「暗いところで待ち合わせ」を観ました。レンタルDVDです。
田中麗奈主演。原作は乙一。
静かで淡々とした映画です。実は原作をまだ読んでないんですが、乙一らしい、さわやかな悪意がチラリと見えるストーリー構成だったと思います。ただ原作を読んだ嫁の話だと、印象的なシーンが削られてたりしてたみたいですけど。
ていうか、映像にするとわかりやすさのためにリアリティが削られ、いろいろと無理があったような気がしました。
田中麗奈は、難しい役をよく演じてたと思います。
井川遥のあのシーンは、度肝を抜かれるすんごいダッシュで思わず吹きました。なにあれ。
なんか佐藤浩市が微妙な役でした。こんな役、よくOK出したなあ。
あと、岸部一徳って本当に役の幅が広いなあ、と思いました。
面白かったです。
岸部一徳つながり、ってわけじゃないんですが、「フラガール」を観ました。こっちもレンタルDVDです。
常磐ハワイアンセンター設立のお話です。
昭和40年代の炭鉱を、見事な映像で構築していました。
ストーリー的には、いわゆる「スウィングガールズ」みたいな、初めてだけど頑張って逆境を乗り越えて成功して終わる、という王道でベタなやつです。わかっちゃいるけど面白い、という典型的なパターンを、ぶれることなく、足を踏み外すことなく、絶妙なバランスで作ってます。
肝心のフラダンスは、ちょっと微妙でした。ベリーダンスに魅力を感じないというか、ダイナミックさに欠けるというか、あんましすごいと思いませんでした。
なぜか山崎静代(しずちゃん)ばかりクローズアップされてますが、蒼井優の可愛さが異常でした。ギザカワユスです。ヤバイです。方言とかギザヤバスです。
スパリゾートハワイアンズ(元常磐ハワイアンセンター)に行きたくなりました。自宅から電車で3時間かかって6,510円。駅から送迎バスで15分。温泉で疲れを癒した後、帰りの電車でクタクタにくたびれそうです。
面白かったです。
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方言とかギザヤバス
2008年1月20日 日曜日無理なもんは無理です
2008年1月14日 月曜日
「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」を観てきました。
立川でも吉祥寺でも新宿でも昭島でもやってなかったので、シネ・リーブル池袋で。これだけやってない劇場が多いなんて、どういうことでしょうか。
実は伏線でした。
いやあ、劇場はものすごい混雑しておりました。といっても、シネ・リーブル池袋はデパートの上のミニシアターです。年齢層は低めで、小学生の姿も見えます。
チケットを買うのに並んでたら、行列が売店と混ざっててなにがなんだかわからない状態で、気付いたらカップルに割り込まれたふうになりムカッとしました。チケット売り場のスタッフがひとりでもたもたしてたんですけど、行列がなくなってからスタッフがふたりに増えやがりまして、これまたムカッとしました。
これも伏線です。
12時の回は立ち見になるようなので回避し、14時の回にしたんですが、それでも180席のシアターは満員。立ち見とか通路脇に座ってる人が多数いました。すごい人気です。
座席に座ってみると、椅子の傾きが微妙で、椅子にそってまっすぐ座ると前の座席の人の後頭部がしっかり見れるという微妙な按配でした。身体をずらさないと映画が観れません。
これも伏線です。
予告が異様に長いというのも伏線でした。
というわけで、本編。
実は、すごい期待しちゃってました。ものすごい楽しみにしてました。
原作のマンガ「ピューと吹く!ジャガー」好きですし。毎週欠かさずャンプで読んでますし。
それにほら、要潤がなんかジャガーさんにソックリじゃないですか。ハマーの小木もいい味出してそうだったし。大村学って役者は知りませんでしたが、なぎら健壱とか板尾創路とか出てるじゃないですか。期待しない方がおかしいじゃないですか。
それが、ですね……。
最初の方は、まだ我慢できました。けっこーあちこちで笑い声出てましたし、脳内補完で楽しめました。あきらかに面白くないんですけど、面白いんだって思いこんで楽しんでました。
でも、限界があります。
無理なもんは無理です。
「脱力系コメディ」、「挑発的がっかりムービー」、「最強のがっかりムービー」なんていわれてますが、どれも正しかったです。
ちゃんと作ってません。
なんかバラエティー番組で使うネタを作ったような雰囲気です。
やっちゃいけない空気の読めないことまでやっちゃってます。
これでいいのか、というと、これじゃあダメだと思います。脱力させるなら、ガッカリさせるなら、しっかりと作為的に作りこまないといけないと思います。映画なんですから。これじゃあ、単に手を抜いて妥協してテキトーに作っただけです。
