ほとんど誰も見てない自己満足のTRPGリプレイ日記ですが、なんかこう、ブログだと満足できなくなったので、スタティックなページを作ってしまいました。
どこまでも突き進みます。
HagePOWER TRPG部
今んとこ、「アリアンロッドRPG」のキャンペーン第2回まで書きました。キャラクターとかすっかり別人になってます。
そのうち、イラストも載る予定です。
‘TRPG’ カテゴリーのアーカイブ
HagePOWER TRPG部
2009年7月10日 金曜日テーブルトークカフェ
2009年7月6日 月曜日
土曜日に、嫁と偵察に行ってまいりました。
テーブルトークカフェDaydream
平日 18:00?23:00
土日祝日 11:00?22:30
年中無休(年末年始以外)
JR神田駅 西口 徒歩6分
http://trpgtime.cool.ne.jp/first/
テーブルトークカフェDaydreamは、JR神田駅西口から線路に沿って南下し、「え? もしかしてこの先?」と疑ってしまう細い路地を入ると、真新しいマンションがありまして、その2階でした。15分くらい彷徨いました。
「見学しにきたんですけど、いいですか?」と嫁がいうと、快く承諾してくれました。
そこは、名前の通り、テーブルトークを行うカフェでした。
フロア全体が、プレイルームになっています。
中は広く、明るくて清潔で整頓されおり、とてもキレイでした。
テーブルは、4卓並んでいます。2卓が埋まってました。
1卓は、5?6人で「Dungeons&Dragons」をプレイしてました。奇声のあとに沈黙とかあって、なんというか懐かしく感じました。マスターがノートPCを使ってるのを見て、真似したくなりました。
もう1卓は、2人だったので、雑談してるのかと思ったら、ソロプレイしてたみたいです。意識されてたようなので、あんまし見れませんでした。
しかし、この店はヤバイです。
新旧様々なボードゲームや、TRPGのルールブックが並べられてて、鼻血吹きそうになりました。
「これやった!」「これやったことある!」「うわあ、こんなもんまである!」「死ぬ! 懐かしすぎて死ぬ!」などと、ひとりで興奮してました。
具体的にいうと、「甲竜伝説ヴィルガストRPG 」「メタルヘッド」「蓬莱学園」「ワープス」「ワースブレイド」「ブルーフォレスト物語」「ロールマスター」「エルリック」「タリスマン」。「エヴァンゲリオンRPG」とかまでありました。
これらは、貸し出し用です。中身が読めます。気になってたけど、買おうかどうか迷ってたルールブックやサプリメントまで、確認できちゃう。
初めての来店だと、たぶんゲームやってる暇なんかありません。
とてもすばらしいお店です。
キレイだし。
ルールブックやダイスが常備されているので、キャラクターシートとシナリオさえあれば、すぐにプレイできそうです。
問題は、料金。
お一人様につき
平日 1,800円/1日
休日 3,600円/1日
うーん。ちょっと敷居高いかなー。
1日遊びまくると思えば、実はそんなに高くないんだけども。ディズニーランドの1日チケットより安いし。
平日だったら、初めて利用する場合に限り、無料のキャンペーンがあるみたいです。
この店で、「アリアンロッドRPG エリンディル・レジェンドガイド」を見かけました。
新刊です。手にとって、ざっと読んでみました。シナリオのネタが満載です。これは欲しい!
でも、ここでは品切れらしく、売ってません。
というわけで、秋葉原まで歩きました。
ロールアンドロールステーション
平日 12:00?21:00
土曜 11:00?21:30
日祝 11:00?20:00
JR秋葉原駅 電気街口 ダイビル方面 徒歩5分
http://www.arclight.co.jp/r_r_s/
ロールアンドロールステーションにくるのは2度目なんですが、今回も迷いました。微妙にわかりにくいです。
神田のDaydreamと違って、古い雑居ビルです。エレベーターは汚くて窮屈です。そして6階にある店内も、狭いし、キレイとはいえません。
でも、ゲームの在庫はしっかりしています。
「アリアンロッドRPG エリンディル・レジェンドガイド」が、しっかり平積みされていました。ついでなので、「アリアンロッド・リプレイ・レジェンド」も買いました。約5,000円ぶっ飛びました。予想外でした。迂闊でした。
ロールアンドロールステーションにも、プレイルームがあります。
窮屈なスペースに、5卓くらい詰まってます。
かなり盛況で、すべて埋まってました。和気藹々とした声が店内にも響いてきて、とてもわくわくしちゃいました。
お一人様につき
平日 250円/1日
土日祝日 2,500円/1日
毎週木曜日は、無料になるみたいです。
Daydreamより安いですが、ルールブックの貸し出しはないようですし、土日は予約でいっぱいみたいです。
というわけで、プレイルームを2カ所、見学してまいりました。
プレイルームは、よいところです。
かなり特殊な人種の集まるところなんで、初見だとドン引きするかと思いましたが、嫁は大丈夫でした。
懐かしい空気。昔運営してたコンベンション気分になりました。きっと、プレイに集中できることでしょう。
プレイルームで遊んでみたい!
プレイルームで遊んでみたい!
