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ふたつの壊音 前編

2009年6月2日 火曜日
この記事の所要時間: 約 6分57秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第4回目は、Takeon邸で行いました。
 ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」です。原型とどめていませんが。
 今回のシナリオのタイトルは、『ふたつの壊音』です。
 セッション時に、タイトルいうの忘れてました。プリプレイで、シナリオの概略いうの忘れてました。いわなくても、まったく問題ありませんでした。ヘコー。
 今回も、けっこー脳内補正加わってます。

 プリプレイで、今回から参加することになった、Ganhiroのキャラクターを作成しました。
 猫族の【ウォリアー/ダンサー】です。
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃんです。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル6
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル6
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル6
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル6
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル6
 プレイヤー:Ganhiro
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。


 オープニングフェイズ。
 欲望の女神マハディルグの悪意で、クラン=ベルから遠く離れた僻地、ルディオン山脈に飛ばされちゃった、”花鳥風月”の一行。
 しかしここは、カヤタの故郷に、近い土地です。”石の街”ロダニアまで、徒歩で3日くらいのところだとわかったので、歩いて行くことにします。
 次の日の早朝、野営をしていたタケオンが、水を汲みに小川へ行くと、茂みから、獅子が出てきました。
 やたら威厳のある風貌の獅子です。何故か、ぐるぐる喉を鳴らしてます。
 獅子は、硬直して動けないタケオンに、近づいてきて、そばに身を伏せました。
「タケパパには、世話になった」獅子は、フレンドリーに話し出します。魔人ツヨイーザが、陰の森にある遺跡、”刻の墓”へ向かってることとか、教えてくれます。
 ここで、起きてきたカヤタとチキとタルトが、タケオンと獅子の様子を、こっそり覗き見ます。
 とても珍しい、言葉を話す獅子を見て、彼らは襲いかからんばかりの勢いです。
「……も、もうひとつ、助言を与えよう」居心地悪そうに、獅子は話します。「それは、近々起こる厄災のことだ。……名誉を得るなら、財宝を失うだろう。森へと旅立つのなら、責任を問われるだろう。と、いうわけで、サラバ!」
 思わせぶりなことをいって、獅子のくせに脱兎のごとく、逃げ出しました。
 タケオンの指には、サモナーリング。獅子からの、プレゼントです。
 と、ここで、川上から悲鳴が。
「わひゃ?い!」
 なんと、段ボールに乗った、猫耳おじーちゃんが、流れてきたのです。慌てて救出するカヤタたち。
 おじーちゃんの名前は、じじ。
 還暦で、よぼよぼで、ぷるぷる震えていますが、剣を持っています。「まだまだ現役バリバリじゃわ?い」といってます。
 こんな山の中に放置するのもアレなんで、街まで連れて行くことにしました。

