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BOSSのCMで萌えてる

2008年3月21日 金曜日
この記事の所要時間: 約 1分59秒

「ノーカントリー」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。客の年齢層高かったです。
 監督脚本は、この作品でアカデミー賞に選ばれたコーエン兄弟。ハビエル・バルデムも、アカデミー賞助演男優賞に選ばれました。でも、最近BOSSのCMで萌えてるところがとてもキュートなトミー・リー・ジョーンズが、いちおう主役です。
 遠い昔、サム・ライミ監督と一緒にバカやってたコーエン兄弟の作品は、好きなのにあんまし観てませんでした。「XYZマーダーズ」を除くと、「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」しか観てません。それでも、「オー・ブラザー!」は最高に大好きな映画のひとつです。
 その大好きな「オー・ブラザー!」的なニオイを、この作品から感じました。たぶん「ファーゴ」と「オー・ブラザー!」が混ざったような作品。その予想は、だいたい正しかったです。
 コーエン兄弟の作品って、とてもカントリー色が強いと思うんです。砂。岩。泥。広大な土地。広大な世界。その中で、ちっぽけな人間たちが、なにかを起こす。でもそれは、広大な世界を変化させるようなことじゃない。なにも変わらない。けれど事件を通して、ひとびとの心には確実になにかが残る。
”ヒゲ”、”屈強なアンガールズのひと”、”BOSSの萌えのひと”、この3人が主人公。”BOSSの萌えのひと”は主人公なんだけど、傍観者なのであんまり出てこない。
 偶然”ヒゲ”は大金を手に入れ、イカレた暗殺者である”屈強なアンガールズ”に執拗に狙われる。”BOSSの萌えのひと”は”ヒゲ”を助けようとするけど、最初から己の無力を悟っている。
 彼らは、彼らなりの行動規範があり、決してそこからぶれない。追う者、追われる者、考える者。悩んだり迷ったりしても、決してそこから外れない。絶対に引かない。そしてそれは、避けられない惨劇へとつながる。
 スピーディーな展開とか、サスペンスとかはありません。ただ血が流れ、誰もが淡々と追い込まれていき、結局あっけなく殺される。そしてラストは、衝撃のブツ切り。結局なにも解決しない。終わらない。変わらない。傷だけが残る。
 ものすごく、しんみりしました。
 さすがコーエン兄弟。
 あと、この映画はアメリカそのものであり、たぶんアメリカ人じゃないと真に共感できないんじゃないかなーと思いました。小ネタを含めて。
 とっても面白かったです。

なにを考えてるかよくわかんない瞳

2008年3月10日 月曜日
この記事の所要時間: 約 2分7秒

「ジャンパー」を観てきました。立川のCINEMA TWOです。
 劇場でけっこー予告やってたし、テレビCMも流れてたのに、えらい狭い劇場でした。
 監督は、「ボーン・アイデンティティー」とかのダグ・リーマン。得意のドキュメンタリー的な映像もありました。主演は、スター・ウォーズでダースベイダーの若いころを演じたヘイデン・クリステンセン。得意のなにを考えてるかよくわかんない瞳と表情は健在でした。
 テレポーテーションの能力を得た若者が、謎の組織に追われるストーリーです。主人公は、テレポーテーションであちこち飛びます。爽快です。スフィンクスとピラミッドの位置関係とか、ローマコロッセオの内部とか、普段観れないようなところが観れちゃいます。渋谷とかレインボーブリッジでもロケしてたみたい。
 さて。
 この作品でいちばん特徴的なのは、主人公が正義の味方じゃないところ。かといって、悪者でもない。エスパー魔美と同じく、テレポーテーションが使えるだけの主人公。その力の使い道は、想像を絶します。
 悠 々 自 適 に 暮 ら す こ と。
 すごい。斬新。ふつう、こんなアイディア映画にしない。こんなやつ主人公にしない。銀行の金庫から盗んだ金で、裕福な暮らしなんかさせない。
 なんとなく、アナキン・スカイウォーカーとキャラかぶってるような気がしました。コミュニケーションが不得手で社会に適合できず、本能のおもむくまま自分の思うままに生きたいと思うところとか。平気で仲間を見捨てちゃうとことか。自分は悪くないと思ってるとことか。
 で、謎の組織に襲われたり、彼女がさらわれたり、いろいろとあって、結局なにも解決しませんでした。
 なんか核心に迫る肝心な部分とか設定的な部分を全部飛ばしたまま終わっちゃいました。伏線無視も甚だしい。オチてない。スカッとしない。ラストシーンの主人公とヒロインは、どことなく邪悪な雰囲気だったし。
 嫁は、隣であんぐりと口開けてました。そりゃあ、エンドロールが始まるとともに客は出ていきますって。これはもう止めらんない。マナーとかいえない。
 でも、サミュエル・L・ジャクソンだけは、とてもいい味出していました。気を吐いてました。実にニクイおやじです。
 個人的には、さまざまな面を含めて面白かったです。妄想力のたわものです。アニメじゃなくてTVじゃなくて映画だからこの緊張感が出るんだと思う。とりあえず続編が公開されたら観に行きます。

