‘リプレイ’ タグのついている投稿

HagePOWER TRPG部

2009年7月10日 金曜日
この記事の所要時間: 約 0分22秒

 ほとんど誰も見てない自己満足のTRPGリプレイ日記ですが、なんかこう、ブログだと満足できなくなったので、スタティックなページを作ってしまいました。
 どこまでも突き進みます。

HagePOWER TRPG部

 今んとこ、「アリアンロッドRPG」のキャンペーン第2回まで書きました。キャラクターとかすっかり別人になってます。
 そのうち、イラストも載る予定です。

時空の迷宮 後編

2009年7月2日 木曜日
この記事の所要時間: 約 8分40秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第5回目『時空の迷宮』のつづきです。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル7
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル7
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル7
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル7
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル7
 プレイヤー:Ganhiro
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。


 宝石魔人ジュエリーザを退け、チキの父リヒトを救出した”花鳥風月”の一行は、再び、宇宙空間に伸びる、曲がりくねった通路に出ました。
 歩いていると、もやもやとした、白い霧に包まれました。視界が遮られ、浮遊感があり、まるで雲の上を歩いているみたいです。
 すると、みんなの目の前に、映像が映し出されました。
 マグドゥーラの王女サングリエルの姿です。
 彼女は、サッサカと、豪奢な部屋をお掃除していました。じじは、なぜか、胸がきゅーんとなり、思わず若返ってしまいます。サングリエルは、棚の上の写真を手に取りました。そこに映っているのは、若いじじの姿。
 そこで、映像は途切れました。じじは、しゅんとなり、幼児ではなく、じーさんに戻りました。
 次に映し出されたのは、タケオンの母、タケママでした。
 彼女のそばには、タケオンの知っている、冒険者の姿。タケママたちは、森の中で、なにかと戦っているようです。
 それは、武具魔人ツヨイーザ。冒険者たちを一蹴し、タケママに刃を向けますが、ぴたりと止まります。そして、ツヨイーザは走り去ってしまいました。悲しそうな、タケママの顔。
 その次は、チキの父、リヒトです。
 先ほどの若々しい姿とは違い、年輪の刻まれた、険しい顔をしています。反帝国軍の隠れ家で、部下と戦略を練っていました。資金がない、武器が揃わないと、リヒトは嘆いています。
 チキは、金金いってる父を見て、なんだか気分がヘコんできました。さっきの父は、カッコよかったのに。
 今度は、棺に眠る、タルトの姿が映しされました。
 すぐに映像が変わり、闇の中で膝を抱える宝石魔人ジュエリーザの姿、森を疾走する武具魔人ツヨイーザの姿、街を破壊する巨大な恐竜の姿、
 そして、小柄なゴシック風のファッションを着た人形のような美少女が映ります。少女は、体中に包帯を巻き、眼帯をしていました。見られているのを察したように、キツイ目で睨みます。すると、映像が掻き消えました。
 どうやら映像は、その場にいる者に関係するひとが、映し出されているようです。
 じじ、タケオン、チキ、タルトときましたので、カヤタの番です。
 映し出されたのは、スコティッシュフォールド。
 にゃんこです。
 ズコー! っとなりました。
 しかしすぐに、可愛い女の子が映りました。猫の飼い主っぽいです。窓辺で立て肘をつき、空を眺めています。
「はやくこの世界が、あたしだけのものにならないかなー」
 なんだか、物騒な女の子です。いいんでしょうか、これで。
 最後は、リグレです。どうでもいいといった雰囲気の中、封印守護の一族の、族長の姿が映ったり、里に住むひとたちの姿が映ったり、カヤタのときに出てきた女の子のとこでピタリと止まったりしました。
「ふ、深い意味はないぞ!」リグレは焦りますが、カヤタはまったく気にしてません。
「……オレは、里のみんなのことが好きだ。オレが、一族を護る。そう、思っていた」リグレは悔しそうな顔で、カヤタを睨みますが、カヤタはまったく気にしてません。
 みんなの映像が終わると、急に霧が乱れ、黒々としてきて、まるで暗雲の中にいるかのようになりました。
 雷光がほとばしり、雷鳴が轟きます。足下の黒雲が、渦を巻き、その中で、3つの巨大な目が、ギョロリと開きました。おぞましく血走った、青と、赤と、黒い目玉。そして、上空から、死蝋のように白い、巨大な手が、グアッと、伸びてきます。
 捕まれそうになった瞬間、ぱっ! と、映像が消えました。

 宇宙空間に戻りました。
 宝の部屋でいいことがあったりなかったり、トノレネコとかいう怪しげなぼったくり商人に逢ったり、数値当てクイズに正解したり、温泉で心身共に癒されたりしたあと、苔の生えた石の扉が出てきました。
 ドアを開けると、重苦しい霧に包まれた、カビだらけの部屋に出ます。
 部屋の奥には、バンシーがいます。グールが2体、飛び出してきました。
 戦闘です。
 若干手間取りましたが、危なげなく、勝利しました。
 ひと息ついていると、背後から声がしました。
「おおっ!? この迷宮に、先に入った冒険者がいたのか!」
 冒険者っぽいひとたちが、入ってきました。フィルボルの男、フィルボルの女、そして、獅子の顔をした体格のいい男と、ヴァーナ猫族の女の、4人です。
 タケオンは、フィルボルの男女に、両親の面影を見ます。
 かなり若いですけど、間違いありません。タケパパとタケママです。
 獅子の顔をした男の目にも、なんだか、見覚えがあるような気がしました。
 若いタケパパは、この迷宮を、”死獣の迷宮”といい、奥にいる死獣の王”ヘルデスタイガー”を討伐しにきたといいます。
 タケオンは、この迷宮の名に、聞き覚えがありました。
 父が、”魔人の武具”のうちのひとつを、を手に入れた迷宮です。
 部屋の奥の壁には、穴が開いていました。おそらく、出口です。穴は、時間が経つにつれ、すこしずつ小さくなっていきます。あまり、時間がありません。
「このあと手に入れた防具は、絶対、身につけちゃだめですよー!」タケオンは、そういい残して、部屋から出ました。

 宇宙空間に戻りました。
 時間が残り少なくなってきたので、すごい駆け足です。
 宝の部屋でいいことがあったりなかったり、ダマスクススコーピオンを再度スルーしたり、連続でダマスクススコーピオンをスルーしたり、幼児だったチキが元の年齢に戻ったのに今度はカヤタがおじいちゃんになっちゃったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、神々しい者と出会った気がしたり、トノレネコとかいう怪しげなぼったくり商人の店の前を通り過ぎたり、嵐の海のど真ん中に投げ出されたり、虹の橋を渡ったりしました。なんか全員フェイトが1点増えました。
 そして、ついに、両開きの白い扉が現れました。
 制限時間、残り30分。
 いよいよ、最後の部屋です。

 クライマックスフェイズ。
 真っ白な、広い部屋です。
 おじいちゃんいなってたカヤタが、元の姿に戻りました。
 正面奥に、霧の扉が見えます。出口だ。リグレとカヤタは、難なく、霧の扉をくぐり抜けることができますが、他のメンバーは、通り抜けできません。
 壁に、「ご用の方はこちら」と書かれたボタンがあります。
 ボタンを押すと、霧の身体を持った巨漢が、がっはっはと笑いながら、出てきました。
「おうおう! なんというか、すさまじいメンツだわい! わしは、この、時空の洞窟の主、ボティラーだわい! 時と時間の妖精だぞい! まあ、わかっているとは思うが、わしを倒さないと、ここから出ることは、できんぞい。とどめはささんが、ここで倒れたら、出られるのは数十年後か、数百年後か。ぐはは。まあ、頑張れや! 手加減は、せんぞい!」
 というわけで、ボス戦です。
 レベル18のエネミーです。
 ギルドスキル《陣形》で移動し、じじは若返ります。
 いきなり、《セレスチャルスター》+《マジックブラスト》の攻撃を受けますが、ふたつのエンゲージに別れていたので、《プロテクション》と《サモンアラクネ》により、被害は最小限に抑えられました。
 カヤタとじじの攻撃、タルトとカヤタの魔法、チキの援護。
 2ターン目で、チキの《ヘイスト》を受けたタルトが《ウォータースピア》をぶちかまし、放心したところへ、カヤタの強烈な一撃。とどめは、じじが刺しました。
 あっという間です。
 せっかく、6ターン目までの行動を書いておいたのに、使わず終いでした。
 でも、制限時間ギリギリでした。
 タルトのダイスの目を数える時間が、長かったのです。
「うわっはっは! このわしが、負けるとはな! 通ってよしだわい! またこいよ! 勇者さま!」
 ボティラーは、バターン! と倒れます。
 しっかりと戦利品をかっぱいだところで、部屋全体が、眩しく輝きました。

 エンディングフェイス。
 気付くと、森の中にいました。
「ようこそ、”久遠の森”へ!」リグレが、いいました。
「懐かしいなあ。カレーのにおいがする」カヤタがいいました。
 ……インド?