 ミドルフェイズです。
 やっと、ロダニアの街が見えてきました。街っていうか、国です。城壁に囲まれ、立派な城もあります。
 山を下り、街道に出ると、ロダニアから商隊が出てきました。大きな商隊です。護衛を引き連れて、なにやら仰々しいです。
 と、その時。
 タケオンの手の甲の入れ墨が、焼け付くように痛くなります。
 ズアッと、影に覆われ、突風とともに、影は消えます。なにか巨大なものが、頭上を通過したのです。
 それは、街道に、ドスン! と、着地しました。強烈な、地響き。
 10mはあろうかという、巨人が、登場しました。
 巨人は、キラキラと、太陽の光に、輝いています。赤、青、緑、翡翠色、様々な色が、陽炎のように、眩しく乱反射しています。全身が、宝石でできているかのようです。
「グオオォォーン!」巨人が、凄まじい咆哮をあげました。商隊の馬車を、襲い始めます。
 間違いありません。
 あの巨人は、宝石魔人ジュエリーザです。
 チキが追い求めていた、魔人です。
 こんなところで、遭遇です。
 商隊を護衛していた冒険者や、兵士が、ジュエリーザに蹴散らされ、踏み潰されてます。圧倒的です。
「でかっ! あ、あれは、ちょっと、勝てないなあ。……って、あれ?」
 カヤタが悩んでいる間に、チキが走り出してました。タケオンも、続きます。
「ま、負けんぞぉ?いっ!」何故か、おじーちゃんは、チキに駆けっこで対抗意識を持ち、走り出しました。
 こうなったら、仕方ありません、カヤタとタルトも、走り出します。
 ジュエリーザは、チキたちに気付くと、クワッ! と目を輝かします。口元から、虹色の竜巻が放たれました。それは、みんなが所持している、宝石やアクセサリーを、残らず吸い取りました。
 宝石魔人ジュエリーザは、貴金属が大好物なのです。
 竜巻がやむと、ジュエリーザは、目を、ぱちくりとさせました。後ずさりし、何故か怯えた声を出します。
 その視線は、足下にいる、タルトを捕らえているみたいです。
 ジュエリーザは、地面を蹴り、飛びます。背中から放出されたルビーとサファイヤが人型になり、逃げる魔人を守るように、立ちはだかります。
 宝石の、ゴーレムです。コランダムゴーレムです。レベル15のエネミーです。
 2体のゴーレムは、襲いかかってきます。
 ゴーレム特有の必殺技、ビームが2連続で射出されました。凄まじい威力のビームです。全体攻撃です。
 しかしながら、チキの《プロテクション》、タケオンの《サモン・アラクネ》が、強固に護ります。
 仲間の援護を得て、カヤタの斬撃、タルトの《ウォータースピア》、タケオンの召喚魔法が、ゴーレムを削ります。強敵を前にして、一歩も引けを取りません。
 チキなんか、《プロテクション》を使いまくってたので、自分の行動順がきたのに、もう行動終了した気になってました。
 前衛には、カヤタと並んで、猫耳おじーちゃんも、立っていました。
 おじーちゃんは、還暦ですが、戦士なのです。
 そして、ダンサーでもあります。
 ダンシングおじーちゃんです。
 避ける! 避ける!
「まだまだ、若いもんには負けんぞぉ?い!」
 ぷるぷる震える足どりで、巧みに回避します。
 いつ寿命がくるかわからないので、おじーちゃんは、スキルの出し惜しみはしません。《ダンシングヒーロー》を使って、ダンシングヒーローです。
 でも、3度目には、直撃を受けちゃいました。ボクッ! と、大出血。
「おじーちゃんに、なにをするっ!」
 タルトの大砲が飛び、カヤタがとどめを刺そうとしてギリギリで倒せなかったりしつつ、戦闘終了しました。
 すると、辺りから、熱烈な歓声と、割れんばかりの拍手が。
 宝石魔人ジュエリーザを追い払い、商隊を助けたことで、感謝されたのです。商隊の荷馬車に積んでいたのは、とてもとても高価なロダニア石。半分は、無事だったようです。
 ありがとう、ありがとうの声が、鳴り止みません。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」宝石を奪われたので、カヤタは遠慮なく、そう叫びました。
「報酬!」タルトの目が、キュピーン! と光りました。

 つづく。

さらば! 猛き男、ストーンコールド! 後編

2009年5月26日 火曜日
この記事の所要時間: 約 10分56秒

「アリアンロッドRPG」プレイ日記です。
 セッション第3回目『さらば! 猛き男、ストーンコールド!』の続きです。
 今更ですが、うろ覚えなので、詳細間違ってるかも知れません。あと、巧くマスタリングできなかったとこを、けっこー補完してます(涙)。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル4
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル4
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル4
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル4
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
ストーンコールド ドゥアン(牙爪族) 男性 【ウォーリア/モンク】 レベル3
 プレイヤー:NPC
 ハゲ。貴族の生まれで、偉そう。マイペース。まるで役に立たない。


