「クローバーフィールド/HAKAISHA」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。
制作は「LOST」のJ・J・エイブラムス。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の怪獣版。
とにかく予想以上、想像以上でした。酔い加減が。手ぶれ全開というか、現場に居合わせたひとが偶然手持ちビデオカメラで撮影してたもの、という前提なので、ものすごく映像が揺れまくります。観る前になんか食べてたら、確実に出てました。思い出すだけで目が回る。
ストーリー自体は、一応ラブロマンスを挟んでますが、なんの変哲もない怪獣ものです。怪獣の設定も、とくに目新しいことはなく、どっかで見たような感じです。襲われた一般市民の視点であり、逃げ回るだけなので、最後にウルトラマンが出てきて退治してくれたかどうかまではわかりません。
リアリティがある点は、実際襲われてるひとにとってはなにがなんだかわからない、っていうのを徹底しているところです。怪獣の正体や結末なんかは一切明かされません。そして視点は被害者として終わる。
自由の女神の首が飛んでくるインパクトは、日本人のせいか、ぜんぜんなかったです。
面白かったです。
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予想以上、想像以上でした
2008年4月6日 日曜日BOSSのCMで萌えてる
2008年3月21日 金曜日
「ノーカントリー」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。客の年齢層高かったです。
監督脚本は、この作品でアカデミー賞に選ばれたコーエン兄弟。ハビエル・バルデムも、アカデミー賞助演男優賞に選ばれました。でも、最近BOSSのCMで萌えてるところがとてもキュートなトミー・リー・ジョーンズが、いちおう主役です。
遠い昔、サム・ライミ監督と一緒にバカやってたコーエン兄弟の作品は、好きなのにあんまし観てませんでした。「XYZマーダーズ」を除くと、「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」しか観てません。それでも、「オー・ブラザー!」は最高に大好きな映画のひとつです。
その大好きな「オー・ブラザー!」的なニオイを、この作品から感じました。たぶん「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」が混ざったような作品。その予想は、だいたい正しかったです。
コーエン兄弟の作品って、とてもカントリー色が強いと思うんです。砂。岩。泥。広大な土地。広大な世界。その中で、ちっぽけな人間たちが、なにかを起こす。でもそれは、広大な世界を変化させるようなことじゃない。なにも変わらない。けれど事件を通して、ひとびとの心には確実になにかが残る。
”ヒゲ”、”屈強なアンガールズのひと”、”BOSSの萌えのひと”、この3人が主人公。”BOSSの萌えのひと”は主人公なんだけど、傍観者なのであんまり出てこない。
偶然”ヒゲ”は大金を手に入れ、イカレた暗殺者である”屈強なアンガールズ”に執拗に狙われる。”BOSSの萌えのひと”は”ヒゲ”を助けようとするけど、最初から己の無力を悟っている。
彼らは、彼らなりの行動規範があり、決してそこからぶれない。追う者、追われる者、考える者。悩んだり迷ったりしても、決してそこから外れない。絶対に引かない。そしてそれは、避けられない惨劇へとつながる。
スピーディーな展開とか、サスペンスとかはありません。ただ血が流れ、誰もが淡々と追い込まれていき、結局あっけなく殺される。そしてラストは、衝撃のブツ切り。結局なにも解決しない。終わらない。変わらない。傷だけが残る。
ものすごく、しんみりしました。
さすがコーエン兄弟。
あと、この映画はアメリカそのものであり、たぶんアメリカ人じゃないと真に共感できないんじゃないかなーと思いました。小ネタを含めて。
とっても面白かったです。
なにを考えてるかよくわかんない瞳
2008年3月10日 月曜日