映画って、詐欺師だと思うんですよ。しっかりと調べて、時間かけて下準備して、完璧にして、それから騙す。裏では、ものすごく努力している。映画って、そういうもんだと思うんです。手を抜いたふうでも、妥協したふうでも、テキトーなふうでも、裏ではしっかりと頑張ってて、「こんな無意味でバカなシーンに手間かけてんなー」って呆れさせるくらいじゃなきゃいけないと思うんですよ。
だって、「ロード・オブ・ザ・リング」もこの映画も、1800円というチケット代の前には等価なんです。同じ映画なんです。
スタッフロールの短さも、目を見張るほどでした。人件費かかってません。金をかければいいってもんじゃないですけど、映画にならないくらいの低予算もどうかと思います。
久しぶりに、映画を観て心の底から落ち込みました。「ダンサーインザダーク」なんか目じゃないです。
帰りのエレベーターで、女子学生が数人、興奮気味に楽しげに「影千代先輩そっくりだったよねー!」とか喋ってました。すごい嬉しそうでした。
物まね番組か。
なんていうかこう、日本はもうダメだと思った2008年に観た映画1発目でした。
やっぱり顔か
2007年12月26日 水曜日
年末です。メリークリスマス!
今日も忘年会です。
神経痛で脇下が痛いです。
新年に向けて、コンディションを整えています。
「憑神」を観ました。レンタルDVDです。原作は浅田次郎で、主演は妻夫木聡。
時は幕末。人徳があって才能があるのに、まるでついてない下級武士の妻夫木が、貧乏神、厄病神、死神に取り憑かれ、周りのひとびとを巻き込みながら、武士としての生きがいを見つけ、立派に死んでいくというストーリーでした。
相変わらずというか、西田敏行が怪演。もうこれだけで観る価値があります。すごい。西田敏行すごい。すごすぎる。でも、前半でいなくなっちゃう。残念。超残念。
疫病神の赤井英和が出てくる辺りから、雲行きが怪しくなります。死神の森迫永依は、実はあんまり好みじゃないです。個人的には、香川照之がいい味出してたと思います。
演出的には、演劇っぽかったです。特に、後半。クライマックスの出撃するシーンとか、死んでいくシーンの演出は、舞台だったらいいですけど、映像だと空虚でとてもチープになってしまってました。
面白かったです。
「ハチミツとクローバー」を観ました。レンタルDVDです。アニメじゃなくて映画です。主演は、櫻井翔、伊勢谷友介、蒼井優、加瀬亮、関めぐみ。
原作は、1巻をちょこっと読んだくらいです。もしかしたら2巻くらいまで読んでたかも。どっちにしろ、あんまし記憶に残っていなかったんですが、やっぱり最初は違和感ありました。
しかしその違和感は、物語に引き込まれているうちに、気にならなくなってきます。
青いです。
春です。
青春です。
残念ながら、身悶えるほどじゃあありませんでしたが。
ていうか、自分勝手なストーカー恋愛ものでした。わりとヤバめで引いちゃうような犯罪者が、何人か出てきます。
十代だったら、恋愛って自分勝手なもんだよね、なんて共感できたかも知れません。どうしてわかってくれないんだろう、とか。こんなに好きなのに、とか。
でも、今観ると、若干イラっとします。自分さえ良ければ相手の意思を無視していいのか。自己中心的で一方通行すぎじゃないか。恋愛って、思いやりじゃないか。分かり合って、その先からじゃないのか。つか、コイツのどこがいいんだ。見かけだけで判断してんじゃないか。やっぱり顔か。顔なのか。みたいな。
それにしても、大学の教授って、青春を間近で鑑賞(ときには介入)できていいなーと、心の底から思いました。
あと、蒼井優が、死ぬほど可愛かったです。演技もよかったです。「クワイエットルームへようこそ」のときとは全然違う雰囲気で、若手実力女優の奥の深さを感じました。
伊勢谷友介もステキでした。こーゆー役もいいですね。バッチリ決まってたと思います。抱かれてもいいです。
中村獅童はちょい役でしたけど、とてもシブイ役で、思わずじーんときてしまいました。わずかな時間でもしっかり仕事をするなんて、やっぱすごいですこのひと。
櫻井翔は、嫁がしきりに「次長課長のブサイクな方にそっくり!」と力説していましたが、そんなにブサイクじゃないですよね? 演技レベルは他の主演4人に比べると落ちますが、笑顔でごまかしてました。頑張ってたと思います。
ちなみに、原作をキッチリ読んでる嫁は、この映画を全否定した挙句、途中で寝てました。
面白かったです。
弥海砂は最強だと思います
2007年11月18日 日曜日
「デスノート」を観ました。レンタルDVDです。もちろん、アニメじゃなくて劇場版です。前編後編とも。主演は藤原竜也と松山ケンイチ。