 後半の、オープニングフェイズ。
 コルンの襲撃があった翌日、”水の街”クラン=ベルの神殿に、”花鳥風月”のメンバーは、集まっていました。
 会議室で、各地の神官長が顔を揃え(鏡を使ったテレビ電話的なもので)、神官長会議が始まりました。
 議題は、チキが持つ魔剣ふた振りを、どうするか。
 フォモールの魔王エラザンデルの力を封じている、重要な剣です。
 魔剣ふた振りは、今まで、敵の手に渡っていましたが、こちらにきました。これで、魔王エラザンデルの力を封じている5つのアイテムと、ひとつの魔杯は、すべて神殿の管理下に置かれました。
 喧々囂々と意見が飛び交います。いっそのこと、魔王の肉体を蘇らせて滅ぼしてしまえばいい、なんて物騒なことをいう神官長までいます。
 しかし、結論は出ませんでした。
「しばらく、自由にしていてください」疲れ切った顔で、ウェルチがいいます。「ただし、魔剣は、あなたがたが責任を持って、預かっていてください。この神殿には魔杯が封じられているので、魔剣を預かることはできないのです。あしからず」
 無責任な話です。
 でも、チキに、新品のアコライトセットが贈られました。わりと優れものです。神殿からの、せめてものたむけです。
「じゃあ、バザーに行こう!」タルトが、目を輝かしました。
 前日、暗殺者のコルンの身ぐるみをかっぱいだお蔭で、お金になるものができました。我慢して買わなかったものも、買えるかも知れません。
 と、神殿を出た時。
 ボカン!
 先に出ていたストーンコールドが、何者かに殴られ、そのまま、さらっと、拉致されました。
 あっという間の、できごとです。
 なんてこった! いったい、誰が? なんのために!?
「よーし! バザーに行って、聞き込みしよう!」タルトが、そういいました。
 みんなで、バザーに行きました。
 これも、ストーンコールドの、人徳です。

 ミドルフェイズです。
 バザーで得られたものは、アイテムだけでした。
 ストーンコールドの安否を心配してるのは、カヤタだけでした。
 そこへ、猫耳メイド服の女の子が現れました。なんか涙目です。
「も、申し訳ありません! ボンを! ボンを捜すのを、手伝ってください! お願いです!」
 彼女の名前は、ニャーコ。
 実は、ストーンコールドは、商人から成り上がった貴族で超お金持ちであるマクマホン家の長男だったのです。いいとこのボンボンだったのです。ニャーコは、マクマホン家に使えるメイドニンジャだったのです。
 ニャーコにとって、ストーンコールドなんて、どーでもいい存在なんですが、家長には大恩があるので、放っておくわけにはいきません。”花鳥風月”のみなさんが、買い物ばっかしてるので、やっぱり捜してくれないのかなーと思って、出てきちゃったのです。
 そんなわけで、ニャーコとともに、街を捜し回り、聞き込みを開始します。

 タケオンが、ひとりで情報収集しに行こうとしてたら、ストーンコールドを襲ったのと同じっぽい暴漢に、襲われました。
 カヤタたちが助けに入り、なんとか撃退するも、暴漢に逃げられてしまいます。
 すると、チキの父の部下であるパーシリと、アコライトのレネが、暴漢を捕まえてくれました。
「あれ? お嬢ちゃん、こんなとこで、なにやってんすか?」
「……そっちこそ」
 パーシリと情報交換して、だいたいの状況が、判明します。
 ストーンコールをを拉致したのは、欲望の女神マハディルグの、信徒です。どうやら、”遺跡の街”ラインの件で、恨みを買ったみたいです。
 パーシリとレネは、神殿で仕事を依頼されて、邪教の神殿を、探していたところでした。
 利害が一致したので、パーシリとレネは、合流します。
 下水道を進むと、ストーンコールドのハチマキが、落ちていました。
 邪教の神殿の入り口は、ここです。
”花鳥風月”と、パーシリとレネとニャーコは、突撃します。