「ジャンパー」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。
劇場でけっこー予告やってたし、テレビCMも流れてたのに、えらい狭い劇場でした。
監督は、「ボーン・アイデンティティー」とかのダグ・リーマン。得意のドキュメンタリー的な映像もありました。主演は、スター・ウォーズでダースベイダーの若いころを演じたヘイデン・クリステンセン。得意のなにを考えてるかよくわかんない瞳と表情は健在でした。
テレポーテーションの能力を得た若者が、謎の組織に追われるストーリーです。主人公は、テレポーテーションであちこち飛びます。爽快です。スフィンクスとピラミッドの位置関係とか、ローマコロッセオの内部とか、普段観れないようなところが観れちゃいます。渋谷とかレインボーブリッジでもロケしてたみたい。
さて。
この作品でいちばん特徴的なのは、主人公が正義の味方じゃないところ。かといって、悪者でもない。エスパー魔美と同じく、テレポーテーションが使えるだけの主人公。その力の使い道は、想像を絶します。
悠 々 自 適 に 暮 ら す こ と。
すごい。斬新。ふつう、こんなアイディア映画にしない。こんなやつ主人公にしない。銀行の金庫から盗んだ金で、裕福な暮らしなんかさせない。
なんとなく、アナキン・スカイウォーカーとキャラかぶってるような気がしました。コミュニケーションが不得手で社会に適合できず、本能のおもむくまま自分の思うままに生きたいと思うところとか。平気で仲間を見捨てちゃうとことか。自分は悪くないと思ってるとことか。
で、謎の組織に襲われたり、彼女がさらわれたり、いろいろとあって、結局なにも解決しませんでした。
なんか核心に迫る肝心な部分とか設定的な部分を全部飛ばしたまま終わっちゃいました。伏線無視も甚だしい。オチてない。スカッとしない。ラストシーンの主人公とヒロインは、どことなく邪悪な雰囲気だったし。
嫁は、隣であんぐりと口開けてました。そりゃあ、エンドロールが始まるとともに客は出ていきますって。これはもう止めらんない。マナーとかいえない。
でも、サミュエル・L・ジャクソンだけは、とてもいい味出していました。気を吐いてました。実にニクイおやじです。
個人的には、さまざまな面を含めて面白かったです。妄想力のたわものです。アニメじゃなくてTVじゃなくて映画だからこの緊張感が出るんだと思う。とりあえず続編が公開されたら観に行きます。
え。
三部作なんですか、これ……。この客入りで……。
心配してしまうくらいすごくて可愛かったです
2008年2月15日 金曜日
やっぱりどうしてもTHE POLICEのニット帽が欲しくて、お金降ろして会社帰りに東京ドーム(14日は追加公演)へ向かったんですが、売り切れでした。ガチョーン!
ちょっと前になるんですけど、レンタルDVDで「エクステ」を観ました。インディーズ系映画界を席巻した園子温の監督作品。主演は、栗山千明と大杉漣。
サイコホラーだと思ったら、カルト映画だった。
一般向けだと思ったら、思いっ切りサブカル系だった。
というわけで、一緒に観てた嫁は、ポカーンでした。
特にラストシーンなんか、カルト映画が好きじゃなきゃ許されない、カルト映画が好きじゃなきゃ笑えない、カルト映画が好きじゃなきゃ納得できない、ヘンテコでナンセンスでシュールなアレ系でした。素人にはオススメできない。
好きなんですけどね、こーゆー作品。でも、心の準備ができてなかったんで、ちょっと苦笑い的な感じで観てしまいました。
個人的に大好きな役者である大杉漣が、ものすごい怪演してるっていう噂を聞いていたので、すんごい期待してたんですが、あんまり大杉漣から外れてない大杉漣でした。たとえば藤原竜也がこの役をやってたら鬼気迫るものがあったかも知れませんが、大杉漣は役の幅が広いので、こんなイカレ役でも特にインパクトありませんでした。いつもの大杉漣です。
逆に栗山千明は、めずらしくとても明るい役で、素晴らしい空気を醸し出していました。この清々しい空気感は、なかなか出せない映像だと思います。透明感のある演出がとてもきれいで、好感持てました。
さて。
ぶっちゃけ、この映画にエクステと大杉漣はいらなかったんじゃないだろうか。栗山千明が逆境を乗り越えるドラマだけでよかったんじゃないだろうか。そんなふうに思えてしまう映画でした。
