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貧弱なフェルリック

2009年6月10日 水曜日
この記事の所要時間: 約 7分30秒

 マスターKayataの、「ソード・ワールド2.0」です。
 日曜日2回目のセッションです。
 このプレイ日記は、フェルリックが主人公みたいな感じで書いてますが、そうじゃないです。ほとんど脳内妄想です。もはや二次創作です。ごめんなさい。本当は、みんな活躍してるし、もっともっと面白いセッションでした。この場を借りて、謝罪します。あれ。なんかこのプレイ日記の存在意義が揺らいでまいりました。でも書いちゃう。楽しいから。
 ちなみに、フェルリック以外の技能レベルは、うろ覚えというか、むしろ直感で書きました。

セッション第2話


フェルリック 人間 男性 【ファイター2/フェアリーテイマー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:ハゲ
タケ・オン ルーンフォーク 男性 【マギテック3/スカウト1/シューター1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Takeon
エルサイス エルフ 男性 【プリースト3/セージ1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Tiki
アルベルト ナイトメア 女性 【グラップラー3/エンハンサー1】 冒険者レベル3
 プレイヤー:Nyagon


 戦士として最弱の生命力を持ち、フェアリーテイマーの両親を持つ、貧弱人間フェルリック。
 体力だけではなく、所持金まで貧弱になってまいりました。
 具体的にいうと、タケ・オンに借金して、タワーシールドを買っちゃったせいで、金欠なのです。自業自得です。
 でも、こんな時に限って、仕事がありません。
 4人は、”水晶の欠片亭”のカウンターに並んで、エンクのおごってくれた昼食を食べてます。
「どーしよう、タケ・オン。ヤバイ。お金ない」フェルリックは、愚痴ります。
「返すのはいつでもいいですよ、ご主人様」
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、美味いな、この唐揚げ」
「そうですか。残念です」
「お前、唐揚げ喰えなかったっけ? じゃあ、もらってやるよ」
「そっちじゃないです」
「か、唐揚げ泥棒!」エルサイスが、突然叫びました。
「な、なんだとぅ!? お前からは、取ってないぞ!」
「いや、これ……」
 エルサイスがつかみ上げたのは、小柄なグラスランナーでした。唐揚げ食べてます。
「もぐもぐもぐ。ごくん。やあ! 君たち、暇そうだね。情報、買わないかい?」
 彼の名前は、カヤタ。情報屋だそうです。
 カヤタが売ってくれる情報は、どうやら、”剣の迷宮”のようです。
”剣の迷宮”とは、魔力を持った剣が、自ら作り出した迷宮です。
 きっと、困難な冒険になることでしょう。
 しかし、得られるものは、唯一無二。
 血湧き肉躍ります。
 フェルリックはお金がないので、タケ・オンとエルサイスとアルが、100ガメルずつ出して、カヤタから情報を買いました。
「ようし! 出発だーっ!」
「……あんたは、お金出してないでしょーが」
「細かいことは、気にするな!」
 アルベルトの白い目にも負けず、フェルリックは意気揚々と、先頭切って、店から出ました。

 現地に到着しました。
 つい最近できたばかりっぽい洞窟へ、足を踏み入れます。
 鉄製の両開きの扉を開けると、その先は、”剣の迷宮”です。
 最初の広間に、剣と盾を装備してない大理石の騎士像が、ありました。あきらかに、剣と盾を探してきて装備させる系の像です。
 奥の部屋を、探索しに行きます。
 ゾンビとワイトの一団を倒し、大理石の盾をゲット。
 燃えさかる部屋で、ヘルハウンドを倒し、大理石の剣をゲット。
 途中で、宝箱を調べるタケ・オンに、ミミックが襲いかかり、ピンチに陥ったりしましたが、順調にキーアイテムを揃えることができました。
 アルベルトのナックル2回攻撃は強烈で、クリティカルもよく出します。
 エルサイスの防御魔法、治癒魔法、そして攻撃魔法は、心強い援護です。
 タケ・オンは、聞き耳やトラップ感知で、迷宮に仕掛けられた危険を取り除き、戦闘では、魔法を込めた銃を使って、活躍します。
 しかし、フェルリック。
 前衛に立つ、貧弱戦士、フェルリック。
「ようし! 先へ進むぞ!」
 口ばっかりで、あんまし役に立ってません。
 頬に流れるのは、きっと汗じゃありません。

