もちろん、オールフィクションであり、脳内妄想であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありませんし、精神に異常をきたしてもいません。
Chapter 6:飽くなき倦怠の中で
『いやー、解説のファイナル・大沢さん! 予期せぬ中断を得て、やっと第2戦、第3戦、第4戦が終わりましたねえ! 一時はどうなることかと思いました!』
『実況の古鼬さん! ティファ! すごかったティファ! 3D映像、ぼいんぼいんのたぽんたぽんだったじゃないすか!』
『それしかないんか! えー、それにしてもスメル・木村は強烈でした! おそらく運営も予期してたんでしょうねえ、対戦が始まると同時に透明の壁をステージの周りにおっ立て、客席ににおいが届かないようにしました。しかし! 逆にいえば、ステージの中のプレイヤーたちは逃げ場がなくなってしまった、ということでして。……って、ファイ沢! お前が解説しろよ!』
『ティファの魅力についてっすか? いいっすよ! まずあのおっ
『やっぱ黙れ! なんでこんなやつが解説だよ! もういい、俺ひとりでやる!』
『なにいってんすか、古鼬さん。あんただって、ティファの胸に釘付けだったじゃないすか。一緒に前屈みになってガン見してたじゃないすか』
『んなことねーよ! お前だけだろ! いいから解説しろよ! ティファ以外に目を向けろよ! 報酬カットするぞ!』
『はい、やっと第2戦、第3戦、第4戦が終わりましたね! スメル・木村のにおいにより5人が倒れ、一時はどうなることかと思いましたが、急遽用意された空気清浄機64台、消臭力512個の効果により、無事対戦を終えることができました』
『あこぎか! いきなり詳しいじゃねーか! いつの間に数えたんだよ!』
『資料がきてるっすよ、実況の古鼬さん。ちゃんと仕事してください』
『うるせーよ! 金で態度変わりすぎだろ!』
『というわけで、トーナメントの初戦を勝ち抜いたのは、ダークネス・鈴木、スメル・木村、ソルジャー・村田、クイーン・渡辺の4人っす。次の試合からは、いよいよシードの選手が出てきます。これは楽しみですねー! 先だって、第5戦と第6戦が同時に行われます。ダークネス・鈴木VSダルダル・武藤と、スメル・木村VSロワール・田中です! 前回準優勝のダルダル・武藤は、氷属性のカードをよく使うプレイヤーです。エクスデスを擁するダークネス・鈴木を相手に、どんな戦いを見せてくれるのか! チビッコバイキングのコスプレをしたロワール・田中は、見た目通り水属性をよく使います。大会最年少の彼は女性ファンが多いようですから、スメル・木村が酷いことをすれば、怒り狂った女性客の乱入もありえます! いやあ、どうなるんでしょう! 期待で胸が膨らむっすねー!』
『どんだけ饒舌だよ!』
『実況の古鼬さん。うるさいっす』
『めんどくせーなーもう! おーっとぉ! 今まさに満員のスーパー武蔵小金井ドームに流れ出したのは、「覇王エクスデス」! このテーマとともに現れるのは、もちろんこの男だーっ! ダークネス・鈴木、2度目の入場っ!』
『マジうるさいっす』
『いいんだよ! 実況はこれでいいの! これが俺の生き甲斐なの! おおーっと! ダークネス・鈴木、黒いローブ姿で余裕の足取りだーっ!』
『ああっ! 実況の古鼬さん、たいへんっす! たいへんなことに気付いたっす!』
『なんだよ!』
『この2試合、ティファ出ないっす。興味ないんでうんこしてきます』
『お前もう帰れ!』
(さらに…)