良かったでした。
レンタルDVDで「ローズ・イン・タイドランド」を観ました。監督脚本は、あのテリー・ギリアム。
”現代版不思議の国のアリス”と銘打たれた映画です。嫁も、このコピーを見て、このDVDを選びました。
そしたら、ドラッグと死体とキチガイの映画でした。
汚くて、臭くて、間違ってて、どうしようもないストーリーでした。
R-15でした。
もう、まともな登場人物がひとりも出てこない。みんな心の底からイカレている。だれも救ってくれないし、救おうともしない。完全放置でなすがまま。しかも、妄想や幻影じゃない。完全なる現実。ここまで徹底されてるのはすごい。言葉を失う気狂いっぷりです。
主人公で少女のジョデル・フェルランドがむちゃくちゃ美少女で可愛いというか演技がすごい達者で本当にすごかったんですが、役が役だけに、こんなに巧く演じてしまって大丈夫なのだろうか、なんて心配してしまうくらいすごくて可愛かったです。10歳でこの萌力は、これだけでR-15だと思います。
さて。
この作品も、テリー・ギリアムを知ってれば、テリー・ギリアムなら仕方がないなあ、って思えるテリー・ギリアムな作品でした。素人にはオススメできない。
というわけで、一緒に観てた嫁は、ポカーンでした。
テリー・ギリアムでした。
ものすごく心にキた
2008年2月12日 火曜日
2008年2月9日土曜日に、「L change the WorLd」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。公開初日の初回だったんで、満員でした。つか、子どもが多かったです。
この作品は、いわずと知れた、劇場版「デスノート」のスピンオフ映画です。監督は、「ザ・リング」でハリウッドに行った中田秀夫。
いやあ。
これはアレです。マンガを全巻読破し、劇場版「デスノート」の前編後編を観ていることが、大前提になります。
そうすると、すごいことになります。
号泣です。
久しぶりに、映画を観て号泣しまくりました。
とても素晴らしい映画です。邦画っていうのは、たまーにこーいう優れた作品があるので侮れません。お金のかけかたも、心地いいくらい丁度いい感じでした。ぶっちゃけ劇場版「デスノート」前編後編よりぜんぜんデキが良いです。
この映画のテーマは、「失われた父への想い」。
これがキた。
ものすごく心にキた。
死ぬ寸前のLのソファの上にワタリの写真があるのを思い出すだけでグッときちゃうのに、この映画にはそういうアレがいたるところにあって、もうたまんない。回想するだけで泣けてきちゃう。
演出やキャスティングを含め、いろいろとよくできた作品だと思います。さすが中田監督、サスペンス的な手法も用い、かゆい所に手が届きまくってました。
Lの強い信念や動向には首尾一貫性があり、違和感がなく、とてもよく伝わってきます。敵の作戦がちょっとというかかなりアホっぽいのはナニですけど、ワタリを中心に置いた理念の対決は、なかなか良かったです。
あと、少年が出てきたときに、ラスト近くのあのシーンはもう確定していたんですが、それでも号泣してしまいました。ずるい。わかってたのに、ずるい。重みがある。こりゃ泣いちゃうよ。
さて。
キャストですが、松山ケンイチはもうLそのものなのでいうことありません。キャラクター造詣が完璧です。つか、マンガ版の本物よりもLっぽい気がしますというかむしろマンガ版の方がLに似てないような気さえしてきます。
工藤夕貴が、ベテランなのに微妙に下手になっててびっくりしました。演技とか表情とかはさすがなんですけど、喋りが舞台っぽい大げさなものなので、映画の中だとどーにも嘘っぽい。南原清隆もそうで、いや、南原清隆の方はなんでこのひとキャスティングしたんだよ、っていう空気読めない雰囲気で残念でした。
鶴見辰吾は、相変わらずすごかったです。平泉成もいい味出しました。高嶋政伸はおいしいキャラだと思います。
そしてこの作品のヒロインの福田麻由子なんですけど、田中麗奈の娘でした。田中麗奈のファースト写真集を持っているワタクシが断言します。福田麻由子は、田中麗奈の娘です。もしくは、タイムふろしきを手に入れた田中麗奈本人です。顔がソックリとかそういうレベルじゃないです。これはちょっとヤバいです。なにこの演技力。今後も期待しまくりです。