 大理石の騎士像に、大理石の剣と盾を装備させたら、先へ続く道が開けました。
 突き当たりの広間には、光り輝く魔法陣。
 奥の台座には、悠然と鎮座する剣。
 どこからともなく、シブイ声がして、最後の試練を見事乗り越えて見せよと、いわれます。
 魔法陣から現れたのは、キクロプス。体長10mくらいの、恐竜です。
 とんでもない試練です。
 でも、やるしかない!
 エルサイスの「プロテクション」を浴び、フェルリックとアルベルトは、突撃します。
 ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
 バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
 ビャビューッ! と、エルサイスの攻撃魔法が、キクロプスを焦がします。
 しかし、フェルリック。
 スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなーっ!」
 涙目で、叫びます。
 ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
 バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
 パピーッ! と、エルサイスの回復魔法が、怪我人を癒します。
 しかし、フェルリック。
 スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなあぁぁーっ!」
 涙目で、叫びます。
 そんな彼も、前衛としての仕事は、しています。敵の攻撃を、身体で止めているのです。
 グラップラーのアルベルトは、回避力こそ高いのですが、防御力がありません。囓られたり、しっぽで打たれれば、ダメージが大きいです。
 ただし、HPは高いです。
 戦士のフェルリックは、しっかりと鎧を着て、タワーシールドを装備しているので、頑丈です。
 ただし、HPがありません。絶望的にありません。エルサイス以下です。たった一撃で、瀕死です。
「うおおおおっ! 運命変転っ!」
 運命を乗り越えて、しっぽをかわします。
 ギリッギリで、生きてます。
 ぶっちゃけますと、実は、マスターの慈悲がなかったら、とっくに死んでます。
「オレを見るなあああぁぁぁあああ――っ!!」
 しかも、当たりません。
 とても苦戦し、やっとのことで、キクロプスを倒しました。
 この戦闘で、フェルリックが命中させた攻撃は、たったの1回。
 さすがの彼も、部屋の隅で体育座りして、落ち込みました。

「我が力、お前に預けよう!」剣が、フェルリックの手の中に収まりました。
 微妙な気分です。
 もらっちゃって、いいのでしょうか。
 でも、剣を使っているのは、フェルリックしかいません。
「よかったですねえ、ご主人様」タケ・オンは、拍手します。
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、オレ、もっと強くなんないとな……」
「そうですか。残念です」
「な、なんてこというんだ、お前はーっ!?」
「そっちじゃないです」
「一応、パーティーを守るって仕事は、こなせてたと思うよ」エルサイスが、フォローしてくれました。
「あたしは、もっと強くなる! ふん! ふん!」アルベルトは、ムキムキでした。
 フェルリックは、悟りました。
 そうか。わかったぞ、オレの役割。
「よし! オレが、みんなを護るぜーっ! ゲホゲホッ」
 貧弱なフェルリックは、血を吐きながら、そう、誓いました。

 第3話につづく

 第2話は、オリジナルっぽい感じになっていきます。もしかしたら、「?シナリオ集1」のKayata流アレンジかも知れません。マスターKayataのNPCは、声優つきなので、とても楽しいです。
 あと、手に入れた剣は、前世の兎で見たことがあるっぽい剣でした。お試しプレイの世界と、微妙にリンクしてます。
 それにしても、今回は、ダイス運がアレでした。
 10以上のクリティカルすら1回もなかったのに、ファンブルは2回ありました。全体的に低調で、攻撃が全然命中しなかったです。
 確率論なんて、真っ赤な嘘です。
 あ。そういえば、どーでもいい判定で、6ゾロを出してた気がします。
 確率論は、正しいです。
 ガッデム。
 しかし、へこたれません。
 ファイター技能がレベル3になりました。HPも上がりました。まだエルサイス以下で、パーティー最低値の座は不動でしたけど。
 金属鎧も買いました。フェアリーテイマーの魔法を使うのにペナルティーがつきますが、妖精をすり潰して回復ドリンクを作る魔法しか使いませんから、問題ないです。
 そして、《かばう》を取りました。
 今回手に入れた剣の能力に、「《かばう》時に防御力+2」というものがあったからです。
 まさに、騎士の剣!
 次回から、仲間をかばいまくりです!
 死んだらごめんなさい。
 ていうか、こんな貧弱な前衛、マスターにしてみれば、とてもとても扱いにくいキャラクターだと思います。
 ご迷惑を、おかけします。