大事なことなので、2回書きました。
時空の迷宮 後編
2009年7月2日 木曜日
TRPGプレイ日記です。
セッション第5回目『時空の迷宮』のつづきです。
ギルド『花鳥風月』
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」
チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル7
プレイヤー:Tiki
苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル7
プレイヤー:Kayata
楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル7
プレイヤー:Nyagon
美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル7
プレイヤー:Takeon
賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル7
プレイヤー:Ganhiro
ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。
宝石魔人ジュエリーザを退け、チキの父リヒトを救出した”花鳥風月”の一行は、再び、宇宙空間に伸びる、曲がりくねった通路に出ました。
歩いていると、もやもやとした、白い霧に包まれました。視界が遮られ、浮遊感があり、まるで雲の上を歩いているみたいです。
すると、みんなの目の前に、映像が映し出されました。
マグドゥーラの王女サングリエルの姿です。
彼女は、サッサカと、豪奢な部屋をお掃除していました。じじは、なぜか、胸がきゅーんとなり、思わず若返ってしまいます。サングリエルは、棚の上の写真を手に取りました。そこに映っているのは、若いじじの姿。
そこで、映像は途切れました。じじは、しゅんとなり、幼児ではなく、じーさんに戻りました。
次に映し出されたのは、タケオンの母、タケママでした。
彼女のそばには、タケオンの知っている、冒険者の姿。タケママたちは、森の中で、なにかと戦っているようです。
それは、武具魔人ツヨイーザ。冒険者たちを一蹴し、タケママに刃を向けますが、ぴたりと止まります。そして、ツヨイーザは走り去ってしまいました。悲しそうな、タケママの顔。
その次は、チキの父、リヒトです。
先ほどの若々しい姿とは違い、年輪の刻まれた、険しい顔をしています。反帝国軍の隠れ家で、部下と戦略を練っていました。資金がない、武器が揃わないと、リヒトは嘆いています。
チキは、金金いってる父を見て、なんだか気分がヘコんできました。さっきの父は、カッコよかったのに。
今度は、棺に眠る、タルトの姿が映しされました。
すぐに映像が変わり、闇の中で膝を抱える宝石魔人ジュエリーザの姿、森を疾走する武具魔人ツヨイーザの姿、街を破壊する巨大な恐竜の姿、
そして、小柄なゴシック風のファッションを着た人形のような美少女が映ります。少女は、体中に包帯を巻き、眼帯をしていました。見られているのを察したように、キツイ目で睨みます。すると、映像が掻き消えました。
どうやら映像は、その場にいる者に関係するひとが、映し出されているようです。
じじ、タケオン、チキ、タルトときましたので、カヤタの番です。
映し出されたのは、スコティッシュフォールド。
にゃんこです。
ズコー! っとなりました。
しかしすぐに、可愛い女の子が映りました。猫の飼い主っぽいです。窓辺で立て肘をつき、空を眺めています。
「はやくこの世界が、あたしだけのものにならないかなー」
なんだか、物騒な女の子です。いいんでしょうか、これで。
最後は、リグレです。どうでもいいといった雰囲気の中、封印守護の一族の、族長の姿が映ったり、里に住むひとたちの姿が映ったり、カヤタのときに出てきた女の子のとこでピタリと止まったりしました。
「ふ、深い意味はないぞ!」リグレは焦りますが、カヤタはまったく気にしてません。
「……オレは、里のみんなのことが好きだ。オレが、一族を護る。そう、思っていた」リグレは悔しそうな顔で、カヤタを睨みますが、カヤタはまったく気にしてません。
みんなの映像が終わると、急に霧が乱れ、黒々としてきて、まるで暗雲の中にいるかのようになりました。
雷光がほとばしり、雷鳴が轟きます。足下の黒雲が、渦を巻き、その中で、3つの巨大な目が、ギョロリと開きました。おぞましく血走った、青と、赤と、黒い目玉。そして、上空から、死蝋のように白い、巨大な手が、グアッと、伸びてきます。
捕まれそうになった瞬間、ぱっ! と、映像が消えました。
宇宙空間に戻りました。
宝の部屋でいいことがあったりなかったり、トノレネコとかいう怪しげなぼったくり商人に逢ったり、数値当てクイズに正解したり、温泉で心身共に癒されたりしたあと、苔の生えた石の扉が出てきました。
ドアを開けると、重苦しい霧に包まれた、カビだらけの部屋に出ます。