 アフタープレイ。
 きっちり、5時間で終えることができました。
 部屋ひとつにつき、経験点2点、って決めてたので、20部屋だと、これだけで、40点。ボスエネミーが、18点。特殊イベントなども盛り込むと、ひとりにつき、100点超えてしまいました。
 なんという大盤振る舞い!
 でも、レベルはひとつしか上がりません。
 全員揃って、8レベルです。
 レベル8の5人パーティーが、どんくらい強いのか、さっぱりわかりません。

 セッション第6回目につづく。

時空の迷宮 前編

2009年7月1日 水曜日
この記事の所要時間: 約 10分6秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第5回目は、いつものTakeon邸で行いました。
 シナリオのタイトルは、『時空の迷宮』です。
 ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」だと、いい切っておきます。
 断るまでもないですが、今回のプレイ日記も、脳内補正がモリモリ加わってます。本当はこうしたかった! 的な悔しさも入ってます。

 プリプレイで、Ganhiroの猫耳おじーちゃんを、見直しました。
 おじーちゃん補完計画です。
 前回は、《クイックステップ》を取っていないという、のんびりとした、社交ダンスじーちゃんでした。
 今回からは、よぼよぼな動きが敵の攻撃を的確に避け、震える手が超振動バイブレーションとなり敵の骨まで粉砕するという、ヒップホップじーちゃんになりました。

 前回のおさらい。
”石の街”ロダニアで、魔人ジュエリーザを退け、一躍人気者になった”花鳥風月”の一行。
 神官ランディアの依頼で、魔剣を封じる溜めに、カヤタの故郷である、”久遠の森”を目指すことになりました。
 ですが、ロダニアから”久遠の森”までは、馬を使っても、30日くらいかかってしまいます。
 たまたま出会った、カヤタの友人、リグレの案内で、近道である、時空の洞窟を目指します。
 途中、魔王エラザンデルの部下、漆黒の剣士コッホバールに襲われましたが、マグドゥーラの王女サングリエルの登場により、難を逃れました。
 しかし、どうやら、魔王エラザンデルの復活は、近いようです。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル7
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル7
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル7
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル7
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル7
 プレイヤー:Ganhiro
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。


 オープニングフェイズ。
 コッホバールを退けたその夜、じじは、なぜかマグドゥーラの王女サングリエルのことが、気になって仕方がありません。なんか知らないけど、ドキドキしてます。この、甘酸っぱい胸のときめきは、なに?
 すると、ピッキューン! と、ひらめきました。
「お、思い出したぞぉーっ!」
 その時、彼の身体が光り輝き、一瞬のうちに、若返りました。20代の精悍な青年に、変身したのです。腰に提げた剣は、妖魔をスパーンと倒すという、聖剣ヨーマスパーンに変わりました。
 でも、変身したショックで、なにを思い出したのか、忘れてしまいました。
「……なんだったかのう?」
 しょぼーんとしたら、変身も解けちゃいました。おじーちゃんに、戻っちゃいました。
 謎だらけのおじーちゃん、じじ。
 彼は、フェイトを1消費すると、若返り、聖剣ヨーマスパーンを手にすることができるという、妙な能力を得ました。

 次の日の早朝、野営をしていたタケオンが、水を汲みに小川へ行くと、獅子が、木の陰から顔を半分だけ覗かせてこっち見てました。
 タケオンが声をかけると、獅子は嬉しそうに寄ってきて、ぐるぐる喉を鳴らします。
 獅子は、重々しい声で、喋り出しました。
「助言を、与えよう。運命の気まぐれにより、過去と邂逅するであろう。ただしそれは、変えることの……む! すまない。今日は、時間がない。カーチャンに見つかると、叱られてしまうのだ。では、達者でな!」
 獅子は、ずばばっと、走り去ってゆきました。
 ふと、頭に違和感を覚え、触れてみると、動物の王が彫刻されたサークレットが、はめられていました。
 それは、ハイサモナーサークレット。サモナースキル《ハイサモナー》の効果が上がる、強力なサークレットです。
「……僕、《ハイサモナー》、取ってないんですよねー」
 タケオンは、爽やかな笑顔で、空を眺めました。

 ミドルフェイズ。
 リグレの案内で、時空の洞窟へ到着したました。
 それは、石を積み重ねた、門のようなものでした。門の間は、真っ白い霧に包まれ、向こうが見通せなません。もやもやが、流れ出ています。
 リグレは、厳しい顔で、説明します。
「いいか。この時空の洞窟は、通り抜けに、あまり時間をかけられない。具体的にいうと、リアルタイムで5時間、つまり19時までに通り抜けられないと、死ぬまで出られなくなる!」
 えー。まじでー。みたいな感じすが、行くしかないので、門をくぐります。
 いきなり、広大な宇宙空間に出ました。
 きらめく小さな星々が、うっすらと、みんなを照らしています。
 足下には、横幅3mくらいの薄いタイルあり、遠くまで伸びています。宇宙空間に浮かぶ、通路です。
「ふーん」みなさん、淡泊な反応です。
 カヤタとリグレは、封印守護の一族です。彼らにだけは、安全な道が見えますが、チキたちには、見えません。
 リグレは、カヤタを引っ張って、安全な道を行こうとします。
「あっちは、困難な道だからな。因果をねじ曲げるような、凶悪な障害が、待ち構えている、って話だぜ。言い伝えによると、途中で姿を消してしまうとか、姿や人格が変わったりとか、……発狂する者もいたという」
「リグレは、安全な方、行きなよ。僕らは、こっちの道、行くからー」カヤタたちは、困難な道を選びます。
「ちょ!? ……わ、わかった。お前が、どれほどの男なのか、見届けてやるぜ!」リグレも、ついてくるみたいです。

 時空の洞窟は、訪れるものの運と、宿命により、姿を変える、迷宮です。
 通路の先になにが待ち構えているのか。
 それは、誰も知りません。

 宇宙空間に伸びる、曲がりくねった通路を進むと、緑色の扉が塞いでいました。
 カヤタが、どーん! と、ドアを開けると、唐突に、森の中に出ます。
 柔らかな木漏れ日に包まれて、暖かいです。鳥のさえずり。優しい風。アロマの香り。【HP】と【MP】が3d6点回復できるくらいの、癒し空間です。いきなりくるとこじゃありませんでした。
 さっさと通過します。

 宇宙空間に戻りました。進んでしたら、突然、凄まじい速さで、通路がタイルが流れ始めます。星々の光が線になり、平衡感覚が失われます。
 気付くと、広い部屋に倒れていました。
 なんということでしょう。
 チキと、じじが、3歳児になってしまいました。
「おっぱいは、まだでしゅかー」じじは、老人だったり、若者だったり、幼児になったり、忙しいです。
「……進むでしゅ!」チキは、受け入れたみたいです。
 幼児2人を連れて、カヤタたちは、部屋から出ました。