初めての冒険

2009年6月9日 火曜日
この記事の所要時間: 約 6分40秒

 日曜日も、Takeon邸で、TRPG部です。
 週末まるごとTRPGなんて、とってもブルジョワジー! 時代に逆らう最先端! いくらアクセス数下がっても気にしない!
 それにしても、「クイーンズブレイド」が、書店でTRPGの棚にTRPGとして置いてあるのには、違和感を覚えまくりました。とてもじゃないですけど、ロールプレイできません。
 さて。
「ソード・ワールド2.0」です。
 マスターは、前日と同じくKayata。
 プレイヤーは、Tikiを加えた、Takeon、Nyagon、ハゲの4人。
「ソード・ワールド2.0」キャンペーン、本番セッションの開始です。
 この日だけで、セッションを2回も行いました。

 プレイ日記は、脳内補正が、かなりかかってます。
 プレイヤー視点なので、書きやすいというか、筆が滑るというか。
 で、実はフェルリック以外の技能が、うろ覚えだったりします。名前間違ってたらどうしよう。

セッション第1話


フェルリック 人間 男性 【ファイター2/フェアリーテイマー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:ハゲ
タケ・オン ルーンフォーク 男性 【マギテック2/スカウト1/シューター1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Takeon
エルサイス エルフ 男性 【プリースト2/セージ1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Tiki
アルベルト ナイトメア 女性 【グラップラー2/エンハンサー1】 冒険者レベル2
 プレイヤー:Nyagon


 戦士として最弱の生命力を持ち、フェアリーテイマーの両親を持つ、貧弱人間フェルリック。
 反抗期の彼は、メルフェンな両親の妖精溢れるほえほえ空間に反抗し、家出を決意します。
 やっぱ男は冒険者だッ!
 漢なら、戦士だッ!
 盗んだシルフで走り出す、17の夜です。
 近所には、ルーンフォーク村がありました。フェルリックは、友達のタケ・オンを、強引に誘います。
 そして、旅立ちます。
 目指すは、冒険に溢れているという噂の、ルーフェリア。
 ここで、名を上げるのです!
 そんなわけで、ルーフェリアへ到着しました。
 虚弱体質のフェルリックは、血を吐くくらい、疲れ果てていますが、タケ・オンは、ピンピンしてます。
「大丈夫ですか、ご主人様」
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、くたくただよオレは」
「そうですか。残念です」
「しょーがないだろ。体力ないんだから」
「そっちじゃないです」
「お? おい、あれ見ろよ、タケ・オン」
 噴水のある広場までくると、身綺麗な衣服を着た、冒険者風の男女が、目につきました。
 聖印を垂らした、美形で知的なエルフと、腰にナックルを提げた、神秘的な色香を漂わす美しい女性です。とても絵になる、美麗なふたりです。キラキラ輝いてます。眩しいです。
 美形のエルフと、目が、合いました。
 フフン、と、鼻で笑われたような気がしました。
 フェルリックは、カチーンときます。
 ちくしょう。同じ冒険者なのに、なんだこの差は。こちとら、ぐでぐででゲホゲホで汗臭くて髪の毛ボサボサでひもじくて血まで吐いてるのに。隣の友達も、美女とはほど遠い、ロボロボしい男だし。
「おうおうおう! なに見てんだよ!」
 フェルリックは、からみました。
 まるで、チンピラです。
 まったくの、いいがかりです。
「えー。だって、汚いしー。臭いから、近寄らないでくれるー?」ナックルを提げた美女が、顔を歪めます。
 いいがかりじゃなかったみたいです。
「な、ななななんだとぅっ!?」
 噴水の広場で、口喧嘩が始まりました。しかし、相手も負けてません。むしろ、ふっかけたフェルリックの方が、血圧低下でダウン寸前です。
 気付くと、周りに人だかりができてました。
 その中に、子犬風の、もふもふがいました。
 買い物かごを提げた、コボルトです。
 ナックル女の目が、キュピーン! と輝きました。
「か、かわゆぅ?いっ!」
 ナックル女は、コボルトをひっつかんで、ぎゅーぎゅー抱きしめてます。コボルトが死にそうになってたので、フェルリックが助けます。
 コボルトのお蔭で、なんとなく、場がなごみました。
 コボルトの名は、エンク。この先にある冒険者の店”水晶の欠片亭”で、働いてるみたいです。
 エンクは、手を振って、お買い物に行きました。
「……さて。タケ・オン。冒険者の店に行こっか」フェルリックが、いいました。
「……アル。私たちも、向かいましょう」美形のエルフが、いいました。
 ギロリと、睨み合います。
 ギスギスしたまま、フェルリックたち4人は、”水晶の欠片亭”へ向かいました。