部屋の奥には、バンシーがいます。グールが2体、飛び出してきました。
戦闘です。
若干手間取りましたが、危なげなく、勝利しました。
ひと息ついていると、背後から声がしました。
「おおっ!? この迷宮に、先に入った冒険者がいたのか!」
冒険者っぽいひとたちが、入ってきました。フィルボルの男、フィルボルの女、そして、獅子の顔をした体格のいい男と、ヴァーナ猫族の女の、4人です。
タケオンは、フィルボルの男女に、両親の面影を見ます。
かなり若いですけど、間違いありません。タケパパとタケママです。
獅子の顔をした男の目にも、なんだか、見覚えがあるような気がしました。
若いタケパパは、この迷宮を、”死獣の迷宮”といい、奥にいる死獣の王”ヘルデスタイガー”を討伐しにきたといいます。
タケオンは、この迷宮の名に、聞き覚えがありました。
父が、”魔人の武具”のうちのひとつを、を手に入れた迷宮です。
部屋の奥の壁には、穴が開いていました。おそらく、出口です。穴は、時間が経つにつれ、すこしずつ小さくなっていきます。あまり、時間がありません。
「このあと手に入れた防具は、絶対、身につけちゃだめですよー!」タケオンは、そういい残して、部屋から出ました。
宇宙空間に戻りました。
時間が残り少なくなってきたので、すごい駆け足です。
宝の部屋でいいことがあったりなかったり、ダマスクススコーピオンを再度スルーしたり、連続でダマスクススコーピオンをスルーしたり、幼児だったチキが元の年齢に戻ったのに今度はカヤタがおじいちゃんになっちゃったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、宝の部屋でいいことがあったりなかったり、神々しい者と出会った気がしたり、トノレネコとかいう怪しげなぼったくり商人の店の前を通り過ぎたり、嵐の海のど真ん中に投げ出されたり、虹の橋を渡ったりしました。なんか全員フェイトが1点増えました。
そして、ついに、両開きの白い扉が現れました。
制限時間、残り30分。
いよいよ、最後の部屋です。
クライマックスフェイズ。
真っ白な、広い部屋です。
おじいちゃんいなってたカヤタが、元の姿に戻りました。
正面奥に、霧の扉が見えます。出口だ。リグレとカヤタは、難なく、霧の扉をくぐり抜けることができますが、他のメンバーは、通り抜けできません。
壁に、「ご用の方はこちら」と書かれたボタンがあります。
ボタンを押すと、霧の身体を持った巨漢が、がっはっはと笑いながら、出てきました。
「おうおう! なんというか、すさまじいメンツだわい! わしは、この、時空の洞窟の主、ボティラーだわい! 時と時間の妖精だぞい! まあ、わかっているとは思うが、わしを倒さないと、ここから出ることは、できんぞい。とどめはささんが、ここで倒れたら、出られるのは数十年後か、数百年後か。ぐはは。まあ、頑張れや! 手加減は、せんぞい!」
というわけで、ボス戦です。
レベル18のエネミーです。
ギルドスキル《陣形》で移動し、じじは若返ります。
いきなり、《セレスチャルスター》+《マジックブラスト》の攻撃を受けますが、ふたつのエンゲージに別れていたので、《プロテクション》と《サモンアラクネ》により、被害は最小限に抑えられました。
カヤタとじじの攻撃、タルトとカヤタの魔法、チキの援護。
2ターン目で、チキの《ヘイスト》を受けたタルトが《ウォータースピア》をぶちかまし、放心したところへ、カヤタの強烈な一撃。とどめは、じじが刺しました。
あっという間です。
せっかく、6ターン目までの行動を書いておいたのに、使わず終いでした。
でも、制限時間ギリギリでした。
タルトのダイスの目を数える時間が、長かったのです。
「うわっはっは! このわしが、負けるとはな! 通ってよしだわい! またこいよ! 勇者さま!」
ボティラーは、バターン! と倒れます。
しっかりと戦利品をかっぱいだところで、部屋全体が、眩しく輝きました。
エンディングフェイス。
気付くと、森の中にいました。
「ようこそ、”久遠の森”へ!」リグレが、いいました。
「懐かしいなあ。カレーのにおいがする」カヤタがいいました。
……インド?
アフタープレイ。
きっちり、5時間で終えることができました。
部屋ひとつにつき、経験点2点、って決めてたので、20部屋だと、これだけで、40点。ボスエネミーが、18点。特殊イベントなども盛り込むと、ひとりにつき、100点超えてしまいました。
なんという大盤振る舞い!
でも、レベルはひとつしか上がりません。
全員揃って、8レベルです。
レベル8の5人パーティーが、どんくらい強いのか、さっぱりわかりません。
セッション第6回目につづく。
時空の迷宮 前編
2009年7月1日 水曜日
TRPGプレイ日記です。
セッション第5回目は、いつものTakeon邸で行いました。
シナリオのタイトルは、『時空の迷宮』です。
ベースは、あくまでも「シナリオ集1 ファーストプレイ」だと、いい切っておきます。
断るまでもないですが、今回のプレイ日記も、脳内補正がモリモリ加わってます。本当はこうしたかった! 的な悔しさも入ってます。