 こっから、邪教の神殿です。
 欲望の女神マハディルグの神殿に仕掛けられた罠は、”欲望の罠”です。
 隠されてたり、罠に囲まれた宝箱の中には、たくさんの財宝が入ってます。
 この財宝は、幻影です。
 欲望に駆られ、財宝を持って行くと、フェイトが1点減ってしまい、フェイトが0になった時点で、邪悪化(NPCになる)してしまいます。
 途中でみんなに気付かれましたが、【精神判定】に成功しない限り、持って行きたくなります。
 我ながら、とても酷い罠だと思います。
 フヒヒ。
 でも、あんまし被害は大きくならなかったです。あれ?

 邪教の神殿には、多くの信徒がいます。
 だたの信者は、レベル4のモブですが、司祭は、レベル5のエネミーです。近接攻撃するやつと、遠距離攻撃するやつを、用意しました。
 けっこー数を出したのですが、”花鳥風月”のみんなは、強かったです。
 特に、タルトの《ウォータースピア》が、強烈でした。水属性のエネミーなのに、防御力以上の火力で、攻撃してきます。
 タケオンの《サモン・アラクネ》と、チキの《プロテクション》も、効いてます。NPCですが、レネの《プロテクション》なんて、レベル4なので、効果がハンパないです。
 盾になったカヤタのHPが、なかなか減りません。
 それほど苦戦することなく、”花鳥風月”は勝利しました。

 タケオンの活躍で、数々の罠をかいくぐりました。鍵が用意してあるから、難易度を21(普通14くらい)に設定してたのに、鍵開けスキルで開けられたりとかしました。
 それにしても、2階層で、計18フロア。しかも、全フロアに、罠かエネミーを設置してるなんて、このマスター、頭おかしいんじゃないかと思います。
 いくつかのイベントを得て、”花鳥風月”の一行は、巨大な両開きの扉の前に、到着します。
 部屋は、水深1mくらいの、プールになっていました。
 両開きの扉には、4X4の、数値魔方陣。縦横斜めの合計値が、同じになる、ってやつです。真ん中の4マスは、空欄になってます。数値を埋めないと、扉が開かない仕掛けです。
 ここで苦戦するかと思いきや、さすがゲーマー。カヤタとチキが、ものすごい速さで計算して、回答を出しました。タルトも、独自に回答を出してました。
 両開きの扉が開くと、その向こうは、だだっ広い祭壇の間になってました。

 クライマックスフェイズです。
 祭壇の前には、魔法陣。とっ捕まったストーンコールドが、拘束され、沈められようとしています。急がないと、おぼれ死にます。
 祭壇の奥には、欲望の女神マハディルグの、巨大な立像。目が、赤く輝いています。
 敵は、レベル9の神官と、レベル5の司祭が8人です。
 足下は、水深1mの、プール。
 この組み合わせは、想像以上に、最悪でした。
 何故なら、敵は邪神の加護があり、水のペナルティを受けません。PCだけが、ペナルティを受けるのです。
 多すぎるエネミーと、厳しすぎるペナルティで、”花鳥風月”のみんなは、苦戦します。
 まさに、泥沼の戦いでした。