”水晶の欠片亭”は、何故か、がらんとしてました。店の外には、困り顔のひとたちが何人かいましたが、入ってきません。
 その理由である、女将のトンデモ料理を食しながら、フェルリックたちは、渋々、自己紹介しました。
 美形のエルフの名は、エルサイス。ルーフェリアの神官の息子だそうです。彼も、プリーストでした。
 ナックル女の名は、アルベルト。グラップラーです。実はナイトメアで、両親はリルドラケンですが、彼女を置いて冒険に出ちゃったみたいです。
 ふたりとも、まだ冒険に出たことはないようです。
 フェルリックは、ピンときました。
 タケ・オンは、マギテックで、スカウト技能を持ってます。
 自分は、頑丈な戦士。
 4人で組めば、いい感じのパーティーになりそうです。
 前衛のフェルリックのHPが、パーティー内でダントツに最低値であることが、不安材料ではありますが。

 エンクが、帰ってきません。エンクは、”水晶の欠片亭”の料理長なのですが、夕方なっても、買い物から帰ってきません。
 心配になったフェルリックたちは、捜しに行きます。
 町外れで、子コボルトを発見しました。エンクと、子コボルトの父が、蛮族に連れられていったことを、知ります。
 放っておくことは、できません。
 足跡を頼りに、森を進みます。
 小屋を、発見しました。
 様子を探りにいったタケ・オンが、敵に発見されてしまいます。
 小屋から出てきたのは、ボガード。しかも、2体。
 タケ・オンがボコボコにされましたが、フェルリックたちは協力し、ボガード2体を倒しました。
 そして、エンクと、子コボルトの父を、蛮族から解放することに、成功しました。
 めでたしめでたし。

”水晶の欠片亭”に戻ったフェルリックたちは、女将や、エンクの料理を待っていたひとたちに、感謝されます。
 初めての冒険。
 巧くいったような気がします。
 この4人なら、どんな冒険でも、こなせるような気がする。フェルリックは、そう思いました。
「んじゃー、これからも、よろしくな!」フェルリックは、手を差し出します。
「……まあ、いいでしょう」苦笑するエルサイスは、手を握り替えしてきます。
「足、引っ張らないでよねー」アルベルトも、頷きました。
「よかったですねえ、ご主人様」タケ・オンは、拍手します。
「誰がご主人様だよ。友達だろ。つか、腹減った。エンクに、なんか作ってもらおう!」
「そうですか。残念です」
「え。……お、お前、女将の料理の方がいいのか!?」
「そっちじゃないです」

 第2話につづく

 第1話のシナリオは、そうです。「ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち」の、1話目を、使ってます。
 実はプレイヤーなのに、読んでしまってました。迂闊でした。事前に、そうと知らされた時は、おろおろしました。
 でも、要所要所では、他のプレイヤーに行動を任せたので、知らないふりを突き通すことができた気がします。
 たぶん。
 それにしても、貧弱戦士は、戦闘で微妙でした。
 もちろん、プレイヤーのダイス運も、関係してます。
 ていうか、ナイトメア強い。グラップラー強い。しかも、アルはグラップラー技能3になったのに、フェルリックはレベルが上がらなかったです。HPがちょっとだけ上がっただけです。まだパーティーで最低のHPです。
 ひぎぃ。

ダイス運

2009年5月27日 水曜日
この記事の所要時間: 約 5分6秒

「ソード・ワールド2.0」にまで、手を出してしまいました。
「ソード・ワールド」といえば、15年前に、けっこーやりまくってたTRPGです。いろいろと、思い出深いゲームです。
 そのバージョンアップ版が、なんと、去年から、リリースされ始めまてました。
 もっと前から売ってるのかと思ってたんですが、去年発売されたばかりの、最新TRPGです。
 実は、こっちと、「アリアンロッドRPG」の、どっちをやろうか、って悩んでました。実際、お店で手にとって悩んでたくらいです。文庫版1冊と3冊を比べて、1冊の方を選びました。

「ソード・ワールド2.0」は、ルールブックが、3冊出ています。
 1冊目は、基本ルールブックで、1レベルから5レベルまでをサポートしています。
 2冊目は、拡張ルールブックで、6レベルから10レベルまでをサポートしています。種族が2種類追加され、技能も2種類追加されます。
 3冊目は、拡張ルールブックで、11レベルから15レベルまでをサポートしています。技能が1つ追加されます。
 1冊目だけだと、アイテムやモンスターが少ないです。最初から遊ぶ場合でも、2冊目はあった方がいいと思いました。3冊目は、まだ買ってません。