プリプレイで、Ganhiroの猫耳おじーちゃんを、見直しました。
おじーちゃん補完計画です。
前回は、《クイックステップ》を取っていないという、のんびりとした、社交ダンスじーちゃんでした。
今回からは、よぼよぼな動きが敵の攻撃を的確に避け、震える手が超振動バイブレーションとなり敵の骨まで粉砕するという、ヒップホップじーちゃんになりました。
前回のおさらい。
”石の街”ロダニアで、魔人ジュエリーザを退け、一躍人気者になった”花鳥風月”の一行。
神官ランディアの依頼で、魔剣を封じる溜めに、カヤタの故郷である、”久遠の森”を目指すことになりました。
ですが、ロダニアから”久遠の森”までは、馬を使っても、30日くらいかかってしまいます。
たまたま出会った、カヤタの友人、リグレの案内で、近道である、時空の洞窟を目指します。
途中、魔王エラザンデルの部下、漆黒の剣士コッホバールに襲われましたが、マグドゥーラの王女サングリエルの登場により、難を逃れました。
しかし、どうやら、魔王エラザンデルの復活は、近いようです。
ギルド『花鳥風月』
キャッチフレーズ「我々は花鳥風月! お金に困っている!」
チキ ヴァーナ(狼族) 女性 【アコライト/シーフ】 レベル7
プレイヤー:Tiki
苦労性で、いつも金欠の少女。何故か不意打ちが得意。
父親が、反神聖帝国軍の隊長。軍資金を調達するために、冒険者となる。宝石魔人ジュエリーザの弱点を知っている。
カヤタ ドゥアン(有角族) 男性 【ウォーリア/サムライ】 レベル7
プレイヤー:Kayata
楽天家で行動力のある、ムードメーカー。とても運がいい。肩に、彼にしか見えない鳥を乗せている。
”久遠の森”の、封印守護の一族。何者かに、崖の上から突き落とされたが、運が良かったので生きている。
タルト エルダナーン 男性 【メイジ/アコライト】 レベル7
プレイヤー:Nyagon
美少女にしか見えない謎の魔術師。とても金に飢えている。過去の記憶を失っている。
魔術を使って、大暴れする夢を見る。過去の記憶が、ちょこっとだけ蘇ったもよう。
タケオン フィルボル 男性 【シーフ/サモナー】 レベル7
プレイヤー:Takeon
賢くて、マイペースで、ひとがいい。ダンジョンでの仕事はピカイチ。たまに、罠もかかってないのに爆発する。
魔人になった父親を捜している。右手の甲に、魔族が近づくと痛むという入れ墨が施されている。
じじ ヴァーナ(猫族) 男性 【ウォーリア/ダンサー】 レベル7
プレイヤー:Ganhiro
ぷるぷる震える、ダンシングおじーちゃん。川上から流れてきた。
オープニングフェイズ。
コッホバールを退けたその夜、じじは、なぜかマグドゥーラの王女サングリエルのことが、気になって仕方がありません。なんか知らないけど、ドキドキしてます。この、甘酸っぱい胸のときめきは、なに?
すると、ピッキューン! と、ひらめきました。
「お、思い出したぞぉーっ!」
その時、彼の身体が光り輝き、一瞬のうちに、若返りました。20代の精悍な青年に、変身したのです。腰に提げた剣は、妖魔をスパーンと倒すという、聖剣ヨーマスパーンに変わりました。
でも、変身したショックで、なにを思い出したのか、忘れてしまいました。
「……なんだったかのう?」
しょぼーんとしたら、変身も解けちゃいました。おじーちゃんに、戻っちゃいました。
謎だらけのおじーちゃん、じじ。
彼は、フェイトを1消費すると、若返り、聖剣ヨーマスパーンを手にすることができるという、妙な能力を得ました。
次の日の早朝、野営をしていたタケオンが、水を汲みに小川へ行くと、獅子が、木の陰から顔を半分だけ覗かせてこっち見てました。
タケオンが声をかけると、獅子は嬉しそうに寄ってきて、ぐるぐる喉を鳴らします。
獅子は、重々しい声で、喋り出しました。
「助言を、与えよう。運命の気まぐれにより、過去と邂逅するであろう。ただしそれは、変えることの……む! すまない。今日は、時間がない。カーチャンに見つかると、叱られてしまうのだ。では、達者でな!」
獅子は、ずばばっと、走り去ってゆきました。
ふと、頭に違和感を覚え、触れてみると、動物の王が彫刻されたサークレットが、はめられていました。
それは、ハイサモナーサークレット。サモナースキル《ハイサモナー》の効果が上がる、強力なサークレットです。
「……僕、《ハイサモナー》、取ってないんですよねー」
タケオンは、爽やかな笑顔で、空を眺めました。
ミドルフェイズ。
リグレの案内で、時空の洞窟へ到着したました。
それは、石を積み重ねた、門のようなものでした。門の間は、真っ白い霧に包まれ、向こうが見通せなません。もやもやが、流れ出ています。
リグレは、厳しい顔で、説明します。
「いいか。この時空の洞窟は、通り抜けに、あまり時間をかけられない。具体的にいうと、リアルタイムで5時間、つまり19時までに通り抜けられないと、死ぬまで出られなくなる!」
えー。まじでー。みたいな感じすが、行くしかないので、門をくぐります。