 え。
 三部作なんですか、これ……。この客入りで……。

ドビャビャビャー

2008年1月25日 金曜日
この記事の所要時間: 約 2分38秒

 禁煙3日目です。
 嘘です。
 体長悪くて煙草吸えません。特に神経痛が酷いです。すさまじい一撃です。1分間に3?4回の割合で、ビクン! ビクン! と体を折ってます。電車の中でひとの目が怖かったです。きっとアブナイひとだと思われたに違いない。
 神経痛は、整形外科らしいです。意外です。

 というわけで、「鉄コン筋クリート」を観ました。レンタルDVDです。
 松本大洋のマンガを映画化したものですが、原作は最初の5ページくらいしか読んでません。
 体長が悪いので、眠くなったら寝ちゃえばいーや、などと思いつつ、だらりと横になって観てたんですが、活目しました。
 チョーすげー。
 このマイケル・アリアス監督って、天才じゃないだろうか。
 彼はもともとCGに長けた技術者でもあり、この作品でも使用した素晴らしい「トゥーン・シェーダー」は、彼が開発し特許を取得したものらしいです。しかしいくら自分が開発した技術を使ったとはいえ、このクオリティは尋常じゃない。松本大洋の描くあの独特の世界が(一部違うとこもあったけど)、ほぼ完璧に動いてました。
 チョーすげー。
 とはいえ、目を見張るような新鮮さと気持ちよさは確かにあるんですが、リアルかというとちょっと違います。「トゥーン・シェーダー」だし。スラスラ動いてるんだけど、フツーのアニメーションとそんなに変わりません。逆に、動いてないのに動いているように見せかける(または、極力少ない労力で最高の効果を出している)一般的なアニメーション技術の完成度の高さを知りました。3Dにすると、人件費とか安くなるのかしら?
 いや、そんなことはどーでもいいんですよ。この映画のすげーところは、「トゥーン・シェーダー」だけじゃありません。
 クロとシロのミッシングピース的なあのなんというかグッとくるそのナニにドビャーですよ。離れ離れになったシロの叫びにドビャドビャーですよ。クライマックス直前の約束されていたスーパーサイヤ人化は不意打ではぐらかされた感じだったのでカタルシスなんてなかったんですけど、最後にクロが戻ってきてくれてドビャビャビャーですよ。
 これはアレですね。アムロの「僕にはまだ帰れる場所があるんだ。こんなにうれしいことはない」に通じるものがあります。孤独という名の悪魔との離別は、大きな少年たちの永遠のテーマです。
 すげー面白かったです。

 ちなみに、声優は本職以外の方が多かったです。いわゆる芸能人系です。
 クロの声は、ジャニーズ嵐の二宮和也メンバーでした。うそー!? って思うくらい良かったと思います。
 あと伊勢谷友介とか宮藤官九郎とか本木雅弘とか森三中とかが声当ててましたけど、そんなに違和感なかったです。
 ていうか、シロの声が蒼井優だということが未だに信じられません。嵐どころの騒ぎじゃありません。スタッフロールを見たときも、きっと見間違いだろうと思ってました。でも、ちゃんと確認しました。あの蒼井優で間違いないです。びっくりです。ちょっとクレヨンしんちゃんの声に似てましたが、感情表現、声質ともに完璧なクオリティでした。こりゃ本職の声優さんの仕事なくなるわ。