事前に「デスノート」を知ってないとちょっとアレだったかも知れませんが、素晴らしく面白かったです。この作品を観るためだけに、マンガを全巻読破して劇場版「デスノート」の前編後編を観ておく価値があると思います。
続いて、約45分の休憩を挟み、「チーム・バチスタの栄光」を観ました。立川のCINEMA TWOです。これまた公開初日でしたが、劇場は結構狭かったです。
えー。
なんでしょう。
キャスティングは、最高だと思います。よくこれだけのひとを揃えたなーって関心するくらい。
阿部寛はいつもの阿部寛でしたが、竹内結子が予想以上にいい味出しているというか萌え萌えな雰囲気で萌えましたし、吉川晃司とか池内博之とか玉山鉄二も良かったです。田口浩正、田中直樹、佐野史郎なんていう個性派俳優もいい味出してましたし、脇を固める野際陽子とか平泉成も良かったです。つか、平泉成が「L change the WorLd」と役柄が微妙にかぶってる白衣系だったので、なんか笑ってしまいました。
演出は、小ネタとか効いてて素晴らしかったと思います。阿部寛のとこだけは、阿部寛過ぎて阿部寛でしたが。つか、阿部寛って、阿部寛を消費され過ぎじゃないでしょうか。もう阿部寛は阿部寛しか演じさせてもらえないというか求められてないというか。
えー、阿部寛はともかく、序盤はかなりわくわくさせてくれたんですよ。
それなのに、サスペンスとほんわか具合が平坦なバランスを保ちつつ、淡々とストーリーが進んでいっちゃいます。それが、ものすごいぬるい雰囲気なんです。必要以上にぬるいんです。
結局、そのままなんの盛り上がりもなく、ぬるいまま、終わってしまいました。一応どんでんがえしがありましたけど、雰囲気がぬるいので、驚きとかないです。
ほんとに、なんでしょう、これは。
とても不思議な邦画です。
吉川晃司の葛藤とか、もっと深く掘り下げられたと思うんですよ。池内博之との関係とか。とにかくキャラクターたちの背後が一切出てこないので、登場人物たちの厚みがない。深さがない。
原作は間違いなく面白いと思います。こんなんなっちゃった原因は、脚本なのかな、監督なのかな。もしかしたら、のほほんとした作風が得意なのかも知れない。
うーん。
作品自体に納得できない、非常に残念な邦画でした。こんなんだったら、テレビの2時間ドラマでいいんじゃないかな。キャスティング以外、お金かかってなさそうだし。
そういえば、この作品のCMも、ヤケクソっぽくなってきてますね。
最近、劇場の狭さが、業界の作品の評価なのかも知れないなー、なんて思い始めてきました。
残念でした。
ドビャビャビャー
2008年1月25日 金曜日
禁煙3日目です。
嘘です。
体長悪くて煙草吸えません。特に神経痛が酷いです。すさまじい一撃です。1分間に3?4回の割合で、ビクン! ビクン! と体を折ってます。電車の中でひとの目が怖かったです。きっとアブナイひとだと思われたに違いない。
神経痛は、整形外科らしいです。意外です。
というわけで、「鉄コン筋クリート」を観ました。レンタルDVDです。
松本大洋のマンガを映画化したものですが、原作は最初の5ページくらいしか読んでません。
体長が悪いので、眠くなったら寝ちゃえばいーや、などと思いつつ、だらりと横になって観てたんですが、活目しました。
チョーすげー。
このマイケル・アリアス監督って、天才じゃないだろうか。
彼はもともとCGに長けた技術者でもあり、この作品でも使用した素晴らしい「トゥーン・シェーダー」は、彼が開発し特許を取得したものらしいです。しかしいくら自分が開発した技術を使ったとはいえ、このクオリティは尋常じゃない。松本大洋の描くあの独特の世界が(一部違うとこもあったけど)、ほぼ完璧に動いてました。
チョーすげー。
とはいえ、目を見張るような新鮮さと気持ちよさは確かにあるんですが、リアルかというとちょっと違います。「トゥーン・シェーダー」だし。スラスラ動いてるんだけど、フツーのアニメーションとそんなに変わりません。逆に、動いてないのに動いているように見せかける(または、極力少ない労力で最高の効果を出している)一般的なアニメーション技術の完成度の高さを知りました。3Dにすると、人件費とか安くなるのかしら?