いきなり、広大な宇宙空間に出ました。
きらめく小さな星々が、うっすらと、みんなを照らしています。
足下には、横幅3mくらいの薄いタイルあり、遠くまで伸びています。宇宙空間に浮かぶ、通路です。
「ふーん」みなさん、淡泊な反応です。
カヤタとリグレは、封印守護の一族です。彼らにだけは、安全な道が見えますが、チキたちには、見えません。
リグレは、カヤタを引っ張って、安全な道を行こうとします。
「あっちは、困難な道だからな。因果をねじ曲げるような、凶悪な障害が、待ち構えている、って話だぜ。言い伝えによると、途中で姿を消してしまうとか、姿や人格が変わったりとか、……発狂する者もいたという」
「リグレは、安全な方、行きなよ。僕らは、こっちの道、行くからー」カヤタたちは、困難な道を選びます。
「ちょ!? ……わ、わかった。お前が、どれほどの男なのか、見届けてやるぜ!」リグレも、ついてくるみたいです。
時空の洞窟は、訪れるものの運と、宿命により、姿を変える、迷宮です。
通路の先になにが待ち構えているのか。
それは、誰も知りません。
宇宙空間に伸びる、曲がりくねった通路を進むと、緑色の扉が塞いでいました。
カヤタが、どーん! と、ドアを開けると、唐突に、森の中に出ます。
柔らかな木漏れ日に包まれて、暖かいです。鳥のさえずり。優しい風。アロマの香り。【HP】と【MP】が3d6点回復できるくらいの、癒し空間です。いきなりくるとこじゃありませんでした。
さっさと通過します。
宇宙空間に戻りました。進んでしたら、突然、凄まじい速さで、通路がタイルが流れ始めます。星々の光が線になり、平衡感覚が失われます。
気付くと、広い部屋に倒れていました。
なんということでしょう。
チキと、じじが、3歳児になってしまいました。
「おっぱいは、まだでしゅかー」じじは、老人だったり、若者だったり、幼児になったり、忙しいです。
「……進むでしゅ!」チキは、受け入れたみたいです。
幼児2人を連れて、カヤタたちは、部屋から出ました。
通路を、灰色の扉が塞いでいました。ドアを開けると、12m四方の鉄鋼の部屋に出ます。木目調の模様が、壁や床を満たしています。部屋の奥には、禍々しい彫刻のされた大理石の扉がありました。
目をこらすと、部屋の隅に、部屋と同じ模様の大きなサソリが、いました。襲ってくる気配はありません。
エネミー識別してみると、ダマスクススコーピオンだということがわかりました。
2回攻撃。受けるダメージは常に1。HPを回復する攻撃。
スルー決定。
とっとと、部屋から出ました。
宇宙空間の通路を、大理石の扉が塞いでいました。
重いドアを開けると、突然、どこかの街の中に出ました。
城壁に囲まれた都市ですが、壁は崩れ、家屋が燃え、潰された兵士の死体が転がっています。まるで、戦場です。
「……あ、あれれ? ここは?」カヤタは、首を傾げます。
「おっぱいは、まだでしゅかね」3歳児のじじが、指をしゃぶります。
「街ね! お買い物できるわっ!」タルトが、目を輝かします。
「そーじゃないでしょう」タケオンが、突っ込みます。
とかやってたら、巨大な影に、覆われました。
見上げると、どこかで見たような、巨人。
魔人ジュエリーザです。ジュエリーザが、背を向けて立っています。
ロダニアで遭遇した時と、ちょっと姿が違うのに、気付きました。宝石の数が少なく、黒い地肌が見えています。
魔人の向こうには、果敢にも剣を向ける、ひとりの騎士がいました。ヴァーナ狼族の、男です。
チキは、彼に見覚えがありました。
「あ、あれは!? お、おとーしゃん!?」
チキの父の、リヒト。とても若く、まだ20代前半っぽいですが、間違いありません。
そして、この街は、帝国に奪われた、チキの故郷でした。
魔人ジュエリーザは、灼熱のビームで、リヒトを吹き飛ばしました。彼は、家屋に衝突すると、血を吐き、倒れます。
チキの姿が、一瞬、ブレました。
「おとーしゃん!」駆け出そうとする、よちよち歩きのチキを、カヤタがつまみ上げました。
「こーなったら、やるしか、ないっ!」カヤタは、カタナを抜きます。
「勝てますかねー?」タケオンも、戦闘態勢を取りました。
タルトは、隙をみて回り込み、チキの代わりに、リヒトのところへ向かいました。
殺気を感じたのか、魔人ジュエリーザが、振り返りました。
戦闘開始です。
ジュエリーザの放つ、灼熱のビームで、大ダメージを受ける、カヤタ、チキ、タケオン、じじ。
絶望的な戦力差ですが、カヤタは、果敢にも攻撃します。しかし、ダメージを与えられません。
タルトは、リヒトを《ヒール》で回復しました。立ち上がろうとしたリヒトに、ジュエリーザが向き直ります。灼熱のビームが放たれ、彼は戦闘不能の虫の息になりました。タルトは、余波を受けて、吹き飛びます。
姿がブレるチキ。
焦るカヤタたち。
すると、ジュエリーザが、タルトを見て、目を見開きました。
巨大な身体を持つ魔人が、ちいさなタルトに、怯えています。
ロダニアのときと、同じです。
