やっと「姑獲鳥の夏」を観ました。「魍魎の筺」をやるみたいなんで、観ておこうと思い。
実は、今まで観るのを避けてたのには、理由があります。
キャスティングです。
もちろん異論あるでしょうけど、個人的には
中禅寺秋彦 = 役所広司
関口巽 = 真田広之
榎木津礼二郎 = 加賀丈史
関口雪絵 = 小雪
だったんです。
木場修太郎だけがイマイチ決まらず、渥美清と北野武が合わさった感じでした。
というわけで、堤真一? 永瀬正敏? 阿部寛? 宮迫博之? はぁ? なんて思ってました。
こだわりです。執着です。
でも、実はみんな好きな役者でした。
というわけで、実はオールOKでした。実は雨上がり決死隊の宮迫って、自分の中では役者として評価高いです。
さて。
原作は当然既読というか新刊出たら必ず買うくらいなんですが、関口くんが壊れること以外、スッカリ忘れてました。
いやあ。
賛否両論ありましたが、原作を思い出させるほど、くどく幻惑的でした。これはこれでいいと思います。
永瀬正敏はいい味だしてたと思います。惑わされ、墜ちていくのにふさわしい雰囲気を感じました。
堤真一は、巧い役者だと思うんですけど、長台詞が多いせいか、やたら文節を区切って喋るのが気になりました。
榎木津礼二郎と木場修太郎は、存在自体が微妙でした。キャラクターのトンデモ具合が低いというか。ハジけキャラだしハジけ役者なのにハジけてなかったです。しかしまあ、これからですね、彼らがハジけてダイカツヤクするのは。
それにしても、実相寺昭雄監督。相変わらずの個性。この監督って、すごく若い。大御所なのに、とっても尖った魚眼な映像。昔からこうなんですけど、こーゆーことを個性としてずーっとやれちゃうのって、とても立派だと思います。江戸川乱歩とか京極夏彦の作品には、合うと思います。
セットとかしょぼかったですが、それすらも個性。昭和の映像。
もともとトリックは反則なのでミステリとしてはアレなんですが、謎解きシーンは登場人物の反応がナニでした。残念ながら、この映像の中では、松尾スズキは浮いてました。いしだあゆみも。
面白かったです。
つか、京極夏彦は出過ぎだと思います。
「悪夢探偵」を観ました。カルト邦画の第一人者、塚本晋也監督の新作です。続編も作ってるみたい。
松田龍平が主演なのはいいんですけど、主役はなんとびっくり、アーチストのhitomiです。
hitomiは、見た目はすごく綺麗でグッドです。顔芸も意外とイケてます。ビジュアル的には大合格だと思います。映像の中で栄えます。でも、喋るとダメです。とてもカツゼツが悪いし、感情が入ってません。顔芸とビジュアルが完璧なだけに、ギャップがとても激しいです。吹き替えが必要だと思いました。
松田龍平は、もうどんどん良くなってますね。日本人の若手役者の中じゃあ、ダントツなんじゃないでしょうか。こーゆーひねくれた暗いダメな男を演じさせると、とってもいい具合です。
内容的には、塚本晋也の代表作「鉄男」を彷彿させる感じでした。あれほどエロ・グロ・ナンセンスではないですが、敵役として塚本晋也監督本人が出てきて鼻血を垂らすというのは、懐かしいなーというか相変わらずだなー思いました。
夢の中に入ることができる
主人公を含め、自殺したい動機とかほとんど語られないので、ちょっと納得できないところがありました。自殺するのに明確な動機などないのだ、と思っていても、それを実際に作品として出されると、首を捻らずにはいられません。切迫感と説得力が足りてない気がしました。
グロとカメラワークの激しさは、かなり不気味でホラー的(「死霊のはらわた」的)でしたが、どことなく軽さを感じるところは、塚本晋也の個性だと思います。
面白かったです。
ところで、続編にもhitomiは出演するんですかね?
ああ、いやだいやだ。
あ。これ↑は主人公のキメ台詞です。いいたかっただけです。気に入っちゃいました。
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くどく幻惑的
2007年10月24日 水曜日
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