いや、そんなことはどーでもいいんですよ。この映画のすげーところは、「トゥーン・シェーダー」だけじゃありません。
クロとシロのミッシングピース的なあのなんというかグッとくるそのナニにドビャーですよ。離れ離れになったシロの叫びにドビャドビャーですよ。クライマックス直前の約束されていたスーパーサイヤ人化は不意打ではぐらかされた感じだったのでカタルシスなんてなかったんですけど、最後にクロが戻ってきてくれてドビャビャビャーですよ。
これはアレですね。アムロの「僕にはまだ帰れる場所があるんだ。こんなにうれしいことはない」に通じるものがあります。孤独という名の悪魔との離別は、大きな少年たちの永遠のテーマです。
すげー面白かったです。
ちなみに、声優は本職以外の方が多かったです。いわゆる芸能人系です。
クロの声は、ジャニーズ嵐の二宮和也メンバーでした。うそー!? って思うくらい良かったと思います。
あと伊勢谷友介とか宮藤官九郎とか本木雅弘とか森三中とかが声当ててましたけど、そんなに違和感なかったです。
ていうか、シロの声が蒼井優だということが未だに信じられません。嵐どころの騒ぎじゃありません。スタッフロールを見たときも、きっと見間違いだろうと思ってました。でも、ちゃんと確認しました。あの蒼井優で間違いないです。びっくりです。ちょっとクレヨンしんちゃんの声に似てましたが、感情表現、声質ともに完璧なクオリティでした。こりゃ本職の声優さんの仕事なくなるわ。
血とか肉とかすごい
2008年1月21日 月曜日
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を観てきました。立川のCINEMA TWOで。
ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビでお送りする、ティム・バートンのティム・バートンらしいティム・バートン映画であり、ジョニー・デップなしではありえない、なにからなにまでティム・バートンな床屋映画です。
さて。
実はワタクシ、ティム・バートン監督が苦手であります。
ティム・バートンはユニークで素晴らしい天才肌の監督だと認めていますが、ぶっちゃけ苦手なんです。
「マーズ・アタック!」は当然のこと、「ビッグ・フィッシュ」と「スリーピー・ホロウ」では途中で爆睡。ちゃんと観た「PLANET OF THE APES 猿の惑星」は残念映画だったし、「バットマン」シリーズはもう記憶にないし、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は好きですけどティム・バートンは監督じゃなくて原作と製作だけです。「チャーリーとチョコレート工場」はレンタルDVDを借りてきたのに観ないで返したし、「シザーハンズ」に至ってはレンタル屋で手に取ったことすらありません。
単純に、好みの問題です。
どっちかっていうと、ティム・バートンよりもサム・ライミ派なんです。発想はどちらも猟奇的でイカレてますが、”妙な雰囲気”よりも”妙な動き”が好きなんです。
ちなみに、ミュージカルに関しては、嫌悪感を通り越して憎しみすら抱いてます。
「なんでいちいち歌うんじゃボケェェェェ!」「ちゃんとリアルにセリフ吐かんかぁぁぁぁ!」「歌ったって楽しくないんじゃぁぁぁッ!」なんて、大人げないようなことを思ってしまいます。額に血管を浮かべながら。
ティム・バートンと、ミュージカル。
どう考えても、観ない方がよさそうです。
完全に好みに反しています。苦手+苦手の映画です。確実に寝るかキレるか、どちらかだと予想されます。
でも、なんか惹かれるものがありました。
放っておけないなにかがありました。
ティム・バートンのティム・バートンらしいティム・バートンなミュージカル映画。それに、「フリート街の悪魔の理髪師」というブリティッシュ・ホラーの原作。そして、ジョニー・デップ。
「スリーピー・ホロウ」よりも、遙かにティム・バートンっぽいイカレた雰囲気が匂ってきます。
だって床屋です。床屋の殺人鬼なんて、そんなにたくさんいないです。
ジョニー・デップは、好きな役者です。ジョニー・デップの映画は観ておきたい。
うーん。
やっぱり観ておこう。
内心悩みましたが、少なくとも、「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」よかマシだろう、と結論づけました。意外な援護射撃です。
前置きが異様に長くて恐縮ですが、こんな事情のもと、観に行ったのです。
はい。
観に行ってよかったです。
今年度サイコーの映画でした!
いきなり若造が歌い出したときには思いっきり引いたんですけど、ジョニー・デップが歌うとすぐに映像に吸い込まれました。ものっそい吸引力です。ずびずば吸い込まれます。
これはすごい。
こんなイカレたミュージカルなら、観れる。
これぞティム・バートン! これそジョニー・デップ!