「……エ、る、ウェーッ!?」と、つぶやくと、ジュエリーザは、背を向けて、地面を蹴って飛び立ち、逃げ出しました。
ぽかんとして、飛び去るジュエリーザを、見送ります。
とりあえず、驚異は去ったみたいです。
父のそばに連れてってもらったチキは、彼に《レイズ》を使います。
リヒトは、息を吹き返しました。
「……あ、ありがとう。ジュエリーザを、追い払ってくれたのか。……すごいな。これで、我が国は救われた」
「報酬っ!」と、タルトが叫びます。
「ちょっ!? なにいってんでしゅか!」
チキは、タルトを全力で止めました。ここで父が借金を作れば、その借金は、こっちに回ってくるような気がしたのです。
「お嬢ちゃん。キミの名を、教えてくれないか?」と、リヒトはチキに訪ねます。
なんだか嫌な予感がしたので、チキは「チキです」と答えます。
さっき、ジュエリーザが立っていたところに、いつの間にか、扉が現れていました。扉は、徐々に、空気に解けていきます。
「急がないと、まずそうですよー」
「ちっ。つけとくからね!」
「行こう、チキ!」
「えーと。娘しゃんには、優しくねー」
「おっぱいは、まだかいのう」
カヤタたちは、あっけにとられるリヒトを残し、扉をくぐり抜けました。
つづく。
まったくかなわない
2009年6月30日 火曜日
2009年6月28日(日)に、「アリアンロッドRPG」セッション第5回目を、執り行いました。
前回が、5月30日だったので、約1ヶ月ぶりです。
1ヶ月ぶりだったので、筆記用具を忘れてしまいました。先週は、TRPGする予定もないのに、持って行ったのに。
マスタリングも、テレテレでした。
さらっと流すとこで盛り上がったり、盛り上がる場所でさらっと流れたり、失言で迷わせてしまったり、せっかく用意した悪意をすべてスルーされたりと、TRPGならではの予想できない展開に、てんやわんやでした。
あと、やっぱNPCを演じるのが、巧くできません。ふごー。
精進せねば。
今回は、ダンジョンものでした。
つか、毎回ダンジョンものですけども。
シティアドベンチャーとか、野外での冒険とか、やってみたいんですが、なかなかよいアイディアが出てきません。
いつもと同じようなダンジョンでは、つまらないので、時間制限を5時間と設定し、フロアをランダムで決める感じにしました。
フロアを決定するには、6面ダイスを2個振ります。3?11まで、フロアを用意しました。ゾロ目は、特別なフロアを用意していて、3回目のゾロ目が、ゴールになります。
いきなり1回目でゾロ目を出してくれたので、まさかの短時間終了か!? と思いきや、20回も振って、やっと最終エリアに辿り着くという、ギリギリの展開でした。
制限時間30分前で、ラスボス戦です。
間に合うのか!? と思いきや、たった2ターンで終わってしまいました。
ラスボス、弱っ!
プレイヤーキャラクター、強っ!
レベル7の5人パーティー相手に、レベル18のエネミーが1体だと、まったくかなわないのが、わかりました。
HP180なんて、5回くらいの攻撃で、なくなっちゃいます。
苦戦すらしてくれません。
サイコロを16個も振っても、たいしたダメージにならないのは、ダイス運がないせいですけども。
次回は、7月の11日か12日か18日か19日になると、思われます。
全10回なので、残りあと5回。
第4回?6回がカヤタ編になるので、第7回はタケオン編で、第8回がタルト編で、第9回がじじ編で、第10回がチキ編になる予定です。
カヤタ編が3回も続いてますけど、実は1回分が3つに別れたのでした。
ずれずれです。
あと5回で終わるんだろうか。
とりあえず、サイコロ、あと10個くらい用意しとこうと思います。
8月が熱い
2009年6月18日 木曜日
三沢光晴が亡くなり、テッド・タナベも亡くなり、「ドラゴンクエスト9」でWi-Fiでのオンライン協力プレイができないことが判明した今、もはや人類には、TRPGしか残っていません。
2012年を乗り切るには、TRPGパワーしかないのですッ!
新しい太陽の時代とは、第6の時代とは、TRPG時代のことッ!
2012年12月21日に、新作TRPGが発売するという、神の啓示ッッ! その名も、「ファイナルファンタジーRPG」ッッッ!!!
……あれ?
それはそうと、8月が熱いです。
『アリアンロッドRPG スキルガイド』が発売されます。
2009年8月31日発売予定です。
価格は、3,675円(税込)。B5版です。たぶん、ソフトカバー。
まだAmazonにはなくって、WEBカドカワのみで、7月10日まで事前予約受付中です。振り込みとか、なんかめんどくさいので、とりあえず、発売日にイエローサブマリンへダッシュします。
http://www.kadokawa.co.jp/shop/sp/shop_sp_111.html
・現在「アリアンロッドRPG」で使用できるすべての職業(クラス)の技(スキル)を網羅!
・新しいスキルももちろん追加! また、各レベル帯で最適したサンプルキャラクターも掲載。
・キャラクターメイクから、レベルアップまで、この1冊ですべてサポート!