藤原竜也って役者は、トリップ役者というか、必要以上に役になりきるというか、役が憑依するというか、とてもユニークな役者だと思います。けっこーひとりで別次元行っちゃって浮いてることもあります。でも今回は、わりと肩の力が抜けてたように見えました。抜けすぎだったような気もしますが。
Lの松山ケンイチは、コスプレ的に役になりきってて良かったと思います。彼はこれから期待できる役者だと思います。
リュークの声が中村獅童とはびっくりしました。てっきり一流の声優さんかと。
戸田恵梨香は……ちょっと……これは……どうなんでしょうか。
鹿賀丈史は、さすがの存在感。藤村俊二もちょい役なれど、雰囲気出てました。
瀬戸朝香が、意外に女優っぽい存在感と演技を見せてくれて驚きました。
というわけで、前編の「デスノート」。127分。
引き込まれているうちに終わりました。
そして後編の「デスノート the Last name」。140分。
やたら長かったような気がします。
けれど、あれだけの物語を、よく4時間ちょいでまとめあげたものです。
原作(というか絵)の清潔感というか綺麗感がうまく出てました。ライトの部屋とか、Lの秘密基地とか。ライトの藤原竜也とLの松山ケンイチを含め、雰囲気はバッチリでした。
死神のCGは、違和感がないといったら嘘になりますが(特に動きと声)、わりと巧く溶け込んでた方じゃないでしょうか。つか、もともと存在自体が反則なんで、違和感があった方が良いのかも。
ライトの策は、原作だともっとかしこかったような気がするんですけど、こんなもんでしたっけ? 騙し合いによるギリギリの緊迫感や、出し抜いた感が、原作ほどなかったような気がします。
最後はとても巧い着地だったと思います。原作のL編だけを持ってきて、見事に自滅させてました。時差のある相打ちというのも、余韻を残す良い終わり方だと思います。
それにしても、死神に翻弄されたライトやLに比べ、死神を2体も殺した弥海砂は最強だと思います。
面白かったです。
邦画DVDにしては、破格の安さな気がします。売れてるからかな。
箕輪はるかの鼻水
2007年11月5日 月曜日
「クワイエットルームにようこそ」を観てまいりました。原作・脚本・監督は、松尾スズキ。主演は、内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、大竹しのぶ。あとお笑いコンビのハリセンボン。例によって塚本晋也と庵野秀明としりあがり寿も出てました。
劇場は、立川のCINEMA CITYです。
ものすごい行列ができてて、なにかと思ったら、「恋空」でした。今、求められている商品がどんなものなのかが、よくわかりました。
さて、それはともかく。
「クワイエットルームにようこそ」は、とても面白かったです。
松尾スズキ初監督作品の「恋の門」がとても面白くて気に入っていたので、長編二作目である今作も観に行ったんですけど、期待以上の作品でした。絶妙なバランス感覚。「クローズZERO」といい、邦画はまだまだ捨てたもんじゃないですよ。
いきなり庵野監督が白衣着て出てきて血を吐いて倒れたときにはどーしようかと思いましたが。
「恋の門」とは違って、演劇的な雰囲気でした。主な場面が精神病院の限られた場所だけなところが。
現実とはどこか異質な世界に凝縮される、ヘンテコな人間模様。コメディタッチだけど、深いとこまで潜り込んできます。
上手く生きられない自分自信を振り返らないように見ないようにしてきたのに、外因的にも追いつめられて、おかしくなっていく。見失っていく。見えなくなっていく。閉じこめられて、突きつけられて、やっと気づく。そして、再生。以前とは、ちょっと違って見える現実。
主人公の内田有紀が、とても良かったです。不潔で自堕落な役どころも、元が綺麗なので嫌悪感がありません。ゲロ吐いても、おぞましい蕁麻疹まみれになっても、目を逸らすことなく観ていられました。踵を鳴らせないドロシー。精神病院は、彼女にとって迷い込んだオズの国でした。
大竹しのぶは強烈な上にリアリティがあってすんごかったんですが、ハリセンボン箕輪はるかの鼻水もすごかったです。ハリセンボン近藤春菜の方は、どこに出てたのかいまいち釈然としません。
なんか平岩紙という娘がお気に入りになりました。劇団大人計画の団員で、紙という名前も松尾スズキが付けたみたいです。
もう塚本晋也監督は役者で良いいと思います。同じように、松尾スズキも映画監督で良いと思います。宮藤官九郎なんて、妻夫木聡よりも巧く完璧に演じてました。
つか、けっこー天はひとに二物も三物も与えてますよね。
ゼロ物のひともいますが。
泣きそう。
三池監督でよかったわー