 通路を、灰色の扉が塞いでいました。ドアを開けると、12m四方の鉄鋼の部屋に出ます。木目調の模様が、壁や床を満たしています。部屋の奥には、禍々しい彫刻のされた大理石の扉がありました。
 目をこらすと、部屋の隅に、部屋と同じ模様の大きなサソリが、いました。襲ってくる気配はありません。
 エネミー識別してみると、ダマスクススコーピオンだということがわかりました。
 2回攻撃。受けるダメージは常に1。HPを回復する攻撃。
 スルー決定。
 とっとと、部屋から出ました。

 宇宙空間の通路を、大理石の扉が塞いでいました。
 重いドアを開けると、突然、どこかの街の中に出ました。
 城壁に囲まれた都市ですが、壁は崩れ、家屋が燃え、潰された兵士の死体が転がっています。まるで、戦場です。
「……あ、あれれ? ここは?」カヤタは、首を傾げます。
「おっぱいは、まだでしゅかね」3歳児のじじが、指をしゃぶります。
「街ね! お買い物できるわっ!」タルトが、目を輝かします。
「そーじゃないでしょう」タケオンが、突っ込みます。
 とかやってたら、巨大な影に、覆われました。
 見上げると、どこかで見たような、巨人。
 魔人ジュエリーザです。ジュエリーザが、背を向けて立っています。
 ロダニアで遭遇した時と、ちょっと姿が違うのに、気付きました。宝石の数が少なく、黒い地肌が見えています。
 魔人の向こうには、果敢にも剣を向ける、ひとりの騎士がいました。ヴァーナ狼族の、男です。
 チキは、彼に見覚えがありました。
「あ、あれは!? お、おとーしゃん!?」
 チキの父の、リヒト。とても若く、まだ20代前半っぽいですが、間違いありません。
 そして、この街は、帝国に奪われた、チキの故郷でした。

 魔人ジュエリーザは、灼熱のビームで、リヒトを吹き飛ばしました。彼は、家屋に衝突すると、血を吐き、倒れます。
 チキの姿が、一瞬、ブレました。
「おとーしゃん!」駆け出そうとする、よちよち歩きのチキを、カヤタがつまみ上げました。
「こーなったら、やるしか、ないっ!」カヤタは、カタナを抜きます。
「勝てますかねー?」タケオンも、戦闘態勢を取りました。
 タルトは、隙をみて回り込み、チキの代わりに、リヒトのところへ向かいました。
 殺気を感じたのか、魔人ジュエリーザが、振り返りました。
 戦闘開始です。
 ジュエリーザの放つ、灼熱のビームで、大ダメージを受ける、カヤタ、チキ、タケオン、じじ。
 絶望的な戦力差ですが、カヤタは、果敢にも攻撃します。しかし、ダメージを与えられません。
 タルトは、リヒトを《ヒール》で回復しました。立ち上がろうとしたリヒトに、ジュエリーザが向き直ります。灼熱のビームが放たれ、彼は戦闘不能の虫の息になりました。タルトは、余波を受けて、吹き飛びます。
 姿がブレるチキ。
 焦るカヤタたち。
 すると、ジュエリーザが、タルトを見て、目を見開きました。
 巨大な身体を持つ魔人が、ちいさなタルトに、怯えています。
 ロダニアのときと、同じです。
「……エ、る、ウェーッ!?」と、つぶやくと、ジュエリーザは、背を向けて、地面を蹴って飛び立ち、逃げ出しました。
 ぽかんとして、飛び去るジュエリーザを、見送ります。
 とりあえず、驚異は去ったみたいです。

 父のそばに連れてってもらったチキは、彼に《レイズ》を使います。
 リヒトは、息を吹き返しました。
「……あ、ありがとう。ジュエリーザを、追い払ってくれたのか。……すごいな。これで、我が国は救われた」
「報酬っ!」と、タルトが叫びます。
「ちょっ!? なにいってんでしゅか!」
 チキは、タルトを全力で止めました。ここで父が借金を作れば、その借金は、こっちに回ってくるような気がしたのです。
「お嬢ちゃん。キミの名を、教えてくれないか?」と、リヒトはチキに訪ねます。
 なんだか嫌な予感がしたので、チキは「チキです」と答えます。
 さっき、ジュエリーザが立っていたところに、いつの間にか、扉が現れていました。扉は、徐々に、空気に解けていきます。
「急がないと、まずそうですよー」
「ちっ。つけとくからね!」
「行こう、チキ!」
「えーと。娘しゃんには、優しくねー」
「おっぱいは、まだかいのう」
 カヤタたちは、あっけにとられるリヒトを残し、扉をくぐり抜けました。

 つづく。

貧弱なフェルリック

2009年6月10日 水曜日
この記事の所要時間: 約 7分30秒

 マスターKayataの、「ソード・ワールド2.0」です。
 日曜日2回目のセッションです。
 このプレイ日記は、フェルリックが主人公みたいな感じで書いてますが、そうじゃないです。ほとんど脳内妄想です。もはや二次創作です。ごめんなさい。本当は、みんな活躍してるし、もっともっと面白いセッションでした。この場を借りて、謝罪します。あれ。なんかこのプレイ日記の存在意義が揺らいでまいりました。でも書いちゃう。楽しいから。
 ちなみに、フェルリック以外の技能レベルは、うろ覚えというか、むしろ直感で書きました。

セッション第2話


フェルリック 人間 男性 【ファイター2/フェアリーテイマー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:ハゲ
タケ・オン ルーンフォーク 男性 【マギテック3/スカウト1/シューター1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Takeon
エルサイス エルフ 男性 【プリースト3/セージ1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Tiki
アルベルト ナイトメア 女性 【グラップラー3/エンハンサー1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Nyagon


 戦士として最弱の生命力を持ち、フェアリーテイマーの両親を持つ、貧弱人間フェルリック。
 体力だけではなく、所持金まで貧弱になってまいりました。
 具体的にいうと、タケ・オンに借金して、タワーシールドを買っちゃったせいで、金欠なのです。自業自得です。
 でも、こんな時に限って、仕事がありません。
 4人は、”水晶の欠片亭”のカウンターに並んで、エンクのおごってくれた昼食を食べてます。
「どーしよう、タケ・オン。ヤバイ。お金ない」フェルリックは、愚痴ります。
「返すのはいつでもいいですよ、ご主人様」
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、美味いな、この唐揚げ」
「そうですか。残念です」
「お前、唐揚げ喰えなかったっけ? じゃあ、もらってやるよ」
「そっちじゃないです」
「か、唐揚げ泥棒!」エルサイスが、突然叫びました。
「な、なんだとぅ!? お前からは、取ってないぞ!」
「いや、これ……」
 エルサイスがつかみ上げたのは、小柄なグラスランナーでした。唐揚げ食べてます。
「もぐもぐもぐ。ごくん。やあ! 君たち、暇そうだね。情報、買わないかい?」
 彼の名前は、カヤタ。情報屋だそうです。
 カヤタが売ってくれる情報は、どうやら、”剣の迷宮”のようです。
”剣の迷宮”とは、魔力を持った剣が、自ら作り出した迷宮です。
 きっと、困難な冒険になることでしょう。
 しかし、得られるものは、唯一無二。
 血湧き肉躍ります。
 フェルリックはお金がないので、タケ・オンとエルサイスとアルが、100ガメルずつ出して、カヤタから情報を買いました。
「ようし! 出発だーっ!」
「……あんたは、お金出してないでしょーが」
「細かいことは、気にするな!」
 アルベルトの白い目にも負けず、フェルリックは意気揚々と、先頭切って、店から出ました。

