売り切れでした。魏なんてケースごとなかった。
やっぱ「スターターデッキ魏」は今日発売じゃないんだ、時期ずらして発売なんだ、「スターターデッキ漢」と一緒に発売なんだ、とか思ったんですけどやっぱりただの売り切れでした。
翌日、地元のゲームショップ行ったら見事に3国揃って売ってて、しかも1国あたり150円安かった。
孔明の罠です。
カードゲームショップじゃなくて、カードも扱ってるゲームショップが狙い目です。
というわけで、まだ三国志大戦TCGのことをよく知らないみなさんに向けて、ハイセンスかつエレガントでエクセレントなレビューをしたいと思います。
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Chapter 6:飽くなき倦怠の中で
2012年3月9日 金曜日
もちろん、オールフィクションであり、脳内妄想であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありませんし、精神に異常をきたしてもいません。
Chapter 6:飽くなき倦怠の中で
『いやー、解説のファイナル・大沢さん! 予期せぬ中断を得て、やっと第2戦、第3戦、第4戦が終わりましたねえ! 一時はどうなることかと思いました!』
『実況の古鼬さん! ティファ! すごかったティファ! 3D映像、ぼいんぼいんのたぽんたぽんだったじゃないすか!』
『それしかないんか! えー、それにしてもスメル・木村は強烈でした! おそらく運営も予期してたんでしょうねえ、対戦が始まると同時に透明の壁をステージの周りにおっ立て、客席ににおいが届かないようにしました。しかし! 逆にいえば、ステージの中のプレイヤーたちは逃げ場がなくなってしまった、ということでして。……って、ファイ沢! お前が解説しろよ!』
『ティファの魅力についてっすか? いいっすよ! まずあのおっ
『やっぱ黙れ! なんでこんなやつが解説だよ! もういい、俺ひとりでやる!』
『なにいってんすか、古鼬さん。あんただって、ティファの胸に釘付けだったじゃないすか。一緒に前屈みになってガン見してたじゃないすか』
『んなことねーよ! お前だけだろ! いいから解説しろよ! ティファ以外に目を向けろよ! 報酬カットするぞ!』
『はい、やっと第2戦、第3戦、第4戦が終わりましたね! スメル・木村のにおいにより5人が倒れ、一時はどうなることかと思いましたが、急遽用意された空気清浄機64台、消臭力512個の効果により、無事対戦を終えることができました』
『あこぎか! いきなり詳しいじゃねーか! いつの間に数えたんだよ!』
『資料がきてるっすよ、実況の古鼬さん。ちゃんと仕事してください』
『うるせーよ! 金で態度変わりすぎだろ!』
『というわけで、トーナメントの初戦を勝ち抜いたのは、ダークネス・鈴木、スメル・木村、ソルジャー・村田、クイーン・渡辺の4人っす。次の試合からは、いよいよシードの選手が出てきます。これは楽しみですねー! 先だって、第5戦と第6戦が同時に行われます。ダークネス・鈴木VSダルダル・武藤と、スメル・木村VSロワール・田中です! 前回準優勝のダルダル・武藤は、氷属性のカードをよく使うプレイヤーです。エクスデスを擁するダークネス・鈴木を相手に、どんな戦いを見せてくれるのか! チビッコバイキングのコスプレをしたロワール・田中は、見た目通り水属性をよく使います。大会最年少の彼は女性ファンが多いようですから、スメル・木村が酷いことをすれば、怒り狂った女性客の乱入もありえます! いやあ、どうなるんでしょう! 期待で胸が膨らむっすねー!』
『どんだけ饒舌だよ!』
『実況の古鼬さん。うるさいっす』
『めんどくせーなーもう! おーっとぉ! 今まさに満員のスーパー武蔵小金井ドームに流れ出したのは、「覇王エクスデス」! このテーマとともに現れるのは、もちろんこの男だーっ! ダークネス・鈴木、2度目の入場っ!』
『マジうるさいっす』
『いいんだよ! 実況はこれでいいの! これが俺の生き甲斐なの! おおーっと! ダークネス・鈴木、黒いローブ姿で余裕の足取りだーっ!』