 ストーンコールドを助けようと、カヤタとニャーコは前に出ます。
 カヤタは、周りの仲間を《カバーリング》。援護は、チキとタルトの《プロテクション》と、タケオンの《サモン・アラクネ》。レネの《プロテクション》も、飛んできます。
 主砲は、タルトの《ウォータースピア》。けれど、1発じゃ、誰も倒れません。タケオンの《サモン・カトブレパス》も、致命傷を与えられません。
 カヤタは、仲間を庇いながら、拘束されたストーンコールドを、水の中から引っ張り出そうとします。
 けれど、まさかの連続ファンブル。
 こりゃもう死ぬ。死んじゃう。さらば、ストーンコールド!
 って時に、カヤタが、素晴らしいアイディアを出します。
「口移しで、ストーンコールドに酸素供給だ!」
 行動順的に、犠牲者となるは、NPCのパーシリでした。
「ええい、くそっ! やりゃあいいんだろ、やりゃあ!」パーシリは、叫びました。
 男どうしの、ぶちゅー。
 歴史に残るワンシーンです。
 その後、なんとかストーンコールドは助け出されました。涙目のパーシリが、肩に担いで、離脱します。

 一方その頃、チキは部屋を回り込んで、祭壇に立つ神官のもとへ、辿り着きました。祭壇の上だったら、プールのペナルティは受けません。
 アコライトとアコライトの、睨み合い。
 聖なる神殿と、邪なる神殿の、対決。
 リーダーどうしの、一騎撃ちです
「グハハハハ! マハディルグ様の加護を受けたわたしに、勝てると思ったかぁ!」
 ブチブチブチィ! と、神官服が破れます。敵の神官は、実はものすっごい筋肉マッチョでした。
 具体的にいうと、邪神の加護で、《豪腕》を持ってます。
 チキは、強烈な一撃を受けて、ふらふらになりました。ここは、引くしかありません。

 戦闘は長引き、みんなのMPが底をつきます。MPポーションも、なくなってきました。
 毎ターン《カバーリング》を続けてきたカヤタのMPも、残りわずか。
 しかし、まだ敵の神官は残ってます。司祭も、残ってます。
 絶体絶命です。
 ってとこで、カヤタが、わざとらしく立っていた邪神像に、目を止めます。
「……あー。あれ、か」
 カヤタの指示で、タルトの最後の《ウォータースピア》が、邪神像を貫きます。
 欲望の女神マハディルグの立像が、ゴワラグシャーン! と、崩れ落ちました。
 その瞬間、信者たちは、加護を失います。
「ギャース!」
 水深1mのプールも、なくなりました。
 こーなったら、神官だって、ただのひと。カヤタの全力全開アタックで、筋肉を失った神官は、お亡くなりになりました。
 最後に残っていた司祭も倒して、戦闘に勝利。
 ギリッギリにもほどがある長期戦が、終わりを告げました。
 カヤタは、崩れ落ちた邪神像を、げしげし砕いてました。

 エンディングフェイズ。
 拉致され、生け贄に捧げられようとしていたストーンコールドを救出し、邪教の神殿を守っていた信者どもを、倒しました。
 一件落着。
 と、思いきや。
 崩れてボコボコになった邪神マハディルグ像の目が、カカッと輝きます。
『ありのままの欲望に、溺れぬ者よ。二度までも、我を冒涜せし者よ。……キサマら、決して、許さないわよう! あっちいっちゃえーばかー!!』おぞましい女性の声が、頭が割れんばかりに、響き渡ります。
 その刹那、”花鳥風月”のみんなは、赤い光に包まれました。
 一瞬、離れたところにいたレネが、ニヤリと笑ったのが見えました。
 ばっひょーん!
 気付くと、カヤタと、チキと、タルトと、タケオンは、山の中にいました。
 ストーンコールドが、いません。さらば、ストーンコールド、です。実に、しょーもない。
 そこは、ルディオン山脈。
 カヤタが、かつで住んでいた場所に、近いところです。

 ここで、シナリオ終了です。
 アフタープレイになります。
 経験値は、戦闘が、やたらめったら多かったので、60点+フェイトくらい入ったと思います。
 前半の経験値を含めると、一度に2レベル上がっちゃいます。
 でも、そんくらいの経験は積んでます。むしろ、少ないくらいです。
 だって、25時間だもの。
 本当に、お疲れ様でした。