 現地に到着しました。
 つい最近できたばかりっぽい洞窟へ、足を踏み入れます。
 鉄製の両開きの扉を開けると、その先は、”剣の迷宮”です。
 最初の広間に、剣と盾を装備してない大理石の騎士像が、ありました。あきらかに、剣と盾を探してきて装備させる系の像です。
 奥の部屋を、探索しに行きます。
 ゾンビとワイトの一団を倒し、大理石の盾をゲット。
 燃えさかる部屋で、ヘルハウンドを倒し、大理石の剣をゲット。
 途中で、宝箱を調べるタケ・オンに、ミミックが襲いかかり、ピンチに陥ったりしましたが、順調にキーアイテムを揃えることができました。
 アルベルトのナックル2回攻撃は強烈で、クリティカルもよく出します。
 エルサイスの防御魔法、治癒魔法、そして攻撃魔法は、心強い援護です。
 タケ・オンは、聞き耳やトラップ感知で、迷宮に仕掛けられた危険を取り除き、戦闘では、魔法を込めた銃を使って、活躍します。
 しかし、フェルリック。
 前衛に立つ、貧弱戦士、フェルリック。
「ようし! 先へ進むぞ!」
 口ばっかりで、あんまし役に立ってません。
 頬に流れるのは、きっと汗じゃありません。

 大理石の騎士像に、大理石の剣と盾を装備させたら、先へ続く道が開けました。
 突き当たりの広間には、光り輝く魔法陣。
 奥の台座には、悠然と鎮座する剣。
 どこからともなく、シブイ声がして、最後の試練を見事乗り越えて見せよと、いわれます。
 魔法陣から現れたのは、キクロプス。体長10mくらいの、恐竜です。
 とんでもない試練です。
 でも、やるしかない!
 エルサイスの「プロテクション」を浴び、フェルリックとアルベルトは、突撃します。
 ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
 バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
 ビャビューッ! と、エルサイスの攻撃魔法が、キクロプスを焦がします。
 しかし、フェルリック。
 スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなーっ!」
 涙目で、叫びます。
 ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
 バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
 パピーッ! と、エルサイスの回復魔法が、怪我人を癒します。
 しかし、フェルリック。
 スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなあぁぁーっ!」
 涙目で、叫びます。
 そんな彼も、前衛としての仕事は、しています。敵の攻撃を、身体で止めているのです。
 グラップラーのアルベルトは、回避力こそ高いのですが、防御力がありません。囓られたり、しっぽで打たれれば、ダメージが大きいです。
 ただし、HPは高いです。
 戦士のフェルリックは、しっかりと鎧を着て、タワーシールドを装備しているので、頑丈です。
 ただし、HPがありません。絶望的にありません。エルサイス以下です。たった一撃で、瀕死です。
「うおおおおっ! 運命変転っ!」
 運命を乗り越えて、しっぽをかわします。
 ギリッギリで、生きてます。
 ぶっちゃけますと、実は、マスターの慈悲がなかったら、とっくに死んでます。
「オレを見るなあああぁぁぁあああ――っ!!」
 しかも、当たりません。
 とても苦戦し、やっとのことで、キクロプスを倒しました。
 この戦闘で、フェルリックが命中させた攻撃は、たったの1回。
 さすがの彼も、部屋の隅で体育座りして、落ち込みました。

「我が力、お前に預けよう!」剣が、フェルリックの手の中に収まりました。
 微妙な気分です。
 もらっちゃって、いいのでしょうか。
 でも、剣を使っているのは、フェルリックしかいません。
「よかったですねえ、ご主人様」タケ・オンは、拍手します。
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、オレ、もっと強くなんないとな……」
「そうですか。残念です」
「な、なんてこというんだ、お前はーっ!?」
「そっちじゃないです」
「一応、パーティーを守るって仕事は、こなせてたと思うよ」エルサイスが、フォローしてくれました。
「あたしは、もっと強くなる! ふん! ふん!」アルベルトは、ムキムキでした。
 フェルリックは、悟りました。
 そうか。わかったぞ、オレの役割。
「よし! オレが、みんなを護るぜーっ! ゲホゲホッ」
 貧弱なフェルリックは、血を吐きながら、そう、誓いました。

 第3話につづく

 第2話は、オリジナルっぽい感じになっていきます。もしかしたら、「?シナリオ集1」のKayata流アレンジかも知れません。マスターKayataのNPCは、声優つきなので、とても楽しいです。
 あと、手に入れた剣は、前世の兎で見たことがあるっぽい剣でした。お試しプレイの世界と、微妙にリンクしてます。
 それにしても、今回は、ダイス運がアレでした。
 10以上のクリティカルすら1回もなかったのに、ファンブルは2回ありました。全体的に低調で、攻撃が全然命中しなかったです。
 確率論なんて、真っ赤な嘘です。
 あ。そういえば、どーでもいい判定で、6ゾロを出してた気がします。
 確率論は、正しいです。
 ガッデム。
 しかし、へこたれません。
 ファイター技能がレベル3になりました。HPも上がりました。まだエルサイス以下で、パーティー最低値の座は不動でしたけど。
 金属鎧も買いました。フェアリーテイマーの魔法を使うのにペナルティーがつきますが、妖精をすり潰して回復ドリンクを作る魔法しか使いませんから、問題ないです。
 そして、《かばう》を取りました。
 今回手に入れた剣の能力に、「《かばう》時に防御力+2」というものがあったからです。
 まさに、騎士の剣!
 次回から、仲間をかばいまくりです!
 死んだらごめんなさい。
 ていうか、こんな貧弱な前衛、マスターにしてみれば、とてもとても扱いにくいキャラクターだと思います。
 ご迷惑を、おかけします。

初めての冒険

2009年6月9日 火曜日
この記事の所要時間: 約 6分40秒

 日曜日も、Takeon邸で、TRPG部です。
 週末まるごとTRPGなんて、とってもブルジョワジー! 時代に逆らう最先端! いくらアクセス数下がっても気にしない!
 それにしても、「クイーンズブレイド」が、書店でTRPGの棚にTRPGとして置いてあるのには、違和感を覚えまくりました。とてもじゃないですけど、ロールプレイできません。
 さて。
「ソード・ワールド2.0」です。
 マスターは、前日と同じくKayata。
 プレイヤーは、Tikiを加えた、Takeon、Nyagon、ハゲの4人。
「ソード・ワールド2.0」キャンペーン、本番セッションの開始です。
 この日だけで、セッションを2回も行いました。

 プレイ日記は、脳内補正が、かなりかかってます。
 プレイヤー視点なので、書きやすいというか、筆が滑るというか。
 で、実はフェルリック以外の技能が、うろ覚えだったりします。名前間違ってたらどうしよう。

セッション第1話


フェルリック 人間 男性 【ファイター2/フェアリーテイマー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:ハゲ
タケ・オン ルーンフォーク 男性 【マギテック2/スカウト1/シューター1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Takeon
エルサイス エルフ 男性 【プリースト2/セージ1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Tiki
アルベルト ナイトメア 女性 【グラップラー2/エンハンサー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Nyagon