そんな映画でした。
陰鬱な19世紀のロンドン。幽霊のようなキャラクター。復讐に取り憑かれた復讐鬼。ありえない肉の利用方法。先走る妄想。残酷な真実。こっけいな狂気。コメディなホラー。ティム・バートンだからこそ表現できるユニークな演出。
R-15指定だけあって、血とか肉とかすごいですが、この映画には必要不可欠なので仕方がありません。
卓越した映像センスによる異質な雰囲気に酔いしれる映画です。いきなり歌い出されても、実に自然です。歌ってない方が不自然なくらいです。
いやあ、とてもよい映画でした。やっぱ映画はこうじゃなくっちゃ。
サウンドトラックが欲しくなりました。でもジョニー・デップの歌声は入っているんでしょうか。全部入ってたら、もうほとんど映画そのものになりそう。
面白かったです。
この映画を観終わったあとは、みんなでミートパイを食べよう!
ジョニー・デップの歌がヘタだという意見もありますが、ワタクシは声も表情もサイコーだと思います。彼はもともとミュージシャンですしね。
そういえば、パイ屋の女主人役のヘレナ・ボナム=カーターが、さすがティム・バートンの伴侶だけあり、どこからどう見ても”ティム・バートンのホラー作品顔”で素晴らしく好ましかったんですけど、ずーっと大竹しのぶに似てるなー、なんて思ってたら、2007年2月に宮本亜門の演出で大竹しのぶ主演の舞台をやってたみたいです。「スウィーニー・トッド」をです。うわーびっくりした。なんかすげーシンクロニシティ。
あと、判事役のアラン・リックマンが最初誰かわからず、便秘のような気分で観てたんですが、途中で”ハリー・ポッターの親父に苛められてた過去を持つネクラの暗黒先生”だとわかり、スッキリしました。
ていうか、「ハリー・ポッター」シリーズに出演してる役者さんが3人も出てましたね。「ハリー・ポッター」の最終話とかティム・バートンが監督したら面白そう。
あと、ジョアンナジョアンナ歌ってたアンソニー役のジェイミー・キャンベル・バウアーが、なんとなくマイケル・ジャクソンぽいサイボーグ顔なのが気になりました。鼻からビーム出そう。
方言とかギザヤバス
2008年1月20日 日曜日
「暗いところで待ち合わせ」を観ました。レンタルDVDです。
田中麗奈主演。原作は乙一。
静かで淡々とした映画です。実は原作をまだ読んでないんですが、乙一らしい、さわやかな悪意がチラリと見えるストーリー構成だったと思います。ただ原作を読んだ嫁の話だと、印象的なシーンが削られてたりしてたみたいですけど。
ていうか、映像にするとわかりやすさのためにリアリティが削られ、いろいろと無理があったような気がしました。
田中麗奈は、難しい役をよく演じてたと思います。
井川遥のあのシーンは、度肝を抜かれるすんごいダッシュで思わず吹きました。なにあれ。
なんか佐藤浩市が微妙な役でした。こんな役、よくOK出したなあ。
あと、岸部一徳って本当に役の幅が広いなあ、と思いました。
面白かったです。
岸部一徳つながり、ってわけじゃないんですが、「フラガール」を観ました。こっちもレンタルDVDです。
常磐ハワイアンセンター設立のお話です。
昭和40年代の炭鉱を、見事な映像で構築していました。
ストーリー的には、いわゆる「スウィングガールズ」みたいな、初めてだけど頑張って逆境を乗り越えて成功して終わる、という王道でベタなやつです。わかっちゃいるけど面白い、という典型的なパターンを、ぶれることなく、足を踏み外すことなく、絶妙なバランスで作ってます。
肝心のフラダンスは、ちょっと微妙でした。ベリーダンスに魅力を感じないというか、ダイナミックさに欠けるというか、あんましすごいと思いませんでした。
なぜか山崎静代(しずちゃん)ばかりクローズアップされてますが、蒼井優の可愛さが異常でした。ギザカワユスです。ヤバイです。方言とかギザヤバスです。
スパリゾートハワイアンズ(元常磐ハワイアンセンター)に行きたくなりました。自宅から電車で3時間かかって6,510円。駅から送迎バスで15分。温泉で疲れを癒した後、帰りの電車でクタクタにくたびれそうです。
面白かったです。