血とか肉とかすごい

2008年1月21日 月曜日
この記事の所要時間: 約 4分30秒

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を観てきました。立川のCINEMA TWOで。
 ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビでお送りする、ティム・バートンのティム・バートンらしいティム・バートン映画であり、ジョニー・デップなしではありえない、なにからなにまでティム・バートンな床屋映画です。
 さて。
 実はワタクシ、ティム・バートン監督が苦手であります。
 ティム・バートンはユニークで素晴らしい天才肌の監督だと認めていますが、ぶっちゃけ苦手なんです。
「マーズ・アタック!」は当然のこと、「ビッグ・フィッシュ」と「スリーピー・ホロウ」では途中で爆睡。ちゃんと観た「PLANET OF THE APES 猿の惑星」は残念映画だったし、「バットマン」シリーズはもう記憶にないし、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は好きですけどティム・バートンは監督じゃなくて原作と製作だけです。「チャーリーとチョコレート工場」はレンタルDVDを借りてきたのに観ないで返したし、「シザーハンズ」に至ってはレンタル屋で手に取ったことすらありません。
 単純に、好みの問題です。
 どっちかっていうと、ティム・バートンよりもサム・ライミ派なんです。発想はどちらも猟奇的でイカレてますが、”妙な雰囲気”よりも”妙な動き”が好きなんです。
 ちなみに、ミュージカルに関しては、嫌悪感を通り越して憎しみすら抱いてます。
「なんでいちいち歌うんじゃボケェェェェ!」「ちゃんとリアルにセリフ吐かんかぁぁぁぁ!」「歌ったって楽しくないんじゃぁぁぁッ!」なんて、大人げないようなことを思ってしまいます。額に血管を浮かべながら。
 ティム・バートンと、ミュージカル。
 どう考えても、観ない方がよさそうです。
 完全に好みに反しています。苦手+苦手の映画です。確実に寝るかキレるか、どちらかだと予想されます。
 でも、なんか惹かれるものがありました。
 放っておけないなにかがありました。
 ティム・バートンのティム・バートンらしいティム・バートンなミュージカル映画。それに、「フリート街の悪魔の理髪師」というブリティッシュ・ホラーの原作。そして、ジョニー・デップ。
「スリーピー・ホロウ」よりも、遙かにティム・バートンっぽいイカレた雰囲気が匂ってきます。
 だって床屋です。床屋の殺人鬼なんて、そんなにたくさんいないです。
 ジョニー・デップは、好きな役者です。ジョニー・デップの映画は観ておきたい。
 うーん。
 やっぱり観ておこう。
 内心悩みましたが、少なくとも、「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」よかマシだろう、と結論づけました。意外な援護射撃です。
 前置きが異様に長くて恐縮ですが、こんな事情のもと、観に行ったのです。

 はい。
 観に行ってよかったです。
 今年度サイコーの映画でした!
 いきなり若造が歌い出したときには思いっきり引いたんですけど、ジョニー・デップが歌うとすぐに映像に吸い込まれました。ものっそい吸引力です。ずびずば吸い込まれます。
 これはすごい。
 こんなイカレたミュージカルなら、観れる。
 これぞティム・バートン! これそジョニー・デップ!
 そんな映画でした。
 陰鬱な19世紀のロンドン。幽霊のようなキャラクター。復讐に取り憑かれた復讐鬼。ありえない肉の利用方法。先走る妄想。残酷な真実。こっけいな狂気。コメディなホラー。ティム・バートンだからこそ表現できるユニークな演出。
 R-15指定だけあって、血とか肉とかすごいですが、この映画には必要不可欠なので仕方がありません。
 卓越した映像センスによる異質な雰囲気に酔いしれる映画です。いきなり歌い出されても、実に自然です。歌ってない方が不自然なくらいです。
 いやあ、とてもよい映画でした。やっぱ映画はこうじゃなくっちゃ。
 サウンドトラックが欲しくなりました。でもジョニー・デップの歌声は入っているんでしょうか。全部入ってたら、もうほとんど映画そのものになりそう。
 面白かったです。
 この映画を観終わったあとは、みんなでミートパイを食べよう!