『ああっ! 実況の古鼬さん、たいへんっす! たいへんなことに気付いたっす!』
『なんだよ!』
『この2試合、ティファ出ないっす。興味ないんでうんこしてきます』
『お前もう帰れ!』
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Chapter 5:死屍累々
2012年3月5日 月曜日
もちろん、オールフィクションであり、脳内妄想であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありませんし、精神に異常をきたしてもいません。
Chapter 5:死屍累々
夜叉がいた。
角の生えた白面。目がつり上がり、口が耳まで裂けている。
黒い長髪を振り乱し、恐れおののき逃げ惑う人間を容赦なく屠る。
暴悪の鬼神。狂乱の破壊者。空が赤く染まり、大地が揺れ、空気が震える。
その正体は、セーラー服の女子高生だった。血の繋がった姉だった。彼女には、もはや暴れ狂う理由も理性もなかった。姉の目には、もはや敵と弟の区別はつかない。
その細く綺麗な指が、血にまみれた指が、絶望的な恐怖とともに迫ってくる。
道房は、飛び起きた。
全身に汗が噴き出していた。
眩しい。息苦しい。うるさい。どこだここは。
口元に違和感を感じる。プラスチック製の透明なマスクがついていた。なんだこれ。マスクから延びるチューブは、横に置かれたボンベつきの装置に繋がっている。
病院? 目をこすって辺りを見回した。
「……うおわ」
ここは病院なんかじゃない。スーパー武蔵小金井ドームの中だ。透明な壁の向こうで、6万人の観客がざわついている。
うるさいのは、観客のざわめきだけじゃなかった。決闘場の周りに空気清浄機がずらりと並び、最大限の力でにおいを浄化していた。ランプは真っ赤だ。あと、消臭力がいっぱい置かれてる。
「頑張ってたんだね、山田さん。……空気清浄機のない密室の中で最後まで戦い抜いたなんて、やっぱり凄いわ」
くぐもった声の主を見上げると、地味な服を着た地味な顔立ちの女が、カードを持って立っていた。湯布院有樹だ。彼女も酸素ボンベを着けている。
「あたしも頑張るから!」
そういって、有樹は小走りで去ってゆく。
自分の顔とか身体とか股間に生えた竜とかべたべた触りながら、道房はだんだん思い出してきた。
この全身タイツ、この変態ファッション。そうだ。オレはドラゴン・山田なのだ。のっぴきならぬ理由で、主にさっき悪夢に見たシーンを姪に再現させないために、ドラゴン・山田となって戦っていたのだ。
ゆっくりと立ち上がり、ガラス製デュエルテーブルの向こうを睨む。
スメル・木村。
不満そうな顔で、鼻糞をほじっている。
コノヤロウ。おっかない夢を見させやがって。ちょっとちびったじゃねーか。股間に竜の首つけてなかったら、モロバレになるとこだったぞ。股間の染みを6万人に晒しながら戦うとこだったぞ。
酸素マスクを取ってみる。……うん。まだくさい。だが、ずいぶんマシだ。オレの足のにおいの方がくさい。
隣のテーブルを見ると、ソルジャー・村田とニーハオ・佐藤が戦っていた。その向こうのテーブルでは、湯布院有樹とクイーン・渡辺が戦っている。全員、酸素マスク着用だ。
「……あっちが終わるまで、待つんだってさ。……暇だよね」
自分の脇のにおいをかぎながら、スメル・木村がいった。
なんて下品なやつだ。
……いや、違うな。
道房は、41年間の人生で蓄積した知識と経験則で、スメル・木村を看破した。
こいつは、自分のにおいをかぐと安心するのだ。自分のにおいをまき散らしたテリトリーの中で、自宅にいるようなリラックス感を得ている。あのにおいは、安らぎフィールドなのだ。
なんてかわいそうなやつなんだ。
家の外にいながら家の中にいる。外出しつつも引きこもっている。結局、自分の殻を閉じて外世界へ一歩たりとも踏み出せていないのだ。多様化するモラトリアムのねじれた症例のひとつ。スメル・木村は、においという壁を挟んでしかひとと接することのできない、孤独で不憫な男なのだ。道房は勝手にそう認定した。
不潔でさえなければ、においさえなければ、おならの壁さえ作らなければ、可愛げのある礼儀正しい青年なのに。