 つづく。

妖魔の洞窟 前半

2009年5月20日 水曜日
この記事の所要時間: 約 7分22秒

 TRPGプレイ日記です。
「アリアンロッドRPG」セッション第1回目から、一週間後に、第2回目が行われました。
 今回は、『迷宮の森』の続きになる、「シナリオ集1 ファーストプレイ」の『妖魔の洞窟』をべースにしました。
 前半に、ショートシナリオがあり、後半に、『妖魔の洞窟』です。
 場所は、Takeon邸です。

 今回から、プレイヤーが4人になりました。
 プリプレイで、Takeonがキャラクターを作成しました。小さな人類、フィルボルです。亜人間です。結局、パーティーにふつーの人間いません。
 今までのキャラクターたちには、設定を追加しました。キャンペーンで、徐々に明らかになっていく予定です。
 ギルド名は、Tikiがいろいろと悩んだ結果、「花鳥風月」となりました。
 キャッチフレーズは、Kayataが連呼していたもものです。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル2
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル2
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル2
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル2
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。なんだかすごい謎を握っている。
ストーンコールド ドゥアン(牙爪族) 男性 【ウォーリア/モンク】 レベル1
 プレイヤー:NPC
 ハゲ。貴族の生まれで、偉そう。マイペース。まるで役に立たない。モンクに転職しました。


 オープニングフェイズは、前回の翌日から。
 チキたちは、ライン神殿の神官長ランディアに、呼び出されました。前日の、魔剣の件です。重要機密だそうです。腰が重いようですが、神殿に向かいます。
 ちょうどその時、タケオンが、神殿にやってきました。冒険者の登録をしにきたのです。
 この世界では、神殿が、冒険者を管理しているのです。仕事の斡旋も、やってます。市役所と警察とハローワークがひとつになったよーなもんです。
 タケオンは、親の教育により、みっちりと、冒険者としての技術を教え込まれていました。どれくらいかっていうと、冒険に行く前に、レベル2になっちゃったくらいです。強烈です。
 チキたちとタケオンは、神殿の受付で、バッティングしましたが、この時点では、まだ他人です。
 チキは、ランディアの命令で、ギルドを組むことになってました。メンバーは、チキ、カヤタ、タルト、ストーンコールドです。魔剣に関わった冒険者を、まとめられちゃったみたいな感じです。
 チキは、神殿に、書類を提出します。ギルド名は、”花鳥風月”。
 受付は、猫耳のフィリスでした。
「あーっ! あなたたち、酷いですよっ! あたしが手柄を独り占めするはずだったのに、バラしたでしょう!」と、フィリスはぷりぷり怒ってます。
 どれくらい怒ってたかっていうと、間違えて、ギルド申請の書類に、タケオンの名前を書いちゃったくらいです。
「はわっ! ……で、でも、ちょーど本職のシーフがいなかったから、好都合ですよねっ!」フィリスは、ごまかしました。
 というわけで、タケオンが合流。
 強引です。ええ。強引ですとも。

 神官長ランディアは、沈痛の面持ちで、チキたちに、説明します。
 大樹で手に入れた魔剣カーディアックは、フォモールの魔王エラザンデルの心臓を封じたもの。とにかく、ヤバイ。あまりにもヤバイので、この街から、とっとと出ていって欲しい。何故なら、ラインにも、魔王エラザンデルを封じた宝珠がある。妖魔が大樹を使って手に入れようとしたのは、おそらくこの宝珠だ。一緒に置いておくわけにはいかない。つか、共鳴とかしちゃって、マジヤバイ。
 というわけで、チキたちは、魔剣カーディアックを抱えて、聖都ディアスロンドまで旅することになりました。そこで、封じてくれるみたいです。
 ここでタルトが、ランディアに噛みつきます。報酬のつり上げです。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」カヤタが、ババーン! と、叫びました。
 脅迫じみた交渉の結果、成功報酬10000gp、前金で3000gpってことになりました。
 がめついです。
 ちなみにチキは、神殿の代表ということで、報酬なしです。