2007年11月2日 金曜日
「クローズZERO」を観てまいりました。原作は、高橋ヒロシ。監督は、三池崇史。主演は、小栗旬 、山田孝之。
劇場は、新宿三丁目の、新宿バルト9というところでした。
初めて行きました。真新しい劇場で、マルイシティの上にあり、日本で初の全館デジタル設備だそうです。
実際に、すんごいロビーがゴージャスというか、綺麗で広くて整ってました。なにこの貴族の館、みたいな。
そういえば、作品のせいだと思うんですが、客層がなんとなくそれっぽくて面白かったです。黒系の服が多いというか。サングラスっぽい眼鏡も似通ってました。
その中で、浮いてましたけどね。このハゲのオッサンは。
シアターの中もよくできていて、前の席との間に余裕があって、とてもリラックスして観れました。これなら「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を一気に観ても……いや一気は無理です。
画面が観安く、素晴らしい劇場だと思います。音も必要以上にすごかったです。
ただ、場所のせいか作品のせいかわかりませんが、やたら上映中に席を立ち、階段を行き来するひとが多くて辟易しました。せめてかがんで歩いて欲しい。堂々と背筋伸ばして通らないで欲しい。見えないってば。
あと、やたらポップコーン(特大)持ってるひとが多かったです。
そういや、狙ってたわけじゃないんですが、毎月1日は映画の日なので1,000円でした。
さて。
「クローズZERO」。
いやあ。
三池節全開バリバリMAXでした。
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」とは違う、三池監督の強烈な映像暴力が炸裂してました。
これぞ「クローズ」。
原作ファンは、大満足だったんじゃないでしょうか。
家にある原作全26巻を読破してから観に行ったんですけど、正解でした。
ヒロミ、ポン、マコが、ちょい役ながらも良い味だしてました。この頃から解説役なのか、みたいな。マコはちょっと練馬の某ラッパーに似ててアレでしたが。
でも、阪東はあんなに可愛らしい顔してないと思いました。
さて。
「クローズZERO」は、原作の1年前が舞台です。
鈴蘭を舞台に、喧嘩が暴発しまくります。
喧嘩の演出やカメラワークは、三池監督でよかったわー、と思うくらい、派手で説得力のあるド迫力な映像でした。
とにかく、小ネタを含め随所で、三池監督でよかったわー、と思いました。軽いギャグも秀逸です。
監督が良いのはわかってたんですが、役者も良かったです。
今まで若手のイケメン役者って敬遠してたんですけど、小栗旬がとってもカッコよかったです。惚れちゃいそうです。個人的には、某キンキの正直しんどい方に似てる山田孝之が好みでした。表情や演技も含めて。
黒木メイサは、クローズで女? いらないじゃん? とか思ってたんですが、わりと自然な形でストーリーに入ってきましたし、世界観を崩さない程度にいい雰囲気を出してました。
ちょい役でも、遠藤憲一や岸谷五朗が良い味出してました。リアリティのある存在感、そして独特の緊張感があり、作品の脇をピシッと締めてました。
つか、やべきょうすけ。おいしいところを全部持って行ってた気がします。さすが原作者を口説き落として映画制作にまでもっていった男です。気迫が違いました。情けない役ですが、最初から最後までサイコーでした。
とどめは、牧瀬役の高橋努。新人の役者さんでしょうか。並々ならぬものを感じました。思わず目を逸らしたくなる怪演というか怪演出。半笑いで涙目になりました。あのシーンの汗と表情と恥ずかしさとバカっぽさは、伝説に残ると思います。
高岡蒼甫と桐谷健太だけは、ちょっと浮いてたような気がします。
原作者の高橋組のみなさんが、主人公チームに金属バットを渡してたような気がするんですけど、気のせいでしょうか。
どうでもいいですが、この映画観るとやたら煙草が吸いたくなるので、未成年は観ちゃいけないと思います。
あと、音楽の使い方が巧いと思いました。ここぞ! ってとこで、雰囲気の合う曲がガッ! と挿入されます。
サントラ買っちゃうかも。横道坊主も入ってるし。劇中は、THE STREET BEATSが出まくってました。黒木メイサの曲も、効果的だったと思います。
というわけで、「クローズZERO」。
個人的には、三池監督の代表作といってもいいくらいの、素晴らしい作品だと思います。
ちゃんと、原作をわかって作ってる。原作に対してのリスペクトが感じられました。
その証拠が、ラストシーン。
それまでの映画の流れを全否定してしまう、衝撃のラストシーン。
原作ファン、間違いなく涙目。
そうだよ。そうなんだよ。そーでなくっちゃ!