いいだろう。真っ正面から受けとめてやろうじゃないか。
その殻、ぶち破ってやる。
彼を救い出すことが、勝利に繋がる。
道房は、酸素マスクを剥ぎ取った。
「……あれ? ……山田さん、マスクつけないの?」
「ああ、いらない。嘘偽りない裸のオレで、お前を受け切ってやるぜ!」
これからは、ドラゴン・山田ではなく、禿野道房として戦うのだ。
スメル・木村の表情が曇る。
「……その声。……や、山田さん? なの?」
道房はあえて頷きもせず否定もしない。
「2戦目が始まるまで、せいぜい安らぎのにおいを吸い込んでおけ。戦いが始まったら、そんな余裕など与えんぞ!」
「……ふうん。そう。……わかった」
道房とスメル・木村の間で、火花が飛び散る。メタンが引火しそうなほどの睨み合いだ。
こいつは勝たせてはいけない。勝ち抜かれれば、空気清浄機や消臭力で維持費がかかる。社会人たる者、コスト意識は大切だ。
GN粒子(自分のにおい粒子)で固めたGTフィールド(自宅フィールド)から引きずり出し、風呂に叩き込んでやる! GじゃなくてJだけどGで通し切る! 死ぬ気で戦ってやる! なにしろこっちはリアルに命がかかってるんだ! 命と書いてタマと読むのだ! 潰されてなるものか! この歳で新宿二丁目デビューはキビシイぜ!
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Chapter 4:荒ぶる竜の咆吼
2012年3月1日 木曜日
もちろん、オールフィクションであり、脳内妄想であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありませんし、精神に異常をきたしてもいません。
Chapter 4:荒ぶる竜の咆吼
『さあ! ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム第4回ワールドプレミアム大会決勝、第1戦が終わりました! 解説のファイナル・大沢さん、白熱した戦いでしたねー!』
『そうっすか? 退屈な試合だったよーな』
『あっはっはっは。いい加減にしろよコラ』
『実況の古鼬さん。マイク入ってますってば』
『もういいよ! というわけで、これからいよいよ第2戦が行われようとしております! しかし、戦いの舞台に上がったのは6人! 解説のファイナル・大沢さん、これはどういうことでしょうかね?』
『編集で切るつもりっすか。まあいいや。えーっと、これは3試合を一気に行うみたいっすね』
『3試合一気に! おおーっと! ステージに、テーブルが2つ追加されました! なるほど! 3つの戦いが、同時に行われるのですね!』
『そういってるじゃないすか』
『うるせーよ! なにちょっと切れてんだよ!』
『……ティファ出なかったんで』
『しょーがねーだろ! どんだけティファ好きだよ! えー、しかし、第1戦はそれほど注目のカードではなかったと思うんですけど、何故あの戦いだけ個別に行われたんでしょうか?』
『やってみて気付いたんじゃないすか?』
『気付いた、とは?』
『ほら、ひとり持ち時間15分、ってルールでしょ。だからまあ、2回戦で最大60分。入場もろもろいれると、1戦80分。それが11戦ともなると、最大880分、14時間以上にもなっちゃう。大会時間長すぎでしょ。だから縮めたんすよ』
『は、はあ。これは、運営の手落ちということでしょうか?』
『いや、作者が
『メタ厨死ね! というわけで、これからいよいよ第2戦、第3戦、第4戦が一気に行われようとしております! スメル・木村対ドラゴン・山田! ソルジャー・村田対ニーハオ・佐藤! そしてクイーン・渡辺対湯布院有樹です! どうぞ!』
なにやってんだろオレ。
道房は、41年の人生を振り返っていた。
こんな訳のわからんことになったことなど、かつてあっただろうか。6万人の観衆に囲まれたステージで、股間に竜の首をつけ、尻に竜の尾っぽをつけ、紫色の全身タイツに身を包み、紫色の竜騎士マスクで頭を隠し、腰を前後に振って踊りながら、ドラゴンのスリーブに包まれたカードをシャッフルしてる。
意味わからん。