今まで、それぞれの本に散らばっていたものが、1冊にまとめられます。
必須となりそうな、とても便利なサプリメントです。
『ソード・ワールド2.0 サプリメント アルケミスト・ワークス』も、出ます。
2009年8月20日の発売です。
価格は、3,675円(税込)。B5判のソフトカバーです。
やっぱり、まだAmazonにはありません。とりあえず、発売日にイエローサブマリンへダッシュします。
http://fujimishobo.co.jp/sw/2009/06/post_56.php#more
・新技能「アルケミスト(錬金術師)」追加
・一般技能解禁(60以上)
・アイテム大量追加
・名前持ちモンスターの紹介
・アイテム逆引き辞典、全魔法リストなど、表関係も充実
こちらも、必須となりそうな、とても便利なサプリメントです。
なんだかどんどん「アリアンロッドRPG」化してるような気がしますけども、気のせいです。
老後にTRPGって、ボケ防止にいいかも知れないとか、今から考えてます。
早く老後になりたい。
眠る巨人とキノコの肉
2009年6月16日 火曜日
何故か、「アリアンロッドRPG」用のシナリオを、作ってました。
ダンジョンものの、ショートシナリオです。
ラスボスは、どうかと思います。
もともと、このシナリオは、今やってるキャンペーンに組み込もうと思って、作ってました。でも、時間的な関係で、できなさそうなので、単独でプレイできるように、編集しました。
というわけで、公開します。
いわゆる、フリーシナリオ、みたいな感じです。
いっちょまえに、pdfです。
マウスでキノコ描きました。2分かかりました。
2.5MBくらいあります。
あんまし、ネットにシナリオって転がってないので、もしかしたら、需要あるかなーと思ってます。
「アリアンロッド」でこのブログを検索してくるひとなんて、月に2件くらいしかないという現実は、棚に上げておきます。
mixiでは、総スルーです。さらに、スレストッパーです。
涙出そう。
■シナリオデータ
プレイヤーキャラクター数:4?6人
キャラクターレベル:5?7
プレイ時間:3?4時間
必要なサプリメント:上級ルールブック、エネミーガイド
ダウンロードはこちら
※右クリックで、ダウンロードしてください。そのままクリックすると、ファイルが開いちゃいます。
まあ、なんといいますか。
遊びたいですッッ!
貧弱なフェルリック
2009年6月10日 水曜日
マスターKayataの、「ソード・ワールド2.0」です。
日曜日2回目のセッションです。
このプレイ日記は、フェルリックが主人公みたいな感じで書いてますが、そうじゃないです。ほとんど脳内妄想です。もはや二次創作です。ごめんなさい。本当は、みんな活躍してるし、もっともっと面白いセッションでした。この場を借りて、謝罪します。あれ。なんかこのプレイ日記の存在意義が揺らいでまいりました。でも書いちゃう。楽しいから。
ちなみに、フェルリック以外の技能レベルは、うろ覚えというか、むしろ直感で書きました。
セッション第2話
フェルリック 人間 男性 【ファイター2/フェアリーテイマー1】 冒険者レベル2
プレイヤー:ハゲ
タケ・オン ルーンフォーク 男性 【マギテック3/スカウト1/シューター1】 冒険者レベル3
プレイヤー:Takeon
エルサイス エルフ 男性 【プリースト3/セージ1】 冒険者レベル3
プレイヤー:Tiki
アルベルト ナイトメア 女性 【グラップラー3/エンハンサー1】 冒険者レベル3
プレイヤー:Nyagon
戦士として最弱の生命力を持ち、フェアリーテイマーの両親を持つ、貧弱人間フェルリック。
体力だけではなく、所持金まで貧弱になってまいりました。
具体的にいうと、タケ・オンに借金して、タワーシールドを買っちゃったせいで、金欠なのです。自業自得です。
でも、こんな時に限って、仕事がありません。
4人は、”水晶の欠片亭”のカウンターに並んで、エンクのおごってくれた昼食を食べてます。
「どーしよう、タケ・オン。ヤバイ。お金ない」フェルリックは、愚痴ります。
「返すのはいつでもいいですよ、ご主人様」
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、美味いな、この唐揚げ」
「そうですか。残念です」
「お前、唐揚げ喰えなかったっけ? じゃあ、もらってやるよ」
「そっちじゃないです」
「か、唐揚げ泥棒!」エルサイスが、突然叫びました。
「な、なんだとぅ!? お前からは、取ってないぞ!」
「いや、これ……」
エルサイスがつかみ上げたのは、小柄なグラスランナーでした。唐揚げ食べてます。
「もぐもぐもぐ。ごくん。やあ! 君たち、暇そうだね。情報、買わないかい?」
彼の名前は、カヤタ。情報屋だそうです。
カヤタが売ってくれる情報は、どうやら、”剣の迷宮”のようです。
”剣の迷宮”とは、魔力を持った剣が、自ら作り出した迷宮です。
きっと、困難な冒険になることでしょう。
しかし、得られるものは、唯一無二。
血湧き肉躍ります。
フェルリックはお金がないので、タケ・オンとエルサイスとアルが、100ガメルずつ出して、カヤタから情報を買いました。
「ようし! 出発だーっ!」
「……あんたは、お金出してないでしょーが」
「細かいことは、気にするな!」
アルベルトの白い目にも負けず、フェルリックは意気揚々と、先頭切って、店から出ました。
現地に到着しました。
つい最近できたばかりっぽい洞窟へ、足を踏み入れます。
鉄製の両開きの扉を開けると、その先は、”剣の迷宮”です。
最初の広間に、剣と盾を装備してない大理石の騎士像が、ありました。あきらかに、剣と盾を探してきて装備させる系の像です。
奥の部屋を、探索しに行きます。
ゾンビとワイトの一団を倒し、大理石の盾をゲット。
燃えさかる部屋で、ヘルハウンドを倒し、大理石の剣をゲット。
途中で、宝箱を調べるタケ・オンに、ミミックが襲いかかり、ピンチに陥ったりしましたが、順調にキーアイテムを揃えることができました。
アルベルトのナックル2回攻撃は強烈で、クリティカルもよく出します。
エルサイスの防御魔法、治癒魔法、そして攻撃魔法は、心強い援護です。
タケ・オンは、聞き耳やトラップ感知で、迷宮に仕掛けられた危険を取り除き、戦闘では、魔法を込めた銃を使って、活躍します。
しかし、フェルリック。
前衛に立つ、貧弱戦士、フェルリック。
「ようし! 先へ進むぞ!」
口ばっかりで、あんまし役に立ってません。
頬に流れるのは、きっと汗じゃありません。
大理石の騎士像に、大理石の剣と盾を装備させたら、先へ続く道が開けました。
突き当たりの広間には、光り輝く魔法陣。
奥の台座には、悠然と鎮座する剣。
どこからともなく、シブイ声がして、最後の試練を見事乗り越えて見せよと、いわれます。
魔法陣から現れたのは、キクロプス。体長10mくらいの、恐竜です。
とんでもない試練です。
でも、やるしかない!