 さすが老舗のTRPG。骨太です。
 骨太すぎる「Dungeons & Doragons」に比べれば、ぜんぜんやさしいんですけど、「アリアンロッドRPG」に比べると、いろいろとシビアです。
 もちろん、今風のアレンジが加わってて、遊びやすくなっているんですが、「ソード・ワールド」らしさは失われていません。
 6面ダイス2つだけで遊べるというのは、昔からです。
 チャート表を見てダメージを判定するのも、変わりありません。
 能力値をダイスで求めるのキャラクター作成方法だって、当然そのままです。
 ダイス……。
 そう。
 ダイスを振って、能力値を求める。
 これって、オールドTRPG者にとっては、当たり前のことでした。むしろ、ダイスを振らないと、我慢できないくらいです。キャラクター作成、といったら、ダイスを振ることなのです。
 で、ダイス運、って、あるじゃないですか。
 ダイス運、って、あるんですよ。
 ダイス、つまりサイコロを振って、いい目が出るか、出ないか、っていう、運。
 いやまあ、確率的にいって、6面体のサイコロの出目は、すべて1/6なのは間違いないんです。そーじゃないと、そのサイコロはインチキだ、ってことになります。もしくは、不良品です。
 でも、あるんです。ダイス運。
 それは、命の力。
 魂の力。
 宿運を超えた、超気力。
 そんなものが、人類には、備わってるわけです。
 ダイス運がすごいひとは、とにかくすごくて、ここぞ! ってときに、6ゾロを出してくれちゃいます。しかも、連続で6ゾロを出しちゃうことだって、あります。ヘタすると、3連続で出しやがります。
 サイコロを、ぎゅぎゅぎゅーっ! と握りしめ、歯を食いしばり、額に血管を浮かべ、鬼の形相で、振るのです。
 そのオーラは、アカシックレコードに記された文言をも、変えてしまうほどです。
 宇宙の神秘です。
 とはいえ、6面ダイスの出目が、1/6なのは間違いないのです。
 2つ振ったら、6ゾロが出る確率は、1/36です。
 実は、いくらダイス運のいいひとでも、この確率は、みんなと等しく、同じなのです。
 つまり、こういうことです。
 ここぞ! って時に、6ゾロを出すけど、ほかの場面では1ゾロを出したり、どーでもいいところで、どーでもいい目を出すのです。
 偏っているのです。
 とにかく、偏りまくっているのです。いい方向に、とても偏っているのです。
 で、なにがいいたいのか、っていうとですね。もうとっくに予想できているでしょうけど、その通りなんですよ。
 いるんですよ。
 ダイス運の、悪いやつ。
 Kayataが、「ソード・ワールド2.0」のマスターをしてくれる、っていうので、喜び勇んでダイスを振ったんですよ。やっぱキャラクター作成は、ダイス振らなくちゃな。そう思いながら。
 そしたらあなた、酷い酷い。
 ダイスを2つ振って、11が出たんですよ。筋力で。戦士になるつもりだったから、こりゃいいぞ! と思ったんです。
 それなのに、次の生命力で、まさかのピンゾロ。
 人類最弱の生命力の持ち主になっちゃいました。
 2回チャレンジして、どっちか選ぶ、っていうレギュレーションだったので、もう1回、振ってみました。
 そしたら、筋力で、2と1が出ちゃいました。つまり、3です。
 戦士になんない。
 他の能力値も、揃って低調。平均値に達してません。
 これだったら、虚弱戦士の方がマシです。
 しかも、生まれ表を決めるとこで、選べばいいのに、ゲーマーの血が騒いだおかげで、ダイスを振っちゃいました。
 6ゾロが出ました。
 まさかの、フェアリーテイマー。
 つまり精霊使い。
 戦士最大のメリットである金属鎧を着ると、魔法が出にくくなっちゃいます。
 すんごい微妙な戦士ができあがりました。役に立たないかも知れない。
 どんだけー。
 さらに、ルールブックを買ったので、家でもキャラクターを作ってみたんですよ。
 ウサギさんの、フェアリーテイマーです。
 3回、振り直しました。
 振り直し回数的には、限界の回数です。
 それなのに。
 ルールブックに載ってる、サンプルキャラクターに、及びませんでした。
 知力だけ同じ値で、他は全部下でした。
 つまり、3回振り直しても、すべからく、平均以下。
 どんだけー。
 もう、確率なんて信じらんないッ!

 ちなみに、この時、嫁にもキャラクターを作ってもらいました。ドワーフ娘のロリっコ戦士です。
 試しに、フェアリーテイマーのウサギと、戦闘してみました。
 ガツン! と、殴られたので、お返しに、魔法をお見舞いしてやりました。
《ファイアボルト》です。
 渾身の、一撃ッ! ダイスを2つ振って、なかなかいい目が出ました! キタキター! よっしゃー!

 ドワーフに炎の魔法は効果ナシでした。

 やさぐれました。