 戦士として最弱の生命力を持ち、フェアリーテイマーの両親を持つ、貧弱人間フェルリック。
 反抗期の彼は、メルフェンな両親の妖精溢れるほえほえ空間に反抗し、家出を決意します。
 やっぱ男は冒険者だッ!
 漢なら、戦士だッ!
 盗んだシルフで走り出す、17の夜です。
 近所には、ルーンフォーク村がありました。フェルリックは、友達のタケ・オンを、強引に誘います。
 そして、旅立ちます。
 目指すは、冒険に溢れているという噂の、ルーフェリア。
 ここで、名を上げるのです!
 そんなわけで、ルーフェリアへ到着しました。
 虚弱体質のフェルリックは、血を吐くくらい、疲れ果てていますが、タケ・オンは、ピンピンしてます。
「大丈夫ですか、ご主人様」
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、くたくただよオレは」
「そうですか。残念です」
「しょーがないだろ。体力ないんだから」
「そっちじゃないです」
「お? おい、あれ見ろよ、タケ・オン」
 噴水のある広場までくると、身綺麗な衣服を着た、冒険者風の男女が、目につきました。
 聖印を垂らした、美形で知的なエルフと、腰にナックルを提げた、神秘的な色香を漂わす美しい女性です。とても絵になる、美麗なふたりです。キラキラ輝いてます。眩しいです。
 美形のエルフと、目が、合いました。
 フフン、と、鼻で笑われたような気がしました。
 フェルリックは、カチーンときます。
 ちくしょう。同じ冒険者なのに、なんだこの差は。こちとら、ぐでぐででゲホゲホで汗臭くて髪の毛ボサボサでひもじくて血まで吐いてるのに。隣の友達も、美女とはほど遠い、ロボロボしい男だし。
「おうおうおう! なに見てんだよ!」
 フェルリックは、からみました。
 まるで、チンピラです。
 まったくの、いいがかりです。
「えー。だって、汚いしー。臭いから、近寄らないでくれるー?」ナックルを提げた美女が、顔を歪めます。
 いいがかりじゃなかったみたいです。
「な、ななななんだとぅっ!?」
 噴水の広場で、口喧嘩が始まりました。しかし、相手も負けてません。むしろ、ふっかけたフェルリックの方が、血圧低下でダウン寸前です。
 気付くと、周りに人だかりができてました。
 その中に、子犬風の、もふもふがいました。
 買い物かごを提げた、コボルトです。
 ナックル女の目が、キュピーン! と輝きました。
「か、かわゆぅ?いっ!」
 ナックル女は、コボルトをひっつかんで、ぎゅーぎゅー抱きしめてます。コボルトが死にそうになってたので、フェルリックが助けます。
 コボルトのお蔭で、なんとなく、場がなごみました。
 コボルトの名は、エンク。この先にある冒険者の店”水晶の欠片亭”で、働いてるみたいです。
 エンクは、手を振って、お買い物に行きました。
「……さて。タケ・オン。冒険者の店に行こっか」フェルリックが、いいました。
「……アル。私たちも、向かいましょう」美形のエルフが、いいました。
 ギロリと、睨み合います。
 ギスギスしたまま、フェルリックたち4人は、”水晶の欠片亭”へ向かいました。

”水晶の欠片亭”は、何故か、がらんとしてました。店の外には、困り顔のひとたちが何人かいましたが、入ってきません。
 その理由である、女将のトンデモ料理を食しながら、フェルリックたちは、渋々、自己紹介しました。
 美形のエルフの名は、エルサイス。ルーフェリアの神官の息子だそうです。彼も、プリーストでした。
 ナックル女の名は、アルベルト。グラップラーです。実はナイトメアで、両親はリルドラケンですが、彼女を置いて冒険に出ちゃったみたいです。
 ふたりとも、まだ冒険に出たことはないようです。
 フェルリックは、ピンときました。
 タケ・オンは、マギテックで、スカウト技能を持ってます。
 自分は、頑丈な戦士。
 4人で組めば、いい感じのパーティーになりそうです。
 前衛のフェルリックのHPが、パーティー内でダントツに最低値であることが、不安材料ではありますが。

 エンクが、帰ってきません。エンクは、”水晶の欠片亭”の料理長なのですが、夕方なっても、買い物から帰ってきません。
 心配になったフェルリックたちは、捜しに行きます。
 町外れで、子コボルトを発見しました。エンクと、子コボルトの父が、蛮族に連れられていったことを、知ります。
 放っておくことは、できません。
 足跡を頼りに、森を進みます。
 小屋を、発見しました。
 様子を探りにいったタケ・オンが、敵に発見されてしまいます。
 小屋から出てきたのは、ボガード。しかも、2体。
 タケ・オンがボコボコにされましたが、フェルリックたちは協力し、ボガード2体を倒しました。
 そして、エンクと、子コボルトの父を、蛮族から解放することに、成功しました。
 めでたしめでたし。

”水晶の欠片亭”に戻ったフェルリックたちは、女将や、エンクの料理を待っていたひとたちに、感謝されます。
 初めての冒険。
 巧くいったような気がします。
 この4人なら、どんな冒険でも、こなせるような気がする。フェルリックは、そう思いました。
「んじゃー、これからも、よろしくな!」フェルリックは、手を差し出します。
「……まあ、いいでしょう」苦笑するエルサイスは、手を握り替えしてきます。
「足、引っ張らないでよねー」アルベルトも、頷きました。
「よかったですねえ、ご主人様」タケ・オンは、拍手します。
「誰がご主人様だよ。友達だろ。つか、腹減った。エンクに、なんか作ってもらおう!」
「そうですか。残念です」
「え。……お、お前、女将の料理の方がいいのか!?」
「そっちじゃないです」

 第2話につづく

 第1話のシナリオは、そうです。「ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち」の、1話目を、使ってます。
 実はプレイヤーなのに、読んでしまってました。迂闊でした。事前に、そうと知らされた時は、おろおろしました。
 でも、要所要所では、他のプレイヤーに行動を任せたので、知らないふりを突き通すことができた気がします。
 たぶん。
 それにしても、貧弱戦士は、戦闘で微妙でした。
 もちろん、プレイヤーのダイス運も、関係してます。
 ていうか、ナイトメア強い。グラップラー強い。しかも、アルはグラップラー技能3になったのに、フェルリックはレベルが上がらなかったです。HPがちょっとだけ上がっただけです。まだパーティーで最低のHPです。
 ひぎぃ。

ふたつの壊音 後編

2009年6月3日 水曜日
この記事の所要時間: 約 11分39秒

 TRPGプレイ日記です。
 セッション第4回目『ふたつの壊音』のつづきです。ふたつ目です。


ギルド『花鳥風月
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」

チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル6
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。最近は、アコライトしてる。
 父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル6
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル6
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
 魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル6
 プレイヤー:Takeon
 賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
 魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル6
 プレイヤー:Ganhiro
 ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。


 ミドルフェイズの、つづきになります。
 宝石魔人ジュエリーザを追い払い、ロダニアの街に入った、”花鳥風月”の一行。
 チキは、ため息をつきながら、神殿に向かいます。
 魔王エラザンデルを封じた魔剣を2本抱えたまま、クラン=ベルから失踪してしまったので、連絡しとかないといけません。
 気が重そうです。
 神殿の奥に通されると、いつもの鏡がありました。
 砂嵐が消えると、パッと、ライン神殿の神官長、ランディアが映りました。
「……チキ。なんで、ロダニアなんだ? 例の剣は、2本とも、無事だろうな!?」
 いきなり、渋い顔をされます。
 チキが、クラン=ベルの邪教の神殿での顛末を話すと、ランディアは納得してくれた、というか、合点がいったように、頷きました。
「信じよう。で、最悪な話と、絶望的な話と、凄惨な話がある。どれから、聞く?」
 今度は、チキが渋い顔になりました。
 ランディアは、訥々と話します。
 ひとつ目は、クラン=ベルの神殿で封じていた魔杯リーアグナスが、妖魔に奪われてしまったこと。
 ふたつ目は、その犯人が、”闇の聖女”と呼ばれている妖魔であり、その仲間に、ハゲ頭のモンクと、ガンスリンガーの男がいたこと。
 そして最後は、手薄だったヴァイスの神殿が、妖魔軍団に強襲され、封じていた宝珠ブラック・ウディーレを、強奪されてしまったこと。
 この3日間で、いろんなことがあったみたいです。
 しかも、クラン=ベル襲撃事件の犯人は、チキが知ってるハゲである可能性が高そうです。
 ガンスリンガーも、金をせびりにきた、あの男に違いありません。
 ということは、”闇の聖女”は、あのアコライトです。
「お前の持つ、魔剣ふた振りの重要度が、増した。妖魔に奪われれば、人類は、……滅びる。しかし、聖都ディアスロンドは、この期に及んで、魔剣が届けられるのを、渋っている。なにかあったときの責任を、お前たちに押しつけたいのだろう」
「はあ」
 いつの間にか、”花鳥風月”の責任にされてます。
「待てよ。ロダニア、か……」
 魔剣の処遇で悩むランディアは、なにか思いついたみたいです。
「チキ。聞いたことはあるか? ルディオン山脈の南部に、久遠の森と呼ばれる場所がある。そこには、封印守護の一族が住んでいるという。彼らは、封印のプロフェッショナルだ。……私がいいたいことは、わかるな?」
 ブチッと、通信が切れました。
「……アコライト、、辞めようかな」
 そんなわけで、またしても、無理難題を押しつけられた、チキでした。