この作品に1,000円は失礼な気がするので、DVDが出たら買おうと思います。
(さらに…)
くどく幻惑的
2007年10月24日 水曜日
やっと「姑獲鳥の夏」を観ました。「魍魎の筺」をやるみたいなんで、観ておこうと思い。
実は、今まで観るのを避けてたのには、理由があります。
キャスティングです。
もちろん異論あるでしょうけど、個人的には
中禅寺秋彦 = 役所広司
関口巽 = 真田広之
榎木津礼二郎 = 加賀丈史
関口雪絵 = 小雪
だったんです。
木場修太郎だけがイマイチ決まらず、渥美清と北野武が合わさった感じでした。
というわけで、堤真一? 永瀬正敏? 阿部寛? 宮迫博之? はぁ? なんて思ってました。
こだわりです。執着です。
でも、実はみんな好きな役者でした。
というわけで、実はオールOKでした。実は雨上がり決死隊の宮迫って、自分の中では役者として評価高いです。
さて。
原作は当然既読というか新刊出たら必ず買うくらいなんですが、関口くんが壊れること以外、スッカリ忘れてました。
いやあ。
賛否両論ありましたが、原作を思い出させるほど、くどく幻惑的でした。これはこれでいいと思います。
永瀬正敏はいい味だしてたと思います。惑わされ、墜ちていくのにふさわしい雰囲気を感じました。
堤真一は、巧い役者だと思うんですけど、長台詞が多いせいか、やたら文節を区切って喋るのが気になりました。
榎木津礼二郎と木場修太郎は、存在自体が微妙でした。キャラクターのトンデモ具合が低いというか。ハジけキャラだしハジけ役者なのにハジけてなかったです。しかしまあ、これからですね、彼らがハジけてダイカツヤクするのは。
それにしても、実相寺昭雄監督。相変わらずの個性。この監督って、すごく若い。大御所なのに、とっても尖った魚眼な映像。昔からこうなんですけど、こーゆーことを個性としてずーっとやれちゃうのって、とても立派だと思います。江戸川乱歩とか京極夏彦の作品には、合うと思います。
セットとかしょぼかったですが、それすらも個性。昭和の映像。
もともとトリックは反則なのでミステリとしてはアレなんですが、謎解きシーンは登場人物の反応がナニでした。残念ながら、この映像の中では、松尾スズキは浮いてました。いしだあゆみも。
面白かったです。
つか、京極夏彦は出過ぎだと思います。
「悪夢探偵」を観ました。カルト邦画の第一人者、塚本晋也監督の新作です。続編も作ってるみたい。
松田龍平が主演なのはいいんですけど、主役はなんとびっくり、アーチストのhitomiです。
hitomiは、見た目はすごく綺麗でグッドです。顔芸も意外とイケてます。ビジュアル的には大合格だと思います。映像の中で栄えます。でも、喋るとダメです。とてもカツゼツが悪いし、感情が入ってません。顔芸とビジュアルが完璧なだけに、ギャップがとても激しいです。吹き替えが必要だと思いました。
松田龍平は、もうどんどん良くなってますね。日本人の若手役者の中じゃあ、ダントツなんじゃないでしょうか。こーゆーひねくれた暗いダメな男を演じさせると、とってもいい具合です。
内容的には、塚本晋也の代表作「鉄男」を彷彿させる感じでした。あれほどエロ・グロ・ナンセンスではないですが、敵役として塚本晋也監督本人が出てきて鼻血を垂らすというのは、懐かしいなーというか相変わらずだなー思いました。
夢の中に入ることができる
主人公を含め、自殺したい動機とかほとんど語られないので、ちょっと納得できないところがありました。自殺するのに明確な動機などないのだ、と思っていても、それを実際に作品として出されると、首を捻らずにはいられません。切迫感と説得力が足りてない気がしました。
グロとカメラワークの激しさは、かなり不気味でホラー的(「死霊のはらわた」的)でしたが、どことなく軽さを感じるところは、塚本晋也の個性だと思います。
面白かったです。
ところで、続編にもhitomiは出演するんですかね?