 ジョニー・デップの歌がヘタだという意見もありますが、ワタクシは声も表情もサイコーだと思います。彼はもともとミュージシャンですしね。
 そういえば、パイ屋の女主人役のヘレナ・ボナム=カーターが、さすがティム・バートンの伴侶だけあり、どこからどう見ても”ティム・バートンのホラー作品顔”で素晴らしく好ましかったんですけど、ずーっと大竹しのぶに似てるなー、なんて思ってたら、2007年2月に宮本亜門の演出で大竹しのぶ主演の舞台をやってたみたいです。「スウィーニー・トッド」をです。うわーびっくりした。なんかすげーシンクロニシティ。
 あと、判事役のアラン・リックマンが最初誰かわからず、便秘のような気分で観てたんですが、途中で”ハリー・ポッターの親父に苛められてた過去を持つネクラの暗黒先生”だとわかり、スッキリしました。
 ていうか、「ハリー・ポッター」シリーズに出演してる役者さんが3人も出てましたね。「ハリー・ポッター」の最終話とかティム・バートンが監督したら面白そう。
 あと、ジョアンナジョアンナ歌ってたアンソニー役のジェイミー・キャンベル・バウアーが、なんとなくマイケル・ジャクソンぽいサイボーグ顔なのが気になりました。鼻からビーム出そう。

方言とかギザヤバス

2008年1月20日 日曜日
この記事の所要時間: 約 1分40秒

「暗いところで待ち合わせ」を観ました。レンタルDVDです。
 田中麗奈主演。原作は乙一。
 静かで淡々とした映画です。実は原作をまだ読んでないんですが、乙一らしい、さわやかな悪意がチラリと見えるストーリー構成だったと思います。ただ原作を読んだ嫁の話だと、印象的なシーンが削られてたりしてたみたいですけど。
 ていうか、映像にするとわかりやすさのためにリアリティが削られ、いろいろと無理があったような気がしました。
 田中麗奈は、難しい役をよく演じてたと思います。
 井川遥のあのシーンは、度肝を抜かれるすんごいダッシュで思わず吹きました。なにあれ。
 なんか佐藤浩市が微妙な役でした。こんな役、よくOK出したなあ。
 あと、岸部一徳って本当に役の幅が広いなあ、と思いました。
 面白かったです。

 岸部一徳つながり、ってわけじゃないんですが、「フラガール」を観ました。こっちもレンタルDVDです。
 常磐ハワイアンセンター設立のお話です。
 昭和40年代の炭鉱を、見事な映像で構築していました。
 ストーリー的には、いわゆる「スウィングガールズ」みたいな、初めてだけど頑張って逆境を乗り越えて成功して終わる、という王道でベタなやつです。わかっちゃいるけど面白い、という典型的なパターンを、ぶれることなく、足を踏み外すことなく、絶妙なバランスで作ってます。
 肝心のフラダンスは、ちょっと微妙でした。ベリーダンスに魅力を感じないというか、ダイナミックさに欠けるというか、あんましすごいと思いませんでした。
 なぜか山崎静代(しずちゃん)ばかりクローズアップされてますが、蒼井優の可愛さが異常でした。ギザカワユスです。ヤバイです。方言とかギザヤバスです。
 スパリゾートハワイアンズ(元常磐ハワイアンセンター)に行きたくなりました。自宅から電車で3時間かかって6,510円。駅から送迎バスで15分。温泉で疲れを癒した後、帰りの電車でクタクタにくたびれそうです。
 面白かったです。

弥海砂は最強だと思います

2007年11月18日 日曜日
この記事の所要時間: 約 1分56秒

「デスノート」を観ました。レンタルDVDです。もちろん、アニメじゃなくて劇場版です。前編後編とも。主演は藤原竜也と松山ケンイチ。
 藤原竜也って役者は、トリップ役者というか、必要以上に役になりきるというか、役が憑依するというか、とてもユニークな役者だと思います。けっこーひとりで別次元行っちゃって浮いてることもあります。でも今回は、わりと肩の力が抜けてたように見えました。抜けすぎだったような気もしますが。
 Lの松山ケンイチは、コスプレ的に役になりきってて良かったと思います。彼はこれから期待できる役者だと思います。
 リュークの声が中村獅童とはびっくりしました。てっきり一流の声優さんかと。
 戸田恵梨香は……ちょっと……これは……どうなんでしょうか。
 鹿賀丈史は、さすがの存在感。藤村俊二もちょい役なれど、雰囲気出てました。
 瀬戸朝香が、意外に女優っぽい存在感と演技を見せてくれて驚きました。

 というわけで、前編の「デスノート」。127分。
 引き込まれているうちに終わりました。
 そして後編の「デスノート the Last name」。140分。
 やたら長かったような気がします。
 けれど、あれだけの物語を、よく4時間ちょいでまとめあげたものです。