 打って変わってカヤタたちは、酒場で商人たちにおごられていました。
 大宴会です。
 猫耳おじーちゃんも、すっかり”花鳥風月”の一員になってました。
 そんな折、カヤタの肩を、誰かが叩きました。
 背が高く、痩せていて、さらさらの金髪の髪をなびかせた、美形のドゥアンです。何故か、目を見開いてます。
「お、おまっ!? カ、カヤタか!? お、おおおお前、生き……、いや、どこいってたんだ? し、心配したんだぜ!」
 カヤタは、冷や汗を垂らす彼に、見覚えがあります。
 封印守護の一族で、族長の息子、リグレです。
 いつもはよそよそしいのに、今日は、やたら馴れ馴れしくしてきます。ウザイくらいです。
 すると、チキが、くらーい顔をして、戻ってきました。
「……しゅーごーう」
 奥の個室に集合して、チキの話を訊きます。
 みんなで、渋い顔になりました。
「今度は、久遠の森? じゃあ、報酬は!?」タルトが、チキに噛みつきました。
 協議の結果、明日の朝、もう一度交渉することになりました。チキだけじゃなく、タルトも入れて。
 なんにせよ、久遠の森に、行くことになりました。
 カヤタの実家がある森です。封印守護の一族が住む森です。
 地図を見ると、ロダニアからだと、馬でも一ヶ月くらいかかりそうな距離です。かなり遠いです。遠いですよ、ランディアさん。ディアスロンドよりは近いけど。
「そうだ。あいつなら、なんか知ってるかも」
 カヤタは、リグレに話を訊きに行きます。
「ああ。それだったら、時空の洞窟を通ればいいさ。あっという間に、久遠の森の、すぐそばまで行ける。洞窟の入り口は、ロダニアから山に入って、3日くらいだぜ」
 リグレは、そう、教えてくれました。
 このとき、リグレの目が、あやしく輝くのを、カヤタ以外は感じました。
「じゃー、リグレ! よろしくな!」
 ファンブルを出したカヤタは、フレンドリーに、リグレの肩を叩きました。

 翌日、”花鳥風月”のみんなは、商人たちから表彰されます。魔人ジュエリーザを撃退し、ロダニア石を護ったことを、評価されたのです。
 報酬として、なんでも10%引きで買い物ができることになりました。
 でも、買い物は、あと。
 まずは、神殿へ赴きます。
「……な、なんだ?」鏡に映るランディアは、警戒しています。
「報酬、少なすぎると思うんですけどー」タルトが、さっそく口を尖らせます。「任務、放棄してもいいんですけどー」
 さんざんいい合った結果、報酬20000G。前金で、5000Gの契約を勝ち取りました。容赦ないです。
 資金ができたところで、買い物です。
 みなさん、何故かカバン類をいっぱい買い揃えていました。

 クライマックスフェイズです。
”花鳥風月”の一行は、ロダニアから、出発しました。リグレの案内で、山に入ります。
 なにごともなく、陽が暮れました。
 しかし、2日目の、夕刻。
 空があかね色に染まる頃、タケオンの手の甲の入れ墨が、ギリッと痛くなります。毒が回るかのように、じわじわと、痛みが増します。
 警戒していると、茂みの暗闇から、人影が出てきました。
「……ほう。さすがだな。気付いた。か」
 赤い木漏れ日の中に、男が足を踏み入れると、その姿があらわになります。黒く長い髪。褐色の肌。美麗な顔つき。銀に縁取られた漆黒の甲冑。そして背には、巨大な剣。
「見付からぬ、とでも、思ったか? それとも、コルンを倒した程度で、奢ったか。結界も張らず、持ち歩くとは、な。舐められたものだ」
 黒衣の美剣士は、端正な顔を歪めます。
「人間ども。我が主の力を封じた剣。……返してもらうぞ!」
 奥の影から、屈強な甲冑を着た髑髏顔の男が3人、飛び出してきます。ブラッディマーダーです。
 戦闘開始、です。
「ひっ!?」怯えたリグレは、カヤタの背中に隠れました。

 ズバアッ! と、黒衣の美剣士は、手を伸ばします。
 すると、魔剣カーディアックが、吸い寄せられるように引っ張られます。すごい吸引力です。ダイソンも真っ青です。
 チキは、慌てて魔剣をつかみます。カヤタも、一緒につかみます。
 チキとカヤタが攻撃に加われませんが、ブラッディマーダーは攻撃してきます。そのうち1体は、回り込んで、タルトに襲いかかります。
 絶体絶命のピンチ!
 と、思いきや。
 タケオンの召喚魔法がパワーアップしてたり、猫耳おじーちゃんが前衛で敵の攻撃を引き受けてくれたり、タルトの大砲が相変わらずだったり、チキは動けなくても《プロテクション》を飛ばせたりで、まったく危なげないです。
 2ターンの間、魔剣を護り切ると、黒衣の美剣士は、背中の大剣を抜きました。
「よかろう。ならば、殺すまで!」
 その刹那。
 黒衣の美剣士の前に、まばゆい霧のようなものが降り立ちます。
 ゆらめくそれは、女性の姿となり、立ちふさがりました。
 イベントムービー的なシーンなので、KayataがAボタン連打しました。キュルルルルと、早送りです。
「キ、キサマは、サングリエル!? 何故ここに!?」黒衣の美剣士が、うろたえます。女性は無言。けれど、美剣士はな、にか思いついたのか、ニヤリと笑みを浮かべました。「……そうか。キサマが目を覚ましたということは、我が主の復活は、近い!」黒衣の美剣士が、消えました。まるで、楽しみにしていたアニメがもうすぐ始まるのを思い出したかのような、勢いです。幻影のような女性も、消えました。
 イベントムービー終了。
 取り残されたのは、ブラッディーマーダー。
 あっという間に、倒されました。
 レベル13のエネミーが、3体だったのに……。

 エンディングフェイスです。
 ブラッディーマーダーの死体から、アイテムをかっぱぎ終わると、さっきの女性が現れます。
 とても美しい女性です。半透明の、幻影です。
「私は、マグドゥーラの王女、サングリエル。フォモールの王エラザンデルを、封じる者」
 サングリアルは、魔杯リーアグナスの封印が解かれたことにより、目覚めたみたいです。
 さっきの黒衣の美剣士が、魔王エラザンデルの部下、コッホバールだということを、教えてくれました。
 エラザンデルの霊体を封じているのが、都市マグドゥーラ。魔杯は、マグドゥーラを、霊界から現世に呼び出すことができる、特別なアイテムのようです。まだその方法を、敵に知られてはいないようですが、解析は、時間の問題らしいです。
「……ならば、手段は、ひとつ」カカッ! と、サングリエルの目が光りました。「倒すのです! 今こそ、あの憎き魔王、エラザンデルを、ブッ殺すのです!」
 彼女は、300年前の無念を、晴らそうとしているみたいでした。
「コッホバールが持つのは、魔杯リーアグナスの他に、宝珠ブラック・ウディーレのみ。今なら、殺れます!」
 魔剣カーディアックは、エラザンデルの心臓。魔剣セレブリックは、知恵。ぶっちゃけると、HPとMPです。エラザンデルが蘇ったとしても、HPとMPが激減した状態で、戦えるというわけです。魔眼のふたつも封じているから、魔力も1/3。かなり有利に違いありません。
 とはいえ、それでも、魔王は魔王です。
 どーしようかと悩んでいる、”花鳥風月”のみんな。
 ここでサングリエルは、強硬手段に出ます。
 みんなの手に、光り輝くものが、現れました。じゅっ、と、手のひらに、焼き付きます。それは、光の呪印でした。
「その呪印があれば、陰の森にある、”刻の墓”って呼ばれてる遺跡から、マグドゥーラへ入ることができます。マグドゥーラは、かつて”宝石の都”と呼ばれた、とても美しい街です。是非、いらしてくださいネ! 魔剣カーディアックと、セレブリックは、持ってこないよーに!」
 サングリエルは、いうだけいって、霧のように、消えました。
「……その剣、捨ててっちゃおうか」タルトが、いいました。
「……そーしたいのは、やまやまだけど、さ」チキが、深い深いため息をつきました。