ああ、いやだいやだ。
あ。これ↑は主人公のキメ台詞です。いいたかっただけです。気に入っちゃいました。
やりたい放題の映画
2007年10月16日 火曜日
なんか映画を観たいなーと思ったものの、立川のCINEMA CITYでは観たい映画が見当たらず、仕方がないので吉祥寺に行って漫画喫茶にしけこむか、と思っていたら、バウスシアターで観たい映画を発見。しかも2本。
バウスシアター大好き。
というわけで、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」を観ました。
三池崇史監督の映画です。主演は伊藤英明、伊勢谷友介、佐藤浩市。おいしい役者が揃ってます。つか、男ばっかりです。ヒロインは、なんとびっくり桃井かおりです。
日本なのに、ウェスタン。日本人なのに、全台詞英語。源氏と平家が宝探し。銃と刀。モノノフとガンマン。インディアンがトランペット。無意味に濃いキャラクター。必要以上に挿入される小ネタ。シチュエーション優先で、なんの前触れもなく唐突に雪が降って瞬時に一面雪景色。
三池監督、やりたい放題の映画でした。
今まで自作の中で小出しにしていたネタを、全部この作品の中にぶちまけちゃったような感じです。メキシコの地平線に囲まれた乾燥した荒野に走る一本の直線道路を映して「埼玉」ってやっちゃうときの三池監督。すがすがしいほどに、三池監督の三池監督っぽい三池監督汁が出まくってました。
こりゃ、ふつーのひとはドン引きしちゃうよね。
お客さん、5人しか入ってなかったし。
個人的には、好きなんですが。
これぞ三池監督だーッ! と心の中で叫び、感涙を流すくらい、大好きなんですが。
クエンティン・タランティーノが、意外とおいしい役で、素晴らしい存在感を見せてくれました。人物が人物だけに、言葉に変にリアリティがあるというか。
香川照之の演技は素晴らしかったです。見事な不死身っぷりと、二重人格っぷり。ひとり芝居の巧さが出てました。
伊勢谷友介は、カッチョイイですねー。ハクランでガンカタとかやらしてみたい。きっと似合う。
佐藤浩市は、まるっきりジャック・スパロウしてました。佐藤浩市だからこそ面白い、この演技。やらせた三池監督は、やっぱ違う。
桃井かおりは、もうむちゃくちゃカッコよかったです。少女時代のシーンまで、そのまま演じてるとこもスゴイ。
北島三郎の歌が流れるエンディングは、三池監督ならではの演出。渋いです。
ただ、ちょっと主人公の立ち位置が微妙かなー、と思いました。濃いキャラクターばっかりなので、影が薄いというか、バックグラウンドの薄さが気になりました。
いやでも、すげー面白かったです。
この作品でやりたいだけやっちゃったので、「クローズZERO」は期待してもいいと思います。
1時間くらい間を空けて、「パーフェクト・ストレンジャー」を観ました。
「ラスト7分11秒まで真犯人は絶対わからない」というキャッチコピーで有名な映画です。
主演は、X?MENのストームでおなじみの、ハル・ベリー。ブルース・ウィリス(髪の毛付き)も出てきます。
ラスト7分11秒までまで犯人が出てこないとか、ラスト7分11秒まで犯罪が起こらないとかだったらどうしよう、なんてドキドキしながら観てたんですが、ふつーに犯罪が起きました。
ぶっちゃけまして、これってこいつが犯人じゃないとオチないよね、と思ってたひとが、やっぱり犯人でした。謎を残すみたいなバックグラウンドの開かし方とかが、犯人の演出だったし。動機も、だいたい予想つくんじゃないかな。
叙述トリック的であり、2回目を観ると、台詞の意味が違ってます。その辺は、巧くできてます。ミステリ的にフェアな作品で、好感が持てます。ネット関係のネタも、リアリティのあるものでした。
それにしても、ラストシーンは吹いてしまいました。やりすぎるとギャグになっちゃうんですね。
あんまりスカッとするようなサスペンス映画じゃなかったですけど、ハル・ベリーが綺麗だったので良かったです。
最近、洋画を見ていて思うことがひとつあります。
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