 原作(というか絵)の清潔感というか綺麗感がうまく出てました。ライトの部屋とか、Lの秘密基地とか。ライトの藤原竜也とLの松山ケンイチを含め、雰囲気はバッチリでした。
 死神のCGは、違和感がないといったら嘘になりますが(特に動きと声)、わりと巧く溶け込んでた方じゃないでしょうか。つか、もともと存在自体が反則なんで、違和感があった方が良いのかも。
 ライトの策は、原作だともっとかしこかったような気がするんですけど、こんなもんでしたっけ? 騙し合いによるギリギリの緊迫感や、出し抜いた感が、原作ほどなかったような気がします。
 最後はとても巧い着地だったと思います。原作のL編だけを持ってきて、見事に自滅させてました。時差のある相打ちというのも、余韻を残す良い終わり方だと思います。
 それにしても、死神に翻弄されたライトやLに比べ、死神を2体も殺した弥海砂は最強だと思います。
 面白かったです。


 邦画DVDにしては、破格の安さな気がします。売れてるからかな。

箕輪はるかの鼻水

2007年11月5日 月曜日
この記事の所要時間: 約 2分4秒

「クワイエットルームにようこそ」を観てまいりました。原作・脚本・監督は、松尾スズキ。主演は、内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、大竹しのぶ。あとお笑いコンビのハリセンボン。例によって塚本晋也と庵野秀明としりあがり寿も出てました。
 劇場は、立川のCINEMA CITYです。
 ものすごい行列ができてて、なにかと思ったら、「恋空」でした。今、求められている商品がどんなものなのかが、よくわかりました。
 さて、それはともかく。
「クワイエットルームにようこそ」は、とても面白かったです。
 松尾スズキ初監督作品の「恋の門」がとても面白くて気に入っていたので、長編二作目である今作も観に行ったんですけど、期待以上の作品でした。絶妙なバランス感覚。「クローズZERO」といい、邦画はまだまだ捨てたもんじゃないですよ。
 いきなり庵野監督が白衣着て出てきて血を吐いて倒れたときにはどーしようかと思いましたが。
「恋の門」とは違って、演劇的な雰囲気でした。主な場面が精神病院の限られた場所だけなところが。
 現実とはどこか異質な世界に凝縮される、ヘンテコな人間模様。コメディタッチだけど、深いとこまで潜り込んできます。
 上手く生きられない自分自信を振り返らないように見ないようにしてきたのに、外因的にも追いつめられて、おかしくなっていく。見失っていく。見えなくなっていく。閉じこめられて、突きつけられて、やっと気づく。そして、再生。以前とは、ちょっと違って見える現実。
 主人公の内田有紀が、とても良かったです。不潔で自堕落な役どころも、元が綺麗なので嫌悪感がありません。ゲロ吐いても、おぞましい蕁麻疹まみれになっても、目を逸らすことなく観ていられました。踵を鳴らせないドロシー。精神病院は、彼女にとって迷い込んだオズの国でした。
 大竹しのぶは強烈な上にリアリティがあってすんごかったんですが、ハリセンボン箕輪はるかの鼻水もすごかったです。ハリセンボン近藤春菜の方は、どこに出てたのかいまいち釈然としません。
 なんか平岩紙という娘がお気に入りになりました。劇団大人計画の団員で、紙という名前も松尾スズキが付けたみたいです。
 もう塚本晋也監督は役者で良いいと思います。同じように、松尾スズキも映画監督で良いと思います。宮藤官九郎なんて、妻夫木聡よりも巧く完璧に演じてました。
 つか、けっこー天はひとに二物も三物も与えてますよね。
 ゼロ物のひともいますが。
 泣きそう。