 リグレが、ひょっこりと顔を出しました。顔面蒼白です。
「カ、カヤタ? お前ら、なんなの!?」

 途中ですが、これにてシナリオ終了で、アフタープレイです。
 経験値は、ジュエリーザに挑み、魔剣を死守できたので、60点+フェイトくらい入ったと思います。なんとか、1レベル上がるくらいです。
 時間的にバルバロッサができなかったり、キャラクターの立ち回りの影響で、重要な位置づけにするつもりだったNPCが出せなかったり、宿屋襲撃事件とかなくなりましたが、おおむね、シナリオ通りに進みました。最後のボス戦での圧勝は、想定外でしたけども。つか、シナリオ通りじゃないですね。
 みなさま、お疲れ様でした。
 というわけで、セッション第4回が終了しました。
 全10回を予定しているので、もう中盤です。
 終盤に向けて、いろんな伏線を回収……。実は、伏線張ってるつもりなんです、これでも。いろいろと。後付けとか、無理なの多いですけど。
 そもそも、なんとなくで始めてしまったせいだと思うんですが、キャラクターの世界に対する位置づけが甘く、護るべき者がなく、NPCの存在感が弱いということが、はっきりしてまいりました。
 魔人はいいとして、魔王エラザンデル戦へのモチベーションが、カラッポです。
 もちろん、マスターの責任です。なんとかしないといけません。
 なんとかしたいと思います。
 少しずつ、ですけど。
 まずは、カヤタ。
 あと、次回は、ボス戦がすごいことになりそうです。
 いやでも、経験値稼ぎとアイテム収集だけの、ナイズル的なダンジョンシナリオ(時間制限と条件付きのフロアクリア型)もいいなあ、とか思い始めています。

 セッション第5回目につづく。

リプレイ

2009年5月29日 金曜日
この記事の所要時間: 約 2分36秒

 最近は、電車の中で、TRPGのリプレイ本を読んでいます。
「アリアンロッド・リプレイ」全3巻を読み終わったので(番外編の「?EX」は、なかなか売ってないので読んでません)、「アリアンロッド・リプレイ・ルージュ」に手を出しました。全4巻(あと、番外編が1冊)です。
 これが、すごかった。
 もう、なんていうか、すごすぎました。
 前作の「?リプレイ」も、最後の方はブルブルきちゃってたんですが、「?ルージュ」は桁違いでした。
 コレ、本当にリプレイ!? 本物? みんな本物なの!?
 ってくらい、迫真の演技。
 舞台でやったら、お金取れるレベル。いや、ワールドツアーに出るレベル。
 とにかく、3巻4巻の、キャラクター、演出は、号泣ものでした。
 リプレイ読んで涙を流す、って、なんか違うような気がするんですけど、ここ数年で、一番感動しました。


 ただ、まあ、3巻のアレは、ガックリくるひととか、ムカッ! とするひともいると思います。
 ガチンコ勝負で、マスターのダイス目、鬼です。
 出しちゃ行けないとこで、クリティカルを出しすぎです。
 対抗できちゃう(いろいろな意味で)プレイヤーも、すごいんですが。

「アリアンロッドRPG」のリプレイは、他にも「サガ」とか「ハートフル」があるんですけど、未読です。
 で、「ソード・ワールド2.0」のルールブックを買ったので、プレイ方法を学ぶためにも、そっちのリプレイを読んでみたくなりました。
 なにごとも、勉強です。
「ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち」を、購入しました。
 他にも、「ソード・ワールド2.0リプレイ たのだん」という、薄くて読みやすそうな本もあったのですが、最初はキチッとしたリプレイの方がいいな、と思ったのです。


 このリプレイを読んで、「アリアンロッドRPG」と、「ソード・ワールド2.0」の違いを、はっきりと理解しました。
 もう、ぜんぜん別ものです。
 ルールが違うとか、そーゆー話じゃありません。
 コンセプトが、まるで違います。
「アリアンロッドRPG」は、勇者のRPG。秘められた謎を追い、世界の驚異と戦う、勇者の物語。
「ソード・ワールド2.0」は、冒険のRPG。どこにでもいる、ふつーの冒険者が、様々な冒険を繰り返し、少しずつ強くなってゆく物語。
 こんなに違うとは、思いませんでした。
 どっちも、大好きです!

 リプレイとしての違いも、ありました。
「アリアンロッドRPG」のリプレイは、マスターもプレイヤーも、名前を出してて、誰なのかよくわかるので(声優とか)、TRPGとしてのリアリティがあります。プレイヤーやマスターのアクが強すぎる、ってのは、ありますが。
「ソード・ワールド2.0」のリプレイは、プレイヤーAとかなので、本当にリプレイなのか、わかんないとこがあります。「?たのだん」は違いますけど、TRPGのリアリティという点では、ちょっと違和感を覚えました。
 まあ、趣味の問題ですね、これは。

 しばらくは、「ソード・ワールド2.0」のリプレイに、浸ってみようと思います。

迷宮の樹

2009年5月19日 火曜日
この記事の所要時間: 約 8分24秒

 せっかくなので、「アリアンロッドRPG」のセッション内容を、書いちゃいます。
 リプレイにしたいんですが、ログとかないので、なんとなく流れを追うだけになります。
「Final Fantasy XI ハゲ日記」に近いかも知れないような雰囲気を醸し出す可能性があるとかないとか。

 セッション第1回目は、「アリアンロッドRPG 基本ルールブック」についていたシナリオ、『迷宮の樹』です。
 最初だし、まだ慣れてないし、ショートシナリオだし、せっかくついてるんだし、丁度いいと思いました。
 ていうか、実は、わくわくが激しすぎて、冷静な思考能力を失い、シナリオ作ることができなかったんです。どんだけー。

 事前に、少しだけ、セッションがありました。。
 NyagonがTRPG初心者だったので、キャラクターを作って、戦闘を練習してみたのです。
 こっちも「アリアンロッドRPG」は初心者だったので、練習しときたかったし。
 それにしても、ストーンコールドの【モンク/アルケミスト】は、ない。なさすぎる。

 ショートストーリー。
 記憶をなくした魔術師タルトが、のほほんと道を歩いていると、ハゲ頭の筋肉男が立っていました。
「貴様、強いな! わしには、わかる!」と、息巻くストーンコールド。
 ただの暴漢です。
 なんかわけわかんない出会いですが、ここで戦闘。ハゲが殴りかかり、タルトが水の槍を放ちます。
 結果は、引き分け。
 ストーンコールドは、タルトの実力を認め、一緒についてくるといいました。
 タルトは、すごい嫌そうな顔でした。