だが仕方がない。確かドラゴン・山田はこんな風だった。道房は、のっぴきならない理由でドラゴン・山田に化けているのである。
凄まじく恥ずかしいが、バレないように振る舞わないといけない。中のひとが第1戦で負けたおっさんだと見破られたら、二度とFFTCGの大会に参加できなくなる。ていうか、警察呼ばれる。
しかし気持ち悪い。道房が着る全身タイツは、さっきまで他人が身に着けていたものだった。しかもノーパンで。いくらなんでもそのまま着る気にはならず、シャツとももひきを脱がずに着込んだが、お蔭でやたら暑い。
最悪なのが、この竜騎士マスクだ。
血のにおいがする。
暑いのに、キンタマがキューっとなるほど背筋が寒くなった。
こええ。あの姪、確実に姉の血を引いてた。引いちゃいけないもんディスティニードローしてた。学生時代、”ひとり世紀末覇者伝説”と呼ばれ、”ノストラダムスが予言した恐怖の大女王”と恐れられ、”キンタマ潰し数ギネス世界記録保持者”の称号を得た姉の正当後継者だった。今までは、怒らせてもグーパンチが顔面に飛んでくる程度だったのに、完全に目覚めさせちゃった。目覚ましガンガンに鳴らしちゃった。そんなに期待させちゃってたのか。
すまない、ドラゴン・山田。犠牲にしちゃって申し訳ない。姪が夜叉でごめんなさい。キミのためにも、オレのキンタマのためにも頑張るから、ロッカーの中で静かに眠っていてくれ。フルチンで。
「ふふ。山田さん? 今日はいつもより動きが激しいんですねー」
地味な服着た湯布院有樹が、苦笑いしながら話しかけてきた。
やばい。知り合いなのか。声出したらバレるよな。
つか、知り合いなら何故見た目で見破らない。本物は、こんなに腹出てなかったろう。ああ憎々しいビール腹。なにこれもう目立ちすぎだろ。生きてるの嫌んなるわ。
「今日はお互い、頑張りましょう!」
道房はコクリとうなずいた。笑顔はイマイチだし、なんかくねくねしてるけど、声は可愛いじゃないか。なんかちょっとときめいちゃう。
「……でも、やっぱりにおうね」
湯布院有樹が、鼻に指を当てて顔をしかめる。
道房は、テーブルを挟んだ向かい側を見る。
小太りの男、スメル・木村。今回の対戦相手だ。女の子のキャラクターが描かれたスリーブを、丁寧な手つきでシャッフルしている。
まず感じるのは、強烈な汗のにおい。校庭を何十周したんだよ、ってくらいの汗くささ。それに混じる、カビが腐ったようななんともいえないフレーバー。主食ドリアンとかじゃないだろうなこいつ。とにかく、鼻にこびりついたらしばらく取れないであろう悪臭だ。
テーブルを間に置いてさえこのにおい。隣で戦うニーハオ・佐藤は、もっときついだろう。まともに戦えるのか?
と思ったら、ニーハオ・佐藤は鼻に洗濯ばさみをつけていた。シュノーケルまで咥えている。その上、ヌンチャクを猛烈な勢いで振り回してにおいを拡散している。
なるほど。一度ノックアウトされただけのことはある。対策を練ってきたか。ていうか、お前も汗くさいぞ。
鼻の穴のでかいソルジャー・村田は? 見たところ、平気な顔してるが……。あ。よく見たら鼻毛がすごい! カッコつけて金髪いじってるけど、鼻毛すごい!
胸毛を露出した半裸のクイーン・渡辺は、高音域の声で雄叫びを上げ、踊り狂っていた。なにしてんだこいつ。
『プレイヤー、レディ! デッキ・セット!』
天井から降り注ぐ声が、そう叫んだ。
道房たち6人は、ガラス製のテーブルの前に立ち、おのおのデッキをセットした。
睫毛の長い目で対戦相手にウィンクしまくる半裸の筋肉男、クイーン・渡辺。
腕を組んで余裕の表情を浮かべいい女っぷる地味女、湯布院有樹。
ダンボールのしょぼい剣を背負いでかい鼻の穴から鼻毛をそよがせるコスプレイヤー、ソルジャー・村田。
鼻に洗濯ばさみをはさみシュノーケルを咥えるハイテンション拳法家、ニーハオ・佐藤。
全身から黄色いオーラを放出する小太り不潔大王、スメル・木村。
そして、股間から竜を生やした全身タイツの変質者、ドラゴン・山田。
変態コンテストかこれ。
股間の竜、すっごい邪魔なんですけど。
『ディール!』
道房の、決して負けられない戦いが始まった。
(さらに…)