三池監督でよかったわー

2007年11月2日 金曜日
この記事の所要時間: 約 4分9秒

「クローズZERO」を観てまいりました。原作は、高橋ヒロシ。監督は、三池崇史。主演は、小栗旬 、山田孝之。
 劇場は、新宿三丁目の、新宿バルト9というところでした。
 初めて行きました。真新しい劇場で、マルイシティの上にあり、日本で初の全館デジタル設備だそうです。
 実際に、すんごいロビーがゴージャスというか、綺麗で広くて整ってました。なにこの貴族の館、みたいな。
 そういえば、作品のせいだと思うんですが、客層がなんとなくそれっぽくて面白かったです。黒系の服が多いというか。サングラスっぽい眼鏡も似通ってました。
 その中で、浮いてましたけどね。このハゲのオッサンは。
 シアターの中もよくできていて、前の席との間に余裕があって、とてもリラックスして観れました。これなら「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を一気に観ても……いや一気は無理です。
 画面が観安く、素晴らしい劇場だと思います。音も必要以上にすごかったです。
 ただ、場所のせいか作品のせいかわかりませんが、やたら上映中に席を立ち、階段を行き来するひとが多くて辟易しました。せめてかがんで歩いて欲しい。堂々と背筋伸ばして通らないで欲しい。見えないってば。
 あと、やたらポップコーン(特大)持ってるひとが多かったです。
 そういや、狙ってたわけじゃないんですが、毎月1日は映画の日なので1,000円でした。

 さて。
「クローズZERO」。
 いやあ。
 三池節全開バリバリMAXでした。
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」とは違う、三池監督の強烈な映像暴力が炸裂してました。
 これぞ「クローズ」。
 原作ファンは、大満足だったんじゃないでしょうか。
 家にある原作全26巻を読破してから観に行ったんですけど、正解でした。
 ヒロミ、ポン、マコが、ちょい役ながらも良い味だしてました。この頃から解説役なのか、みたいな。マコはちょっと練馬の某ラッパーに似ててアレでしたが。
 でも、阪東はあんなに可愛らしい顔してないと思いました。
 さて。
「クローズZERO」は、原作の1年前が舞台です。
 鈴蘭を舞台に、喧嘩が暴発しまくります。
 喧嘩の演出やカメラワークは、三池監督でよかったわー、と思うくらい、派手で説得力のあるド迫力な映像でした。
 とにかく、小ネタを含め随所で、三池監督でよかったわー、と思いました。軽いギャグも秀逸です。
 監督が良いのはわかってたんですが、役者も良かったです。
 今まで若手のイケメン役者って敬遠してたんですけど、小栗旬がとってもカッコよかったです。惚れちゃいそうです。個人的には、某キンキの正直しんどい方に似てる山田孝之が好みでした。表情や演技も含めて。
 黒木メイサは、クローズで女? いらないじゃん? とか思ってたんですが、わりと自然な形でストーリーに入ってきましたし、世界観を崩さない程度にいい雰囲気を出してました。
 ちょい役でも、遠藤憲一や岸谷五朗が良い味出してました。リアリティのある存在感、そして独特の緊張感があり、作品の脇をピシッと締めてました。
 つか、やべきょうすけ。おいしいところを全部持って行ってた気がします。さすが原作者を口説き落として映画制作にまでもっていった男です。気迫が違いました。情けない役ですが、最初から最後までサイコーでした。
 とどめは、牧瀬役の高橋努。新人の役者さんでしょうか。並々ならぬものを感じました。思わず目を逸らしたくなる怪演というか怪演出。半笑いで涙目になりました。あのシーンの汗と表情と恥ずかしさとバカっぽさは、伝説に残ると思います。
 高岡蒼甫と桐谷健太だけは、ちょっと浮いてたような気がします。
 原作者の高橋組のみなさんが、主人公チームに金属バットを渡してたような気がするんですけど、気のせいでしょうか。
 どうでもいいですが、この映画観るとやたら煙草が吸いたくなるので、未成年は観ちゃいけないと思います。
 あと、音楽の使い方が巧いと思いました。ここぞ! ってとこで、雰囲気の合う曲がガッ! と挿入されます。
 サントラ買っちゃうかも。横道坊主も入ってるし。劇中は、THE STREET BEATSが出まくってました。黒木メイサの曲も、効果的だったと思います。
 というわけで、「クローズZERO」。
 個人的には、三池監督の代表作といってもいいくらいの、素晴らしい作品だと思います。
 ちゃんと、原作をわかって作ってる。原作に対してのリスペクトが感じられました。
 その証拠が、ラストシーン。
 それまでの映画の流れを全否定してしまう、衝撃のラストシーン。
 原作ファン、間違いなく涙目。
 そうだよ。そうなんだよ。そーでなくっちゃ!

 この作品に1,000円は失礼な気がするので、DVDが出たら買おうと思います。



(さらに…)