 こっから、ミドルフェイズです。
 新参ギルド”花鳥風月”の一行は、街に出て、旅支度をします。馬を買い、装備を調えます。
 ここで、タケオンの財布が、何者かにスられてしまいます。
”花鳥風月”のメンバーは、全員で、スリを追いかけます。
 5人のメンバーになって初めての、共同作業です。
 裏路地の奥にある、怪しげな下水道に、たどり着きました。壁を探すと、隠し扉を発見。きっと、ここに違いありません。
 ドカンと、カヤタがドアを蹴破ると、そこは――武器屋でした。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」カヤタが、ババーン! と、叫びました。
 武器屋のオヤジに、怒られます。どうやらここは、珍しい武器や、魔法具などを扱う、隠れ武器屋だったみたいです。
「なんか買ってけ! 買うまでは、帰さんぞ!」マッチョな店主のオヤジに、そう怒鳴られました。
 しぶしぶ、チキたちは、物色します。
 でも、チキたちに扱えるものが、ありません。
「チっ。初心者用のは、奥だよ」オヤジの案内で、奥の部屋へ通されます。
 すると、背後でドアが閉められました。
 閉じ込められたのです。
「やっぱりなー!」タルトとタケオンが、同時にいいました。
「先にいえよーっ!」チキとカヤタが、突っ込みました。
 仕方がないので、奥へ進みます。隠し扉を見付けたけど、そちらには行かず、直進します。
 突き当たりには、「宝物庫」と書かれたドア。
 あきらかに、怪しいです。
 慎重に、中へ入ります。
 全員が入ると、背後でドアが閉められました。しかも、鉄格子まで落ちてきました。
「やっぱりなー!」タルトとタケオンが、同時にいいました。
「だから、先にいえよーっ!」チキとカヤタが、突っ込みました。
 奥の鉄格子が開き、ヘルハウンドというオリジナルエネミーが登場。地獄の番犬です。レベル4の敵です。ブレス吐きます。
 でも、わりとあっさり倒されちゃいました。
 しばらくすると、奥の鉄格子が開き、武器屋のオッサンが入ってきて、目をぱちくりさせました。
「……へ? なんで生きてんの?」
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」カヤタが、ババーン! と、叫びました。
 みんなは、一斉に襲いかかります。しかし、オッサンは素早い動きで回避します。逃げられてしまいました。
 奥の部屋は、なにやら怪しげな雰囲気漂う広間で、祭壇があり、両手に斧を持った女神像が鎮座していました。
 どうやらここは、欲望の女神マハディルグを信仰する、邪教の神殿だったようです。武器屋のオヤジも、スリも、その一味でした。犠牲者を連れてきて、生け贄に捧げていたのです。
 出口を探していると、タケオンから財布をスった男と、ばったり出会いました。今度は、捕獲成功。ずるずると引きずって、まっとうなライン神殿まで連行します。
 邪教の神殿を探し当て、犯罪を行っていた信者を逮捕。
 お手柄です。
 しかし、神官長ランディアは、ぷるぷると震えていました。
 チキの持つ魔剣カーディアックも、カチカチと共鳴してます。
「な、なにをしている!? とっとと、この街から出ていってくれ!」裏声で、怒鳴られました。
「悪いやつ捕まえたんだから、報酬! 報酬!」タルトが、怒鳴り返しました。
「我々は花鳥風月! お金に困っている!」カヤタが、ババーン! と、叫びました。
 そんなこんなで、もう夜です。
 結局、一泊してから旅立つことになりました。

 ここで、いったんプレイを区切りました。
 経験値は、15点+使用フェイト。だったと思います。
 レベルアップに足りる経験値なので、みなさん、レベル3になっていただきます。クラスチェンジしていたストーンコールドだけ、レベル2です。

 つづく。