エルサイスの「プロテクション」を浴び、フェルリックとアルベルトは、突撃します。
ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
ビャビューッ! と、エルサイスの攻撃魔法が、キクロプスを焦がします。
しかし、フェルリック。
スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなーっ!」
涙目で、叫びます。
ドゴーン! バゴーン! と、アルベルトの凄まじい威力の拳が、キクロプスに炸裂します。
バキューン! と、タケ・オンの魔法の弾丸が、キクロプスを削ります。
パピーッ! と、エルサイスの回復魔法が、怪我人を癒します。
しかし、フェルリック。
スカッとさわやか、空振りマシーン。
「オ、オレを見るなあぁぁーっ!」
涙目で、叫びます。
そんな彼も、前衛としての仕事は、しています。敵の攻撃を、身体で止めているのです。
グラップラーのアルベルトは、回避力こそ高いのですが、防御力がありません。囓られたり、しっぽで打たれれば、ダメージが大きいです。
ただし、HPは高いです。
戦士のフェルリックは、しっかりと鎧を着て、タワーシールドを装備しているので、頑丈です。
ただし、HPがありません。絶望的にありません。エルサイス以下です。たった一撃で、瀕死です。
「うおおおおっ! 運命変転っ!」
運命を乗り越えて、しっぽをかわします。
ギリッギリで、生きてます。
ぶっちゃけますと、実は、マスターの慈悲がなかったら、とっくに死んでます。
「オレを見るなあああぁぁぁあああ――っ!!」
しかも、当たりません。
とても苦戦し、やっとのことで、キクロプスを倒しました。
この戦闘で、フェルリックが命中させた攻撃は、たったの1回。
さすがの彼も、部屋の隅で体育座りして、落ち込みました。
「我が力、お前に預けよう!」剣が、フェルリックの手の中に収まりました。
微妙な気分です。
もらっちゃって、いいのでしょうか。
でも、剣を使っているのは、フェルリックしかいません。
「よかったですねえ、ご主人様」タケ・オンは、拍手します。
「誰がご主人様だ。友達だろ。つか、オレ、もっと強くなんないとな……」
「そうですか。残念です」
「な、なんてこというんだ、お前はーっ!?」
「そっちじゃないです」
「一応、パーティーを守るって仕事は、こなせてたと思うよ」エルサイスが、フォローしてくれました。
「あたしは、もっと強くなる! ふん! ふん!」アルベルトは、ムキムキでした。
フェルリックは、悟りました。
そうか。わかったぞ、オレの役割。
「よし! オレが、みんなを護るぜーっ! ゲホゲホッ」
貧弱なフェルリックは、血を吐きながら、そう、誓いました。
第3話につづく
第2話は、オリジナルっぽい感じになっていきます。もしかしたら、「?シナリオ集1」のKayata流アレンジかも知れません。マスターKayataのNPCは、声優つきなので、とても楽しいです。
あと、手に入れた剣は、前世の兎で見たことがあるっぽい剣でした。お試しプレイの世界と、微妙にリンクしてます。
それにしても、今回は、ダイス運がアレでした。
10以上のクリティカルすら1回もなかったのに、ファンブルは2回ありました。全体的に低調で、攻撃が全然命中しなかったです。
確率論なんて、真っ赤な嘘です。
あ。そういえば、どーでもいい判定で、6ゾロを出してた気がします。
確率論は、正しいです。
ガッデム。
しかし、へこたれません。
ファイター技能がレベル3になりました。HPも上がりました。まだエルサイス以下で、パーティー最低値の座は不動でしたけど。
金属鎧も買いました。フェアリーテイマーの魔法を使うのにペナルティーがつきますが、妖精をすり潰して回復ドリンクを作る魔法しか使いませんから、問題ないです。
そして、《かばう》を取りました。
今回手に入れた剣の能力に、「《かばう》時に防御力+2」というものがあったからです。
まさに、騎士の剣!
次回から、仲間をかばいまくりです!
死んだらごめんなさい。
ていうか、こんな貧弱な前衛、マスターにしてみれば、とてもとても扱いにくいキャラクターだと思います。
ご迷惑を、おかけします。