 こっから、セッション第1回です。
 プレイヤーは、4人です。
 場所は、Takeon邸です。

 プリプレイで、Nyagon以外、キャラクターを作成しました。
 経験点0から。


チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル1
 プレイヤー:Tiki
 苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。なんだかすごい謎を握っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル1
 プレイヤー:Kayata
 楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル1
 プレイヤー:Nyagon
 美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
ストーンコールド ドゥアン(牙爪族) 男性 【モンク/アルケミスト】 レベル1
 プレイヤー:NPC
 ハゲ。貴族の生まれで、偉そう。マイペース。まるで役に立たない。


 オープニングフェイズは、4人の出会いです。
 Kayataがいうとおり、最初から仲間だった、ってことにしとけば、簡単だし悩むこともなかったんですけど、正直いうと、思いつきませんでした。あっはっはっは。
 さて。
 タルトとストーンコールドは、冒険者が集まるという、”遺跡の街”ラインに向かっていました。
 街の城壁が見えてくるとこまでくると、丘の上に、異様なほど巨大な樹が生えていることに、気付きます。ふたりは、なんだろうと思い、見に行きます。
 同じ頃、ルディオン山脈からおっこちてきたカヤタも、てくてくと、ラインを目指していました。
 その途中、やはり彼も、丘の上にそびえる巨大な樹を、見かけました。物珍しくて、丘を登ります。
 そのすこし前、チキは、新人アコライトとして、ライン神殿を訪れました。
 すると、神官長ランディアに呼び出され、街の外に突然現れた巨大な樹を調べて欲しいと、依頼されます。すでに、大樹へは、調査の為、冒険者が向かっているのですが、彼は、嫌な予感がするというのです。
 こうして、大樹の前で、4人は出会いました。
 そこには、僧侶の出で立ちの猫耳娘が、おろおろしていました。
 彼女は、ライン神殿のアコライトで、名前はフィリス。冒険者に調査を依頼し、大樹の下で、帰ってくるのを待っていたのですが、雇った冒険者は帰ってきません。
 それどころか、悲鳴があがり、大樹の上から冒険者の死体が振ってくる始末。
 大樹は、メキメキと、成長を続けています。とても物騒です。
 涙目のフィリスは、神殿から派遣されたチキと、偶然集まった3人に、調査を依頼します。
 けっこー強引です。
 乗り気じゃなかったタルトも、フィリスに無理矢理多額の報酬を約束させ、調査メンバーに加わりました。
 こうして、チキたち4人とフィリスは、大樹へ入ることになりました。

 ミドルフェイズです。
 ダンジョンマップは、シナリオの通りです。
 妖魔が潜む、エレベーター完備の大樹の中を、戦いながら、登って行きます。
 一部、鍵が開かないものだと思い込んでミスってしまったところがあり、部屋を1個追加して、つじつま合わせたりしました。
 久しぶりのマスターだと、文字すら読めなくなるんです(力説)。
 チキが、アコライトなのに、罠を調べたり、隠密行動をしたりで、シーフみたいに活躍しました。
 カヤタは、《カタナマスタリー》を持っているのに、《スピリッツ・オブ・サムライ》を取っていないサムライでしたが、剣を振り回して、アタッカーでした。
 タルトは、《ウォータースピア》の使い手です。バシュバシュと、離れたところから、水の槍で攻撃します。
 ストーンコールドは、とりもちが敷き詰められた床に足を取られ、役に立ちません。それどころか、ハゲを踏み台にしようとしたチキごと地面に倒れ、唇を奪ってしまいました。
 こんなことってあるんですね。はっはっは。
 フィリスは、いるんだかいないんだかわかんないような感じです。NPCですから。たまにボケる程度です。
 作戦会議室で、書類を発見しました。
 どうやら、魔の大樹を異常成長させ、根を伸ばし、ラインの街に侵入するつもりらしいです。わりと無茶な作戦です。
 チキたちは、証拠品として、書類を持って行くことにします。

 クライマックスフェイズ。
 大樹の最上部の部屋で、妖魔のボス、エイスファスと、対決です。
 シナリオだと、ここでエイスファスが、ベラベラと極秘情報を喋るのですが、いくらなんでも喋りすぎというか、わざわざバラすなんて不自然だろうと思い、全カットしました。
 タルトが、MP切れを起こすと同時に、カヤタが、エイスファスに、フェイトを使った大ダメージを与えました。
 エイスファスの命は、風前の灯火。
 とどめを与えようとしたストーンコールドが、ここで、まさかの自分回復。錬金術で脇の下から生成したHPポーションを、がぶ飲みします。
 次のターンで、チキがとどめ! と思いきや、まさかのファンブル。フェイトを使ってやり直し。今度こそ命中させ、エイスファスを倒しました。
 なかなか、息詰まる戦闘でした。
 偶然と自演が、妙な具合に交わってた気がします。
 それはそうと、エイスファスを倒しても、大樹の成長が止まりません。
 ここで、天井に、巨大な心臓のようなものが張り付いているのに、気付きます。大樹の心臓です。黒い剣が、刺さってます。この剣により、暴走しているのです。
 頼りになるのは、力のあるカヤタです。カヤタが壁をよじ登って、剣を取りに行きます。
 でも、登坂失敗。3回くらい連続失敗。落下ダメージで、ズタボロになります。
 ハゲが肩車して、やっとカヤタは壁登りに成功しました。
 けれど、剣を抜いたところで、カヤタは、ずるりと落下しちゃいます。
 念のために真下にいたハゲが、カヤタを受け止めようとするも、これまた失敗こきます。ふたりとも、死にそうになりました。
 何故か、戦闘よりも、手こずってました。
 苦労した甲斐があり、大樹の成長が、止まります。
 一件落着。
 この時、黒い剣が、カヤタの持っていた剣に、溶け込みます。
 カヤタは、前世の記憶(20年前にやってたキャラクターのことです。そーいや、そんなこともありました。)を思い出してしまい、剣を持つことを拒否します。
 仕方がないので、チキが、慎重に布でくるんで、持って行くことになりました。
 チキたちは、満身創痍で、大樹から出ました。

 エンディングフェイズ。
「じゃあ、この剣売ろう!」いきなりタルトが、黒い剣を売り払おうとかいい出します。
 ぶったまげました。
 4人で密談した結果、ラインの魔法学校だったら、買い取ってくれるかも、ってことになりました。
 意気投合してます。
 つか、本当に売る気ですかい。
 神殿にバレるとマズイので、チキがフィリスを引き留めます。大樹の作戦会議室で見付けた書類をフィリスに渡し、手柄を全部与えると、いいくるめながら、アコライト2人で、冒険者の死体を埋葬します。
 この隙に、カヤタとタルトとストーンコールドは、いそいそと、カナンの街へ向かいました。
 なんという連携プレイ。
 戦闘の時より、息が合ってる。
 カヤタたちは、魔法学校に、到着しました。受付ではらちがあかないので、偉そうで賢そうな男を見付け、剣を売りつけます。タルトは、値をつり上げようとします。
 彼は、カヤタたちから事情を聞き出すと、冷たい目でにらみ返しました。
「私は、ライン神殿の神官長、ランディアです」
「ギャース!」
 神殿に、バレちゃった。
 ガッカリする、タルト。
 ていうか、キャンペーンシナリオのキーアイテムを売るとか、ありえませんから。
 ランディアは、顔色を曇らせます。
「……これは、魔剣カーディアック。とんでもないものを手に入れましたね」

 アフタープレイ。
 経験値は、10点+使用フェイト。
 みなさん、揃ってレベル2になりました。
 カヤタは、《スピリッツ・オブ・サムライ》を習得しました。これでやっと、刀を持ったサムライです。
 ストーンコールドは、クラスが間違っていることが発覚したので、【ウォーリアー/アルケミスト】ということになりました。
 次回から、ギルドを作ることになりました。ギルド名を決める、ってとこで、ギルドマスターに選ばれたチキは、脳内迷宮に入り込んだみたいです。

 つづく。